標準OASIS学

UKロックバンド、OASISのブログです

幼少時代

Noel Gallagher - Q Magazine - June 2009 pt1

ノエル・ギャラガー、容赦なし。

スーパーマーケットから共産主義まで、話したいことなら山ほどあるノエル・ギャラガー。ただ、弟のことについては話題にしたくないようだった。

大きく咳払いをし、ノエル・ギャラガーは口をつぐんだ。眉間には皺がよせられ、睫毛が眉毛に隠れそうになるほどだ。彼は今、少しだけ不機嫌である。という のも、何を隠そうその原因は中国政府、具体的に言うと、中国政府がOASISのギグをキャンセルにしたことにある。1997年にニューヨークで行われた Free Tibetのチャリティコンサートに、ノエルが参加したことを問題視したのだ。

銀色のメルセデス・ベンツの後部座席に座った我々は、ロンドンの渋滞に足を止められていた。今からディナーを食べに行くのである。その道中でもノエルは、 2010年のロンドン・オリンピック(「どうせ大失敗に終わるさ」)から、マンチェスター・シティのアウェーのユニフォーム(「クソ」)まで、様々な話題 で弁舌を振るっていた。徐々に声が高まり勢いを増し、ついに中国の話題に来たところでピークに達した。

「電話がかかってきたんだよ。ニューヨークのことが原因で中国には行けなくなったとね」。

「俺は全然覚えてないんだ。U2、Radiohead、Beastie Boysが参加したらしいが、けっこうなラインナップだろ!その日俺はいくつかインタビューを受けてたんだけど、中国文化局はニューヨークのことを突き止 めて、俺がチベットのことで問題を起こしかねない危険因子だと判断したんだ。頭に来るぜ。共産主義の連中って昔のことをよく覚えてるもんだよな」。

そう言うと、ノエルは「どうしようもない」という風に肩をすくめた。

「あの連中には逆らわないほうがいい」。

中国との軋轢はさておき、長年にわたってOASISを率いてきた「チーフ」と呼ばれる男にとって、今は最高の時期だと言えよう。7thアルバム「Dig Out Your Soul」は世界中で180万枚を超える売り上げを記録している。いよいよ間近に迫ってきたUKスタジアムツアーのチケットはとっくの昔に完売を帰した。 ノエル・ギャラガーをディナーにお誘いするのにこれ以上の機会はない。

ノース・ロンドンにある知る人ぞ知るレストランに到着すると、我々はプライベートルームへと通された。自称ワイン通のノエルは、赤ワインを注文。だが、白の方が良かったようだ。

「ファック」と、これから3時間、立て続けに口にするだろう言葉をつぶやく。

ノエル・ギャラガーに初めて会った時、控えめながら品の良い洋服のセンスを持っているという印象を受けた。レザージャケットにジーンズ、清清しい白のシャ ツ。かつて有名だった一本眉も、今では2本になっているところを見ると、音楽的に成功したことで、眉を整える余裕も出来たようだ。その手の動きは驚くほど に洗練されている。思ったよりも小さく、身体に比べると頭が少し大きく見えるが、生身の彼の姿はよく見る風刺画とは似ても似つかない。

普段ところ構わず笑顔を振りまいたり、笑い声をたてることはないものの、笑うとなると顔をしわくちゃにして実に楽しげに笑う。

物真似好きな生まれついての話し上手で(特に、ポール・ウェラーの物真似は半端じゃなく上手い)、一緒にいるのがこの上なく楽しい男だ。極上のディナーに舌鼓を打ちつつ、彼は話し続ける。

さて始めるとしよう。ディナーと、サンテミリオンのワインを頼んで。ノエル・トーマス・デヴィッド・ギャラガーは、マンチェスターのロングサイトで、トミーとペギーの間に生まれた3人兄弟の2番目として、42年前に生を受けた。

あなたの記憶にある一番昔の思い出って何です?

ノエル:おふくろは11人兄弟で、姉が7人いるんだ、アイルランドで一番の大家族さ。俺の最初の記憶は、その大家族と一緒にアイルランドで休暇を過ごしたことかな。叔父さんが農場を経営していたからそこらで走り回ったり、釣りをしたり...

どんな子供だった?

ノエル:とても出来が良くてね。商店で万引きしたせいで捕まったけど。でも今になってみりゃ、かわいいもんだろ - 生意気ないたずら小僧だったのさ。今の連中はマクドナルドでサブマシンガンぶっ放したりするからな。学校には興味がなくて音楽とフットボールが大好きだっ た。80年代に入ると、両親は離婚への長い旅路を歩み始め、俺達が周りでうろちょろしないほうが、2人にとっても良かったんだ。それで余計トラブルに巻き 込まれるようになった。喧嘩はしたかって?あんまり。暴力は好きじゃない。バンドを始める前は兄弟同士の喧嘩もなかったよ。

あなたのお兄さんであるポールによると、あなたはギャラガー兄弟の中で一番モテなかったそうですね。

ノエル:そりゃねえな。ガールフレンドは多くなかったけど、一人と長く付き合ってたんだ。そうだな、一人二人を除いて、俺のガールフレンドはみんなかなり 魅力的だ。今の彼女、サラはマジで最高。一緒にいることができて本当に嬉しいんだ。素敵な女性から愛されることって大事だろう。

誠実なんですね。

ノエル:ああ、隣の芝生は青いなんて感じたことはないね。俺の場合誠実なのは愛に限ったことじゃない。アラン・マッギーも証言してくれるさ。俺達を見つけ てから6ヶ月間、彼は俺が約束を蹴るだろうと踏んでいたらしい、OASISにはクリエイションよりも良い条件を提示してきたところが他にもあったからね。 でも俺は約束は守る男だ。仕事に関してもそうでね。

お母様からどのような影響を受けました?

ノエル:仕事に対する考え方を教えてくれたよ。2つの仕事を掛け持ちして俺達を育て上げてくれた。アイルランドの親族達との強い絆もね。

お父様に関してはどうです?

ノエル:おふくろを妊娠させたはいいが結婚はしたくなかったんだろう、きっと。結婚するには生き方がちょっと自由すぎたんだよな。まあいい、一人なら子供 を作っても良いだろう、3人は駄目だ、俺を縛り付けないでくれ。俺に愛を与えてくれ、それだけで結構だ。おふくろと俺に対して暴力を振るった。でも俺の友 達の父親連中の上を行くほどだったかというとそうじゃないんだ。ストライキ続きにそしてあの「憤懣の冬」、辛い時代を生きていたのさ。そんな時に八つ当た りする犬がいなかったら、その不満はどこに向かう?でもあいつの良かったところは、ギターを買ったことだな、そうじゃなきゃ今頃君は俺じゃない他の誰かに インタビューをしてただろうよ。

一番最後に彼と会ったのはいつ?

ノエル:20年近く前。もう憎んではないよ。可哀想だなと心から思う。あいつはスーツやスポーツカー、派手な生活が好きでそういう性分だった。おふくろは 正反対で、静かな生活が好きなんだ。俺達に金が入った時、新しい家を買うと思うだろう?でも違う。おふくろは今でも、父親から逃げた時に引っ越した公共団 地に住んでいる。そこを買って住んでるんだ。欲しがるものといったら、庭木戸くらいなんだぜ、古いやつが開け閉めする時にきしむようになったからってさ。

お父様との関係は、あなた自身に深く影響を及ぼしていますよね?

ノエル:それはリアムの方が強いと思う。あいつと父親の関係は俺のとはまた違ってたんだ、可愛がられていたのさ。だからその家庭が壊れた時、リアムが受け た衝撃は大きかった。今のあいつは、いつも怒りに満ちてるだろう。世界というスープにフォークで歯向かってるみたいに逆立ってる。文句を言ってばかりいる しな。暇さえあれば自分にどれだけソウルがあるか話してばかりいる。ボブ・マーリーには魂を感じるよな、人々の気持ちを代弁しくだらねえことも喋って。と いっても俺はボブ・マーリーを見たことはないんだけどさ、The Rainbowの楽屋でナプキンの色でごねてるところとか。つうか、ボブ・マーリーに楽屋があったかも知らねえ、The Wailersと一緒にたむろってたんじゃねえの。

それで、あなたはお父様との関係からどのような影響を受けたんです?

ノエル:さあね。何の影響も受けてないとは言わないさ、何かはあったはずだ。前向きに考えたいね、何かを始めるやる気を起こさせてくれたとね。でもわから ない。二人の間でいつものことが始まった時 - これは本心から言える - あいつを殺しててもおかしくなかった。本当にね。やつのことを恐れてたんだ。

その日の始めに、Qの写真撮影のためにノエルは予定時刻きっかりに到着した。彼にとっては毎度のことだが、ミュージシャンで時間を守る人間は非常に稀であ る。ノエルが普通のいわゆるロックスター達と違う面は時間に関してだけではない。インタビューの最中には携帯電話の電源を切り、真正面から向き合って話し てくれる。この業界に入るのが他より遅かったため、仕事に関しては他とは違う見解(と、彼は表現した)を持っているのだそうだ。「Definitely Maybe」を発売した当時、彼はすでに27歳だった。

始終リラックスした様子だ。固まる必要がどこにあるだろう?長年のパートナーであるサラ・マクドナルドと、彼女との間に生まれた生後18ヶ月のドノヴァン (ノエルには、メグ・マシューズとの間に生まれた9歳になる娘アナイスもいる)と一緒に幸せな生活を送り、チーフを務めるバンドはダイアモンドがごとく揺 るぎない地位にあるこの時に。

あなたって、いつも時間きっかりに現れますね...

ノエル:遅刻する人間が嫌いなんだ。子供の頃から遅刻しないように心がけてきたし、遅刻して当然だとは思わないね。もし今日の午後にボブ・ディランから電 話がかかってきて、今夜ディナーに誘われてもこう言うさ。「明日じゃ無理かな?今日は予定が入ってるんだ」。ピート・ドハーティみてえな考え方は理解でき ないよ - ミドルクラス的だ。決めたことはないがしろにしない。だから俺達はここまでやってこれた。Boardwalkでの練習は1週間に5回、9時から11時ま で。ちゃんと来なければ、その場でクビだ。そして俺はちゃんと毎晩やってきたってことさ。

音楽に興味を持ち始めたのはいつ頃から?

ノエル:ロックスター達が良く言うような音楽との衝撃的な出会いはなかった、俺の場合音楽はいつもそこにあったんだ。じいちゃんの家にTVはなかったか ら、みんなラジオを聴いていた。それに父親はカントリーやウェスタンミュージックのDJをしてたんだ。だから最初に出会った音楽はそういう音楽、それとア イリッシュの反体制派の音楽とかね。

自分で曲を書き始めたのはいつからですか?

ノエル:15歳の時だな。マンチェスター・イヴニング・ニュースで中古品のこまごまとしたものを宣伝してたんだ。ある人がギターのチューナーを売ってい て、確かピートとかいう名前だったと思う。それに4トラックレコーダーも持ってたんだよ。それで一度話して、それから1週間に2回くらい彼の家に通って一 緒に曲を書くようになった。彼が小さなドラムマシーンとレコーダーを担当して、俺がギターと歌を担当だ。そうやって作った2曲を録音したテープを家に持ち 帰って、自分の寝室で演奏した時のことを覚えてるよ。自分で作った曲を最初に聴く時って、自分の頭で思い浮かべるんじゃなくて実際にThe Jamの音楽とかを聴いていたスピーカーから自分の曲が流れてくるとさ...本当に感動したよ。

Inspiral Carpetsのローディとして2年間働いた後、リアムのバンドThe Rainに加わったんですよね。入る前に全てを自分に任せることを条件にしたというのは本当ですか?

ノエル:いや、でっちあげだよ。ちょっと狙って俺がデビュー初期のインタビューで言ったんだ。「他にも曲があるの?すごいですね」ってなこと言われるもん だから、わかるだろ。求められて応じたって感じで。Columbiaで初めて一緒に演奏を合わせたんだ。インストゥルメンタルでね。リハーサルルームでは 「なんだ!このやかましい音は!」と思ったね。それから病みつきになったんだ。

「Definitely Maybe」を作る過程はどんな感じだったか教えてください。

ノエル:楽しくはなかったさ。満足いくものに仕上げるために3回もやり直したんだからな。ハードだったよ。トニー(・マッキャロル)が俺達とやるには下手 すぎるってこともわかったし、その時俺はすでにほとんどの曲を書き上げていたんだ...「Morning Glory」のね。「Don't Look Back In Anger」の最後のコーラスに入るところのドラムも書いてあった。それで思ったわけ。「あいつには楽譜どおりに叩くこともできないな」って。

そして...「Morning Glory」の製作は?

ノエル:1800万人の人間があのアルバムを買うとわかっていたら、今でも作り続けてるさ。思い返しても、「なんて恩恵に授かったんだ」と思うよ。本当に素晴らしく現実離れした時期だった。村のパブにビリヤードをしに出かけたりしてさ、俺とボーンヘッドで。

懐かしい?

ノエル:ネブワースまでの数年間は懐かしく思うよ。戻りたいって意味じゃなく - 一回体験してるんだからな - それまでは全てが新鮮だったんだ。それから後は、かかってくる電話は全部レコード売り上げのことばかり。今では次の5年間で何が起こるかわかってるし、こ の5年間も全て想定内のことばかりだった。ネブワースまでは、何もかも新しかったんだ。二日酔いになったこともなかったね。今じゃギネスの缶を見て確かめ て頭痛にさいなまされる有様。この夏にリムジンでウェンブリーに行けば、ロックスターの気分に浸れるだろう。でも当時はそんなこと感じちゃいなかった。い つも気持ちが落ち着かなかったね。

後悔していることはありますか?

ノエル:アメリカだな。しくじった。アメリカでの俺達のレコード会社が、リアムがMTV Awardsで口から盛大によだれを垂らした日限りで、文字通り俺達に別れを告げた。それで終わりさ。それまでは、アメリカで順調にアルバムを400万枚 売り上げていたんだ、イギリス以上に売れてたんだぜ。あそこでThe Beatlesを超えることだってできたんだ。なのに、リアムはその栄光を手にするには自分は力不足だと思ったらしく、全てをぶっ壊しにかかった。例の情 緒不安定が大暴れさ。俺は情緒不安定じゃない、それはみんな納得するはずさ。あいつにできることは結局後ろに控えて、サングラスをかけて、黙り込むことだ けだった。

Noel Gallagher - Q Magazine - June 2009 pt2

成功したことによって、バンドは変わりましたか?

ノエル:ボーンヘッドとギグジーがやめようと思ったのは金が入ってすぐだったんじゃないかな。俺はあの二人にひどい仕打ちをしたかもしれない、でもビッグ になったバンドについてこれる器じゃないと思ったんだ、特にギグジーはね。ドラッグやファー・コートに溺れた時期もあったさ...俺達はおかしくなって た。落ち着いた慎ましい生活とはとても言えなかったね。俺はといえば「スイートショップで金をばらまかせてくれ - 家の名前を変えるんだ!」と言って、本当に手続きをして変えたんだもんな。隣人の一人が、署名欄にサインをしながらこう言うんだ(上流階級風の声で)「あ らまあ、あなた本気なの?」「ああ、あんたも絶対気に入るぜ。もうここは9番地なんかじゃねえんだ。スーパーノヴァ・ハイツさ!」。いわゆるロックンロー ルの成れの果てを書いた本は全部ってくらい読んだけど、それでパニックに陥ることはなかったね。楽しんでいた。一日たりとも、一晩たりとも、後悔はしな い。だから俺達はデビューした時から皆に愛され続けているんだろう...(意味ありげに身を乗り出して)同じ状況なら、また同じことをしてやるさ。

そういう時代が終わったのはいつ?

ノエル:俺がコカインをやめたのは公式には1998年だ。それから2回、一刻も早く酔いを覚まそうとしてやったことがある。

「Be Here Now」から「Heathen Chemistry」まで。一体どうしてしまったのでしょう?

ノエル:俺達は...「Morning Glory」を出したら一旦消えて「Be Here Now」も「Standing On The Shoulder Of Giants」も作るべきじゃなかったんだ。その頃の俺はコカインをやめた代わりに、医者から処方された興奮剤や鎮静剤の処方箋を大量に持っていたんだか ら。音楽を作る力が枯渇していた。全く間違った理由で作り続けていたんだ。作らなきゃいけないから作るという風にね。「Standing On The Shoulder Of Giants」の歌詞は、実体験を書いたものなんだよ。たとえば「Gas Panic!」- ドラッグから離脱する症状で俺はひどいパニック発作に襲われていた。「Where Did It All Go Wrong?」は、「前にも聞いたかもしれないけど...この家の名前を変えたのは誰なんだ?」と考えてる俺自身のことだ。バンドはと言えば、取り巻き連 中まみれだった。どいつもただのラリ仲間。俺の知った顔はいないし、そいつらだって俺のことをしらない。歌詞は良いんだけどな。曲が最悪だ。

曲を書けなくなったのではと怖くはなりませんでした?

ノエル:(長いこと考え込んで)書けないと思ったことは一度もなかった、ないよ。アイディアがわかないか、書く気になれないだけかどっちかだったから。最 盛期があればそうじゃなくなる時期もあるということを受け入れなきゃいけないんだよ - 俺達はしょせんビジネス。最盛期が過ぎたら、たとえ嫌でもその座を手放さなきゃならない。今ではそのことに納得できるようになったんだ、絶頂期に気付いた んだよな。だから俺は最大限に努力した。でも時代は変わって、TravisやColdplayの時代になったということにも気付いたんだ。一度失ったもの を、追いかけても仕方がない。初めは、自分がただの間抜けみたいにしか思えないけどね。俺は他の連中と競い合うことをやめた。これからTop10に入るよ うなシングルを二度と出せなかったとしてもかまわない、2枚も最高のアルバムを書いた。俺達は人々の人生を変えた。こんなことができるバンドはなかなかい るもんじゃないだろう - 少なくとも俺が知る限り、俺達とSex Pistolsくらいさ。だから気楽に構えてるんだよ。

ノエル・ギャラガーは矛盾を抱えている。テクノロジー嫌いにも関わらず、マネージメントオフィスにテキストを送り、ブログを更新しているのだ。彼自身はコ ンピュータを所有してすらいない。最新シングル「Falling Down」に収録されているAmorphous Androgynousによる22分間に及ぶリミックスを熱狂的なまでに支持しているところをみると、頑ななまでに音楽に関して保守的というわけでももは やなさそうだ。

粗野なイメージもはったりだ。2005年のQ Awardsで、ノエルはQ Magazineに紹介された「Don't Believe The Truth」を称えるレビューを、一語一句間違えることなく暗誦してしてみせた。そのことを話すと、彼はこう答えた。「俺に酒が入ると最強なんだ。そうい うくだらねえこともやっちまうんだよ」。

今日はあまり衝撃的なことを口にしませんね。気を遣っているでしょう?

ノエル:そりゃ気も遣うさ。記録は永久に残るんだぜ。他の連中よりも気をつけてるよ。俺がいろんなところからパクって作った曲はどれも素晴らしいし、俺がやることって何もかも最高だからさ。

「Dig Out your Soul」に収められているあなたの曲の出来は、リアムやゲム、アンディのそれよりはるかに上ですよね?

ノエル:それについては何とも言えないな。

どうして全曲書かなかったんです?

ノエル:それだけの曲数を一気に書くことができなくなったことに気付いたんだよ。次のアルバムのために12曲書いて、シングルB面を2曲ずつ書いたら合計 18曲 - そうなるとどこから手をつければいいのかわからないだろう。俺はリアムの曲が好きだ。ゲムとアンディにも才能がある...曲を書くことが彼らにとっても良 いと思うんだよ。おこぼれをあげてるわけじゃなく...たぶん俺が全曲書いたほうが良いアルバムにはなるんだろうが、バンドにとっては良くないと思うん だ。

ゲムとアンディがOASISにもたらしたものとは?

ノエル:二人は後から入ってきたわけだが、ほんとにさ、騎兵隊が丘を越えてやってきたみたいだったよ。ゲムは俺みたいに、バンドを縁の下で支えるんだ。俺 と一緒にバンドをまともに走らせるのさ、バンドに必要なドラマーを見つけて、バンドをリハーサルにもっていく。リアムは...あいつが考えてることと言っ たら、どの靴を買おうかってことだけだ。それか頭の上であのファッキンタンバリンのバランスをとる新しいテクニックでも習得することとかさ。いいね、どっ かに消えてくれ。アンディ?アンディは自分をビリー・ワイマンのキャラクターだと思ってるんじゃないか。だってステージで時々見るんだけど、「あいつ ちょっとは動いてるのか?」って思うぜ。ベースの音が聴こえなかったら、Kraftwerkが仲間のロボットを一体置いていったのかと勘違いしそうだ。ス テージを横切ってやつの元に行くと、こう言うんだぜ。「すごいギグだね!」。まったく、びっくらこいてケツからロケットが飛び出そうだぜ。

昨年の9月には、トロントのV Festivalのステージ上で襲われ、3本の肋骨を折る重傷を負いましたね。今でもその事件に悩まされてはいませんか?

ノエル:そういうくだらねえことはさっさと解決できるんだよ俺は。ああいうどうかしたことは二度と起こらない。おかしいのは、あいつが無罪を訴えてること さ。おいおい - お前が一人の人間に暴行した様子は世界中のTVで流れてるんだぜ、もう逃げられねえんだよ。でもやつの嘆願のおかげか、14年の懲役に直面してるあいつを 見てカナダ人達は「ちょっと厳しすぎるんじゃないか」なんて言ってやがる。もう俺とは関係のないことさ。法律を作るのは俺じゃないんだから。

リアムはその男を激しく攻撃していますが...

ノエル:リアムは典型的なパブファイターなんだ。ステージに十分な数の人間が出てくるのを待ってから暴れだしたんだろ。

今の満足度は10点中何点?

ノエル:私生活面では、15点。これ以上ないってくらいに幸せだよ。仕事面では...7点かな。俺はいつももっと良く出来たんじゃないかって思ってるん だ。今度のアルバムもそうだよ。完成させることができなかった大曲が2曲もある、っていうのもリアムが結婚式を挙げるためにとんずらしたからだ。考えるだ けで腹が立つ。どっちの曲にも50人編成のコーラス隊が参加していて、壮大な出来なんだぜ。なのに今のところ放ったらかしにしておくしかない、っていうの は俺達が次のレコードを作るまでにあと5年は空くからさ。

その2曲が名曲だというなら、アルバムの完成を遅らせればよかったのでは?

ノエル:まあな。でもL.A.にいた俺達3名の間にはこういう空気が流れたのさ、「あいつが帰ってくるのを待とうか?でも俺達全員子供もいるし、ここには もう6週間もいる...それでお前は1週間彼女と一緒にシャンパンを飲むために家に帰った。わかっていたはずだ、始める前に、この日からあの日までアルバ ムのレコーディングをすると決めただろう。それなのに誰にも告げずに結婚式を挙げることを決めたのか」。俺達があいつの尻拭いをしなきゃならない理由が見 つからなかったね。

そのことに関して、彼と話をしました?

ノエル:終わったことを話してもしょうがないだろ。たぶんそれが問題なんだよなあ - あれ以来喧嘩をしてないんだ。「何やってんだよ、クズ野郎」と、ぶちまけてないのさ。あいつにとってアルバムのレコーディングが重要でないなら、話もした くない。いつでも出て行ってくれて構わない、俺に言わせればね。

あなた達二人は、こういう風にインタビューを介して妙なコミュニケーションをとりますよね...

ノエル:リアムと落ち着いて会話をするなんて無理なんだよ、怒鳴り合いになっちまってさ。あいつはより大きな声で怒鳴った方が勝ちだと思ってる。やってらんねえよ。ただの喧嘩に終わるんだ。俺はもう喧嘩をするには年をとりすぎてる。最盛期は過ぎたんだよ。

ノエル・ギャラガーと話すと、全ての話はリアムへと通じる。彼は、たぶん、ノエルにとって最後の砦なのだろう。あまりに深く自分の内面を探られそうになっ た時、弟への不満へ話の矛先を変えるのだ。その時の彼は、まるで目の前にいる相手がリアムであるかのように話をする。こちらが戸惑いを覚えるほどにだ。弟 の話をする時のノエルは途方も無いほどのユーモアを発するが、それと同時に弟に対する不信感、苛立ち、一瞬即発の怒りが内包されていることも事実だ。抑圧 された感情が、目を回す、鼻で笑うなどの動作と共に姿を現す。

どうしてあなたとリアムはいまだに一緒のバンドにいるんでしょうね?

ノエル:さあ...そうだな、バンドが好きだからだよ。音楽が好きなんだ。俺達はウマが合わない。俺はあいつが嫌いだし、あいつは俺が嫌い。それは確かだな。

でも、彼はあなたの弟でしょう。きっと愛して...

ノエル:いやいやいや。俺は愛がどういうものか知っているし、あいつが俺に向けてくるのは愛じゃないんだ。1週間に1回は、不当な扱いを受けたと思い込んでるあいつがこのくらいまで(数cm)顔を近づけて俺を間抜け呼ばわりする。それに耐えなきゃならないんだぜ。

彼の特に何が気に入らないんですか?

ノエル:失礼だし...態度はでかいし....人を脅すし...怠け者だ。豹柄の靴を履いてる。遅刻もする。遅刻をする人間には我慢できない。

二人とも家族がいますよね...

ノエル:あいつを息子に会わせてないんだ。写真だけさ。これについては詳しく話したくないね、他の人間も巻き込むことになるから...傍から見れば、おか しいだろうけど、俺達の中に入ればわかる。あいつが俺や俺の家族に話しかける時の態度を見れば、家の中に入れようとは思わないはずだ。

それならOASISにいる時も、相当辛いのでは?

ノエル:いや。仕事は仕事さ。俺達二人ともバンドを辞める気はさらさらない - 俺達だけの問題じゃないからな。バンドをやるのは好きなんだ。バカをやるのもギグもインタビューも好き。でもその他くだらねえことがあるのも確かだろ。俺 は名目上のバンド態勢にはもううんざりなんだ。俺達全員曲作りに貢献しているし、アイディアも出し合ってる。でも...つまり、リアムと一緒にいるといつ だってトラブルに巻き込まれてしまう。27歳なら楽しめるさ、でももうそういう年でもないだろう。喧嘩もした - 喧嘩だってよ! - リアムと、一番良いクリスマスソングは何かってね。パブで誰かが「クリスマスの曲で一番良いのは?SladeのMerry Xmas Everybodyだな」と言うと、リアムが「何言ってんだお前?ジョン・レノンの...War Is Overはどうなんだよ?」ってさ。パーティであの曲を歌うやつなんていると思うか?それで最後は駐車場で殴り合いさ。「パパ、目の周りが真っ黒だよ」 「リアム叔父さんと喧嘩したんだよ」「どうして?」「クリスマスソングのことでね」。そういう話をされたくないんだよもう。

ノエル・ギャラガーに関するいくつかの事実。彼は煙草は1日に3本と決めている。彼は、Wikipediaの存在を知らないと断言し、Connect 4をやらせたら無敵だと公言する。酔った勢いで階段から落ちて以来、背部痛を抱えており、運動不足を嘆く。「でも、今のOASISは変だよ」。頭を振りつ つ、彼は言った。「リアムは頭がおかしくなったか、オリンピックに出ようと身体を鍛えている。あそこまで走りこんでるやつ、見たことないぜ。アンディとゲ ムも走ってるしさ。心配だよ、俺達4人ともジムで鉢合わせしたらどうしよう。それが現実になった時が、俺がバンドを辞める時だな。終わりだ。そういうのは 隠れてやるべきだろう。リアムみたいに頭の先からつま先までのコスチュームを着けて、公園を走り回る?やめてくれ」。

いつ、どこで一番の幸せを感じる?

ノエル:家でくつろいでいる時。スーパーマーケットならいつでも行くよ。スーパーマーケットがマジで大好きなんだ。フットボールを見るのも好き。曲を書くのも良いな。それ以外の時は、サラと子供達と過ごして、あとは他の人次第で妥協も必要だよな。

一人でいるのが好きだと言っていましたよね...

ノエル:好きだよ。場所を与えてくれさえすればずっとそこにいることだってできる。俺はメリルボン・ハイ・ストリートに面した通りに住んでるんだ、ドライ ブウェイはなくて...それで家の中で座っているのが好きだな、ブラインドを下ろして、TVを消して、街の音に耳を傾ける。自分が何者なのかを思い出させ てくれるから。

あなたの親友は?

ノエル:サラ。マーク・コイル(Inspiral Carpetの元ローディで、Definitely Maybeのエンジニア)は一番昔からの友達だね。ウェラーはお互い隠しどころのない親友だね。

最後に泣いたのはいつ?

ノエル:ドノヴァンが生まれた時。俺は感情を露にすることはないんだけど、子供達が生まれた時はね...息を呑んだのはあれが初めだよ。やっと意味がわかった。

鏡をのぞくと何が見えます?

ノエル:二日酔いだったら、無精ひげを生やしたバグプスだな。夜よく眠れたんなら、年月を経て熟成したワインみたいな男がうつるはずだ。結局外見じゃ若者 には勝てないんだよ。リアムはいつも外見がどうのこうのうるさいけどさ。俺が言ってやるんだ。「外見にうるさい連中によると、お前の外見に魅せられて、男 どもが俺達のギグを見に来るらしいぜ。嬉しいか?」。18ヶ月で6回も髪型を変えるんだぞ。あのちょっとしたジャンヌ・ダルクみてえなやつは結構長く続い たが、今度はスキンヘッドにもみ上げにちっちゃなサングラスで、チャールズ・ブロンソンに似てきただろ。イギリス一危険だから、治療が必要だな。あとは髭 を生やせば完璧だ。

それでは、あなたは誰に似てるの?

ノエル:誰にもさ。

サンテミリオンを飲み干し、ノエル・ギャラガーはシーバスを平らげた。「インタビューは終わり?」。その通りだ。煙草と携帯電話を掴むと、Qが送ってくれ るのを待ち、固く握手を交わすと、外の世界へ勢いよく出て行った。エンジンをふかして待ち受けていた車に、チーフと呼ばれる男が乗り込む。今夜も街の音に 耳を傾ける我が家へと帰るのだ。

Noel & Liam - Les Inrocks - November 1994 pt2

子供の頃、学校生活は楽しめましたか?

リアム:俺、あまり学校に行ったことってないんだよね。子供の頃すでに学校は俺にとっちゃ意味の無いところってわかってたしさ。俺の人生は他のところ、学校の外にあるって確信してたんだ。遊び場では俺はガキ大将じゃなかったしゴマすりもしてなかった。ダチと一緒に遊んでたけど、1人でいることが多かった。グループ、例えばギャングに入ろうとは思ってなかったよ。ただ自分しか信じていなかったんだ。

ノエル:俺は15で学校をやめたんだ。子供時代は静かな性格だったが、今では頭のネジが吹っ飛んじまった。まあどうでもいいけど。あれからたくさんのことを学んだよ。学校では読み書きを習った。言ってみればそれだけさ。

ご両親は、あなた達に理想を押し付けたりはしなかった?

リアム:俺は9歳の時以来、父親とは話してないんだ。家族をダメにした男だからな。でも俺には他の家族がいる。2人の兄貴と俺。みんなであいつから逃げ出したのさ。身体だけでかくて頭はアルコール漬け・・・おふくろは一人ぼっちだった。俺達にはいつも優しくしてくれたけどね。これだけは間違いない。あの男は俺達にはもう必要ないんだ。

どうしてギャラガー家の長男は、OASISでプレイしていないんでしょう。

リアム:音楽を好きなのは俺達と一緒だけど、OASISの仕事の整理とかしてるよ。俺達の中で一番年上なんだ、30歳さ。

よくお母様のことについて話しますよね。彼女だけが、人として信じられるに足ると考えてるかのよう。

リアム:自分のおふくろ以上に信じられる人間なんているのかよ?おふくろは俺達を裏切らない。俺達を育て上げてくれた。そりゃ大変だっただろうさ、俺なんて400回はぶたれたからな。でもそのおかげで今の俺があるんだ。俺は幸せなんだ。おふくろのおかげで自信が持てる。学校では何一つまともにできなかったが、それで怒られることは一度もなかったしね。

今でもお母様の影響力は大きいのですか?例えば、「リアム、もうドラッグはやめなさい」と言われたら?

リアム:ありえねえよ、そんなこと言うわけない。おふくろが心配することなんて俺達何もしてねえし。新聞で俺達の記事を読んで、「ねえリアム、このことについて聞きたいことがあるのよ。キッチンに来なさい!」とは言うけど、でも何かを禁止したことはないよ。

ノエル:親にルールを決められたら、必ずそれを破りたくなるだろう。おふくろのやり方は、子供が自分の力で気づくまで放っておくんだ。賢いのさ。

兄弟であること以外に、二人の間に共通点はありますか?

リアム:(ためらいなく)ドラッグが好きなところかな、特にコカイン。俺は1日に6回はやる。あれの上を行くドラッグはないよ。コカインは良い。俺にとってのドラッグといえばコカインだ。

中毒にはならないのでしょうか?アメリカでは、ロックンロールとドラッグは切り離せないものですが。

リアム:旅行に行く時だって持ち歩いてるぜ、すぐ吸えるように。14歳から始めて、それから毎日欠かさず吸ってるもんな。兄貴だってそうさ、いけないことなのかもしれないが、ぶっ飛ぶのが好きなんだよ。これ以上ドラッグについて話すことはない。意味ねえだろ。俺の住んでるところではみんなドラッグやってたし、今更話題にすることでもないさ・・・・今じゃ、俺も自分のイメージを気にかけなきゃいけなくなったから、酒はあんまり飲まなくなったよ。ジン&トニックからジャック・ダニエルに変えた。1日1ボトル以上は飲まないって決めてるんだ。

ノエル:仕事から帰ってきても、何もすることがないって世界だからな。フットボールにジョン・レノン、そしてドラッグ。それが俺の全てだったわけ。スタジアムに行ったり、ドラッグをキメたり、ビートルズを聴いたり。OASISをやっていなければ、今でも俺はそういう生活をしていただろう。

社会に対して影響力があることはわかっている?子供たちはあなた達を真似しかねませんよ。

リアム:ジャーナリスト達の方からドラッグをやるのかどうか聞いてくるんだぜ、俺達は真実を答えるだけさ。インタビューに嘘はつかない。OASISに嘘はないんだ。でもよく聞けよ、そういうのにいちいちかまってる暇はねえんだ。俺はガキどもに「こういう風に頭をはたけ」とか教えるためにバンドをやってるわけじゃない。エヴァン・ダンドーが「俺はダメな野郎だ、不幸な男だ、不運なアーティストだ」だのほざいてるが、俺には到底受け入れられない。絶対無理。悪事、暴力、フーリガンイズム。俺はそれを売りにしてるつもりはない。

ノエル:俺達の責任じゃないさ。OASISが社会の風紀を乱しているっていう説はめちゃくちゃってことだ。もちろん時々は、ボーンヘッドはバカやるけどさ、カーテンをびりびり引き裂いたり。でも大人しくしてることだってあるんだ。ギグの後に部屋に直行して、ベッドの中で新聞を読むことだってあるんだぜ。

バーニッジの警察とあなた方は顔見知りだと言われていますが。

リアム:2,3、くだらねえことやらかしただけさ。悪いことはしてないぜ。

食料品店を襲ったり?

リアム:(笑って)・・・・思い出させないでくれよ。俺はほんのガキだった。今じゃ警察の厄介になるようなことはしてねえんだ。責められる覚えはない。

ドラッグを持ってるのがバレたり?

リアム:持ち歩いてたことなんて1回もねえよ。そこまでバカじゃない。・・・・・俺達はコンサート会場でドラッグ売買して捕まるマンデイズの間抜けとは違って、もっとずる賢いんだ。OASISは、ドラッグキメてステージにあがることはない。ギグは特別だ。あまりやばい状態で客の前に出ることは許されない。

OASISはブリティッシュロックの救世主のように扱われていますが、それは妥当な評価だと思いますか?

リアム:おふくろがワーキングクラスだったから、その子供の俺とノエルもそうなんだろう。左翼が好きそうな階級分け、俺達に一生つきまとうもの。でもそれだからって、投票して社会を変えようと思ったことはない。俺は投票なんて絶対しないぞ。政治家なんて信じちゃいねえからな。

ノエル:マンチェスター・シティをサポートしていることがまず、ワーキングクラスの証だよな。マンチェスター・ユナイテッドは、世界中の色んなクラスのファンを集めてるが、マン・シティは、道端にたむろする正直なマンキュニアンオンリーだ、クラブが2ndディヴィジョンに落ちようとも忠誠心は変わらない。エリック・カントーナは、俺達のチームでプレイするべきだな。実際、この2つのチームは正反対だよな。マン・ユナイテッドは、大企業、ソニーみたいなもんで、マン・シティはクリエイション・レコードみたいなもんだ。

リアム:ノエルはもう新しい曲を10は書いてるんだぜ。もう少し休んだら、スタジオに戻る予定さ。これからのキャリアを考えたり、5年先に思いを巡らすつもりはない。ただ出来るだけ早く前に進むだけだ。疑問を持つ時間なんてない。俺達が正しければ、すぐにOASISはビッグになるさ、U2みたいにな。

ノエル:俺達にはそれだけの力がある。ここまでくるのに3年かけたんだ。死ぬんじゃないかってくらい働いてきた・・・・もう少しスピードを落としたいよ。

プレッシャーを感じる?

リアム:みんなが俺達を待ってる、当然だな、俺達がやってきたことを思えば。アメリカだったらもっと大変だっただろうけど。俺達の家にあふれてるレコードが、OASISを新世代のローリング・ストーンズへと導いてくれた、刺激に満ちたバンドへね。ものすごい数のギグをこなしてきたが、それだって俺達には楽勝だった、ノープロブレムさ。ただあまりにやりすぎて爆発しそうだから、今は休憩が必要だろうな。

あなた達2人は、喧嘩をよくすると有名ですが、そのせいでバンドが解散の危機に陥ることは?

リアム:くだらねえ!兄貴がクズみてえなことをやったら、俺が殴って、俺がバカなことを喋ると、こいつに殴られる。普通だろ?俺達は兄弟なんだ、どこの兄弟も同じようなもんさ。昨日なんて、インゲン豆缶の値段で喧嘩したぜ。

ノエル:俺の方が年上だから、こいつは俺の言うことを聞くべきなんだ。聞き分けがないことを言ったら、2,3発殴るだけさ。バンドじゃ、俺がボスだろ。これは変わりようのない事実。リアムはロックンロールスターだ。ステージに上がり、マイクの前に立てば、こいつがバンドのフロントマンさ。でもビジネス面で言えば、俺が実権を握ってる。

現在、OASISの曲は歌詞もメロディもノエルが書いていますね。これが変わることはないのでしょうか?

リアム:(抑えた声で)・・・・ないな。部屋で曲を書くことはあるけど、それをバンドに見せることはないんだ。ノエルは曲を書くのが上手いだけじゃなくて、人間としても上だし、正しいことを言うし、俺より頭も良い。大好きだよ、誰よりも尊敬してる。だからノエルが曲を書けば、全てOKなんだ。出来上がったらまずは、こいつが歌って、それを俺が部屋の隅からこっそり見てるわけ。そうやって歌い方を学ぶのさ。

ノエル:2,3年前にリアムが、OASISの曲を2つ書いたことがあるんだ。やめろとすぐに言い渡してやったよ。お前はそのためにバンドにいるんじゃないってね。俺は完璧主義者だからな、曲を書くのは俺の仕事だ。そのために1人、静かなところにいる必要がある。そこから抜け出すために、酒とドラッグが必要なのさ。ドラッグの助けなしでは「Supersonic」とか「Shakermaker」は生まれなかった。でも「Slide Away」や「Live Forever」はラブソングだろ、何もしないでもするっと出てきたよ。

ノエル、あなた以外のメンバーは、曲作りに参加しようとしませんね。疲れない?ノエル:ちょっとストレスだけどな、でもどうしようもないだろう。他に選択肢はないんだ、これが一番良いやり方なんだよ。少なくとも、バンドを続けたいっていう意思はあるみたいだしね。アメリカを回ってる時、B面をレコーディングするために2,3時間スタジオで過ごしたんだが、他のクズどもが曲をちっとも演奏できないんで、結局俺が全部やったんだぞ。ドラムにベース、ギター、キーボード。それしか方法がなかったんだから。ボーンヘッドや他のやつがもっとまともだったらどうだろうと想像してみたけどさ、結局重要なのは、俺が書いたメロディなんだよな。

あなたの書く歌詞は、ありきたりだという批判に対してどう返答しましょうか?

ノエル:俺は街や電話で聞いた言葉を使ってシンプルに書くのが好きなんだ。すぐに覚えられて、アルファベットみたいに口から出てくる文章が好きなのさ。それでありきたりって言われることもあるが、俺にとってはどうでもいいね。

メロディが思い浮かばなくなるのではという恐れはないみたいですね?

ノエル:実を言うと、俺はもうすでに書きたいことは(長くため息をついて)・・・・音楽に関しちゃ何も心配してないんだ。いつだってメロディは出てくるからね。むしろ、どうやったらもう少し上手く歌詞を書けるか悩んでるところだよ。言いたいことはもう言ったのに、まだ書き続けなきゃならないんだ。もうちょっと世間が寛容であることを望むよ。じゃないと、俺はもう歌詞を書くことを辞めちまいそうだからな。

イングランドのプレスというものも、あなた達にとっては危険要素なのでは?

ノエル:誰かが、カート・コバーンを殺したのはイングランドのプレスだと言っていたよ。図星だな。クソプレスが1人の人間を死に追い詰め得るというのがよくわかるだろう!特に責任が大きいのは、記者どもじゃなくてカメラだな。

リアム:俺は、みんながバイブルを読んでる時に、毎週水曜の新聞を読んで育ったんだ。そして今、俺がプレスに狙われる側に立ったなんて、ふざけた話だよな。OASISをどう扱おうとしているのかがよくわかるよ。俺達の音楽に関する記事は、嘘や誤りだらけなんだから。

突然大金が舞い込んできたわけですが、危ない方向には進まない?

リアム:まだこれっぽっちも使ってないんだ。俺達が有頂天になろうとしても、ノエルが止めるしな。こいついっつも冷め切ってるからさ、全く・・・・もし使うとしたら、まずはマンチェスターを離れるよ、ノエルみたいに。でもロンドンには行かない。田舎に庭付きの家を建てるんだ。街にいると疲れるんだよな。あそこは仕事をする場所で、幸せに暮らせる場所じゃない。ギグをやって、仕事関係のやつらと会って、クラブで暴れる場所さ。でも日常生活はまた別なんだよ。もっと落ち着いた場所が良い。

正直言って、6ヶ月前こうなることを予想していました?

リアム:俺はいつだってOASISはビッグになると確信してたよ。この曲を聴けば疑いようがないだろ?まるで・・・宇宙並みに無限の可能性が詰まってるよ!驚いたのは、そのスピードさ。2ndアルバム頃にスターになると思ってたんだ、1stじゃなくて。

「Definitely Maybe」は、アルバムチャートで1位になりましたが、これからやりたいことは何?

ノエル:世界に俺達のことを知ってもらいたいんだ。イングランドじゃ満足できねえ・・・・本当に何をしたいかと言われたら、ビートルズみたいにスタジオに閉じこもりたいよ。レコーディングに集中するためにね。その後、ワールドツアーをして、プロモーションをして。天国だろうな。

リアム:なんか、これだけじゃ満足できねえんだよな、あっという間でさ。元の場所には戻りたくねえんだ。俺は歌うために生まれた。ロックンロールのおかげで救われたんだ。バンドがなけりゃ、今頃何してたかわかんねえよ。もしかしたら家で静かに暮らしてたのかもな。

この6ヶ月、OASIS周辺の騒がしさはすさまじいものがありましたね。長期間にわたるギグ、眠れぬ夜、喧嘩にグルーピー。この騒々しさにきりもみにされて潰されるのではないかという不安はありませんか?

リアム:俺達には覚悟ができてたんだ、こういう日々が始まることは承知の上でデビューしたんだよ。俺なんて14の頃からこういう生活だったしな、女の子に囲まれてさ。自分で選んだ道だから、耐え忍ぶとかそんな感じじゃない。とにかく、やりたいと思ったことはちゃんと自分の手でやり遂げるってことだよ。俺は何をやりたかったのかって?自分の感情を外へ爆発させたかったんだ、そのためにバンドをやってる。俺達はたった1枚のアルバムで、世界を虜にした。一発屋で終わらないように、俺もバンドもまだまだ世間をぶっ飛ばしてやるつもりさ。これまでになかったような歴史を作ってやるよ。
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