標準OASIS学

UKロックバンド、OASISのブログです

レビュー

「Dig Out Your Soul」 Review pt3


[Guarian] Posted By Alan Mcgee 2008/09/30

48回連続で聴いて、気づく。元クリエイション所属のバンドで、私が今でも夢中になれるバンドはOASISだけだと。OASISは、ワールドクラスのソン グライターを2人、そして素晴らしい曲を書くソングライターをさらに2人を抱え、ニューアルバム「Dig Out Your Soul」は、この上なく見事な完成度である。

これまでのキャリアを覆し、本当の意味での「(What's the Story) Morning Glory?」の続編を作り上げ、「Definitely Maybe」から続く不滅のロックンロール3部作を完成させたのだ。

音楽界は今、OASISを求めている。ここ10年のブリティッシュバンドの中でも、とりわけ人間味にあふれ、人を楽しませる手段を知っている彼らを。ビー トルズとセックス・ピストルズから、良い面を抽出し、彼らは今世代のローリング・ストーンズという、新しい時代のスピリットとなったのである。

「2ndより良い」という一文は、2nd以降のOASISのアルバムを評価するうえで、欠かせないものとなっていた。評論家たちは、古き良き時代へと彼らが回帰してくれることを必死で願い、様々な表現で多用してきたものだ。

でも、いいかい?「Dig Out Your Soul」は「(What's the Story) Morning Glory?」以来の名作だ。安心して良い。

去年、L.A.でギャラガー兄弟にばったり会った時から、良いアルバムが出来るというサインを私は感じていた。音楽のことで色々話をしたのだが、興味深い ことに、ノエルはGlasvegasを気に入っていると話したのだ。彼が、あの時点でGlasvegasの音楽をすでに聴いていたということに驚いたもの だ。その夜は、いつものOASISナイト。Brody DalleやBiffy Clyroと一緒に出かけ、イーストロサンゼルスにあるクラブで、最後にはステージに乱入だ。

ノエル・ギャラガーとして生きるということは、きっと想像を超える経験に違いない。ノエル、本調子の時の彼は、現実逃避、北部者ならではの野望についての曲を書き、ロックンロールという手段で階級を超える。

一つ疑問なのは、「全ての夢が叶った時、彼は何を書くのか」ということ。
その時は、デビューした頃へ経ち帰り、自分が何者だったのかを思い出すのである。

「Dig Out Your Soul」が成功した理由。それは、ノエルがソングライティングという面において、若い頃の自分が秘めていたインスピレーションを再び働かせ始めたところにある。
「Definitely Maybe」で、ロックンロールの王座を掴むという夢を語り、「Morning Glory」で、夢を掴んだことを歌い、その余韻に浸ったアルバムが「Be Here Now」だった。そして今回の「Dig Out Your Soul」で、再び懐かしきサイケデリズムを展望しているのだ。

私の意見では、2nd以降の4枚のアルバムは、1st、2ndを超えるマジックを放っていない。卓越したソングライティングが光ってはいるものの、明確な メッセージがない。「Dig Out Your Soul」で、かの有名なギャラガー兄弟の魔力は復活したのだ。疑いようがない。

ノエルが「でも俺は、ただただ好きなんだ!壮大なアルバムを作るのが。わかるか?オーケストラを2つばかり入れるくらいのものが好きなんだ」と話しているように、音楽的にも、アルバムには収まりきれないくらいの野望が戻ってきた。
「Dig Out Your Soul」こそ現在のOASISの姿。ノエルのポップな感覚が、実験的要素と上手く同居している。

自信と、そして素晴らしい曲群がにじみ出るアルバム。

たぶん、これがOASISのラッキー7なアルバムということになろうか?ビートルズの7枚目は「Revolver」だし、ストーンズの7枚目は 「Baggar’s Banquet」だ。「Dig Out Your Soul」は、ソングライティングの面で、この2枚の名作と肩を並べている。

それともノエルをブリットポップから、もっとエレクトリックな方向へと後押ししたのは、盟友のポール・ウェラーであろうか?
ノエル・ギャラガーは「The Shock of the Lightning」のみが、「OASISサウンド」で、残りの曲は、それとは程遠いと話している。

シャーラタンズやレディオヘッドのように、アルバムをフリーで配布するやり方を追従しない彼らの考え方を、私は愛してやまない。

楽譜や歌詞を前もって配布するというのは、いかにもノエルらしいやり方ではないか。フリーミュージックは勧めずに、子供達にギターを手に取らせ、曲を覚え、Youtubeにアップする機会を作ったのだ。
それに、ニューヨークの街頭ミュージシャン達を集めて、一斉に「Dig Out Your Soul」応援団を作るというプロモーション法も、彼らしい。

アルバムの曲はファンタスティックだ。
「freaks coming out through the floor」という歌詞が入り、ドラッグに侵された精神状態を捉えたサウンドのオープニング、「Bag It Up」。
バッファロー・スプリングフィールドの「Buffalo Stomp (Raga)」的な「Get Off Your High Horse Lady」。
「Street Fighting Man」のバイブを持つ「Waiting For The Rapture」。
「To Be Where There's Life」で、レフト・バンクス的サイケデリズムをかもし出し、「The Turning」では、ジョン・レノンの「Dear Prudence」へと移行する。

「Dig Out Your Soul」に、英国が誇るバンドOASISならではの音を聴く。

リアムのソウルフルなヴォーカルは、まさに逸品と呼ぶにふさわしい。昔のワンテイクに賭けるフーリガンの面影は消え、まるで、サイケデリズムを湛えたエルヴィスのように歌い上げることで、楽曲の基盤となりかつ先導役となっている。
「Falling Down」は、ノエルヴォーカルの曲の中でも、際立つ名曲。巧妙な構成、脳裏に焼きつくメロディ、ノエル・ギャラガーのマジックが詰まっている。

手放しに「OASISが好き」と公言することが、論議をかもすことにつながることはよく理解している。しかし、聞いてほしい。OASISのファンであると宣言することと、「私が悪かった」と認めることとは決してイコールではない。実際私は謝る気などない。
その代わり、コールドプレイのフォロワーバンドに対しては、悪いが言っておこう。甘ったれた音楽がもてはやされる時代はもう終わったのだと。
OASISかGlasvegasか。今の英国の興味を引くのは、この2つのバンドだけである。もし、バンドを組んでいても、クリエイティブなロックンロールを生み出すOASISやGlasvegasと張り合う気がないのなら、さっさとたたんでしまうことをお勧めする。

彼らの音楽こそが、英国で鳴り渡るべきロックンロールなのだ。

「Dig Out Your Soul」 Review pt1

[clevelandleader] 2008/09/20

OASISがニューアルバムと共に帰ってくる。彼らの音楽への取り組み方を表す1曲を選ぶとすれば、「The Turning」だろう。ミドルテンポのこの曲で、OASISは「いつも同じ曲を追い求めて」と歌うのである。

ギャラガー兄弟とその仲間達は、今回全く異なるアプローチで曲作りに挑んでいる。1994年に発売されたデビューアルバム「Definitely Maybe」以来の新鮮なサウンドだ。

The Beatles、The Doors、そしてジョン・レノンからの影響を誇らしげに身にまとってきた彼らの姿勢は、変わらないようだ。自らの作品で先人達の功績を世に知らしめつ つ、The Beatlesの「Dear Prudence」、The Doorsの「Five To One」、ジョン・レノンの「Gimme Some Truth」のような曲の詰まったニューアルバムを送り出す。

ヴォーカリストのリアム・ギャラガー、英国音楽界でも随一の声の持ち主は、オープニングの「Bag It Up」で、「俺の信じる全てのものが、まだ足りないと叫んでいる」と訴える。彼らのファンであるならばこの歌詞の意味はわかるだろうし、アルバムを最後ま で聴けば抵抗なく腑に落ちるフレーズとなるはずだ。

繊細なピアノの旋律で始まる「The Turning」は、続くギターソロによって新たな高みへ昇り、50層にも織り成されるコーラスでエンディングへと誘導される。

リアムの兄ノエルがアルバムで最初にヴォーカルを取るのは、3曲目「Waiting For The Rapture」だ。
The Doorsの「Five To One」でおなじみのビートで始まり、長年付き合っている恋人サラへの愛情が垣間見えるこの曲では、彼の音楽キャリア14年にして新しいヴォーカルスタイルをとっている。

次なるトラックは、シングル「The Shock Of The Lightning」。

この曲で私達は初めて、いつものOASIS節を耳にする。アメリカでは、1997年の「D'you Know What I Mean」以来の話題となりそうなシングルだ。

続いて、バンドには欠かせないジョン・レノンへの頌歌「I'm Outta Time」である。リアムが書いた曲だ。
ジョン・レノンのインタビュークリップまでサンプリングされたこの曲は、彼の「Imagine」、「Double Fantasy」に収録されていてもおかしくないサウンド。これを聴いたオノ・ヨーコが、涙を流し、リアムの確固としたソングライティング能力を誇りに 思ったとしても不思議ではない。

「(Get of Your) High Horse Lady」では、ノエルが再び戻ってくる。
The Beatlesの「Rocky Racoon」をブルージーに解釈したと言える曲だ。「Rocky Racoon」にThe Rolling Stonesの「Exile on Main Street」の雰囲気をミックスした感じを想像してほしい。
これまでのOASISとは一線を画するこの曲で、アルバムの流れは一変する。

そしてアルバム後半のスタートを切るのは、ノエルヴォーカルの「Falling Down」だ。リアムが歌う「The Shock Of The Lightning」のように、90年代のOASISを彷彿とさせるこの曲には、ノエルがケミカル・ブラザーズととの経験を生かしてドローンロックが取り 入れられている。

「(Get of Your) High Horse Lady」と「Falling Down」は、ノエルのソングライティングの奥の深さを示しているのみならず、曲調は全く異なるものの、どちらもアルバムの要塞となっているのである。

次のトラックを手がける栄誉を得たのは、ゲム・アーチャーだ。
「To Be Where There's Life」にシタールを取り入れることで、内なるジョージ・ハリソンを表現したゲム。気骨あふれるリアムのヴォーカル、粋なベースライン、シタール、そしてそれらをリードするギターテクニック。

ここで再びリアムの曲が登場する。1996年、マンチェスターでのギグの直前にジョン・レノンの魂が身体の中に入ってきたと主張する彼にふさわしく、この曲もジョン・レノンスタイルだ。
レノンのアグレッシブなナンバー「Gimme Some Truth」を髣髴とさせる「Ain't Got Nothin'」は、2002年ドイツで起こった喧嘩の真相が歌われる。

アルバムの終わりは、さらにレノンの影響を感じる2曲、アンディ・ベルの「Nature Of Reality」とリアムの「Soldier On」で幕を閉じる。

今回のアルバムで、OASISは反対論者達の口をつぐませることができるだろうか?
14年の歳月をかけて到達した「Dig Out Your Soul」を受け入れられないならば、あなたにはOASISというバンドが合わないということだろう。

しかし1995年発売の「(What's the Story) Morning Glory?」から彼らを待ち続けてきたのなら、これこそ、あなたの待ち望んでいたアルバムである。

OASISの偉大さを確実なものとする胸のすくような作品だ。

[Guardian] 2008/09/14

5点中4点

彼らが社会に対して傲慢さと嘲りを持って現れてから15年近い。ギャラガー兄弟は今でも、他に類を見ないほどの注目を集めている。なぜ、これまでにみんな の興味を引くのか。答えは簡単だ。足元に及ぶものはいない真のロック・スター然とした振る舞い。そしてリオ・フェルディナンドも言及しているように「傑作 を作り続ける」からなのである。この2つがOASISを比類のものに至らしめているのだ。彼らは生き続ける。「ローリング・ストーンズになるには若すぎ る。リバティーンズの郎党になるには年上すぎる」と、アラン・マッギーが形容したように。

前作のインタビューで、リアムは「どこに行こうと、俺は狂気を持ち続けてる」と言ったものだが、かのロックスターは落ち着きを得、常識人になっているよう に思える。朝の6時に起床してハムステッド・ヒースをランニングした後に、子供達を学校まで連れて行くのだ。「Defeinitely Maybe」で、ギャラガー兄弟の弟は、ストロベリー&クリーム&ラザーニャについて歌っていたが、今のお気に入りは醤油味の焼きサーモンのようだ。そし て今でも彼の口からはFワードのスパイスがふんだんにかかった言葉が流れ出るが、実際「The F Word」という番組に出演し、ゴードン・ラムゼイ相手にジョークを交わしたりもするのだ。

一方ノエル派、第2の青春へと入ったようである。Radio 1の番組に朝一で、しかも酒が残ったままで出演したのだ。

2005年発売の前作「Don't Believe The Truth」では、長い間待たれていたサウンド面での復活を果たしたOASIS。今回は、ノエルの言葉で表すなら「グルーヴよりの音楽となっている」。こ れは彼が以前から持ち合わせていたものではあるが、メロディに圧されていたものだ。2000年の「Standing on the Shoulder of Giants」の時から、OASISは常に虚飾を廃した戦闘開始の合図を発してきた。「Go Let It Out」や「The Hindu Times」、「Lyla」などだ。そして今回もその姿勢は変わらない。「The Shock Of The Lightning」は、推進力みなぎるロックであり、もはやトレードマークでもあるノエルの不合理な、言いたいことはたくさんあるのだけど、どう表現す ればいいのかわからないという歌詞があふれている。

ギタリストのゲム・アーチャーは、ヒプノティックな「To be Where There's Life」、ベーシストのアンディ・ベルも、それぞれ「The Nature of Reality」で、アルバムのソングライティングに貢献している。しかし、ノエルのチーフの座を狙うようなことはしないようだ。それをする可能性がある のは、リアム、彼に違いないだろう。アルバムの中でもひときわ目立つ「I'm Outta Time」、レノン風のピアノで導かれるバラードでは、彼の繊細な面が露になっている。リアム自身の「自分の心をもっと穏やかな状態に保つ・・・イカれた 行動をすることがだんだん難しくなってきてるんだよ」という言葉は本当のようだ。

ビートルズの影響は今でも残っている。終盤に「Dear Prudence」のギターが入る「The Turning」から、「Give Peace a Chance」のクラップとストンプが入る「(Get Off Your) High Horse Lady」まで。しかし、今回のOASISは、それだけで終わらず、音楽の歴史を渡り歩いていたようだ。「Waiting For the Rapture」の猥褻なギターはドアーズの「Five To One」のものだし、「Ain't Got Nothin'」では、ザ・フーが、そして、「Bag It Up」ではピンク・フロイドも見えてくる。つまり、彼らはドローンからアシッド・ロックまで幅広い音楽性を取り入れることにより、一発で記憶に残る一般的 なポップソングを避けたのだ。

「Definitely Maybe」が、OASISにとってのストーン・ローゼズの1st「Stone Roses」だとすれば、「Dig Out Your Soul」は、彼らの2nd「Second Coming」だと言えよう。新たなファンの獲得は望めないが、前作を気に入ったファン達には必ずや受け入れられるということだ。

[Q] 2008 October
OASISのメンバーが、楽曲を解説。

BAG IT UP
激しくサイケデリックなオープニング曲。The Pretty Thingsの「Baron Saturday」からインスピレーションを得たという。

ノエル:スローテンポのアシッドロック。The Pretty Things VS The Pink Floydってところだな。

アンディ:ノエルがゲムのホームスタジオでデモ録りをした3曲のうちの1曲だね。静かな落ち着いた環境で、基本に忠実にレコーディングをしたことで、どういうアルバムにしていくかが見えてきたんだ。

THE TURNING
ドリーミーなピアノ主体のリード・ヴァースから、多幸感あふれるコーラスへ。リアムの「shake, your reptile baby」というヴォーカルがリスナーを曲の世界へと引きずりこむ。

ノエル:The Stone Rosesが、The World Of Twistに目くばせしながらThe Stoogesをやった感じ。

ゲム:リアムのヴォーカルがすごいんだ。力強いんだけど粗野じゃない。

WAITING FOR THE RAPTURE
ヘヴィなリフ。特に、架空の女性に「get me off the merry-go-round」と歌うところでは、ノエルの熱のこもったヴォーカルを聴くことが出来る。

ノエル:イビサで出会った「天使」にまつわるラブソング。

アンディ:それってサラのことだろう。ノエルはそういう事柄を、ストレートに核心を突く現実的な方法で表現することができるのさ。

THE SHOCK OF THE LIGHTNING
「Come In, Come Out」の癖になるリフレインが肝の駆動力あふれるロック。「Definitely Maybe」に収録されていたとしてもおかしくない。

ゲム:レコーディング前夜にノエルがまさに一夜にしてデモを作ったんだよ。ちょっとしてワンマンバンドさ。ドラムもベースもギターもヴォーカルも1人でやって、僕達のいる2階に戻ってきたんだ。

I'M OUTTA TIME
「If I'm to fall/ Would you be there to applaud?」というはかない歌詞が歌われるリアムのバラード。ジョン・レノン死の前日に録られたラジオインタビューがサンプリングされている。

ノエル:実は、素晴らしい曲。女性は好きだろうね。

ゲム:心がこもってる。メランコリーが感じられるし、それこそリアムが表現したかったものだろう。

(GET OFF YOUR) HIGH HORSE LADY
手拍子でつづられるブルージーなアコースティックのストンプ。ノエルのヴォーカルにはディストーションがかけられている。

ノエル:このアルバムの中では一番古い曲だな。「Heathen Chemistry」の時にデモは録っていたから。この曲がアルバムのメインにはなりえないだろうが、ベースがとてもヘヴィなんだ。最後まで突っ走ってく感じさ。

FALLING DOWN
芯までサイケデリックに染まったドローン・ポップ。「Setting Sun」からエレクトリック要素を取り除いたような雰囲気。

ノエル:3コードに、Krautpop!のような感情の起伏のない感じ。長い間、こういう曲を書きたいと思ってた。

TO BE WHERE THERE'S LIFE
強靭なベースラインが目立つヒプノティックな楽曲。リスナーを広大でワイルドな世界へと導く。

ゲム:最初はグルーヴとベースラインしかなかった曲なんだ。これを聴いたノエルが「これはいい。歌詞を書いてくれ」って言ってきてね。感情の嵐って感じだよね。ギターが少しも入ってないけど、こういうのも僕は好きなんだ。

AIN'T GOT NOTHIN'
60年代のThe Whoを思わせるトリッピーな楽曲。2002年ミュンヘンで起きたバーでの騒動の後、リアムが書いた曲。

ノエル:ヘヴィ・メタルなモータウンさ!

ゲム:リアムはこの曲を、ジンジャー・ベイカーがドラムに入ったThe Whoみたいなサウンドに仕上げたがっていた。

THE NATURE OF REALITY
「The nature of reality/ Is pure subjective fantasy」という歌詞がある、アンディ・ベルのアシッドロック。

アンディ:空いた時間に少しずつ書いた曲なんだ。僕の結婚生活がまだ上手く行ってた時にね。ノエルにギターラインを教えて、後は彼に好きなように弾いても らった。ゲムはベースを弾いてる。だからこの曲で僕は何も演奏していないんだよ。コントロールルームで、ちゃんとした音になってるか確認したくてね。

SOLDIER ON
The Coralによって日の目を見た楽曲。アンディ・ベルのipodから見つかるまで、誰も存在すら覚えてなかったという。

ゲム:The Coralがノエルに「良い曲だよ」と言ってきたんだけど、ノエルが「何の曲だ?」、僕もはっきりわからなくてさ。2004年か2005年あたりに、リアムとデモを作ったんだけど、思い出せなかったんだよね。

ノエル:人間の存在をメタファーとした曲。アウトロでは、レゲエ界の伝説ドレッド・ノエルがメロディカの音にあわせて出てくるぞ。

[Billboard] 2008/08/20

ラウドに誇らしげに。OASISがニューアルバムでロックを打ち鳴らす。

OASISが、無駄を一切省いたロックンロールへと回帰した。
アメリカにて10月7日に発売される、7thアルバム「Dig Out Your Soul」。
9月の終わりに発売されるラウドなリードシングル「The Shock of the Lightning」は、すでにラジオステーションで繰り返しオンエアされている。

1994年発売のデビューアルバム「Definitely Maybe」収録の「Columbia」が蘇る2コードの哀歌「Bag It Up」でアルバムの幕が上がる今作は、続く2曲目「The Turning」で、「Blackbird」のフィンガーピッキングスタイルで張り詰めた緊張を緩め、車の往来する音と警報のサンプリングを用いたアウト ロへとなだれ込む。

ノエルヴォーカルの「Waiting for the Rapture」は、ビートルズの「Come Together」に応えるかのような楽曲であり、手拍子がはまるストンプ「(Get Off Your) High Horse Lady」やブギの雰囲気を持つ「The Nature of Reality」を聴けば、今回のアルバムが原点へ戻ったという感慨が深まるだろう。

一方、リアム・ギャラガーがペンを取った「I'm Outta Time」には、1980年、ジョン・レノンがこの世を去るほんの数日前にBBC Radioで行われたインタビューをサンプリングされている。
ノエルの歌う「Falling Down」は、ケミカル・ブラザーズとのコラボレーション作品「Setting Sun」のビートに乗せて演奏される楽曲だ。

今回の「Dig Out Your Soul」では、ノエルが6曲、リアムが3曲、ゲムとアンディがそれぞれ1曲ずつを担当している。

8月26日のシアトルから、ノースアメリカでのツアーをスタートさせるOASIS。
バンドのスポークスマンによると、今朝発売されたUKツアー、10月に行われる18日程のチケットは既に完売したという。

「Dig Out Your Soul」 Review pt2

[gigwise] 2008/09/25
①Bag It Up
アルバムのオープニングをぶちかます目覚ましい楽曲。アルバム全体を流れるサイケデリアを集約している。Chorusに入る前の肝の据わった静けさ。 「Someone tell me I’m dreaming/The freaks are rising up through the floor」。リアムにしか出せない歌声。そして圧巻のChorus「Lay your love on the fire when you come on in/ I got my hee-bee-jee-bees in a hidden bag」。1曲目としての魅力は万全である。

②The Turning
破壊的なパワーが炸裂した前曲から、少しトーンは下落、スムーズな移り変わりとも言える。安定したコード展開に、リアムがぶちまける不協和音からなるChorusが乗る。静かに高揚するロックンロール。

③Waiting for the Rapture
ノエルがヴォーカルをとる最初の曲。ジョン・デスモアとロビー・クライジャーの融合だ。曲の持つグラムで退廃的な雰囲気が、暗い美しさをかもしだしている。ノエルの出すキーの高いヴォーカルが、シャープなギターにうまく合わされば敵うものはない。

④The Shock Of The Lightning
早めのペース、そしてキース・ムーンスタイルのドラム・ソロにより、単調さから抜け出すことに成功している。オルガンの音も印象的な、パワフルで駆動力あふれる楽曲。

⑤I’m Outta Time
今、一番話題になっている楽曲の一つだろう。ジョン・レノンへの抒情詩ともとれるリアムの曲は、あなたの期待を裏切らない。「ラララ・・・」という歌い出 しは、感情に訴えるリアムのヴォーカルで届けられる素晴らしいバラードが始まるという予感を高めるのに十分である。彼の優しさがはっきりと現れたこの作品 に涙する人は多いはずだ。「If I’m to fall would you be there to applaud/ Or would you hide behind them all」。リアムがついにソングライターとしての才能を開花させたことがわかる。「Are you going to be there when I get back」で終わるレノンの言葉が、曲にある種の不気味さを加えており、リスナーに最後の追撃を与えるだろう。

⑥(Get Off Your) High Horse Lady
ドラムに手拍子、どんぴしゃの歌声で全てを言い表せる曲。これらが曲をエンディングへと導く。ノエルのエフェクトが施されたヴォーカルは、悔しくなるくら いに素晴らしい。曲の構成に力を入れたという点で、このアルバムを代表する楽曲である。海辺を歩く足音とともに、次の楽曲へと移る。

⑦Falling Down
いわゆる名曲だ。オーケストラが、曲の底に流れる「切望」をさらに増幅し、リスナーを洗練された手管で導いていく。この曲でもドラムが大きな役割を果たし ている。ダークでありながらあくまで柔らかいノエルのヴォーカルと競い合う、跳ねるようなビートを聴けば、楽曲の素晴らしさに対する畏敬の念が打ち寄せ る。リアムのバラードよりもさらに感情を震わせる何かがあるこの曲は、ヴォーカルとしてもソングライターとしても、ここ数年ではノエルの最高作だ。

⑧To Be Where There’s Life
全体を通して東洋音楽の影響が顕著であるが、何よりもこの曲を際立たせているのは、リアムの力強いヴォーカルである。基礎には、いつものギャラガー節が厳然と腰を落ち着かせている。Verseへの戻り方、「Dig Out Your Soul」と叫ぶリアムの声は必聴。

⑨Ain’t Got Nothin’

OASISマジックを振りかけたThe Whoと言ったところ。短いがインパクトは大きい。

⑩The Nature Of Reality
マラカスの音、次にビートルズの「Revolution」や「Helter Skelter」のような一音が鳴り響き、80年代のスタジアムロックを思わせるビートが入ってくる。昔ながらのブリティッシュロックの表出だ。スパイナ ル・タップスのナイジェル・タフネルが喜ぶようなリバーヴが十分にかかった中で、ジョン・ボンハムとピート・ウィリスがジャムをした感じを想像してほし い。

⑪Soldier On
エコーがかかったリアムのヴォーカルの下に響くグルーヴが、アルバムをクライマックスへと導く。まるで映画のクレジット画面の後ろで流れるサウンドトラッ クのようだ。メロディカと共に、入ってくる「Baba O’Reily」を思わせるシンセイザーが、夢の終わりを告げるように、アルバムを締める。頭から離れない。何度も言うが、素晴らしい作品だ。

総括すると、このアルバムは全ての期待、熱望を十分に受け止めるだけの懐のある作品である。あなたの心を根底から揺り動かすだけでは足らず、近くにいる人の足元までもおぼつかなくさせるほどの迫力を放っているのだ。今すぐ予約を。

[The Quietus] 2008/09/23
ノエル・ギャラガー、OASISのニューアルバムについていつものように声明を出した。A)良い出来、B)ブリットポップではない。皮肉屋のルーク・ターナーは、このアルバムを気に入るのだろうか?

①Bag It Up
隙のないソリッドなスタートである。揺るぎない信念が爆風のように襲いかかるノイズ、ギャラガー兄弟のデュエット。そして仰々しいまでに派手に曲の終わりを締めるノエルのギターライン。今のところ、期待通りである。

②The Turning
OASISの進化がうかがえる最初の曲。ドラムビートで始まるこの曲。そのメロディは - 冗談を言ってるわけではなく - レディオヘッドの「Everything In It's Right Place」をスピードアップさせたといっても、おかしくはない。このアルバムを「Kid A」(訳注:レディオヘッドの4thアルバム)と表現したライアン・アダムスは、的を得ていると言える。でも、先走りするのはやめておこう。リアムの ヴォーカルが入り、壮大なコーラスも加わる。OASISとしては、大きな進歩である。歌詞には宗教的要素が多大に感じられ、曲が海鳴りやサイレンとともに 終わる頃には、「歓喜」や「天使」が、あなたの元にも訪れることだろう。

③Waiting For The Rapture
またしても歌詞に言及するが、この曲は大きなテーマを持っている。ノエルがヴォーカルをとるこの曲は、一撃必殺のコーラスを持つ好戦的なストンプだ。ライ ムのヴォーカルはブリット・アワードの時と比べて格段に良くなっている(毎朝のジョギングが、彼の肺内の空気を浄化したようだ)。しかし、高いキーが含ま れるこの曲では、ヴォーカルの座は兄に譲るのが正解であろう。これまでのアルバムと比べると、OASISに対しての考えを変える必要を、この曲でも感じ る。現時点では、良い調子である。

④The Shock Of The Lightning
聴き手の頭に殴りかかってくるかのようなドラムにリアムのヴォーカルが乗るkの曲は、OASISの90年代アライバルを思わせる。彼らは、出発点に帰った のだ。威風と向上心を感じたあの時代に。「love is a time machine / up on the silver screen」と、ビートルズの影響もおまけとしてついている。トニー・マッキャロルやアラン・ホワイトでは作り出せないだろうドラムソロの前には、キー ボードの良い息抜きが入り、それに続くメロディに私達はまたしても、この曲の持つ力に打ちのめされる。「Definitely Maybe」や「(What's The Story) Morning Glory?」に収録された方がしっくり来たのではないか。レインコートを着けて自信たっぷりに歩く男のための音楽。実際、曲の本質に、 「Rock&Roll Star」に非常に似たものを感じる。

⑤I'm Outta Time
そして次は、と。何てことだ、バラードだ。リアムの曲だ。ジョン・レノンが殺害される1週間前に収録されたインタビューがサンプリングされている。これ以 上に言うことはあまりないが、「A Day In The Life」を目指していることはわかる。OASISが作るバラードには2タイプある。酔っぱらった野郎同士が肩を抱き合って歌う曲と、その翌朝に彼女に謝 るために歌う曲だ。この曲はどちらにも有効である。

⑥(Get Off Your High Horse) Lady
再び衝撃的なタイトルの登場(一体どういう意味なんだ?ノエルが日記で書いた「これまでで最高のバンド」リストに女性アーティストが入ってないことを批判 した人々について書いたのだろうか)。ハンドクラップにブルージーなギター。ノエルはエフェクトを通して歌っている・・・だからまるでリアムの声のよう だ。OASISがトム・ウェイツをやってると思うかもしれない。もちろん違う。フィル・コリンズの「That's All」のようだ。面白い方向性を持った楽曲。

⑦Falling Down
何てことだ。この曲の始まりはRideみたいだ。歌詞もシューゲイザー的である。「蝶の羽ばたきを止める風をとらえる」とか、そういった感じ。ノエルはこ の曲をKrautpopと呼び、長年書こうと思っていた作品と話している。どうしてもっと早く書かなかったんだろう?細かなドラムワークとストリングス に、良いメロディを忍ばせるという巧妙な技も持つことを示したOASIS。これまでのOASISのイメージに漫然と従っていた楽曲よりも、よっぽど素晴ら しい出来だ。

⑧To Be Where There's Life
ジョージ・ハリソンの魂を貫いたゲム。ギターのないOASISの曲だって?この世はどうなってしまうんだ!結果は、予想していたよりも異質の世界だ。 The Verveが、ええと、OASISになろうとする以前の雰囲気を帯びた音のざわめきである。「生きがいがある場所」?今回に限り、それはOASISの ニューアルバムの中に見つけられると言えるだろう。

⑨Ain't Got Nothin'

リアム作、二重否定のタイトルを持つ、The Whoの影響を受けたスタンダードなロックナンバー。奇妙にとらえどころのないメロディに乗って、ハーモニカに怒号がそこかしこで荒れ狂う。「fuse」 と「lose」、「groove」と「prove」のように韻を踏まれた歌詞を、リアムが歌うと鳥肌が立つほどである。

⑩The Nature Of Reality

OASISは哲学的になってきた、その音楽が知的な高みを目指すことはないのだろうが。マラカスの音に続いてブルース調のドラム、「the nature of reality / is pure subjective fantasy」とグラムロックなリフに乗って、リアムの歌声が入る。OASISのファンサイトとして有名なL4Eに集うファンたちはあまりこの曲を好ん でいないようだ。「OASISの何が良いかというと、ボノやクリス・マーティンみたいに詩人ぶることなく、みんながすぐに理解できる歌を書くところだ」。 しかし「Dig Out Your Soul」において、それは問題となることだろうか?彼らが自らの限界を破ろうと試みたこの作品は、1997年以来OASISに背を向けたリスナーの耳を 動かすはずだ。さらに言えば、酒びたりのロッカーや、ライターをかざして合唱する様な曲の見当たらない今作の発売することは、OASISのファン層から音 楽を理解する才能のない輩を追い出すきっかけとなるのだろうか?

⑪Soldier On

The Coralが見つけ出すまで、OASISのどのメンバーもこの曲の存在を覚えていなかったということは忘れて、聴いてほしい。「Soldier On」は、メロディカ、何層にも重なるエコーのかかったヴォーカルが織り成す、ひねくれた、そして物憂げな楽曲である。1曲目の「Bag It Up」と好対照なこの曲で、驚くほどに出来の良いアルバムは終わりを迎える。

正直なところ、「Dig Out Your Soul」を聴き通して、レビューを書くなど、オートミールを我慢して食べるような忍耐のいる作業だと思っていた。ニューアルバムに対して新しい驚きはな い。OASISが、袋小路を取り囲む柵を乗り越え、その先にどんな牧草地が広がっているのか見渡そうとする努力をしている、その姿勢に驚きを感じた。10 年前、「(What’s The Story) Morning Glory?」の次の作品としてこれを出してくれていたらと考えてしまうとしても、良いものは良いのである。全般的に見て、「Dig Out Your Soul」には新鮮な響きがある。OASISをOASISたらしめてきたスピリットを取り戻し、ついに、彼らはこれまでとは違うことを試み始めたのであ る。

[uab] 2008/09/23
OASISが、またしてもやってくれた。7thアルバム「Dig Out Your Soul」である。このアルバムは、OASISの「Revolver」ともいえる作品に仕上がっている。顎が落ちるような素晴らしい曲群の詰まったこのア ルバムを聴けば、人生の意味を見つめなおし、代金以上のものを得たと満足すること間違いない。さて、この輝かしいアルバムを分析してみよう。

「Dig Out Your Soul」の幕を切って落とすのは、ハードロックなリフが冴え渡る「Bag It Up」である。タイトルの意味は、人によって解釈が分かれるだろうが、欲求を駆り立てる何かをこの曲に感じるという点では、意見が一致するだろう。アルバ ムの1曲目に最適な曲である。

高らかなドラムビートが鳴る「The Turning」に続くのは、このアルバムの最初の佳境「Waiting For The Rapture」だ。私の考えでは、アルバム中1番の出来である。ちなみに、今回収録の11曲に順位をつけるのは、困難を極める作業だったと付け加えてお こう。冒頭の悲しげなノエルの歌声を聴いた時、すでに名曲の予感を感じるはずだ。ザクザクとしたギターのリフと共に流れる、身体が疼くような彼のメロディ は格別。時間を越えて聴くことのできる1曲となるべき楽曲だ。

「The Shock Of The Lightning」は、ニューアルバムからのファーストシングルである。この曲の説明に時間を割くつもりはない。すでに音源がオフィシャルに出回っているからだ。私を信じてほしい。自分の耳で確かめることを強くおすすめする。

次世代の「Imagine」となるリアム・ギャラガーの作品が「I'm Outta Time」だ。アルバム中でも、最もテンポが落ちる作品だが、真の傑作である。私は爆発するようなロックが大好きなのだが、こういうスロウな曲にも弱いのだ。歴史に残る楽曲となるだろう。

ここで、「ワイルドウェスト」から飛び出してきたような、リズミックでストレートなスチールギターで、ノエルが帰ってくる。「(Get off Your) High Horse Lady」だ。アルバムの中で2番目に好きな曲だが、これまた選ぶのにずいぶん苦しんだ。
7曲目は「Falling Down」。その次が「To Be Where There’s Life」。サイケデリックなこの曲は、インドの楽器シタールの古風な響きで、聴き手を魅惑して離さない。

9曲目の「Ain’t Got Nothing On Me」は、肩肘張らずに楽しんで聴けるハードロック&サイケデリックなナンバー。

アンディ作の「The Nature Of Reality」は、いわゆる定石通りのロック。速いギターリフにスローなドラムビート。直感に訴える楽曲だ。

そして私達の「旅」の終わりを告げるのは「Soldier On」である。音楽的に言えば、このアルバム中で最もOASISらしい楽曲だが、エコー優位に響かせることで、変化が加わった。リアムのヴォーカルがしば らく頭から離れないという効果を与えることに成功しているのだ。

最後に。10月7日に発売されたら、すぐに「Dig Out Your Soul」を買いに行くこと。後悔することはないと約束しよう。

Track By Track - Musicrader - 2008/08/14

8月14日、ロンドンで行われたOASISのリハーサルを見た「musicrader」の記者の楽曲レビューです。
かっこ内は、その幸運なチケットを手にしたファン達のレビューを要約したものです。セットリストも記憶に頼っています。どちらも「轟音が鳴り響く中で一聴した、個人的な」感想として、参考にしてください。

リハーサルのセットリスト
Rock 'N' Roll Star(「ここで盛り上がらないと、いつ盛り上がるんだ?」というリアムの呼びかけで、みんな立ち上がる)。
Lyla
Cigarettes and Alcohol
The Shock of the Lightning
The Meaning Of Soul
Morning Glory
The Masterplan
The Importance Of Being Idle
Songbird
I'm Outta Time
My Big Mouth(アルバムよりも、ライトな雰囲気)
Slide Away(リアムヴォーカル)
Waiting For The Rapture
Supersonic
To Be Where There's Life
Wonderwall
---
Falling Down
Don't Look Back In Anger(アコースティック)
Champagne Supernova
I Am The Walrus

・リアムの声の調子はとても良かったらしく、2000年以来ベストという声もあり。
・ニューシングル「The Shock Of The Lightning」は、「It's Getting Better Man」と比較されていたが、それよりむしろ「Headshrinker」寄り。
・「Waiting For The Rapture」は、「Force Of Nature」をより磨き上げたような雰囲気。
・「Falling Down」は、OASISの曲にしては、ダークな雰囲気。
・カメラが客席やステージに設置されていたので、のちにテレビで放映される可能性あり。

01. Bag It Up
ミッドテンポで幕開け。ストーン・ローゼズのようなギターと共に迫り来る容赦ないピアノのグルーヴが楽曲の核を成す。

02. The Turning
意外な展開を見せた1曲目と違い、2曲目はまさにOASIS。アビーロードスタジオでレコーディングした成果を耳で感じる。「Be Here Now」収録の「My Big Mouth」を思い起こさせるが、異なる点が2つ。100倍完成度が高く、5分でしっかり収まるのだ(トラック①よりも乗れる曲)。

03.Waiting For The Rapture
アルバム中でも際立つ楽曲。ノエル作のこの曲は、ストゥージズ並みのヘヴィなギターにバックにはコーラス、そしてベースラインがあなたの耳に襲いかかる。 アルバムの中でもすでにまばゆいほどの輝きを放つこの曲は、ギグのセットリストでおなじみの楽曲となるにふさわしい曲である。(ホワイト・ストライプスを 思わせるリフ。アルバム内では一番)。

04. The Shock Of The Lightning
このファーストシングルが、ニューアルバムを端的に表現しているようだ。我々が予想していた以上にスピード感にあふれ、プライマル・スクリームのようなス タイルにベースとドラムが重く鳴り響く。ヒット確実。(この曲のインパクトが弱まるほど、最初の3曲の完成度が高いという声が多い)。

05. I'm Outta Time
セカンドシングルと予想されているこの曲は、リアム・ギャラガーの手によるバラードである。一聴したところあまり衝撃は受けない。5分間けっして速度を上 げることはなく、トラック4でつけた勢いを落ち着かせるが如くである。(最初は?だが、最後には!に変わる。称賛する声多し)。

06. (Get Off Your) High Horse Lady
今回のアルバムで「風変わりな曲」というラベルをつけるとしたら、この曲になるだろう。「The Importance Of Being Idle」と同様にノエルがヴォーカルを務める。OASISの新境地を探ろうという努力がここにも感じられるだろう。60年代風のサウンドに仕上げようと したのだろうが、The Coralの音に近くなっている(最後までノエルは高い声を披露している。一回聴いただけではよくわからないという声が多い)。

07. Falling Down
ケミカル・ブラザーズがやけにヘヴィに仕上げたリミックスが、ニューシングルのB面であるわけだが、オリジナルバージョンはシングルカットしてもおかしく ないほど出来が良い。ノエルヴォーカルのこの曲では、「廃れていく夢の中で生きる」ことへの不安が歌われるが、それで終わらず自信過剰気味な歌詞も健在 だ。60年代後半からの影響がうかがえる。過去のアルバム中のどの楽曲よりも素晴らしい(トラック③と並んで、名曲の呼び声が高い)。

08.To Be Where There's Life
ああ、認めよう。「グルーヴ」だ。ニューアルバムでは、ループしつつ進化していくベースラインを基調として、もっと自由に音を鳴らそうというバンドの意思が一貫している。ゲムは、それにちょうど見合ったマントラを作ったのである。
シンプルで卓越したギターソロでコーダへと導かれるのが、ストゥージズよりもさらにヘヴィな仕上がりとなったこの楽曲だ(ギグで演奏すると際立つタイプの曲)。

09. Ain't Got Nothin'
リスナーに恐怖さえ抱かせる3分のストンプ。ベルリンのバーで起こした騒ぎによって逮捕され、アドレナリン大放出中のリアム・ギャラガーが書いた曲だ。サ ウンドのまとまった、しかしさらに傍若無人な「The Meaning Of Soul」を想像してほしい。素晴らしい。本当に(デモとあまり変わりなし)。

10.The Nature Of Reality
アンディ・ベルの作品。「A Bell Will Ring」が喚起される(時間つなぎ、アルバムの中では一番目立たない)。

11.Soldier On
リアムの貢献がここにも。「Better Man」やビートルズの「I Want You (She's So Heavy)」が頭に浮かぶとともに、レコーディングセッション中に、「マントラ」と表示されたボタンが押されただろうことも想像される。名曲 「Champagne Supernova」のスタイルをとる壮大な抒情詩を目指したと思われるが、そこまでは一歩及ばないか(これもやはり一聴しただけでわかる曲ではないらし い)。

全体を通して聴いたところ、OASISは、自分の音楽に自信のあるバンドにしか作れないだろう、音楽的に様々な要素を取り入れるという勇気のいるアルバム を作り上げたようだ。「The Turning」「 Waiting For The Rapture」「 Falling Down」「Ain't Got Nothin'」は、これ以後もセットリストに残っていくにふさわしい楽曲である。ノエルのお気に入りであることは明らかだ
(ファン談:いわゆる「みんなの歌」は少ない。一般的なファンに受けるかといわれると疑問だが、特に前半はヘヴィでラウドなロックンロールに仕上がっている)。
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