72分。12トラック。共同制作者なし。ノエル・ギャラガーがOASISの壮大な3rdアルバム「Be Here Now」について語る。
「D'You Know What I Mean?」
何か深い意味をもったコーラスをいれようと考えたんだけど、曲にぴったりのものが思いつかなくてね。だから「All my people right here, right now. D'You Know What I Mean? Yeah, Yeah(今ここにいるみんな、俺の言ってることがわかるよな?)」にしたんだ。あまりに曖昧すぎて意味もわかんねえだろ。その通りさ。鏡を見ながら、これを口ずさんでウインクでもすれば、クールに決まるね。それと「Coming in a mess, going out in style(混乱に飛び込んで、堂々と出て行く)」という部分は自分でも気に入ってる。マンチェスターのクズだった俺達が、今ではロールスロイスで出かける身分だろ。バックで聞こえるモールス信号は「Strawberry Fields Forever」に影響されてる。コードブックを手に入れて、「Don't look back cos you know what you might see(後ろを振り向くな、何を見ることになるかわかってるんだろう)」の後に、答えとして「なんにも」と打ち込んだ。
でもこの歌詞の意味を知っているやつがいたらぜひ教えてくれ。酔っぱらって書いたからさっぱりわかんねえんだ。
「My Big Mouth」
「Into my big mouth you could fly a plane(俺の大口の中になら、飛行機だって飛ばせるぜ)」。時々、自分が書いた歌詞なんてどうでもよくなっちまうんだよな。
まあ、でも「I ain't never spoke to God/I ain't never
been to heaven(神様と話したことなんてないし、天国にも行ったことはない)」。ここは、もしジョン・レノンと電話で話せたらと考えながら書いた歌詞だ。この歌詞の意味はレノンと俺達が知ってるってことさ。自分のヒーローに会うと、みんなろくに考えもせずにしゃべりまくるだろ、彼らにとっちゃ、唯一最後の瞬間だからな、必死さ。思いもかけないところでばったり出くわすと、こうだ(口を開けてうつろな表情をする)。
「Magic Pie」
俺が歌ってる曲。もちろん、リアムと口論した後にさ。
「どうして俺が歌っちゃいけねえんだよ?」
「わかった、じゃあ俺がFade In/Outを歌おう」
「だめだ、あれも俺が歌うんだ」。
あいつも好きな曲なんだよ。最初の歌詞、「An extraordinary guy/Can never have an ordinary day(普通じゃない男に、普通の一日なんてありえない)」は、リアムの「お前さ、どうして俺と一緒に楽しもうとしねえんだ?」への返答さ。それと昨年秋のトニー・ブレアのスピーチからもちょっと影響されてるな(「There are but a thousand days
preparing for a thousand years(これから来る1000年のために、私の1000日はあるのです)」)。
サイケデリックなハーモニーだろ。最後の方では、ビートルズがアビー・ロードでのセッションの時に使ったメロトロンでジャジーなものにしてある。俺がキーボード上で肘を滑らしたら、ああいうイカれた音が出てきて、みんな大笑いさ。「magic pie」っていう言葉は俺が辞書で言葉を捜してるときに出てきたんだ。「i」で終わる言葉を探してたら、「magpie」って言葉があったんだけど、最初見た時その単語が「magic pie」に見えてね。結果的にこの言葉から色んなことを連想して書きあげた。
----------------
どうして「Stay Young」がこのアルバムに入っていないのかを尋ねると、ノエルはこう答えた。
「B面用の曲をレコーディングしていて、Magic PieとStay Young、どちらをアルバムにいれようか迷ったんだ。で、結局Magic Pieにした。なぜって?俺が歌ってるからさ!」。
「Stand By Me」
「Made a meal and threw it up on Sunday(日曜日に飯を作ったら、吐いちまった)」で、始まる曲。俺がロンドンに移り住んで間もない頃、おふくろがひきりなしに電話をかけてきて、ちゃんと食べてるか聞いてくるんだよ。そう、想像通りだ。おふくろから注意された俺は、イギリスの日曜日にゃ欠かせないローストを作り、食中毒になって2日間吐き続けたわけ。それからはカップヌードル生活に逆戻り。俺からすれば、少し雰囲気が「Live Forever」に似てる。バックグラウンドに「All The Young Dudes」の影響があるね。確かにコードは変えたはずなんだけどなあ。
「I Hope, I Think, I Know」
この曲をアルバムに入れたのは、単にバランスを考えてのことだ、スピード感がありすぎるくらいあるだろ?デモは好みだったんだけど、今になるとあまりにポップすぎるし、うるさい。冷めたね、悟りの境地さ。つまりこの曲は「Morning Glory」にとっての「Hey Now」みたいな存在になるだろう。つまり誰も気にかけないってことだな。
「The Girl In The Dirty Shirt」
よくわかったな、「汚いシャツをつけた女の子」っていうのはメグのことだ。まだちゃんとは付き合ってないころに、ブライトンに二人でギグを見に行ったんだ(1994年12月29日のことか)。そしたら待ち合わせたホテルに、メグはアイロンしたばかりの汚いシャツを着けて待っていた。十分に服を持ち合わせてなかったんだろうな。これまでに俺が書いた歌詞と比べると、ちょっと女々しい感じだ。リアムはこう思ってるに違いないぜ、「このくそったれ!」、俺が書く歌詞は全て自分についてだと思い込んでるからな。「WonderWall」ですら自分のことだと思ってるんだ。だからきっとこう言ってくるぞ。「本当は、汚いシャツを着けた俺のことを歌ってるんだろう、ただ恥ずかしいから口に出さないだけなんだよな」。コード展開はBeatlesの「Cry Baby Cry」からそのままとった。でもSmall Facesの「the Wurlitzer」みたいな出来になったね。
「Fade In-Out」
この曲の最初の部分は、ジョニー・デップと一緒に作ったデモからとったんだ。彼がスライドギターを弾いてね。俺は好きだよ。初めて書いたブルースだし、リアムの声は今までに聴いたことがないくらい最高だ。限界まで出すようにけしかけたのさ、「メンフィスから来た黒人になったつもりで歌え」ってね。あいつにはリズム感が全く無いから、歌ってる間は足踏みをさせてリズムをとらせた。レコーディングした1週間後にはもう歌えなくなってたけどね。最後に聴こえる叫びは、まさに俺達が最後に力を振り絞って作ったもの。クリスマスに、俺とメグはマスティク島に戻ったんだ。俺は簡単にミキシングしたデモも持っていった。どこか物足りなさを感じていて、でもそれが何か分からずいらいらしていたんだよ。ある朝、メグが先に起きていて、俺はウォークマンをONにしてベッドに残っていた。そしたらあの叫びだろ。彼女は俺がまたドラックキメてやばい状態になったと思ったらしい。「ああごめん、デモを流してたんだよ」ってさ。だからティーンエイジャーが元気に跳ね回るような曲じゃないと思う。(コックニー訛りで)「飛ばしてよ、そんな曲」。ジョニー・デップが参加してることを知って初めて聴く気になるのさ。ハリウッドスターをアルバムに迎えてるなんて、どう受け止められるのかな。でも彼に出会えてよかったよ。そうじゃなきゃ、どっかの太った年寄りを摑まえなきゃいけなかったからな。そうなったら76年のエリック・クラプトンのコンサートでプレイしたことをうだうだ聞かされて、さらに1ヶ月は続くんじゃないかと思うくらい長々と続くスライドギターのソロだ。
「Don't Go Away」
「親しい人を失いたくない」という気持ちを前面に出したとても悲しい曲。朝の8時半くらいにふと頭に浮かんだんだ、レコーディングを始めるまでこんな歌詞は出てきたことも無かったのにね。「Me and you, what's going on?/ All we seem to know is how to
show/ The feelings that are wrong(俺とお前、一体どうしてしまったんだろう?俺達が知っているのは、間違った感情をさらしだすことだけみたいだ)」。喧嘩した後の気持ち。とても荒んでる。バート・バカラックのホーンを挿入したんだ、彼はこういう心が張り裂けそうな曲を作り上げる名人なんだよ。ストリングのアレンジは全て俺がやった。できるだけシンプルなものに仕上げるようにね。マーク・ボランが「Children Of The Revolution」みたいなアレンジが好きなんだ。あのフックラインはみんなの記憶に残ってるだろ?つまり過度に感傷的にしちゃいけないのさ。
「Be Here Now」
ジョニー・デップとケイト・モスが滞在してたミック・ジャガーの家がきっかけだった俺達がビーチで歩いてたら、ミック・ジャガーの子供のものだろう、プラスチック製のおもちゃのピアノがあったんだ。この曲のオープニングはその音で始まる。俺が弾いてるんだけど、2時間ほど同じキーばかり叩いてたら、メグが「いい加減にしてよ!」ってキレちまってね。オルガンもパクッてきたんだ、俺はバーニッジ出身だからこの手癖の悪さはどうしようもねえな。ミックが文句を言ってきたら、すぐに返してやるけど。それで家に戻って、オーウェン・モリスとドラムループについて話し合ってたら、彼が「Honky Tonk Woman」の始まりはどうだと提案してきたんだ。それをプレイして、そのままピアノのリズムにした。早速曲を書き上げたよ。この曲の最初と最後に感じられるストーンズの影響がたまらねえよな。
「All Around The World」
かなり昔に書いた曲。「Whatever」よりも前だ。その時は12分もあった。レコーディングが可能かどうかが問題になったけど、36人編成のオーケストラと一緒に切り抜けたんだ。曲が良い限り、長ければ長いほど良いというのが、俺の考えさ。他のやつらがどう言うかはわかってるけど、全くもってどうでもいいね。歌詞は繰り返してばかりだが、コードは3回変わってるんだ。「Hey Jude」が、3回のコードチェンジでどんなに素晴らしいものになったか思い出してみろよ。あの時代にあんなことを成し遂げたなんてすげえよな。どうしてこの曲をファーストシングルにしなかったんだろうな?俺達のファーストはあの「ジン・アンド・トニック」だぜ。
「It's Getting Better (Man!!)」
昨年のアメリカツアー中に、ステージの上でメンバーとジャムしながら作ったんだ。余計なものが色々入ってるけど、メロディがはじけてるだろう。俺達はいつもBeatlesと比較されるから、たまにはストーンズっぽい曲も書いてみたかったんだ。見えるだろう、煙草をふかしたキースとロニーの姿が。
「All Around The World (Reprise)」
ギターラインを使い尽くしちまったから、ギターは後ろで聞こえる程度にした。最後に聞こえる足音は、スリーブのデザインを担当したブレイン・キャノンのものだし、それにバタンとドアの閉まる音。こういうことをしたのって俺達が初めてだろう、当然だ。それにペニー・レイン・ピッコロのトランペットが入ってるけど、これはブラス・セクションの1人が立ち上がって「ここには、ピッコロのトランペットを入れたほうがいい。俺が持ってくるよ」と言ったんで、家まで送って取りに行かせたんだ。それを使ったんだろう。
「D'You Know What I Mean?」
何か深い意味をもったコーラスをいれようと考えたんだけど、曲にぴったりのものが思いつかなくてね。だから「All my people right here, right now. D'You Know What I Mean? Yeah, Yeah(今ここにいるみんな、俺の言ってることがわかるよな?)」にしたんだ。あまりに曖昧すぎて意味もわかんねえだろ。その通りさ。鏡を見ながら、これを口ずさんでウインクでもすれば、クールに決まるね。それと「Coming in a mess, going out in style(混乱に飛び込んで、堂々と出て行く)」という部分は自分でも気に入ってる。マンチェスターのクズだった俺達が、今ではロールスロイスで出かける身分だろ。バックで聞こえるモールス信号は「Strawberry Fields Forever」に影響されてる。コードブックを手に入れて、「Don't look back cos you know what you might see(後ろを振り向くな、何を見ることになるかわかってるんだろう)」の後に、答えとして「なんにも」と打ち込んだ。
でもこの歌詞の意味を知っているやつがいたらぜひ教えてくれ。酔っぱらって書いたからさっぱりわかんねえんだ。
「My Big Mouth」
「Into my big mouth you could fly a plane(俺の大口の中になら、飛行機だって飛ばせるぜ)」。時々、自分が書いた歌詞なんてどうでもよくなっちまうんだよな。
まあ、でも「I ain't never spoke to God/I ain't never
been to heaven(神様と話したことなんてないし、天国にも行ったことはない)」。ここは、もしジョン・レノンと電話で話せたらと考えながら書いた歌詞だ。この歌詞の意味はレノンと俺達が知ってるってことさ。自分のヒーローに会うと、みんなろくに考えもせずにしゃべりまくるだろ、彼らにとっちゃ、唯一最後の瞬間だからな、必死さ。思いもかけないところでばったり出くわすと、こうだ(口を開けてうつろな表情をする)。
「Magic Pie」
俺が歌ってる曲。もちろん、リアムと口論した後にさ。
「どうして俺が歌っちゃいけねえんだよ?」
「わかった、じゃあ俺がFade In/Outを歌おう」
「だめだ、あれも俺が歌うんだ」。
あいつも好きな曲なんだよ。最初の歌詞、「An extraordinary guy/Can never have an ordinary day(普通じゃない男に、普通の一日なんてありえない)」は、リアムの「お前さ、どうして俺と一緒に楽しもうとしねえんだ?」への返答さ。それと昨年秋のトニー・ブレアのスピーチからもちょっと影響されてるな(「There are but a thousand days
preparing for a thousand years(これから来る1000年のために、私の1000日はあるのです)」)。
サイケデリックなハーモニーだろ。最後の方では、ビートルズがアビー・ロードでのセッションの時に使ったメロトロンでジャジーなものにしてある。俺がキーボード上で肘を滑らしたら、ああいうイカれた音が出てきて、みんな大笑いさ。「magic pie」っていう言葉は俺が辞書で言葉を捜してるときに出てきたんだ。「i」で終わる言葉を探してたら、「magpie」って言葉があったんだけど、最初見た時その単語が「magic pie」に見えてね。結果的にこの言葉から色んなことを連想して書きあげた。
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どうして「Stay Young」がこのアルバムに入っていないのかを尋ねると、ノエルはこう答えた。
「B面用の曲をレコーディングしていて、Magic PieとStay Young、どちらをアルバムにいれようか迷ったんだ。で、結局Magic Pieにした。なぜって?俺が歌ってるからさ!」。
「Stand By Me」
「Made a meal and threw it up on Sunday(日曜日に飯を作ったら、吐いちまった)」で、始まる曲。俺がロンドンに移り住んで間もない頃、おふくろがひきりなしに電話をかけてきて、ちゃんと食べてるか聞いてくるんだよ。そう、想像通りだ。おふくろから注意された俺は、イギリスの日曜日にゃ欠かせないローストを作り、食中毒になって2日間吐き続けたわけ。それからはカップヌードル生活に逆戻り。俺からすれば、少し雰囲気が「Live Forever」に似てる。バックグラウンドに「All The Young Dudes」の影響があるね。確かにコードは変えたはずなんだけどなあ。
「I Hope, I Think, I Know」
この曲をアルバムに入れたのは、単にバランスを考えてのことだ、スピード感がありすぎるくらいあるだろ?デモは好みだったんだけど、今になるとあまりにポップすぎるし、うるさい。冷めたね、悟りの境地さ。つまりこの曲は「Morning Glory」にとっての「Hey Now」みたいな存在になるだろう。つまり誰も気にかけないってことだな。
「The Girl In The Dirty Shirt」
よくわかったな、「汚いシャツをつけた女の子」っていうのはメグのことだ。まだちゃんとは付き合ってないころに、ブライトンに二人でギグを見に行ったんだ(1994年12月29日のことか)。そしたら待ち合わせたホテルに、メグはアイロンしたばかりの汚いシャツを着けて待っていた。十分に服を持ち合わせてなかったんだろうな。これまでに俺が書いた歌詞と比べると、ちょっと女々しい感じだ。リアムはこう思ってるに違いないぜ、「このくそったれ!」、俺が書く歌詞は全て自分についてだと思い込んでるからな。「WonderWall」ですら自分のことだと思ってるんだ。だからきっとこう言ってくるぞ。「本当は、汚いシャツを着けた俺のことを歌ってるんだろう、ただ恥ずかしいから口に出さないだけなんだよな」。コード展開はBeatlesの「Cry Baby Cry」からそのままとった。でもSmall Facesの「the Wurlitzer」みたいな出来になったね。
「Fade In-Out」
この曲の最初の部分は、ジョニー・デップと一緒に作ったデモからとったんだ。彼がスライドギターを弾いてね。俺は好きだよ。初めて書いたブルースだし、リアムの声は今までに聴いたことがないくらい最高だ。限界まで出すようにけしかけたのさ、「メンフィスから来た黒人になったつもりで歌え」ってね。あいつにはリズム感が全く無いから、歌ってる間は足踏みをさせてリズムをとらせた。レコーディングした1週間後にはもう歌えなくなってたけどね。最後に聴こえる叫びは、まさに俺達が最後に力を振り絞って作ったもの。クリスマスに、俺とメグはマスティク島に戻ったんだ。俺は簡単にミキシングしたデモも持っていった。どこか物足りなさを感じていて、でもそれが何か分からずいらいらしていたんだよ。ある朝、メグが先に起きていて、俺はウォークマンをONにしてベッドに残っていた。そしたらあの叫びだろ。彼女は俺がまたドラックキメてやばい状態になったと思ったらしい。「ああごめん、デモを流してたんだよ」ってさ。だからティーンエイジャーが元気に跳ね回るような曲じゃないと思う。(コックニー訛りで)「飛ばしてよ、そんな曲」。ジョニー・デップが参加してることを知って初めて聴く気になるのさ。ハリウッドスターをアルバムに迎えてるなんて、どう受け止められるのかな。でも彼に出会えてよかったよ。そうじゃなきゃ、どっかの太った年寄りを摑まえなきゃいけなかったからな。そうなったら76年のエリック・クラプトンのコンサートでプレイしたことをうだうだ聞かされて、さらに1ヶ月は続くんじゃないかと思うくらい長々と続くスライドギターのソロだ。
「Don't Go Away」
「親しい人を失いたくない」という気持ちを前面に出したとても悲しい曲。朝の8時半くらいにふと頭に浮かんだんだ、レコーディングを始めるまでこんな歌詞は出てきたことも無かったのにね。「Me and you, what's going on?/ All we seem to know is how to
show/ The feelings that are wrong(俺とお前、一体どうしてしまったんだろう?俺達が知っているのは、間違った感情をさらしだすことだけみたいだ)」。喧嘩した後の気持ち。とても荒んでる。バート・バカラックのホーンを挿入したんだ、彼はこういう心が張り裂けそうな曲を作り上げる名人なんだよ。ストリングのアレンジは全て俺がやった。できるだけシンプルなものに仕上げるようにね。マーク・ボランが「Children Of The Revolution」みたいなアレンジが好きなんだ。あのフックラインはみんなの記憶に残ってるだろ?つまり過度に感傷的にしちゃいけないのさ。
「Be Here Now」
ジョニー・デップとケイト・モスが滞在してたミック・ジャガーの家がきっかけだった俺達がビーチで歩いてたら、ミック・ジャガーの子供のものだろう、プラスチック製のおもちゃのピアノがあったんだ。この曲のオープニングはその音で始まる。俺が弾いてるんだけど、2時間ほど同じキーばかり叩いてたら、メグが「いい加減にしてよ!」ってキレちまってね。オルガンもパクッてきたんだ、俺はバーニッジ出身だからこの手癖の悪さはどうしようもねえな。ミックが文句を言ってきたら、すぐに返してやるけど。それで家に戻って、オーウェン・モリスとドラムループについて話し合ってたら、彼が「Honky Tonk Woman」の始まりはどうだと提案してきたんだ。それをプレイして、そのままピアノのリズムにした。早速曲を書き上げたよ。この曲の最初と最後に感じられるストーンズの影響がたまらねえよな。
「All Around The World」
かなり昔に書いた曲。「Whatever」よりも前だ。その時は12分もあった。レコーディングが可能かどうかが問題になったけど、36人編成のオーケストラと一緒に切り抜けたんだ。曲が良い限り、長ければ長いほど良いというのが、俺の考えさ。他のやつらがどう言うかはわかってるけど、全くもってどうでもいいね。歌詞は繰り返してばかりだが、コードは3回変わってるんだ。「Hey Jude」が、3回のコードチェンジでどんなに素晴らしいものになったか思い出してみろよ。あの時代にあんなことを成し遂げたなんてすげえよな。どうしてこの曲をファーストシングルにしなかったんだろうな?俺達のファーストはあの「ジン・アンド・トニック」だぜ。
「It's Getting Better (Man!!)」
昨年のアメリカツアー中に、ステージの上でメンバーとジャムしながら作ったんだ。余計なものが色々入ってるけど、メロディがはじけてるだろう。俺達はいつもBeatlesと比較されるから、たまにはストーンズっぽい曲も書いてみたかったんだ。見えるだろう、煙草をふかしたキースとロニーの姿が。
「All Around The World (Reprise)」
ギターラインを使い尽くしちまったから、ギターは後ろで聞こえる程度にした。最後に聞こえる足音は、スリーブのデザインを担当したブレイン・キャノンのものだし、それにバタンとドアの閉まる音。こういうことをしたのって俺達が初めてだろう、当然だ。それにペニー・レイン・ピッコロのトランペットが入ってるけど、これはブラス・セクションの1人が立ち上がって「ここには、ピッコロのトランペットを入れたほうがいい。俺が持ってくるよ」と言ったんで、家まで送って取りに行かせたんだ。それを使ったんだろう。
