[Guarian] Posted By Alan Mcgee 2008/09/30
48回連続で聴いて、気づく。元クリエイション所属のバンドで、私が今でも夢中になれるバンドはOASISだけだと。OASISは、ワールドクラスのソン グライターを2人、そして素晴らしい曲を書くソングライターをさらに2人を抱え、ニューアルバム「Dig Out Your Soul」は、この上なく見事な完成度である。
これまでのキャリアを覆し、本当の意味での「(What's the Story) Morning Glory?」の続編を作り上げ、「Definitely Maybe」から続く不滅のロックンロール3部作を完成させたのだ。
音楽界は今、OASISを求めている。ここ10年のブリティッシュバンドの中でも、とりわけ人間味にあふれ、人を楽しませる手段を知っている彼らを。ビー トルズとセックス・ピストルズから、良い面を抽出し、彼らは今世代のローリング・ストーンズという、新しい時代のスピリットとなったのである。
「2ndより良い」という一文は、2nd以降のOASISのアルバムを評価するうえで、欠かせないものとなっていた。評論家たちは、古き良き時代へと彼らが回帰してくれることを必死で願い、様々な表現で多用してきたものだ。
でも、いいかい?「Dig Out Your Soul」は「(What's the Story) Morning Glory?」以来の名作だ。安心して良い。
去年、L.A.でギャラガー兄弟にばったり会った時から、良いアルバムが出来るというサインを私は感じていた。音楽のことで色々話をしたのだが、興味深い ことに、ノエルはGlasvegasを気に入っていると話したのだ。彼が、あの時点でGlasvegasの音楽をすでに聴いていたということに驚いたもの だ。その夜は、いつものOASISナイト。Brody DalleやBiffy Clyroと一緒に出かけ、イーストロサンゼルスにあるクラブで、最後にはステージに乱入だ。
ノエル・ギャラガーとして生きるということは、きっと想像を超える経験に違いない。ノエル、本調子の時の彼は、現実逃避、北部者ならではの野望についての曲を書き、ロックンロールという手段で階級を超える。
一つ疑問なのは、「全ての夢が叶った時、彼は何を書くのか」ということ。
その時は、デビューした頃へ経ち帰り、自分が何者だったのかを思い出すのである。
「Dig Out Your Soul」が成功した理由。それは、ノエルがソングライティングという面において、若い頃の自分が秘めていたインスピレーションを再び働かせ始めたところにある。
「Definitely Maybe」で、ロックンロールの王座を掴むという夢を語り、「Morning Glory」で、夢を掴んだことを歌い、その余韻に浸ったアルバムが「Be Here Now」だった。そして今回の「Dig Out Your Soul」で、再び懐かしきサイケデリズムを展望しているのだ。
私の意見では、2nd以降の4枚のアルバムは、1st、2ndを超えるマジックを放っていない。卓越したソングライティングが光ってはいるものの、明確な メッセージがない。「Dig Out Your Soul」で、かの有名なギャラガー兄弟の魔力は復活したのだ。疑いようがない。
ノエルが「でも俺は、ただただ好きなんだ!壮大なアルバムを作るのが。わかるか?オーケストラを2つばかり入れるくらいのものが好きなんだ」と話しているように、音楽的にも、アルバムには収まりきれないくらいの野望が戻ってきた。
「Dig Out Your Soul」こそ現在のOASISの姿。ノエルのポップな感覚が、実験的要素と上手く同居している。
自信と、そして素晴らしい曲群がにじみ出るアルバム。
たぶん、これがOASISのラッキー7なアルバムということになろうか?ビートルズの7枚目は「Revolver」だし、ストーンズの7枚目は 「Baggar’s Banquet」だ。「Dig Out Your Soul」は、ソングライティングの面で、この2枚の名作と肩を並べている。
それともノエルをブリットポップから、もっとエレクトリックな方向へと後押ししたのは、盟友のポール・ウェラーであろうか?
ノエル・ギャラガーは「The Shock of the Lightning」のみが、「OASISサウンド」で、残りの曲は、それとは程遠いと話している。
シャーラタンズやレディオヘッドのように、アルバムをフリーで配布するやり方を追従しない彼らの考え方を、私は愛してやまない。
楽譜や歌詞を前もって配布するというのは、いかにもノエルらしいやり方ではないか。フリーミュージックは勧めずに、子供達にギターを手に取らせ、曲を覚え、Youtubeにアップする機会を作ったのだ。
それに、ニューヨークの街頭ミュージシャン達を集めて、一斉に「Dig Out Your Soul」応援団を作るというプロモーション法も、彼らしい。
アルバムの曲はファンタスティックだ。
「freaks coming out through the floor」という歌詞が入り、ドラッグに侵された精神状態を捉えたサウンドのオープニング、「Bag It Up」。
バッファロー・スプリングフィールドの「Buffalo Stomp (Raga)」的な「Get Off Your High Horse Lady」。
「Street Fighting Man」のバイブを持つ「Waiting For The Rapture」。
「To Be Where There's Life」で、レフト・バンクス的サイケデリズムをかもし出し、「The Turning」では、ジョン・レノンの「Dear Prudence」へと移行する。
「Dig Out Your Soul」に、英国が誇るバンドOASISならではの音を聴く。
リアムのソウルフルなヴォーカルは、まさに逸品と呼ぶにふさわしい。昔のワンテイクに賭けるフーリガンの面影は消え、まるで、サイケデリズムを湛えたエルヴィスのように歌い上げることで、楽曲の基盤となりかつ先導役となっている。
「Falling Down」は、ノエルヴォーカルの曲の中でも、際立つ名曲。巧妙な構成、脳裏に焼きつくメロディ、ノエル・ギャラガーのマジックが詰まっている。
手放しに「OASISが好き」と公言することが、論議をかもすことにつながることはよく理解している。しかし、聞いてほしい。OASISのファンであると宣言することと、「私が悪かった」と認めることとは決してイコールではない。実際私は謝る気などない。
その代わり、コールドプレイのフォロワーバンドに対しては、悪いが言っておこう。甘ったれた音楽がもてはやされる時代はもう終わったのだと。
OASISかGlasvegasか。今の英国の興味を引くのは、この2つのバンドだけである。もし、バンドを組んでいても、クリエイティブなロックンロールを生み出すOASISやGlasvegasと張り合う気がないのなら、さっさとたたんでしまうことをお勧めする。
彼らの音楽こそが、英国で鳴り渡るべきロックンロールなのだ。