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Noel Gallagher - SMH - 2008/10/03

OASISのギタリスト以上に、この話題にふさわしい人物がいようか。
ノエル・ギャラガー、「名声」について語る。


この15年間、音楽はもちろんのこと、発する言葉、成す行動、その全てが大きく取り沙汰されてきた男。特に英国では、彼への評価は二つに分かれる。a)人間国宝、b)場にふさわしくない発言をする危ういじいさん。

あなたがどちら側につくかはともかく、彼を「つまらない」と評価するものはいないことは確かだ。

「今の立場について思い悩んだことなんて一度もないね。どちらかと言えば、有名でいるってことを楽しんでるんだ。最高だぜ」。肩をすくめつつ、41歳になるノエルはそう話した。

「この仕事には付き物だと思ってる。音楽で成功しつつ、かつ無名でいたいなんて無茶な話だぜ、頭がどうにかしてる。ロックンロールバンドに入ったんなら、 一般人の生活はあきらめろ。Kraftwerkとかそういうのにいるんなら話は別だけどさ。リアムの中では未だ解決できてないみたいだけどな」。

実はリアム・ギャラガー、The Times誌にて次のように話しているのだ。

「ノエルは有名人でいることを楽しんでる。目立ちたいのさ。でも俺は違う。俺は普通の有名人がやってることはやらねえ。イベントにも行かねえんだ。俺はバンドの中で音楽を作ってギグが出来れば、その他のことなんてどうでもいいんだよ」。

もちろん、数週間前に起こったトロントでの事件以降、ノエルの考え方は変わっているかもしれない。

9月7日トロントで行われたVirgin Festivalで、47歳の「ファン」に後ろから突き飛ばされた彼は3本の肋骨を骨折する重傷を負ったのだ(Youtubeの映像を見ればわかるだろう が、リアムは拳を振り上げ、参戦する構えを見せたものの、結局何もせずに終わった。90年代、彼らのドラッグ全盛期であれば、ギャラガー家の弟は、乱入者 をぶちのめしていたことだろう)。

つまり、ギャラガー兄弟はどちらとも変わったのだ。ノエルは9ヶ月になる息子ドノヴァンと8歳になる娘アナイスの父親であり、一方のリアムにも2人の息子と1人の娘がいる。

90年代に、どうやったか不思議ではあるが名作アルバムを2枚リリースし、ドラッグを可能なだけ食べて回ったフーリガン兄弟では、もうないのだ。そして今 でも名声を保っている(NMEなどは、ウェブサイトでニューアルバム発売のカウントダウンをするほどだ)。アルバムが、商業的にも評価的にも最初の2枚に 及ばなくなった今でもだ。

OASISのニューアルバム「Dig Out Your Soul」はついに、ビートルズのコピバンとの評価を覆すことになるかもしれない。王道となっていたギターを取っ払い、ストーン・ローゼズのような陶酔感 を手に入れた。歌詞の面でも深みを増しており、アルバムから感じられるのは、宗教や精神観といったテーマだ。

「面白いのは、どの歌詞も似通ってるってことなんだよな。神にイエス、光に歓喜、そして天使」と話すノエル。

「これは全くの偶然なんだよ。だって俺達が一緒に曲を書くことはないし、何について書くか話し合うこともしないからなんだ、そんなことしたらレディオヘッドになっちまうからな」。

しかし方向性の転換が見られるからと言って、ニューアルバムで自分の居心地の良い場所から抜け出す努力をしたのかと尋ねると、彼はすぐに否定する。

「俺はバンドがこう話すのは聞いてらんねえんだ、『今回のアルバムではいつもの立ち位置から脱しようと試みたんだ』。一体どういう意味だ?ゲームじゃねえ んだぜ。魂から出てくるものだ、音楽ってのはそいつの人間性なんだよ。テストじゃない。大学出ってのはいつだって自分の居場所から抜け出そうとしやがる。 だから俺はいつも言ってきたのさ。『俺はワーキングクラスだ。15年かけてこの場所を築き上げてきた。どこの間抜け野郎が何と言おうと、俺は絶対ここから 出て行くつもりはないぞ』ってね」。

ノエルは、マンチェスターの中でも荒れているといわれるバーニッジで、ギャラガー家の次男として生まれた。

酒に酔った父親には、長男のポールと共に日常的に暴力を振るわれたという。しかし今日では、幼い頃に受けた暴力については特に何も思うことはないというノエル。彼が言うには、その地域では暴力は「一般的」なことで、「順応していった」のだそうだ。

母親のペギーは、息子達が大きくなった頃を見計らって離婚し、今では3人の息子達のいずれも、父親のトーマスとは連絡を断っている状態だ。

ノエルに、ツアーのために長期間父親がいなくなることは、子供にとって辛いのではと尋ねると、ノエルは首を横に振った。

「わかるかな、俺は父親が毎日家にいる家庭で育ったが、それでこの有様だ。子供達はちゃんと理解してるさ、うん、娘はわかってる、パパは仕事に行く、2年 はいなくなるんだってね。息子はまだ9ヶ月だから理解もクソもねえだろ、だが娘の方は、俺が1年半は家にいるが、その後2年間は世界を回るってことをわ かっている。そしてやつらは金持ちのパパの元に生まれたから、17歳の誕生日には立派な車を手に入れるのさ」。そう言って、ノエルは笑って見せた。

そして、今回の子育ては、前とは全く違う体験だと話す。

彼の話では、娘のアナイスが生まれた頃は、すでに妻のメグと離婚の危機にあり、ブリットポップの終わりも近づき、その結果として全てが終わりに近づいてい たのだそうだ(ノエルが言うには、メグと共にドラッグをやめた時、「話すことが何もない」ことに気づいて離婚したのだとか)。

「最高だよ、男の子を持つってのは。つまり息子、後継者だな。あいつは良い。本当に、本当に素質があるんだ。先が楽しみだよ。だってさ、娘といったら子馬だ何だっていかにも女の子ってのばかりに夢中で、俺は『OK。好きにやってくれ』って感じだもんな」。

そう言ってお手上げのポーズをするノエル。

「その分、男ってのは良いね。フットボール、それにできたら音楽にも興味を持ってくれたら嬉しい。ギターを受け継いでくれたらと思ってね、うちの娘が興味を持つとは思えねえからな。あいつの興味はコンピュータとガールズ・アラウドだ」。

実際、テクノロジカルなことを娘に相談することもあるという。

「コンピュータが得意なんだよ、こんな感じでカタカタカタカタ。何をやってるのか俺にはさっぱりわからない」。

もちろんそんな彼は、ネットを使って、1曲ずつダウンロードすることには批判的だ。

「アルバムに込められた思いが全て水の泡だと思わないか?今ホワイト・アルバムを発売してみろ。『よし、俺は1曲目と2曲目と7曲目と9曲目だけでいいや』。ファックオフ!」。

今でも昔と同じように次々と曲が頭に浮かぶという彼だが、成功したことをきっかけに、曲の題材は変わってきたと言う。

「20代で、Definitely Maybeを書いていた頃、曲を書くことだけが俺の全人生だった。手元にあるギターだけをベースに書いていたんだ。他にすることなんて何もなかった。金も ないし、妻も子供もいない。私有物も特にない。世界にいるのは自分だけだった。15年早送りして、今では子供もいるし金もあるとくれば、物の見方だって 違ってくるだろう。そういう意味でなら、(曲の書き方が)変わったかもしれないね」。

最近では他のメンバーも曲を書くようになった。ゲム、アンディは1曲ずつ、そしてリアムはというと、3曲で今回のアルバムに寄与している。

「あいつの曲ってなかなか上手く説明できねえんだよなあ、俺が話そうとするとリアムが『そういう曲じゃねえって』と口を突っ込んでくる。だから自分の曲は自分で解説させてやれ」。ノエルはそう言って、ため息をついた。

彼は、どうして自分とリアムの仲がメディアにそこまで騒がれているのか理解できないのだそうだ。彼が言うには、兄弟間での口論や殴り合いはどこにでもあることなのだ、と。

「俺とリアムが、お互いを罵り合うと、バンドのメンバーがこう言うのさ。『何てことだ。自分の兄弟と15年間脚光を分かち合ってきたことを考えてみろよ。 感激はしないのかい』ってね。仲良しってわけじゃないが、仲が悪いってわけでもない。リアムは俺の弟、その一言に尽きる。絶対に飲みに行きたくない相手、 断固拒否だ。真面目な話、もし明日アルマゲドンがやってくるとして、俺が核廃棄物の山の中を歩いてる時に向こうからあいつがやってくるのを見つけたら、こ う思うぜ。『他に誰かいるだろ?どうして今ここでお前なんだよ?』。あいつも同じように思うはずだ」。

今も音楽以外に、フットボールにも熱を注ぎ込むことでは有名なノエル・ギャラガーだが、なんとあのリンゴ・スターが彼を別の道にも引き込もうとしているらしい。薔薇の鑑賞会への道へと。

「それほど昔のことじゃないが、彼にたまたま会って、イングランドで何をしてるのか聞いたんだ---リンゴは今L.A.に住んでるからね。そしたら(リン ゴ・スターの口調を真似て)『チェルシー・フラワーショーは欠かさず見に来るんだよ。君は行ったことあるかい?』『うーん、いや、ないな』。それで俺がさ らに『何しに行くんだ?』と尋ねると、彼は心から驚いたように俺を見つめて『花を見に行くんだよ』って言うんだ。『君も見に行ったほうがいい。きれいだ ぞ』ってさ。俺は『こりゃファッキンヒッピーだ』と思ったが、『そうだな、来年は見に行こうかなあ』なんて思い直したりしたもんだぜ。結局ビートルズには 逆らえねえだろう」。

Noel Gallagher -Q Special Edition - 2002/07

あなた達が表から姿を消してる間に、ロックにはまた新たな風が吹いてきたようですが…

ノエル:そりゃ素晴らしい。どっちにしろロックンロールはめぐりめぐるものだからな。俺達が現れる前はそれが滞っていた。HivesにBlack Rebel Motorcycle Club、The Soundtrack Of Our Lives、The Strokes、どれもかなり良いバンドだろ。その頂点にいるのはDovesだ。俺が思うに彼らは本当に特別なレコードを作ってきてる、素晴らしいよ。レス・ポールやウィンドミル的なロックンロールではないかもしれないが、最高の音楽だ。考えてみたら、今みたいな時代だと特に、一生を通して共に歩むようなレコードは多くないだろう。俺は死ぬまで彼らの音楽を聴くと思うよ。Coldplayのアルバムみたいにな。あれも凄い出来だ。

ではパンク・ロックはもういらない?

ノエル:パンクロック=ロックンロールじゃないだろう。パンクロックは、後先考えずに騒ぐってことだ。もし意味をつけるとしたら、そういう「態度」をパンクロックと言うと思う。Black Rebel MotorCycle Clubが「俺達のロックンロールに何が起きたんだ?」と歌ってるが、あの「ロックンロール」は音楽を指してるんじゃない。「俺達の時代、美、純粋さ、考え方に何が起きたんだ?」と言ってると、俺は思うんだ。だから一言で「俺達のパンクロックに何が起きたんだ?」と言うことも出来る。俺にとっては、プライマル・スクリームはパンクロックでありロックンロールだ。彼らを一つのカテゴリーに当てはめることは出来ないよな、ルールをぶっ壊してる。プロディジーはパンクロックだ。音楽のことじゃなくて彼らを見ればわかる。パンクロックは「黒ジャケットにつんつん頭」のことじゃない。

この10年でリアムとの関係は変わった?

ノエル:曲を書き始めたから、これまでより敬意をはらうようにしてるよ、自分の態度や髪型よりもバンドに対して熱を注ぐようになったんからな。

でも彼の髪型、良いですよね。

ノエル:最高だよな!って、俺に何を言わせる気だ!?これまでのあいつの態度は問題だった。でも10年たって、やっと方向転換して曲を書き始めたんだ、どれも素晴らしい曲ばかりだよ。さらに面白い男になったし。

最近リアムはあなたのことを彼にとっての「ヴェラ」だと例えてましたが…

ノエル:(笑)うーん…あまり賛成できないけど、言いたいことは分かる。確かにいつもお互い愚痴を言い合ってる2人のクソったれだからな。でも面白いたとえだ。

ジャックとヴェラは喧嘩をするけど、そこには真実の愛がある。

ノエル:もちろんさ。俺はリアムが大好きだ、本当だぜ。毎日あいつに言ってるよ。朝の9時に電話がかかってくるんだ、「今Trisha Show見てる?」。馬鹿かあいつ。朝から一体何見てんだよ?とにかく、リアムは俺の本当に良い仲間なんだ。弟としても他の誰よりも最高。俺達二人のバンドのシンガーでもあるしな、大好きだよ。(しばらく沈黙)でもこういうことは外で言いたくないんだ、あいつの耳に入ったら図に乗るだろ。でも本当にクールだよ、リアムは。

あなた達兄弟が離婚した時、何か…

ノエル:(そっけなく)逸話があるかって?

必要な経験だった?また二人一緒に苦労を乗り越えたという。

ノエル:いやいやいやいや。ない。絶対にそれはない。俺達はクリスチャンでも何でもないんだ。俺はリアムが何を経験したのかちゃんとわかってる。たとえあいつが何も言わなくてもだ。俺達はとてもとても…わかるだろ、あまりに近いんだ。自分の身に起こったくだらないことを、わざわざ繰り返して言いたがるやつなんているか?俺が言いたいのは、俺達の人生がくだらないんじゃなくて、起こったことがくだらない、ってことだぜ。バンド以外であいつと会って話すことといえば、ビートルズとローリング・ストーンズのことで、俺が語り倒すのはどんなに彼らが素晴らしいかってことだ。それと俺達の子供のことについて話す。でも俺達の間で過去にあったいろんなことについては話さない、ひどいもんだからな。終わったことは持ち出さない。前へ進むのみさ。

「Force Of Nature」は前アルバムの「Where Did It All Go Wrong?」や「Gas Panic!」の魂の暗い部分を受け継いでるように聴こえます。

ノエル:Force of NatureとLittle By Littleは‘98年に上映された「ロンドン・ドッグス」を見て書いたんだ。最初は4thアルバムに入れようとしたんだけど、ギグジーとボーンヘッドは途中で抜けたし、アラン・マッギーはクリエイションをたたむしで、その時はスルーすることにした。くそ、出し惜しみだぜ。とにかくあの曲は全く自伝的なところなんてない。あの映画を見て、俺の言ってることが本当かどうか確認してみろよ。歌詞を読んで、みんながあることを考えてしまうことはしょうがないとは思う。あれは前妻とドラッグ漬けの日々について書いたんだとね。でも俺の「懺悔」はもう4thアルバムで終わってるんだ、「Where Did It All Go Wrong?」 と 「Gas Panic!」から感じられる「なぜ満足いく曲が書けなくなったんだ?」という告白が、そうだよ。

バンドをやめたいと思った瞬間があったってこと?

ノエル:いや違う。そういうことじゃない。うがいをしてレモンとはちみつで喉を整えてスケールもやってるのに、歌わないやつがいるとする。みんな苛立ってもう引退は近いというだろう。でも実際に「あと6ヶ月で辞めます」と発表されることはない。つまり、何をしようが俺達の人生だから、自由にさせてもらう。ビジネスじゃなくて生き方なんだ。俺はリアム以外とはレコードを作るつもりはない。ケミカル・ブラザーズと曲を作り、リアムはデス・イン・ヴェガスやプロディジーと曲を作るが、あれはあいつがやりたいことをやってるだけだ。俺はあいつ以外とバンドは組まないし、ソロになるつもりもない。セッション・ミュージシャンになんて囲まれたくないからな。

「解散?」ってよく話題になりますね。

ノエル:そうだな。確かにリアムがいらだってる時期があったんだ、あいつのプライベートのくだらないことをリハーサルルームにまで持ち込んで、みんなに八つ当たりしてる時もあった。その時の俺は正直「いつまでこの馬鹿と一緒にいなきゃならねえんだ?」と思ったよ。でも6ヶ月のオフのあと戻ってみたら、今度は「曲に自信もないのにスタジオに入って良いのか?妥協するファンの姿を見たいのか?」「同じ悩みを持ったままスタジオに入る他のメンバーを見たいのか?」と思った。もし俺が「今俺がやってることは正しいのか?」と聞いたらみんなに「ああ、ロビー(ロビー・ウィリアムズのジョーク)、正しいよ」とぜひ言ってほしかったんだ。まあそう言われても相手にしなかっただろうが、今はそんなこと言われたくもない。俺はこの世界で他の誰よりもリアムの意見を尊重する。

素敵な答えです。

ノエル:ただそれだけだ。6ヶ月ビーチで過ごすと、頭がすっきりするよ。リアムへの怒りや他の事…それもこう思える、そうさ、やつには少々だめなところもあるけど、きっと変わってくれる。今年で30だし、大丈夫だ、ってな。

あなたは自分の曲作りに批判的ですよね。

ノエル:正直なだけだよ。格好つけてるわけじゃない、実際俺はお前のメリットやこの読者のメリットは何も考えてないからな…みんなが俺のつくる音楽をどう思おうがどうでもいいんだ。ただ自分自身に正直なだけなんだ。「Be Here Now」では2週間レコーディングをして、アビーロードの外で「どんな感じ?」と聞かれたから「パブにスリにクズって感じさ」なんて答えて、テープレコーダーを持ったやつらに愉快な逸話を残した俺とは、もう違う。今は毎朝、ひげそり片手に自分を見つめなおすのさ、リアムは「そんなことするなよ」といつも言うけどな。自分に満足したいんだ。作った音楽を、らしくないものに仕立て直すことはしたくない。俺は「良い音楽を作るぜ、ウラヌス神が歌うような、未来永劫残る曲を」なんて馬鹿げたことも言わない。なんて言えば良いかな、俺はロックバンドでギターを弾く。聴くか聴かないかお前達次第だ。言えるのはそれだけだよ。

ビートルズと比較されて判断されるのは腹が立つ?

ノエル:仕方ないだろ、俺達は世界中の誰よりもビートルズファンだからさ、今でもそうだ。そういう風に判断されるのは不公平とも思うけどな、だって俺達の音楽はビートルズライクじゃない。OASISは顔の見えない大衆から前向きな音楽を作ることを期待されてるみたいだ。もし俺達がこの世界で唯一ギターを鳴らすバンドだったら、違う種類の音楽を作らなきゃと負い目を感じるかもしれない。今HMVで手に入るプログレッシブロックやらスペース・ジャズ、デス・メタル・テクノみたいな音楽をな。でも俺達はやりたいことをやる。もし、平凡な毎日を盛り上げるロックンロールを聴きたいけれど、手首を切りたくなるような過激さは求めてないなら、もしみんなで飲みたくなるような音楽を求めてるなら、もしガールフレンドや親友を抱きしめたくなるような音楽が欲しいなら、俺達の右に出るものはない。レゲエを聴きたいなら、ボブ・マーリーがいる。プログレッシブでくそ前向きなロックが聴きたいならレディオヘッドを聴けばいい。メランコリックで内省的な気分ならコールドプレイやトラヴィスがいる。俺は仲間がぞくぞくするような音をつくるんだ、ストゥージズやピストルズ、ビートルズにストーンズ、ストーン・ローゼズが、それだ。俺達が音楽性を変えて最初に言われることは「何を血迷ったんだ?」だからな。

今回のアルバムで、あなたが歌う曲もいれようと決めたのはなぜ?

ノエル:リアムだよ。リアムが「Little By Little」を歌わなかったからだ。あいつの場合、試しに歌ってみて、100%以上満足のいく出来にできなかったら「俺は歌わねえ」だ。俺としてはリアムに歌ってほしかったんだ、5thアルバムの最初の先行シングルにしたかったからな。そしたらあいつは「お前のヴォーカル、これまでと比べても最高だぜ、なのにどうして俺に歌わせようとするんだ?」「シンガーはお前だろ」「お前以上に上手く歌えねえんだよ」。OASISの曲の中でもリアムが好きな曲なんだよ。それで歌おうとはしたが途方に暮れたらしい。ミキシングのデスクで、頭を抱えてるあいつをよく見かけたからな。あいつに歌ってほしかった歌詞だったんだけど、実際には歌うか歌わないかの決定権はリアムにある。OASISにフロントマンが2人いて良かったぜ、あいつが歌わないんなら俺が歌うまでだ(嬉しそうに)。「やったぜ!」。こういう風に考えることはみっともないかもしれないけど、あの曲を捨てるわけにはいかない。さっそくヘッドフォンをつけて「俺の出番だ!」

今でも野望はあるの?

ノエル:やりたいこと、やる予定のこと、たくさんあるよ。ギアは最速にいれてある。次のレコードもすぐに出すよ、さらにサイケデリックなやつかもしれないし、そうじゃないかもしれない。デモとして音を入れ始めてる曲は、これまでと同じ方向性の音だけど、仰々しさはない。有名なプロデューサーに参加してもらいたいとも思ってる、でも10%のギャラを払わないですむよう、ただ見てもらうだけだ。今はほとんどステージに通ってて、そこが使えない時はスタジオに戻る。お手のもんさ。かつて俺達はネブワースで演奏して、2ndアルバムは1800万枚売った、それは事実だけど、ただの戦略でもあったんだ、廃棄しなきゃならない余り物なんて無いほど売れたからな。アメリカで1位をとったのも嬉しい、でも俺が追い求めてるのはそういうことじゃない、部屋でニワトリを追い駆けまわすみたいにな(騒々しいニワトリの真似をして)。例えばジョージ・ハリソンの曲をカバーしたいんだ、「All Too Much」って曲をバンドでね。何の欲も無くただカバーしたいんだ。それとバート・バカラックの「This Guy's In Love With You」もやりたいな。

でも2ndの時はかなりまつりあげられたでしょう。

ノエル:(少し身構えて)それほどでもないよ。(前の質問に戻って)あの曲は前から好きだったんだ。これまで俺のヒーローだったミュージシャンに会ってきたけど、みんなそろってクールだった。「This Guy's In Love With You」をバート・バカラックと一緒に、バックにオーケストラをつけて歌ったが、あれほど良い経験はないな。ニール・ヤングも個人的に知り合いだ、俺のレコードを気に入ってくれてるよ。一緒にふざけあったりもしてね、彼も最高だ。ポール・ウェラーは俺の親友だろ。イアン・ブラウン、ジョニー・マー。俺の音楽人生に一人として欠かせないミュージシャンだ。

アルバムの約半数の作曲を他のメンバーに譲ってますが。

ノエル:「譲った」わけじゃない。本当だよ。今回俺が書いたのが3,4曲だっただけだ。いつもなら18曲は書くんだけどな、アルバムやB面用に。それに俺の場合、バンドに「曲作り手伝ってくれ」とは言わない。リアムもたくさんの曲を作ってスタジオに入り、セッションしてた。それで3曲アルバムに入ることになったんだ。あいつもわざわざ「俺の曲をセッションしてもいいか?」なんて聞かない。俺は「『Songbird』は際立ってる、でもお前のアレンジは間違いだ。『Born On A Different Cloud』は最高だからあのままでいい。『Better Man』は今のままでもかなり良いが、もっとよく出来るはずだ」。ゲムとアンディだって、(こわごわと)「僕の曲を1曲でいいから入れてくれない?」とは絶対に言わない。スタジオに入ったら演奏するだけだ。当然だろ。次の作品ではアルバム全部俺の曲かもしれないし、逆に1曲も入ってないかもしれない、ころころ変わるもんなんだ。

リアムや他のメンバーと一緒に曲作りをするの?

ノエル:「Better Man」ではリアムを手伝っって、「Different Cloud」ではメンバー全員で取り組んだ。でも、俺があいつの側に座って…あのさ、俺とポール・ウェラーは時々、一緒に座って話すんだ、「俺達曲作るべきだよな、良いものが出来るに決まってるからさ」ってな。でもそこに座って話し合ってるだけじゃ、マジックは決して起きないだろ。つまり曲作りっていうのは、計画立ててするものじゃないと思うんだ。ギャラガー兄弟の曲が1位になれば素晴らしいと思うよ、最高さ。音楽界にとってもな、周知の事実だ。でももう一度言うが、そういう受けを狙ってリアムと曲作りをすることはない。

他のメンバーはOASISらしい曲を作ろうと意識してるの?

ノエル:そうしてるかどうかは知らないけど、意識してることを願うよ、俺達はスペースジャズをはやらないからな。気分に合う時はサイケデリックなものも作るけど、完全にそういうカテゴリーにOASISを移すつもりはない。俺達が聴きたいと思う曲を作る。ロックンロールにエレクトリック・ギター。でも言っておくが、音楽にガイドラインはないんだ、「レゲエ音楽は持ち込むな、俺はそんなの聴かないからな」とかいうやつは一人もいない。本当だぜ。とにかく、ゲムはHeavy Stereoにいた、ロックバンドだよな。アンディの音楽の幅は誰よりも広い。Buffalo Springfieldにクラウト・ロック、いろいろだ。それは彼のソングライティングにも大きく反映されてると思う。そうなることを期待してるんだ。でも、俺を含めて他のメンバーはほとんど同じような音楽を聴いてきてるんだ。

アナイスはもう音楽に反応する?

ノエル:ダンスは好きだよ、トウィーニーズにのってね。ウェンブリー・アリーナにトウィーニーズを一緒に見に行ったら、ブギを踊ってた。あの時はかなり混乱したみたいだった、それまで俺のことをTVの中に住んでる人と思ってたらしくてさ。おかしいと思ったに違いないぜ(よちよち歩きで驚きの表情で父親を見るアナイスの真似をして)「うーん?」。2歳半だけど、見込みがあるんだ。面白い子だよ。もうハッピーな曲と悲しい曲の区別ができるんだ。きっとこれからこんな感じだな。家の中をねじがとれたおもちゃみたいに走り回る。俺がギターを弾くのをやめると、あいつも止まって、(小さな可愛い声で)「ハッピーな曲を弾いてよ」。で、俺は「Roll With It」を弾く、アナイスはそれにのってダンスだ。彼女はごく普通にティーンエイジャーが聴くような音楽を聴いて育つと思うんだ、ロビー・ウィリアムズにブリトニー・スピアーズだろ、それにエミネムとか。

家の中でロビー・ウィリアムズの曲を弾き始めたら?

ノエル:素晴らしいね。音楽は楽しむためにあるからな。俺の願うような音楽が好きになってくれたら、待ちきれずにこう言うね、「よし、ホワイト・アルバムだ。必ず聴け、それとThe Dovesのアルバムもな」。もし俺とは違うタイプの音楽が好きになっても、それはそれでいいんだ、アナイスが楽しんでくれれば、俺も嬉しいんだから。

Noel - Addicted To Noise - 1995/02/01 Part 1

2月の初め、フィルモアホールで大々的にアメリカデビューするために、サンフランシスコにやってきたOASIS。多くの人々の心を掴む要素を詰め込み、若さゆえの傲慢さを含んだ最新シングル「Live Forever」は、彼らの容姿の良さもプラスに働き、アメリカのオルタネイティヴチャートを駆け上った。OASISこそが現在のUKバンドの星だ。

我々はベテラン編集者のジーンを、バンドのリーダー、ギタリスト、プロデューサー、ソングライターの全てを務めるノエル・ギャラガーとのインタビューに送り出した。フィルモアでのショー当日の午後、インタビューは行われた。サウンドチェックが行われる前に、フィルモアにあるバーのラウンドテーブルに腰掛け、ノエルは内面に抱いている「大きな恐れ」から、彼にとっての「名声」まであらゆることを話してくれた。

聞くところによると、あなた達はクリエイションのアラン・マッギーに曲を聴いてもらうために、クラブオーナーを脅したそうですね。運命に身を任せるんじゃなくて自分からものにした。

ノエル:ああそうだな。でも「会場を燃やす」なんて脅しはしてないぞ。それにアラン・マッギーがその日そこに来るなんて知らなかった。加えて彼はその場でステージに飛び乗って俺達と契約を結ぶなんてこともしなかった。つまり運が向こうからやってきたんじゃなくて、俺達の手で掴んだんだ。クラブオーナーを脅した理由はたった一つ。そのクラブに来るために俺達は大金を費やしたからさ。グラスゴーはマンチェスターから600マイルも離れててそこにいくのに金がかかったんだよ、だから家に帰るにはなんとしてでもギグをして金を得る必要があった。マッギーが来るなんてこれっぽっちも知らなかったのさ、もし彼がその日そこにいなかったら、俺達は今頃生きてさえいないかもしれない。

そのことは、運命だった?

ノエル:もちろん。本当に知らなかったんだぜ。100%運命さ。それにその日は俺の24歳の誕生日だった。

あなたとリアムはバンドで一緒になる前は、近所でも有名の仲の良い兄弟だったらしいですね。

ノエル:そう、それは本当だよ。今の俺達はあまりに長いこと一緒にいすぎるんだ。バンドに入る前は、俺はローディーとしていろんな所に行かなきゃならなかったし、やつはやつで色々自分のことをやってて、それで上手くいってた。でも今は、オフの時でさえ仕事上一緒にいることが増えただろ。ちょっと前に1ヶ月の休暇が終わって、今度の4日のツアーが始まったんだけど、最初の2日間は最高なんだ、でも帰途に着く頃になると、わかるだろ?口論に殴り合いだ。話題になるほどの大事でもない、小さな喧嘩だよ、子供じみた。

殴りあうの?

ノエル:うーん、ああ、そうだな。

何が原因で?

ノエル:何でも。あらゆることで、天気でも。

結局誰が勝つのでしょう?

ノエル:俺さ、結局俺が年上だからな。

BlurやSuedeがアメリカ人に受け入れられないのに、OASISはなぜ成功してるんだと思う?

ノエル:俺達のつくる音楽、特に歌詞が国境を越えるから。他のUKバンドはいつでも、不動産のことやら土地の値段が高すぎるとか、フィッシュアンドチップスの店のことやら、UKのことばかり歌ってるだろ。イングランドに住んでて、UKを身近に感じてるならそういう音楽でもいいかもしれない。そういう小さな世界でね。でも俺はただ思いついたことを書く。歌詞を書くのが得意とは言わないさ。詩人でもなんでもないんだから。ただ感じたことを書くだけだよ。俺は平凡な人間だからな、(私がその意見には賛同しかねるという表情を見せると、にっこり笑って)、ああ、いや、平凡とまではいかないか。俺は「平凡な人間が書くような」歌詞を書けるってことだ。「Cigarette and Alcohol」はブルックリンやベルファストに住む若者にも受け入れられるだろう。みんな同じさ、外でたむろって酒を飲んで楽しむ。言葉は違っても感じることは一緒だ。SuedeやBlurみたいなバンド……あいつらの歌う曲はイギリスのことばかりだ。OASISはイングランド出身ってことを気にしちゃいない。ただのバンドにすぎないのさ。それに比べて他のバンドはあまりに「イングランド」的なんだよ。歌い方もそうだ、コックニー訛りばかりだろ。俺達の場合は特定のアクセントに縛られない。ただそういうことなんだと思うぜ。それに俺達は古典的なロックンロールをやってるからってこともある。Suedeはまるでデイヴィッド・ボーイだし、Blurはまんまキンクスだ。

ビートルズからどんな影響を受けたの?

ノエル:俺達にとって、ビートルズは、全てさ。以上。結成から解散するその時までずっと影響を受けると思う。OASISがやるあらゆることはビートルズにインスパイアされてなんだ。それに俺達の野望は、バンドとして行けるところまで登りつめること。ビートルズやU2みたいにな、U2とは音楽的な方向は違うけど、成功してるからね。彼らもワーキング・クラスのバンドから世界でもビッグなバンドになった、ビートルズが成し遂げたように。だから彼らの方法を参考にするんだ。リバプール、俺達はリバプールとはつながりが深いと思うよ、出身のミュージシャンをたくさん知ってるし、デモの何曲かはあそこでレコーディングしてるんだ。「Supersonic」もその1曲さ。

あなたの両親もビートルズの大ファン?

ノエル:ああ、もちろん。

ご両親は今おいくつですか?

ノエル:おふくろは50歳。

マンチェスターからは時代を変えるバンドが生まれますね、環境が違うからでしょうか。

ノエル:マンチェスターには本当に何もないんだ。マンチェスターで育ったら、工場で働くか、サッカー選手になるか、さもなきゃドラッグの売人になるか、ミュージシャンになるしかない。だから2つもサッカーチームがあって、たくさんの工場が連なって、たくさんの優秀なドラッグディーラーがいて、良いバンドも多いんだ。それが現実。他にすることが無いのさ。ニューヨークやデトロイト、シカゴの人間も程度は違えど、人生に対する考えは一緒だろう、「ここがクソみたいな場所だってことくらい知ってる。それならもっと面白く生きることを考えよう、俺達はハリウッドに行って映画に出ることも出来ない。それにみんながみんな何かの才能を持ってるわけじゃない。それならそれでいい。俺は工場で働こう。工場で思いっきり楽しんで働こう。こんなことで気を落としちゃいられねえ」。マンチェスターの連中だってきっと同じようなこと考えてるさ。みんな街から飛び出すことを切望してるんだ、でももし出られなくたからって、何なんだ?少なくとも何かに挑戦する楽しさはあるだろう。

そして、あなたも街から飛び出したと。

ノエル:ああ、そうだな、俺は今ロンドンのチェルシーに住んでるよ。

作曲過程について、キース・リチャーズの言葉を引用したことがありましたね。「全ての曲は宇宙に漂ってる。それを拾い上げて書き留めるだけだ」と。複数のミュージシャンが同じ曲を拾い上げることはありえない?

ノエル:そうなったら、訴えればいいだろ(この時期、Shakermakerの歌詞でOASISは訴えられている)。例えばキース・リチャーズ、俺と同年代のやつで、彼に影響を受けてないやつはいない。そして俺達のギグに来るファン、もし「Cigarettes & Alcohol」にT.Rexのリフを拝借しなかったとしたら、彼らはT.Rexなんて聴こうともしなかったはずだ。全て巡り巡るんだよ、音楽はいつもそうだ。だからビートルズは30年たった今でもみんなに愛されてるんだろう。バンドが活動してた当時と同じくらい世界中で聴かれてる。なぜならそれぞれの世代のバンドが、彼らの曲から少しずつ盗んでったからさ。で、そんな彼らのインタビューを読んだ時、例えばセックス・ピストルズのインタビューでは、The StoogesとMC5のことを話してた。俺は2つのバンドのことを知りもしなかった。MC5はデトロイトのバンドだよ。俺は全く知らなかったし、もしジョニー・ロットンが彼らに言及しなかったら、はまることもなかっただろう。イギー・ポップがThe Stoogesにいることも知らなかったからな。俺が音楽を聴き始める前から、すでにあいつはイギー・ポップだったから。全くバカげてるぜ。ジョニー・ライドンは同じようにデイビッド・ボーイについて話していた。俺が6年のときに、同級生はみんなボーイに夢中さ。真似してロングのオーバーコートを着て、帽子をかぶって。連中はまるでパンクバンドみたいだった。The Stoogesに影響を受けてるだろ。そして一方The StoogesとMC5はデイビッド・ボーイに影響を受けてる。少なくとも俺にはそう聴こえる。ダイアモンド・ドッグスは俺からしたらまるでMC5だ。歌詞まで何もかもな。(歌いながら)「When they pulled you out of the oxygen tent/You asked for the latest pie/Young girl they call that the Diamond Dogs」。パンクロックだろう。全ての音楽は何かしら先駆者に縛られてるものなんだよ。もしそういうのが禁じられたら、悲しいことだぜ。みんなが自由に曲を作れなくなったら面白くないだろう。

The New Seekersから訴えれてる件はどうなりました?解決しそうですか?

ノエル:まだ続いてるよ。

彼らがどこの歌詞を問題視してるかはわかるけど、でも...

ノエル:いや、わかんねえな。俺はあいつらの曲をパクった覚えは無い。机に裁判所からの礼状が載せられる瞬間まで考えたことも無かった。確かにビートルズの「Flying」は使ったけど、それだって「Flying」って歌詞を入れただけで「Shakermaker」は俺が考えた言葉だ。そしたら突然The New Seekersが現れて、100%の著作権目当てに俺達を訴えると言う。得た金でこの先25年のために会社の建て直しでもするんだろうさ。

以前「パンクロックは音楽の形態じゃなくて、音楽に対する姿勢だ。音楽じゃなくて心の中にある。それと共に生きて、死んでいくんだ」と発言してます。あなたにはその「精神」がある?

ノエル:自分のことを言ったんじゃない。そう考えてるってだけだ。どうしてそういうことを言ったかというと、R.E.Mが最新アルバム「Monster」をパンクアルバムと言いやがったからだ。マンドリンを演奏するのをやめて、フォーキーなサウンドから離れて数年でパンクバンドだって?そんなことありえねえだろ。自分の信念を持たないやつにはパンクバンドを作れないんだ。絶対に。もしバンドを始めた時にパンクバンドじゃなかったら、途中からなることは絶対無理なんだよ。もしマイケル・ストライプが自分のことをパンクだと思ってたら、救いようがないね。

あなたに向かって、バンドをやっていくのは無理だといった人たちの存在を覚えてる?

ノエル:たくさんいるぜ。ああ、バンドを結成したばかりのころにマンチェスターではよく馬鹿にされたもんさ。俺達が「ビッグになってやる」と言うと「無理だ、死に絶えたマンチェスターからスターなんて」。俺が思うにマンチェスターの住人はマンチェスター自体に諦めを感じてて、自分が今所有してるものを眺めてるだけで、何もしようとしないんだ。あそこで時間を無駄にしてるミュージシャンは一杯いる。素晴らしいシンガーやギタリスト、バンドはたくさんいるのに、何もしようとしない。自己憐憫にもがいてるだけのやつらがひしめいてるよ。

あなたは仕事への強い倫理観を持ってます、成功するためなら何でもするというような。

ノエル:マンチェスターから出なきゃ、バンドを続けられなかったからな。伝説だけじゃレコードは売れない、いや、もしかしたらある程度は売れるかもしれねえな。でもみんなに音楽を聴いてもらって、実際俺達の姿を見てもらわないと何も始まらないんだ。それにインタビューを読んでもらって、写真を見てもらって。つまり、5年のうちにこれからバンドを続ける基盤になる固定ファンを持たないと、終わりさ。最初の5年が肝心なんだよ。さもないと一生二流バンドのままで終わることになる。

Noel - Addicted To Noise - 1995/02/01 Part 2

これまでの成功の裏で、思い出に残っていることは?名声によって得たものとは?

ノエル:何もないよ。金なんて問題じゃないんだ。有名になれば気分は良いけど、名誉をふりかざすポップスターなんて、俺には理解できねえな。俺が欲しいのは…….いや、ここでは言えない。とにかく、歩いてる時に呼び止められて「サインもらえますか?」って聞かれるのは最高の気分だってことさ。そういうことを楽しめないなら、バンドにいる意味なんて無い。「一緒に写真撮ってもらえますか?」「ああ、いいよ」。これが俺がバンドにいる理由だ。1人家にこもってブランケットに隠れて自己嫌悪に陥るためじゃない。全ての雑誌の表紙を飾るためにいるんだ。テレビでも24時間OASISが流れるようにするためさ。ロックスターになることを恥じる必要なんてどこにも無い。誰かに「あのバンドのメンバーだろ?」「いや違う」。何だその答えは。頭おかしいぜ。みんな音楽をやることを深刻に考えすぎなんだよ。ちっとも大きな問題じゃねえだろ。でもほとんどの人は、そうだな、例えばカート・コバーン。彼のことをけなすつもりは全く無い。曲もバンドも大好きだから、自殺のニュースを聴いた時は心の底から悲しかった。でもバンドとしての名声なんて俺にとってはそう大きなポイントじゃないんだ。周りのやつらは「もうお前だけの人生じゃない」と言う。悪いな、今でも俺だけのものだ。ファンが道で声をかけてきたり、いろんなところから俺を追いかけたりする。でも家に帰ってドアを閉めた瞬間に、俺は俺だけの人生を生きるのさ。有名人は「ファンに付きまとわれてろくに外にも行けない」なんて言うが、嘘だね、いつでも出られるぞ。自分の家の周りで座ってるそいつらに「すいません、買い物に行きたいのですがそこをどいていただけますか」と丁寧に言えばさっさとどいてくれる。結局ポップスターは自分で自分を家の中に閉じ込めてるだけなんだよ。それを勝手にファンのせいにしてるだけだ。サインをして写真に映れば大喜びして終わりだろ。ただ、そういうことをしてやらない限り、付きまとわれるな、俺の経験上。

つまりあなたにとって名声なんてそれほど価値は無いということ?

ノエル:名声を得ると、愛する人と一緒にいられなくなる。それだけだ。ガールフレンド、家族、友達とかね。絶縁でもしたような気分になるんだよ。でも本当の友人なら、忙しい時期が終わる時まで俺のことを待っててくれるもんだ。バンドで活動する時期なんて、たった5,6年で、長い人生の中ではほんの一時に過ぎないだろ?だからそこで得られる名誉なんてそう大した価値は無い。

名声が交友関係を壊したと?あなたは前のガールフレンドのことを曲に書いてますね。

ノエル:ああ、でもそういう経験って曲作りには役立つよな。

たくさんの曲を作曲してますが、OASISは誰かの曲をカバーすることは考えてる?

ノエル:ビートルズの「I Am The Walrus」はカバーして、UK盤のB面に入れたよ、ライブでも演奏するしね。実は今夜のギグはその曲で締めるつもりなんだ。カバーアルバムも作りたいね。俺の場合、ギターで曲をカバーするだけで何時間でも何時間でも、本当にいくらでも時間をつぶすことができるんだよ。カバーアルバムが次の作品ってわけじゃないが、そうすることで、自分が影響を受けたミュージシャンに対して敬意を表せるだろ?

「Select」1月号で「エヴァン・ダンドーに何が起きた?」という特集がありました。あなたやOASISは、彼の「転落」に大きく関わってるようですね。ここでもう一度答えて欲しいのですが、彼に何があったの?あなた達と彼の関係は?

ノエル:友人だよ(わずかに身構えて固い調子で)。それは本当だ。やつはとても明るくてツアー中でも会いたくて仕方が無くなるんだ。少々おかしいところもあるが、気さくな男なんだよ。あいつに会うとのっけから笑い出しちまう。気があったから、ホテルの部屋でアコースティック・ギターを携えて二人きりで話したよ、一日中彼の歌を聴いた。素晴らしい声だし、曲を作る才能もあると思う。

OASISという名前の由来は?

ノエル:俺はバンドが「OASIS」になった2ヵ月後に入ったんだ。名前はリアムが、壁に張ってあったポスターからとったらしい。

有名になるという予感はあった?

ノエル:あったよ。自分にはギターの才能以外何も無いって気づいた時だ。バンドを始めたばかりの頃から、ビッグになることはわかってた。才能のあるやつがいつまでも認められない、なんてことはありえないだろう。もし夢自体抱いてなかったら、たとえ特別なことが起きなくても、なんとも思わないだろ?目標自体存在しないんだから。でも最悪なのは、夢を持っていながらそれを実現できないことだ。何よりも最悪の気分だぜ。いくら頑張っても、わかるよな、必死になればなるほど負け犬に成り下がる。俺はこう言ってくるやつらにたくさん会ったよ、「お前の書く曲なんて俺にも書ける」。それで俺は聞き返す。「バンドに入ってるのか?」「いや」「レコーディングしたのか?」「いや、してない。ベッドルームで弾くだけさ」。俺にとっては世に出さない限り存在しないのと一緒だ。議論の余地はないね。例えば俺は「自分は誰よりも絵が上手い」と言うことはできる。誰かに「作品を見せてよ」と言われても、「作品は無いんだけど、俺の絵は最高だ」と言えばいい。つまり口で言うだけなら誰でも出来るってことさ。そんなの、俺にとっては全く何もしていないことと一緒さ。

OASISの曲で、あなた自身について書いた曲は?

ノエル:「Slide Away」に「Live Forever」、あと「Rock And Rock Star」、「Married With Children」。あと新曲の何曲かは、まさに「俺」の曲だ。

つまりあなたの自伝的作品ってことですね。

ノエル:こればかりはどうしようもねえな。

元ガールフレンドに「あなたの曲はくだらないわ」に言われたというのは本当?

ノエル:ああ、言われたよ。

今のガールフレンドは、もっとあなたの曲に対して理解がありますか?

ノエル:そう、多少はあるかな。でも結局俺のガールフレンドはみんな俺の曲が嫌いなんだ。最後には結局そうなる。

歌詞に意味はないと言ってますが、本当に無いの?

ノエル:うーん、書いたのは俺なんだから、当然自分の解釈はあるよ。でもな...。曲を書く時に、最上の作品を作れるという自信を持って取り組むやつがいるだろう。そういう連中は自分自身について語るのが大好きだ。俺はその正反対で、自分がどんなに良い男か、芸術的な詩人か、そういったことを触れ回る趣味は無い。自分が書いた曲について俺自身がどう考えていようが、どうでもいいことなんだよ。音楽は「降り注ぐ雨の中で、列に並んでレコードを買う若者達」のためのものだ。俺の意見より、ファン達の持つ曲のイメージの方がよっぽど重要さ。俺がレコードを買うわけじゃないからな。確かにこれまでレコーディングした曲は素晴らしいものばかりだ。それでも決して「Strawberry Fields Foreverより素晴らしい、なぜならここの歌詞はなんたらかんたら。それとこの部分はなんたらかんたら」なんて語ったりしない。そういう風に喋り捲るのは本当に嫌いなんだ。

あなたの「座右の銘」は?

ノエル:「自らことを起こせ」。キース・リチャーズの書いた歌詞「目を覚ませ」も。「気を抜くな、前だけじゃなく後ろにも気を払え」。

あなたに不足してるものとは?

ノエル:もっとギターの練習が必要だな。ミキシングについても勉強したいし、ちゃんとNoと言えるようになりたい。何でもかんでもYesと言って、なかなか人の頼みを断れないんだ。

大切なレコードは?

ノエル:ビートルズのレコード全て。

好きな曲は?

ノエル:1曲選べと言われたら「Ticket To Ride」か「Paperback Writer」。アルバムを選ぶなら、赤か青、どちらかだね。1962年~1967年と1967年~1970年のコンピレーションだよ、わかるだろ。全ての曲を彼ら自身が選んであるから良い。だからビートルズは最高なんだ。

「Helter Sketer」がパンク・ムーブメントの幕開けだとする理由を教えてください。

ノエル:The StoogesやMC5が出てくるちょうど1年後だからさ。彼らがデビューしたのは1969年だろ。「Helter Skelter」がレコーディングされたのは1967年の終わりだ。つまりこの曲がパンク・ムーブメント最初の曲なんだよ。「Helter Skelter」を聴いた後に、MC5やThe Stoogesを聴いてみろよ、まるで同じサウンドだぜ。同じ音を鳴らしてるんだ。この曲の演奏の仕方、これこそ俺達が今知るパンクの誕生だよ。

ビートルズの次に手放せないレコードは?

ノエル:The Stoogesの1stアルバム「Kick Out The James」。そして「Never Mind the Bollocks」「Ziggy Stardust」「the Spiders From Mars」。The Jamのアルバム。The Smithのアルバム。Stone Rosesの1stアルバム。全て俺にとっては大切なアルバムだ。少なくとも俺にとっては。そしてたぶんブリティッシュ・ミュージック界においても。

今一番価値があると思う所持品は?

ノエル:ギター。俺のギターならどれでも。

今いくつ持ってるんですか?

ノエル:18。かなりの数だ。

あなたにとって役に立ったアドバイスを教えてください。

ノエル:学校で習った最初にして唯一のギターレッスンでのことだった。俺は左利きだが、右でギターを弾くんだ。先生が左利き用のギターを俺に渡して「これで弾きなさい、左利きなんだから」「右で弾けるよ」「だめだめ、無理よ」。そしたら母さんが俺を教室の外に連れ出して、右利きのギターを手渡し、「外に行って、あなたが弾きたいように弾きなさい」と言ってくれた。これが俺が今までで得た最高のアドバイスだね。

ビートルズの中では誰のファンでした?

ノエル:ジョン・レノン。でもあまり分け隔てはしなかったよ。なんせみんなソロになったとたん、そろって駄目になっちまったからな。ビートルズが解散して、ジョン・レノンはその中でも、まあ、なかなか良い感じだった。ジョージもしばらくは良かった。彼らはビートルズで、解散したとたん、何もかも終わったんだ。マジックは消えたんだよ。

言葉と音楽、どちらが先に出てくる?

ノエル:音楽。

そちらの方に魅かれますか?

ノエル:間違いなく音楽。歌詞も本当は書きたくないんだ、他のメンバーが書いてくれるんなら、俺は書くのをやめるよ。歌詞を書くのはかなり苦労するんだけど、メロディを編み出すのはとても簡単だ。歌詞は、全て意味が通るものにして、馬鹿らしく聞こえないように考え、最後の部分まで破綻しないように書き上げる。相当難儀な作業だろ。コーラスもつけるとなるとそれも新たに作らなきゃならない。

いつもそれで悩んでるの?

ノエル:いや、出来る時は20分で出来るよ。でも「Rock And Roll Ster」は何時間かかったか覚えてない。何時間も何時間も何時間も何時間もこれ1曲に費やしたんだ。「Live Forever」や「Slide Away」は20分。この2曲や「Mariied With Children」は、その時の気持ちをそのまま書いたものだから、簡単だったな。ただ書き留めればいいわけだから。でも「Rock And Roll Ster」について書く時、ロックスターになることを想像しながら書かなきゃならないだろ?そりゃ時間もかかるさ。

ステージに立って、感動したギグは?

ノエル:ニューキャッスルでの初めてのギグ。プレストンでのギグも。いろんなグラスが飛び交ってたよ、炭酸水にビール。

会いたいんだけど、会いたくないというジレンマに陥った有名人はいる?

ノエル:ポール・ウェラー。マジで憧れてたんだ。神のように思ってる人に会う時って、もし実際に会ってくだらねえやつだったらどうしようと不安になるだろ?癇に障るようなことを言ってきたらどうしようかなとかさ。でも彼は違った。今では親友だよ。

あなたにとって一番恐いことは?

ノエル:退屈。

これまで聞いた中で真実に迫ってると思った言葉は?

ノエル:「さっさとこの荷物を運びやがれ!そしたらお前もちょっとはマシな人間になるだろうよ」ってのは冗談で、うーん、ジョン・レノンが言った「今この瞬間、俺達は神よりも有名だ」かな。

まだやりきれてないことは?

ノエル:シングルで1位をとること。マンチェスター・シティのために作った曲をU2と一緒に演奏すること。ジョージ・ハリソン、ポール・マッカートニー、ミック・ジャガーに会うこと。ストーンズと演奏すること。音楽に関する全てのこと。Crazy Houseとも一緒にセッションできたし、ポール・ウェラーのニューアルバムにも参加できた。だから残りの夢もこれからどんどん実現していくことになるだろうな。

あなたにも答えられない質問ってありますか?

ノエル:『人生の意味って?』。

目撃したかった歴史上の出来事は?

ノエル:ビートルズ最後のギグ。それかビートルズ最初のギグ、ビートルズのギグなら何でも。それかセックス・ピストルズのギグ。最後のギグはビデオで見てるんだけどね。あと1969年ごろのストーンズのギグ。Rock’n Roll Circusも見たかった。マンチェスター・シティが何でもいいからトロフィを獲得するところを見てみたい。そんなところかな。

家族に言いたいことは?

ノエル:俺のアルバムを買って、もっと大金持ちにしてくれよ。

もう大金持ちでは?

ノエル:まさか、まだまだ足りないぜ。

Liam Gallagher - Maville - 2009/01/12

オリジナルの記事はこちら。↓
http://www.nantes.maville.com/sortir/zenith_detail_-Oasis-Nous-sommes-des-Beatles-punk-_8397-794913_actu.Htm

リアム・ギャラガー:俺達はビートルズにパンクを注入した。

今夜2009年1月12日、ナンテスにてコンサートを行うOASIS。今回、シンガーであるリアム・ギャラガーにインタビューをすることができた。去年の9月に、彼の兄でありバンドのギタリストであるノエル・ギャラガーは、ステージ上に乱入してきた男に突き飛ばされ、肋骨を折る重傷を負っている。

もう、ツアー日程がキャンセルになることはない?

リアム:ねえな、1秒だってない。あいつは強いやつなんだよ。今じゃギターの腕も元通り、すんげえ速さで弾いてみせるぜ。いくつかのギグは延期になっちまったけど、あの事件以来変わったことと言えば、ステージ脇にファンや家族を招待できなくなったことだ。でも観客は目の前にいる。別に悪いことじゃない。なぜって、ステージにはでかいスクリーンがあるだろう。みんなが同じように俺達の姿を見ることができるんだ。俺達はファンのことを恐がったりはしない。力をもらうんだよ。

ツアーの第一ラウンドはどんな感じでした?

リアム:実を言うと、あの事件の日、トロントのギグはそれまででもベストなギグの一つだったんだよ。マジで最高だった。新しいドラマーのクリス・シャーロックもバンドに上手い方向に働いてくれたしな。ドラマーをころころ変えるのは、ノエルの自己満足なんだぜ。俺をクビにしたくてもできねえから、代わりにドラマーをクビにするのさ。

「Dig Out Your Soul」からは、何曲歌うんですか?

リアム:待てよ、数えてみる---6曲だな。昔からの曲も演奏するよ、必要だから。でも今度のアルバムには自信があるんだ。そう、ちょっとサイケデリックな面があるだろう、計算尽くじゃない偶然の賜物さ。OASISは音楽を改革しようとは思っちゃいない。そんなことしなくてももう音楽ってのは先人達の手で完成しちまってるんだからな。

完全に?

リアム:ああ、今流行りの音楽なんて猫の小便みたいなもんだぜ。プレスは俺達が進化しようとしないって批判するだろ?でも俺は進化って考え方自体嫌いなんだ。OASISはファッキンマドンナじゃねえんだぜ。ロックンロールを作るには、50、60、70年代をベースにしなきゃならねえんだよ。それに比べちゃ俺達がそこから生み出せるものは、些細なもんさ。OASISはビートルズのサウンドじゃない。でもビートルズから影響を受けてはいる。ビートルズにパンクを注入したっていうかな、もっとエッジを加えてもっとスピードを与えたんだ。

あなたにとってギグの出来を測る基準とは?

リアム:何といっても、俺達を興奮させてくれる観客だね。アメリカはちょっと大人しすぎるんだよなあ。俺はもっと動きがあって緊張感があった方が好きだし、ファンとももっと近い距離にいたいんだ。それを感じられるのが、ヨーロッパでのギグさ。だからフランスでのギグが待ちきれない。天気はどんな感じ?そこまで寒くないよな?
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