ゲム

OASIS - NME - 2008/09/17

ニューアルバム「Dig Out Your Soul」の発売も間近となった今回のNMEは、OASISのメンバーを一人ずつ招いて、真情を吐露してもらうことにした。これがノエルとリアムの口論を防ぐ唯一の方法だろう、たぶん・・・・。

OASISのレーベル「Big Brother」のオフィスのある一室である。NMEは、OASISのメンバーと個人インタビューを行うために、待機していた。
なんだか就職の面接をやっているような妙な感じだ。次々入っては出て行く。

彼らに、個々人でインタビューを受ける理由について尋ねれば、多様な答えが返ってくるだろう。

ノエル:もし俺達4人が一度にインタビューを受ければ、アンディとゲムは一言も喋らねえだろう。リアムは俺が言うこと全てに反論してくる。たとえ本心では 賛成していてもだ、あいつはその場を気まずくしたいだけなのさ。ゲムと俺が一緒にインタビューを受けても同じだ。インタビュアーはゲムには質問せず、俺に ばかり話しかけてくる。だから俺の方からゲムに「おい、お前が答えろ」と振るしかないんだよ。その時にちゃんと発言してくれればいいけどな。なぜなら、俺 にカメラが向けられている時は、誰も口を挟むことは許されないからだ。俺には言いたいことがたくさんあるんだよ!

アンディ:気にしてないよ。少なくとも今はちゃんと喋ってるからね。みんな面白くて一緒にいるだけで楽しいから、ノエルと一緒にいる時は黙って話を聞いてるだけなんだ。別にストレスにはならない。意見を言う必要を感じないんだ、そんなに言いたいことも無いしね!

ゲム:一人で受けた方が気楽だからかな。この形式の方が好きだよ。

リアム:さあな。他のメンバーと一緒でもいいし、一人で受けてもいいんだ。周りの意向次第さ。みんな納得してるから、上層部に文句も行かねえんだろう。た ぶん今回は、ノエルが(皮肉めいた口調で)ファッキン重要なことでも話したいんだろう、自分の考えを伝えようとしてる最中に口を挟んでくる弟に邪魔された くないのさ。たぶんな。あんまり深く考えたくないんだ。もし特別な理由があるとしても、俺は聞いてねえ。

さて、最初のメニューは?もちろん、シンガーで決まりだろう・・・。

リアム・ギャラガー、みなさんご存知の通り、彼は変わった。マッドな日々は過ぎ去り、今では立派な家庭人である。さらに付け加えるなら、健康で、幸せで、音楽作りにも熱心というところか。彼の毎朝の習慣と言えば、ランニングだ。

「俺は6時に起きる。アラームが鳴ったら始まりだ。軍隊並みだぜ。アラームが鳴ると同時に起きて、コーヒーを飲んで外に出て、8マイル走って7時30分に は家に戻り、新聞を取って、新聞を読み、子供達を起こして歩いて学校まで送って、家に帰ったら色々予定をこなし、外にメシを食いに行って、子供達を迎え る。特別なことはしてないよ」。

そして夜はと言うと?10時までにはベッドに入るというトラブルメーカーは、兄とは違う方向へ向かっているようだ。

「ノエルは、変なやつらとばかりつるんでるだろ、あのラッセル・ブランドとか。俺には合わないんだよ」。

さらにリアムは続ける。

「グルーチョ・クラブでも遊んでるよな、あそこって俺が出入り禁止になってる場所なんだ。ギャザ(訳注:ポール・ガスコンシンの愛称)と一緒になった夜の ことだよ。あいつがなれなれしい態度で古臭えジョークを言ってくるんだ、『ロール・ウィズ・イットしたいか?スープ皿と一緒にロール・ウィズ・イットした いのか?』『いい加減大人になれよ、クズ野郎』となって、消火器ぶっ放したら出入り禁止になっちまった。あれはあれで楽しい夜だったが、あそこには行けな くなったのさ。俺はもうああいうところには行きたくないんだ。ノエルとサラはそういう生活を楽しんでるが、俺と二コルはご無沙汰してる。俺が思うにノエル は年を取ったんだよ、年のせいで自由になってるのさ、41となれば、50はすぐそこだからな」。

バー巡りもしないというリアム。

「くだらねえ、何だありゃ、バーにいるバンドってみんなクソだよな?外に行ってわざわざ学生連中に靴踏まれる必要があるのか?俺は嫌だね。『お前のバンド は最悪だ!』って喧嘩売ってくるやつばかりだしよ、だから、俺はギグには行かない。趣味じゃない。何か面白いことでもあるんなら行ってもいいけど、家にい るほうが好きだ。革づくめで外に行くよりも、静かに過ごすほうに今ははまってる。家の中に入ってドアを閉める。パブに行って時間を無駄にするより他に、俺 にはやることがたくさんあるんだ。子供も大きくなって『どうしてパパは一日中ベッドでごろごろしてるのに、僕は学校に行かなきゃいけないの?』なんて言う んだぜ」。

喜ばしいことに、彼のライフスタイルの変化はバンドにも良い影響をもたらしているようだ。

毎朝のように、アビーロードスタジオに一番乗りし、バンド活動を満喫し、「Dig Out Your Soul」を「これまでで、一番楽に作れたアルバム」と言うリアムだが、ノエルをはじめ人々がニューアルバムを「グルーヴ主体のアルバム」と評価すること には賛同できないという。

「グルーヴィだろうが、グルーヴィじゃなかろうが、良いものは良いんだよ。このアルバムに乗って踊ろうが踊るまいが座ろうが逆立ちしようがどうでもいい。 OASISの音でさえあれば、俺はそれで満足だ。ダンスバンドになるつもりはない。変わったアルバムに聴こえるかもしれないが、俺からしてみればそうでも ない。どこからどう聴いても歌ってるのは俺だし、実際俺にとってはそれで十分だ」。

リアムは、バンドの方向性について考えることも好まない。

「みんなで座り込んで次は何をするか考えることはないんだ。絶対にない。『なあみんな、バンドはこの方向で行くべきだよ』なんて話し合うことはない、そんな必要ねえだろ?OASISというバンドは自由なスピリットを持っているから、その意思に任せるのみだよ」。

さらに、今でもノエルが主導権を握っていることを、リアムは認めた、たぶん。大方は。

「そうだな、ノエルは1日18時間はバンドのために働いてる。だから当然それなりの発言権はあるさ。あいつがボスだ、そうだろ?俺はそれで満足してる。で もな、俺とノエルの意見が合わなくて喧嘩をする時は、いつもあいつが勝つ、勝つとは言いたくないな、俺が勝たせてやるんだ。俺の方から一歩引いて『お前の 好きなようにやれよ、俺は休暇に出る』って感じさ。あいつが勝ってるわけじゃない。俺が譲ってやってるんだ」。

喧嘩でどちらが勝つのかはさておき、「Dig Out Your Soul」に関して一つ、確かなことがある。

「Bag It Up」や「The Turning」のような曲では、リアムの万全の声を聴くことができるということだ(「最近の自分の声は気に入ってる。昔の声は若すぎるんだ」)。

今回のアルバムで、ノエルがヴォーカルをとる曲があることが、リアムには気に入らないらしい(「俺の方がヴォーカルの腕は上、だから俺が歌うべきだ」)。

「Heathen Chemistry」、「Don’t Believe The Truth」に続いて、リアムが作曲作詞を担当した3曲は、ノエルやアンディ、ゲムのそれと比べて、大幅に個人的な内容となっている。

「ものについて曲を書くことはない、書きたいものなんてないんだ。俺は自分をテーマに曲を書く。他に俺のことを書けるやつなんていないからな。俺はユニー ク、俺はみんなとは違う、俺みたいなやつは他にはいない。音楽からインスピレーションを受けることもない。改めて求めなくても、俺の中には音楽があるんだ から」。

アルバムを締める「Soldier On」、ブルージーな雄叫び「Ain’t Got Nothin'」。しかし何といっても今回の主役は「I’m Outta Time」であろう。ジョン・レノンのインタビューがサンプリングされた、柔らかなバラードはアルバム随一の出来であるし、おそらくリアムの作品としても 最高作と言える。

「でも、俺はソングライターにはなりたくないんだ」と、リアムは言い張った。

「俺はあくまでシンガーで、時々2,3曲、みんなが気に入ったり気に入らなかったりする曲を作るだけ。曲を書くのは好きだけど、そのことで『そうだな、今 度の俺の曲は・・・』と、喋くりまくるほど周りが見えなくなるようなことはない。作曲という行為には、みんなが薀蓄を傾けるような特別な何かがあるとは思 うけど、俺は曲を書けなくなるよりも声を失うことの方が恐い。俺はシンガーだ。そういうことさ」。

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次はノエル・ギャラガー。発言と言う発言がニュースとして取り上げられるあの男である。弟が大人しくなってきた今、ノエルこそがOASISの声だ。
NMEの最初に紹介したように、言いたいことが山のようにある彼。

インタビューの依頼が次々と舞い込む今の時期を楽しんでるのでは?

「全くのクソだね、正直言って。くだらねえんだよ。俺の元にやってきて、目の前に座り、レコーダーをオンにして『では、今度のアルバムについて話してみ て』と、同じ質問ばかりだ。『他に何か話題はないのかよ?』って感じさ、わかるだろ?コーヒーテーブルのことでもいい、もっとユニークな質問をしてくれ、 俺の時間を無駄にするのはやめてくれ。アホみたいな質問をされてばかりだ・・・・ジャーナリスト達にとって、質問を考え出すのは難しいことだとは思うけど さ、それにしても『ニューアルバムについて教えて』だと?いい加減、フットボールでもナイフ犯罪のことでも違う質問をしてくれよ」。

ナイフ犯罪についてどう思う?

「全くひどいもんだよな。脳たりんによって引き起こされてるわけだが、おかしいのは、イングランドのみならず世界中で、この話題が一番の関心事になってる ことさ。『おいおい、この子達が道端で刺されただと!?イギリス社会はおしまいだな!今、僕達がやるべきことが何かわかるかい?ギグさ。フットボールスタ ジアムを借り切って、いくつかのバンドをステージに上げれば、何もかも解決するんだ』。むかつくぜ、そうだろ?『リリー・アレンを呼ぼう。彼女なら引き受 けてくれるよ』。俺も電話をもらったぞ。『僕達フィンズリー・パークでギグをするんだ、凶悪事件に対する関心を喚起するのさ!』『わかった、俺に何をし ろって言うんだ?』『ええっと、演奏してほしいんだよ』。で、どうなるんだ?ギグが終わって家に帰った時に、自分の身体に3ヶ所刺し傷があることに気づく ことになるのさ・・・・なあ、くだらねえだろ。まずはあのクズどもをどこかに閉じ込めろ、それが今やるべきことだ。でも社会がおかしくなってるよな、若者 の間にはニヒリズムが蔓延してる。不安になるよ」。

自分だったら解決できるのに、と思うこともある?

「解決するのは、クソ簡単さ!台所以外でナイフを持っていたら、2年そこらの懲役。釈放されてまたまた捕まったら、5年の懲役。その後も続くようなら10年の懲役だ。ただわめいてるように見えるだろうが、俺なら解決できる」。

なるほど。ノエル・ギャラガー。次期ロンドン市長。こういう考えもあるのですが・・・・

「そうさ!簡単だ。警官を増やそう。市長の座を争ってるバカが2人いるだろう(ケン・リヴィングストーンとボリス・ジョンソン)。Evening Standardでこういうのを見たんだ。『もし私が市長になったら、1500本の木を植えます』。翌日別のやつが『だったら、私は2000本植えま す』。その次の日、『それなら、私は2千と何百・・・』。ったく、木が何だって言うんだよ!犬の小便用に植えるのか?そんなことよりも、街に警官を増やし てくれ。俺はここ10年、家の周りで警官を見かけたことがないぞ。木だと!?木が必要なら、公園にでも行けよ、公園が近くにないなら、裏庭にでも座っと け。裏庭がないなら、引っ越せ。引っ越す余裕もないなら、ギターを習え、俺みたいにな。そうすれば、裏庭も公園のように思えてくるさ」。

このインタビューが始まって早く、ノエルは「トルコ帽をかぶり、スモーキングジャケットを着けて、スタン・ローレルを気取って、午前の煙草を楽しみ」ながら、「Dig Out Your Soul」を聴いていた。ノエルの、大大好きなアルバムである。

何曲かはライブで演奏するのが難しいのだそうだ。

「苦労してるよ、レコードみたいにたくさんのギターを弾くことはできないだろう。だから俺とゲム、ギタリスト2人でやるのは少し難しくなるのさ」。

「The Turning」では、キーボードまで弾いているノエル。

しかしながら、全てをひっくるめて彼は、このアルバムを「ゲムとアンディがOASISに入って以来目指していたアルバム」と表現した。

また、弟リアムの「OASISの曲は全曲俺が歌うべきだ」発言に対しては、きっぱり反対した(「リアムはいつもそういうクソみたいなことばかり言うんだよ。俺だってOASISの曲は全曲自分で書きたいんだ。思い通りにならないことってのがあるんだよ」)。
しかし、それ以外の事柄、小さな仲違いをのぞいて、2人の関係は上々のようだ。

3曲のノエルの曲。「The Shock Of The Lightning」、「Falling Down」、「Come On, It’s All Right」、これは2,3日で仕上げたという新曲だ。

「30曲も曲が余ってるんだ。どう片付ければいいのかわからないよ」。

ため息をつく。

「誰かに歌ってもらおうかな?女の子が歌えそうなのも、2,3あるんだ。でも誰にしよう?エイミー・ワインハウス?あいつは俺がもう1曲提供する前に死んじまうな。ダフィーでも良いかも。映画に提供してもいいが、腐ったロマンティック・コメディはごめんだ」。

ジェームス・ボンドのテーマ曲はどうですか?ジャック・ホワイトも手がけましたよね。

「イギリスの誇るスパイが、毎回ファッキンアメリカ人どもにサウンドトラックをつくってもらってるなんて、ふざけた話だよな。でも、いいぜ。俺が2,3曲書いてやるよ」

本当に?タイトルは?

「ええっと、全然ボンドっぽくないタイトルなんだ。だからタイトルはその都度つけなおす必要があるな。最近書いた曲が、聴きなおしてみると『おいおい!こ れはボンドのテーマにぴったりだぞ!』ってやつでさ。でもそのタイトルがFreaky Teethだからな。この曲から想像するに、ジェームス・ボンドの新作は、めちゃくちゃサイケデリックで・・・」。

ジョーズ(訳注:「007/私を愛したスパイ」に登場する暗殺者)が帰ってくるかも。

「そうだな!どうなるかわからねえけど、A Different Way To DieとかDie Another Dayなんて曲は、俺なら絶対に書かない。いつだって何らかの形で死がつきまとってるだろう」。

流れに逆らって「Live Forever」を提供したら?

「それもいいけど、レコーディングしなおさなきゃならないし。とにかく話を戻して、余った曲をどうしたらいいのか困ってるんだよ」。

今の時点では、それがノエル・ギャラガーにとっての最大の悩みらしい。悪くはない悩みではないか。そうだろう?

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ゲムは、夢の世界に生きている。

「アビーロードへと歩いていると、ビートルズの魂へとつながってる気分がする」と語った、OASISのギタリスト。

ノエルに、アルバム中の曲が気に入らない時、ゲムはどういう態度をとるのかと尋ねると、彼は次のように話した。「直接口に出さずに伝えるのさ、家の周りを飛び跳ねたりしてな。ゲムは反対することが多いんだ、遠まわしに伝えてくるよ」。

これは決して批判ではあるまい。

ゲム・アーチャーは、たぶんあなたがこれまで出会った中でも最高に面白い男である。OASISの要的存在。

「Dig Out Your Soul」では、「To Be Where There’s Life」を提供している。「この曲のまとまった感じが好きなんだ」と、自身の曲について熱く語ったゲム。彼の言葉の端々には常に情熱が感じられる。

「曲の構想はどこからともなく湧いてきた。アルバムの方向性は大まかに決まっていた頃に、ノエルにこの曲のインストゥルメンタルで聴かせたんだ。そしたら 『歌詞は作ったのか?』と聞かれて『いや』と答えた、でも結果としては良い週末になったよ、いつもは歌詞を書くのに何週間もかかるのに、今回は2,3日で 済んだんだ」。

ゲムに関してもっと重要なことは、ギャラガー家の兄、弟の2人を相手にデモをレコーディングをできるのが、彼のみということだ。「Dig Out Your Soul」の中には、ゲムの自宅でデモを作った曲もある。

「ノエルは、自分が目指す方向をしっかり持っている、たとえ最終的には思い通りにはいかなくてもね。彼はとても保守的なんだ、Portastudioさえ 持ってないんだぜ、全て頭の中で作り上げる。ノエルの作曲の仕方は、絵を描いてるような感じなんだ。4層目がのっかるまで2層目の意味が誰にもわからな いってこと」。

「リアムは正反対だね。彼も自分なりの音を持っているけど、もっと柔軟だ。全て自流で学んできたから、どの音が正しく、どの音がイメージと違うのかはっき りわかっている。プロデューサーとしても優れてるよ。誰がお門違いのことをやっているかすぐに気づくんだから。リアムよりもノエルの方がプロデュースには 入れ込んでるみたいだけどね」。

つまり、今でもノエルがOASISのリーダーだと?

「そうだよ、彼こそリーダーさ。でも前よりもみんなの意見を取り入れるようになってる。僕達も意見を言えるんだ。ノエルは物事を正しい方向に運ぶにはどうしたらいいかを知っている、それにアイディアを出すのも彼だしね」。

ギャラガー兄弟双方の文句の聞き役でもあるゲム。

「いっつもそうなんだよ!ノエルがこう言ってくるんだ。『あいつは俺をまんこ野郎扱いしやがる!』『僕はそういう扱いをされないけどな』『そりゃそうだ ろ!』。リアムも同じさ。2人の喧嘩はちょっとした遊びみたいなもんだよ。心配するようなことじゃない。いつかみんなで集まって何もかも上手く行く時が来 たら嬉しいけど、それじゃOASISじゃない。それにバンドとして活動していない時、リアムは本当に自分の生活を大切にするんだ。リアムが出てきても、ノ エルがどこかに行ってるのさ。そういうものなんだ。それでいいんだよ」。

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出番が最後だからといって、最小の存在ではない。

OASISの中でも大人しいベーシスト、アンディ・ベル。彼自身も「自分の人生に満足している。人の後ろにいても十分幸せ」なのだという。

ゲムと同じく、「Dig Out Your Soul」には「Nature Of Reality」1曲を提供している。
この曲は「その当時僕の頭の中にあったことをはっきり捉えている」のだそうだ。
アンディは新しいドラマーのクリス・シャーロックのことを話したがっていた(「Supersonicのドラムの叩き方をよく心得てるんだ!」)。

昔からOASISの大ファンだったアンディだが、OASISに入る前にもRideで素晴らしいアルバムを世に送り出している。

いつかは自分一人で音楽を作り出したいと話す彼(「いつかはそうしようといつも言って回ってるんだ。今はOASISの音楽に合うと思うものを提供しているわけだろう、もちろん合わないこともあるけれど」)。

しかし、今現在は、OASISのベーシストという地位に満足しているという。これまでもずっとそうだったように。

「僕とゲムは、OASISのセッションミュージシャンで終わることだってありえたんだ。それでも素晴らしい体験だっただろうけどね。70年代のローリン グ・ストーンズみたいだろうと思っていた。発売されたアルバムを聞き直してみたら、昔の曲ほど出来がいいってことさ。。僕は、OASISもそうなるだろう と予想していたし、それでも良いと思っていた。でも実際入ってみたら、今でもフル稼働しているバンドだったんだよ」。

謙虚なアンディは、今回のアルバムでベースを演奏しているのは、ほとんど彼以外の人物であることを、簡単に認めた。

「スタジオではゲムがよくベースを弾いていたし、ノエルもベースが上手いんだ・・・出来の良いベースラインがあったら、それは2人のものだよ。一つはゲム の曲のもので、僕が挑戦して出来ずにいたら、ゲムがベースを取り上げて完璧に弾いてみせたんだ。ノエルも同じような感じでベースを弾いていた」。

バンド内での役割については、ゲムに似た考えを持っている。
彼に、曲に関して拒否権を発動することはできたのか尋ねてみた。きっと巧みな手腕を使うに違いない。

「そうだな、自分の意見は持ってるけどそれで争うことはないんだ。だって同じバンドなわけだしね」。

ほらね?

「時々、僕らは自分の好きな音楽に取り憑かれた人間の集まりだなと思うことがあるんだ。みんな心が狭くて、互いに非難しあって、境界を狭く狭くしようとし ている。でもそれが、最上のバンドを絞り込んでいった時に、OASIS以外のバンドが脱落する理由にも思えるんだよね。結局最後に残るのはOASIS、そ ういうことさ!」。

ビルディングの外では、ヴィンテージのミニがアンディを待ちかまえている。これからツアー前のリハーサルに赴くのだ。ギャラガー兄弟ももう立ち去ってしまったから、口論やいざこざを心配する必要はない。ああそうだ、ナイフ犯罪は解決せねばならないけれども。

Gem Archer & Andy Bell & Chris Sharrock - Q Magazine - October 2008

アームチェアに腰掛けたゲム・アーチャーは、OASISで過ごしたこれまでの9年間を静かに振り返る。 1999年に、ノエルに声をかけられてから、ブリットポップ期のパブ・ロック・バンドの元フロントマンであるダラム生まれのこの男は、そのまま世間から忘 れられていくという道から抜け出したのだ。

41歳になる彼は、OASISの正式メンバーであるのみならず、ノエル・ギャラガーのサポートにもついていく。キース・リチャーズにとってのロニー・ウッドのような存在だ。

今回のアルバムは大きなトラブルもなく7週間で仕上がりましたね。前回とは何が変わったのでしょうか?

ゲム:僕達にもわからないよ。ノエルが「あまりいじらずに出すぞ」と言ったことはよく覚えてる。僕達がいつもやろうとしていることなんだ。スタジオ入りし て、レコーディングしてさっさと発売ってことだよ。でもそれは苦しさを伴う作業じゃない。むしろワーキング・クラスな考え方っていうかな。もちろん、 OASISに混乱なんてあるはずないさ。レコーディングの仕方を知らない百姓じゃないんだぜって言えばわかるかな。これだけは言っておこう。OASISに ついていけてると思った時には、すでに君はもう5分遅れてるのさ。それがOASIS。ぼけっとしてたら取り残されるぞ。

ノエルは日ごろから「OASISは俺のバンドだ。デモクラシーは存在しない」と公言しています。実際は、穏やかな独裁国家といったところなのでしょうか?

ゲム:ええっとね、彼はとても頭がいいんだ。だから本当にそんな風に振舞ってたとしたら、彼らしくないよ。デモクラシーはない。でもどんなバンドにもデモ クラシーはないだろ。メンバー一人一人考えを持っているのは当然だ。でも、トップの考えを大切にしなきゃならない。メンバー全員のフォーカスを合わせな きゃならないんだ。ノエルは時々こう聞いてくるんだよ、「これで満足なのか?」ってね。そこで僕達はテレパシーを働かせる必要がある。僕はレコーディング をしてる時間が大好きなんだよ。その感覚を音に反映させるんだ。もし、ファンタスティックなギターパートとバロックピアノを求めてるなら、アンディが適 任。そしてリアム。バンドで核になるのは、まさに彼だね。

ノエルとリアムはお互いに「バンドの推進力は俺だ」と言い張ってますが、どっちが正しいんでしょうね?

ゲム:うーん・・・・2人とも飛びぬけて陽性の力を持ってるんだよ。リアムはいつでも元気一杯だしね。それが僕が知ってる彼の姿だ。でも、2人がポジティ ブな面を引き出しあっているという方が合ってるかもね。ノエルは、時々そういう目でリアムを見ているだろう、よくわからないけど。でも彼が大きな存在であ ることは確かだ。なんせリアムの兄なんだからね。2人とも大きな力を持ってるし、そして全く違うタイプの人間だ。それがOASISをOASIS足らしめて る。反発しあうけど、2人が合わされば、とても巨大な力になる、時にそれは痛みを伴うんだけどね。彼らはカオスを乗り越えて今の地位を築き上げてきた。今 でも音楽を作り、今でも音楽で生きている。それが音に出てるだろう?

かつてノエルは、40にもなってバンドを続ける自分の姿は想像できないと話していましたが、あなた達2人は今年で41歳ですよね。どんな感じがする?

ゲム:41には41なりの新たな基準があるんだよ。自分を惨めに見せたくないならね。たとえば僕達がブリーチ加工されたジーンズを履くことはないんだ。 OK。僕達が知らないバンドは星の数ほどあるが、「名前を覚える価値もない」って思うバンドもある。大半は、ギャップ・イヤー(訳注:お金を稼ぐために、 大学へ進学するのを1年間延期すること)を使って金儲けしてるようにしか見えないよ。別にそういうやつの車をホテルのロビーに突っ込んでやるつもりはない けどさ、でも・・・・わかるだろう!?

あなたはノエルにとっての安定剤であるとともに、リアムの良き支援者でもあると言われています。特に彼のソングライティングについては顕著ですね。ノエルはもっと距離を置いているというのに。

ゲム:もちろん、リアムのことは応援してるよ。最初に我慢できないと言ってきたのはノエルだね。彼がリアムと一緒にコードを探してる姿なんて見たことがな いよ。それがノエルのやり方さ。「俺の言うことが理解できないなら、それまでだ」ってのがね。一方リアムは、奥が深い。一度調子づくと誰にも止められない よ。外に遊びに行くことと、ギターを弾くことが本当に大好きなんだ。誰かの家に夜遅くに酔っ払った状態で押しかけても、ギターを見つけたら、正気に返るも んな。リアムは嘘だろって思うくらいに簡単にメロディーを編み出すことができるのさ。言葉が出てこないって悩んでる?自分に厳しいんだな。「I’m Outta Time」は素晴らしい歌詞だよ。最初に半分書き上げて、1年間くらい残りが書けずにいたんだ。こんな風に言ってたよ、(じれったそうに)「言葉、何か良 い言葉はないか?」ってね。だから僕は「ない。今に自然に出てくるから落ち着いてよ。そしたら5ページ分は出てきて、4ページ削ることになるぞ」となだめ ていた。そして、この曲でリアムは放っておくことの大切さに気づいたのさ。無理やりひねり出そうとしてもいいものはでてこない。良いものが出てくる時、そ いつはまるでずっと前からそこにあったみたいな顔をしてるもんなのさ。

最近のノエルとリアムは、だいぶ落ち着いていますね。荒れ狂うOASISの時代は終わったのでしょうか?

ゲム:もちろん、またいつ荒れ狂ってもおかしくないよ。2人が「OASISは平穏だ」なんて言ったことあるかい?ないだろう?それが全てを現している。シ リアスなことが起こったらと想像したらぞっとするけれど、それが人生さ。そういうもんだ。僕が気に入らなかろうと、起こるものは起こる。そして再びそうい うことが起こりうるのは、あの2人が穏やかになることなんてないからなんだ。僕がOASISに入るまでどんな感じだったのかは知ってるし、マネージャーの マーカスが「1ヶ月が1年に感じる」と漏らしていたことも知ってる。あの言葉より当時を上手く表現する言葉はないね。どうしてその中に僕が入ることになっ たのか今でもわからないよ。あれから9年、マーカスの言うとおりに年を取っていたらもう90歳だな。僕はヨーダだ。

あなたがOASISにふさわしい理由とは何なのでしょう?

ノエル:2人と同じくらいに深くこのバンドを信じているって答えがしっくり来るな。バンドから離れても、一緒に出かけたりするし、ノエル、リアム2人のこ とは尊敬している。一緒に演奏するのにこれ以上のメンバーはいないよ。もちろんアンディも含めて。OASISに入る時は、はっきりいってビビッていたん だ、音楽以外の課外活動がすごかったからね。でも一番の決め手は、大好きなバンドってことだよ。僕が最初に参加したギグの時ですら、ゲム、そのスロープを 登って、そのまま真っ直ぐ歩け。サウンドチェックはしない。チューニングされてるか確かめろ。じゃ、行くぞって感じさ。それで終わりさ。OASISは今で もラウドすぎるくらいの演奏を聴かせている。そういうバンドだから、僕は一緒にやっていけるんだよ。

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OASISのベーシスト、アンディ・ベルは、37歳にはとても見えない男だ。これでもロックンロールの世界で17年のキャリアがあるのだから驚きである。

1988年にRideを結成してから、ブリットポップ期にはHurricane #1の中心人物となり、1999年、リアムの命に従ってOASISに入ることになったアンディは、それ以来、ノエルのお眼鏡に適うソングライティングの力 を持つ人物として、OASISに貢献している。

ウェストロンドンにあるバンドのリハーサルルームで、ソファに気持ち良さそうに沈みこんでいるアンディ。そこにノエルがやってきて、近くのプレイヤーにCDをセットした。

「どれにしようか迷ってるんだよ」と、ノエル。「どう思う?アンディ」。

プレイヤーから、「The Shock Of The Lightning」が、異なる二つのバージョンで流れ始める。その一方のバージョンに対して、予想外にもアンディがむくれた。「ベースが聴こえない」と いうのがその理由だ。まだ決めかねる様子のノエルはヘッドフォンを探しに行った。戻ってきたノエルにアンディは笑顔でこう言った。「ベースがないと、ギグ は始まらないからね」。

このアルバムで、ノエルは全ての曲をたった1日で書き終えたそうですね。傍らにいて不気味なくらいだったとか?

アンディ:気味が悪かったね。ノエルにインスピレーションが訪れて、3日の間に「The Shock Of The Lightning」、「Falling Down」、それと「Come On It’s All Right」って呼んでいた曲、これはシングル候補に挙がっていたんだけど、なかなか完成までたどり着けなかったんだ。その週、リアムはしょっちゅう「ま るであの・・・Morning Gloryの時みたいだ」と言っていたね。僕にとってはそういうノエルを見るのは初めてだった。つまり、彼がスランプに陥る前ってこと。そして今、突然、 彼の中でスイッチがオンになったのさ。L.A.でミキシング作業をしている時なんて、ライブルームに座って、1日に1曲のペースで新曲のレコーディングし ていたからね。僕達は、傍らにたってその様子を眺めることしか出来ないんだ。このレコーディングに入る時には、50,60曲のデモが出来ていた。バンドが 「俺達、50曲も曲があるんだ」と言う時って、たいてい・・・・まあ、僕達の場合は、本当に50曲あるんだよ。

ソングライターであるあなたにとって、ノエルの存在は脅威なんでしょうね・・・・

アンディ:うーん、僕にとっては、作曲への自信を育てるには良い環境だったよ、「俺達に曲をくれ、曲が必要なんだ」という言葉で、OASISに誘われたん だからね。でも今回のアルバムに、僕の曲(「The Nature Of Reality」)は、入れてほしくなかったんだ。とても個人的な曲だったから。でも、ノエルが選んだ。実は、離婚したんだよ。セラピーにも通った。まる で自分の人生から愛が抜け落ちたみたいで、徹底した無神論者になることで、どうにか乗り越えようとしていた。小さい頃からクリスチャンとして育てられたん でね。まさに神について一から学び直そうとした時期だった。リチャード・ドーキンズの「The God Delusion」を読んで、もっと知的に、科学的に、論理的に、理性のある人間になりたいと思ったんだ。そういうことを考えていた過程で、この曲ができ た。この世に不思議なことなど何もないという僕の考えが出ていると思う。その後はもう、セラピーに行くのをやめて、恋をするのもあきらめて、カトリックの 十字架をコレクションするのもやめた。だから自分のことを信仰深いとはいえないけれど、スピリチュアルではあると思ってる。僕にしてみれば、何より大切な のは愛なんだよ。僕達はそれがはっきり何とは言えないけれど、いつだってすぐそこにあるものなんだ。

リアムの家にあるビートルズ・バーで、「愛こそ全て」と朝の3時まで語り合っているあなた達の姿が目に浮かびます・・・

アンディ:時々やるよ。リアムは深い、とても奥深い考えをもっているんだ。「Songbird」を聴いてみれば、わかるだろう。リアムはソウルフルで、愛 にあふれた人間だ。とても親切だしね。でも、ビートルズ・バーでは、Circus Charlie(ビデオゲーム)で遊ぶことの方が多いな。1万5千くらいゲームが入ったコンピューターボードを持ってるんだよ、リアムって。ビートルズ・ バーっていうより、ビートルズ・ハウスって呼んだほうがいいかも。リハーサルの時に、サザビーのカタログを持ってきて、「ジョン・レノンが使った浴槽が出 てるんだけど、買ったほうがいいかな?6千ポンドなんだけど」って言ってくるんだぜ。本当に買ったとは思わないけど。

リアムは、あなたがセラピーに通っていることを聞いて、どう思ったんでしょう?

アンディ:気に入らないみたいだったね。自分のことは自分で解決しろというのが彼の考えだから。でも説明したらわかってくれたみたいだった。セラピーは必 要ないだろう、あの2人には。何よりも自分自身を信じているんだから。彼らは、生まれつき貴重なものを携えてるんだ。自分を常に前進させる内なる炎みたい なものをね。

ゲムにとって、あなたとリアムが子供のような存在で、ノエルが分別ある大人という立場なのでしょうか?

アンディ:ゲムとノエルが大人だなんて、見た目にだまされちゃだめだよ。あの2人も子供さ。バンドの中では、僕が一番センシティブなんだから。

ギャラガー兄弟に初めて会ったのは、1994年だそうですね。その時の第一印象を教えてください。

アンディ:「Definitely Maybe」の発売日、彼らとハシエンダで一緒になったんだ。音楽についてノエルと話していて、「君達のアルバムはすごいね」と言ったら、「もう次のアル バムも書き終えたんだよ、その次もな」って返されたよ。OASISが、クリエイション・レーベルの社員30人ほどを相手にギグをやっていた時も、見ること ができたんだけど、全く今と同じだよ。「I Am The Walrus」でギグを終えたその後、バンドに「素晴らしいライブだったよ、Rideのサポートバンドにならない?」って声をかけたよ。(大笑いするアン ディ)。2人とも、雰囲気はそんなに違わなかったよ。ノエルも、リアムみたいに、突然人の後ろから飛びかかってきそうな風体をしていたし。話しててとても 楽しいんだ、フレンドリーだしね。ドラッグを少々やってるんじゃないかって感じだよ。

「Ain’t Got Nothin’」は、2002年、ミュンヘンで起こった喧嘩をきっかけにリアムが書いた曲ですが、あの事件で何か目撃しましたか?

アンディ:何も見てないさ。その夜は「Nirvana Unplugged」をホテルで見て、翌朝、ツアー・アカウンタント、僕達が一度も会ったことのない人物から電話がかかってきて「やあ、アンディ。こちら はツアー・アカウンタントです。私がお電話差し上げたのは、あなた以外のメンバーが全員拘留されてしまったことをお伝えするためです」って言うんだ。つま り、セキュリティ・ガード全員、バンドメンバー半分、ツアー・マネージャーってことだね。残った僕らはギグの会場に行って待機していた。結局ギグは行われ ないことになって、身を潜めることになったのさ。またまたね。バンドに入る時って、まさか時間の大半をスイスで隠遁することに費やすなんて思いもよらない だろう。でも、実際にはそうなってしまうんだよな。

ノエルとリアムの対立を解決する方法は何ですか?仲介に出る?それとも、その場から逃げる?

アンディ:バリウムだよ。まあ、ことが2人のパーソナルな部分にまで及んだ時は、関わらないようにするけどね。でもほとんどの場合、バリウムを使えば、上 手くほどけるのさ。喧嘩ってのは車輪がレールから外れるようなもんだから。2人の場合はとんでもない外れ方をするんだけど。第3者の僕から見たところ、そ ういうことは長い、長い間起こっていないんだ。昔の話さ。だからといっていつもスムーズに行ってるってわけじゃないけどね。今でも緊張感はある。僕達は感 じてるよ。それでもこの独特の興奮は他のバンドでは得られない。1分に1回は笑えるようなことが起こるからね。最高のバンドだよ。

このバンドには、いつでも何らかの緩衝作用が働いてるんですよね。

アンディ:OASISに敵はいないんだ。戦車みたいなものさ。種類はチーフテンだね。もちろん英国製だ。

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1964年、ウィラルで生まれたクリス・シャーロック。80年代にリバプールで結成したThe Icicle Worksから、彼のパーカッションのキャリアは始まる。それからThe La’s、World Party、そして12年間にわたり、ロビー・ウィリアムズのバックバンドを務めてきた。そして、ノエルから声がかかったのだ・・・・1度のみならず2度 も。

これはOASISからの2回目のオファーだそうですね。ノエルによると、ザック・スターキーが入る前の2004年、あなたが本命だったそうですが・・・

クリス:そうだね、4年前、ノエルから電話があって「どう思う?」って聞いてきたから、「ああ、面白いな。金曜日にかけ直してくれ」と言ったまま、僕は彼 の電話を4年間待ち続けた、ってことだ。それで今回ノエルから電話があった時は、テレビで「Bargain Hant」を見てたんだ。15ヶ月間、何もすることがなかったんだよ。暇でしょうがなかったから、電話は嬉しかったね。

以前からOASISのファンだったんですか?

クリス:ああ、そうだよ。デビューした時から大好きだ。もちろん、ファンに決まってる。彼らは素晴らしいよ。世界一のロックンロールバンドだね、僕からすれば。

あなたのドラマーとしての歴史を聞かせてください。

クリス:The Icicle Worksが、本当の意味で僕の最初のバンドなんだ。みんなThe La’sのメンバーってことばかり取り上げるけど、実際あのバンドにいたのは8ヶ月だけなんだよ。マイク・ヘッジズとのセッションがボツになった後、月曜 日、僕はプラクティスルームでドラムを叩き、側ではリーがアフリカのドラミングについての本を読んでいた。その次の日から、スタジオに行かなくなったん だ。それでそのままWorld Partyに移った。変な感じだったよ。The La’sとやってたビートルズ初期のアルバムから、一気にホワイトアルバムに来た感じがしてね。そして今、僕はビートルズ中期にいるってわけだ。

ノエルとリアムは、あなたが12年もロビー・ウィリアムズと仕事をしていたことをからかったりはしないの?

クリス:全然!誰もそのことに触れないのも、おかしいよな。誰にもからかわれてないよ。今のところ。

ドラマーとして、あなたは派手のパフォーマンスをしますよね。スティックを投げたり・・・。

クリス:これからは、そんなことはしないよ。リアムが真正面に立ってるのを見ると、そういう気にはなれないだろ。人生を無事に全うするためにも、投げるの はやめて、スティックにしがみついておこう。僕はただ力の限り強くドラムを叩くだけさ。セットリストに載ってる20曲は、全て名曲だから。

あなたのドラムに文句がついたらどうしましょうか。

クリス:(笑って)さあね。一回引っ込んでドラムの腕を磨くか何かするよ。

Noel & Gem - NME - 2000/02/26

ディグジーとボーンヘッドは「Standing On The Shoulder Of Giants」で演奏に参加したの?

ノエル:うーん…正直に言おう。ギグジーは参加してない。ボーンヘッドはたぶんスタジオかどっかにいたとは思うが。いや、違うな。俺が6曲でベースを弾いて、友達にベースの上手いエンジニアがいたから、ツアーの時についてきてもらった。ギグジーは世界一上手いギタリストじゃないと自分で認めてたから、出て行ったのさ。でも「Gas Panic」や「Who Feels Love」みたいな曲のベースには頭を抱えたよ。「これ本当に俺が書いたのか?」と思ったぜ。この2曲には少しリードギターが入ってるが、俺は弾いてない。なぜなら、マーク・コイル(「Definitely Maybe」時のプロデューサー)みたいなプロに、ギターを渡して「じゃ、お願い」ということに、俺は何ら抵抗を感じないタイプだからね。つまり曲のレコーディングには俺達だけじゃなくみんなに参加してもらうってことさ。このアルバムに誰が関わってるだの関わってないだのということで、俺のプライドはちっとも傷つかないんだ。でもギグジーのギターでは十分じゃなかったんだよ。

ボーンヘッドを追い出したのは彼の酒癖のせい?

ノエル:いや。あいつとは約束をしたのさ。リアムに酒をやめさせるか、さもなくばアルバムを作るのをやめるか、どちらかだってね。そしたらリアムはアルバムを作ってる間は飲まないと誓った。その後ボーンヘッドと話したら、あいつは止めないって言うんだな。リアムが止めたからには、俺達も止めないと不公平だろ。で、そこではそれで話は終わって、パーティをしたんだ。でもその後もボーンヘッドはあの話し合いの約束をすっかり忘れてやがった。それで、脱退の話を出したら、あいつ怒りまくって、で、今のような状況になったってわけ。でも誰かを辞めさせるかどうかの決定権は、俺や特定の誰かにあるわけじゃ決して無いんだよ。

ネブワースの後にバンドを解散するって言っていましたが、それはなぜです?

ノエル:しらふだったからさ。ほんとに。もし誰かが、特にリアムが、俺に加勢して「そうだな、そうするべきだ」と言ってたら、本当に解散してたと思うよ。でも誰もどうして俺がああいう発言をしたのか意味が分かってなかったらしい。たぶん他のアイディアが浮かばなかったんだろう、ソングライターじゃないからな。あの時の俺はかなり意地悪になってたと思うよ、みんな「俺達どうすりゃいいんだ?」って状態になってた。

ローディーとして働いてる時、インスパイラル・カーペッツにやらされた一番嫌な仕事は?

ノエル:リーディングでギグをしてた時に、パントマイム・カウのコスチュームをかぶって、アンコールの間胸をぶらぶらさせとけって言われたことさ。恥ずかしかったね。それに彼らのPVにも出ろと言われたっけな。少なくとも、俺の人生の中で素晴らしい一瞬でなかったことは確かだ。それよりもさらに嫌だったのは、旅行ケースを12階まで運ばなくちゃならなかったことだ。でもあの時のことはとても良い思い出になってるんだ、本当に。昨夜もローディーを辞めるべきじゃなかったと言ったくらいさ。1週間働いて750ユーロの生活。身なりを気にしなくてよくて、インタビューを受ける必要もない。面倒なことは何も無いだろ。

ゲム:ノエルはいつもクルー達を見て言うんだ、「見ろよ、わずらわしいことなんて何も無い、いいなあ」ってさ。

ノエル:好きなんだよ、毎日おそろいのメガデスTシャツを着けてさ、俺達を困らせたいだけ困らせる。しかもそのことを全然気にしない。もし面白いコメディーを探してるなら、クルーバスがおすすめだぜ。アメリカで、クルーバスに乗ってみな、まるで喜劇を見てるみたいなんだ。サウンドエンジニアは最悪、言ってみればクルー連中のリードシンガーのようなもんだ。照明係がリードギタリスト役、ユニークだからな。ローディ連中はみんなドラマー役さ。騒々しくした後、結局「乾杯!」と叫びたいだけだ。舞台のライト担当はベースかな、一日中マリファナを吸って、ぼんやりした後立ち去るだけだから。(完璧なコックニー訛りで)「素晴らしいぜ、おっとミスった、まあ少しだけさ、Champagne Supernovaの時だよ、あんたとゲムがギターをふるってる時に、あんた達の頭の後ろではそりゃすげえことになってたってわけだ…ああ…(マリファナを深く吸って)あんた達神様みたいだったぜ」てな具合でな。

まだブラウンのロールスロイスを持ってる?

ノエル:持ってるよ。ガレージの中でゆっくり朽ち果ててる、きれいなもんだぜ。古いイングランドの別荘にあるロールスロイスだ。

ゲム:庭においたらどう?屋根を取って、車輪も取って、中に花の絨毯をしきつめて、犬を寝かせるんだ。

ノエル:もうすでに寝かせてるよ。それを見るのが好きなんだ、だってあの車は金の無いクリエイションの遺言書みたいなもんだからな!「新しいアルバムを作ってくれないか?嫌?じゃあロールスロイスを買ってあげるから」ってさ。

まだ運転できないって本当?

ノエル:そうなんだよ、教習は10回くらい受けたんだ。スラウでの教習の時に3点ターン(訳注:前進・後退・前進によって狭い場所で車を方向転換する方法)をやらされたんだ。その3日後にはいい加減、4時半になるとどっかの馬鹿が日産のMICRAでやってきて、どでかい3点ターンをやるってことにみんな気づいたみたいでさ、創造してみろ、相当恥ずかしいぜ!俺が車を寄せるだろ、そしたらガキどもが「ひゃ~!」とかいって自分の車を急いで駐車場に収めるんだ!2週間経った今でもマジで腹が煮えくり返るね。

好きな映画、テレビ番組、本は?

ノエル:スターウォーズ・帝国の逆襲。続・夕陽のガンマン。本?本には詳しくないからな…

ゲム:イアン・バンクスの「蜂工場」なら読んだよ。

ノエル:お前学生かよ!

ゲム:いや、違うけど…

ノエル:本はヴィズくらいで十分だぜ、というのは冗談で、俺は伝記以外の本は苦手なんだ。最後に読んだ気に入った本は「Revelations From The Memphis Mafia」かな、エルヴィスの周りにいた人々を描いた物語なんだけど、素晴らしかったよ。TV番組?実は「Top Of The Pops」が好きなんだ。それかUKアリーナでやってる「60年代の音楽」。

ゲム:映画は一つには絞れないな、ゴッドファザーにジョーズ、許されざる者、セルピコ、トイ・ストーリー…。

ノエル:それに「走れ!尼さん」だろ…。

ゲム:テレビ…子供の頃は「600万ドルの男」しか見ちゃいけなかったんだけど、今は自由に見れるからね。トゥウィーニーズは好きだよ。

ノエル:カートゥーン・ネットワークでやってる「Sponge Bug Square Pants」も良いよな!小さなスポンジ・ボブが主人公で、チョコレート色の四角いショーツをはいてるんだ。スポンジ・ボブが住む海の底での冒険物語さ。最高だぜ!子供を持って良かったと思える一番の瞬間だ。法を侵してるわけじゃないから、一日中見てても何も言われないだろ。娘とテレビの前に座って、アナイスはまだテレビに集中できないから、俺が真剣に見るんだ、「なんて面白いんだ!」。

自分たちが似てると思うアニメのキャラは?

ノエル:リアムはタスマニア・デビル。

ノエル:アンディは「マンスターズ」の執事。

ノエル:アンディは「馬鹿言え!」とは口に出さないけど、そう思ってることが表情で分かるから、かなり笑える。アランはヴィズのコックニーヴァンカーだろ。俺はシンプソンズのミスター・バーンズだ。

ゲム:先日そのことが話題になったんだ。その時にこんなことがあった。ノエルの調子が悪かったから彼抜きでリハーサルをやってたわけ。で、僕たちが器械の故障を直して、隠しカメラをチェックすると、ノエルがベッドの中でこういうのが聞こえたのさ、「もう1回やり直しだ!」

ノエル:こいつはスクービードゥーだ。

最高のドラッグは?

ノエル:合成ドラッグで一番なのをやりたいなら、アルコールだね。自由に手に入るからな。しかも合法だ。馬鹿になって、自分がスーパーマンになったような、ジム・キャリーが乗り移ったような気分になれる。でも一番の麻薬は、愛だな。最高。俺に生きる目的を与えてくれた。コカインやヘロインはとても悪いものだろ、自分を殺すようなものだし、コカインに至っては自分以外の人も殺す可能性がある。俺はそういうものから一切離れてとても良い時間を過ごしてるよ。もしああいうドラッグを正しい方法で使って、振り回されること無く、自分をコントロールできるんなら、ドラッグは最高だ。聞いてるか?こういう発言が人気タブロイド紙のジャーナリストに受けるんだ、「ほら、今ノエルはドラッグは最高と言った!」。

ドラッグは「紅茶みたいなもの」の地位から落ちたの?

ノエル:俺が正直に喋るといつも騒動の元になるんだよなあ。インタビュアーのクソったれがマイク越しに「正直に話してくれてありがとう」と言った直後に、編集者に電話して「今ノエルが何て言ったか絶対想像できないと思うよ!」と言うだろう。でも、「紅茶みたいなもの」、俺はそうは言ってないんだ。でもイギリス人はその表現を受け入れて、俺達をドラッグ中毒真っ最中のバンドとみなした。本当は「俺の知る限り、ドラッグをやってない人間は5人だけだ、おふくろ、祖父母、義父、義母、それと俺の赤ん坊。弁護士も医者も1回はドラッグやってぶっ倒れてるんだよ。成長する過程では仕方の無いことさ」と言ったんだ。

好きなビスケットは?

ノエル:チョコレートダイジェスティブに限るね、そのままでもミルクに浸してもうまい。ビスケットの世界でこれ以上のものは無いな。

ゲム:確かに。でもそれに飽きたら、ホブノブだよね。

ノエル:ああ、でもホブノブのかけらというかけらが虫歯の間に挟まった時のことを想像してみろ、恐ろしい。やっぱりチョコレートダイジェスティブだろ。いつもあの箱を抱えて、「Prisoner Cell Block H」を見たもんだぜ、最高、あの頃は良かったな。

首相になったとして、最初にすることは?

ノエル:まず保守党の非合法化だ。所属するやつらはみんな犯罪を侵してる。そこに投票するやつらも、そういうやつが親戚にいても犯罪だ。王室の一員になること、貴族になること、すべて犯罪。それに銃殺するに値する野郎どもも山ほどいるよな。もしやり過ぎだと言われたら、現実としか思えないようなパントマイムでもやってやるさ。

ゲム:それがメインの政策なんだね。

ノエル:うーん…クソだな。

ゲム:それなら僕は一旦辞めて、自然法党に入り直そう。

ノエル:そりゃダメだ!辞めて自然法党に入り直すのも違法とする。

ゲム:じゃあ密教で、空を飛ぶのはどう?

ノエル:今、すぐ、失せろ。飛んでるったって、あぐらを組んで屁で飛んでるだけだろ、くだらねえ。

Gem Archer - pagina12 - 2009/05/01

ゲム・アーチャー:僕達はこれ以上ビッグになる必要はない。

「南アメリカに来ていつも驚くのは、みんなの熱狂ぶりだよ。これこそ僕達が待ち望んでるもの、毎回行くのが楽しみなんだ」。

4度目となるアルゼンチンでのギグを控え、ゲム・アーチャーが上機嫌な様子で電話インタビューに答えてくれた。

「普通のこともここでは普通で終わらない。全て真正面から受け止めて反応してくれる。みんな本当にクレイジーだ!」。

1998年、Luna Parkで行われたブエノスアイレスでのギグが、OASISの南米デビューだ。あれから11年間たった2009年、来る日曜日のギグを4万人が息をのんで 待っている。OASISはもはや「Be Here Now」を作った反社会的なバンドではないし、「Wonderwall」や「Don't Look Back In Anger」のような世代を超えるアンセムを作るバンドでもないかもしれない。それでもファンの彼らに対する想いは熱く、コンサートチケットはソールドア ルトと帰す。衝撃的なデビューを飾った1994年から15年たった今でも、社会を巻き込む喧嘩を繰り返しながらこの兄弟はバンドを続けているのだ。

「僕らにはイタリア、スペイン、ドイツと色んな場所に同じ情熱を持ったファンがたくさんいる。ロックンロールは国境を越えるんだよ」。

43歳になるアーチャーは、若い頃から変わることのないロックンロールへの思いをそう語った。

「どこまでもかっこ良く、気を抜かず、精一杯ハードに演奏するのさ」。

ノエル・ギャラガーは、あなたの方がギタリストとしての腕は上だと話しています。自分こそがOASISのギタリストだと思います?

ゲム:(笑って)それは彼のお世辞だよ、もちろん嬉しいけどさ。ノエルは北部出身のギタリストなら誰でも大好きなんだ。だからそんなこと言ったんじゃない かな(ゲムは、ノースイングランドのダラム出身)。実際のところは、ギタリスト同士を比べることは出来ないと思う。僕はノエルとは違うスタイルでギターを 演奏するし、OASISではノエルがソロを演奏するべきなんだ。そして僕はリズムギターで支えるっていうさ。ちょっと考えてみてよ、「Live Forever」のソロは誰が弾くべきだと思う?もちろん、ノエルさ、そうだろ・・・僕は自分の弾き方でしか弾けない。彼が弾くべきだ(笑う)。

OASISのギタリストという仕事は世界最高の仕事だと思う?

ゲム:一点の疑いもなくね。

リアムとノエルという二つの台風の間に挟まれても?

ノエル:うーん(考え込む)・・・そう考えると世界最高の仕事じゃないかも(笑う)。でもそれがOASISだろ。どんなちっぽけなことでも大きな話題にな る。どんなことでもだよ。OASISの全てがね。OASISにいて退屈することなんてないよ。リアムとノエルっていう二つの台風の間に挟まれるってのは、 始終頭をバットで殴られてるようなもんだけど、それが刺激になって良い音楽が作れるのかもしれないし(笑う)。

OASISのメンバーとなって10年。曲を提供し始めて長いと思いますが、それでもノエルの前で曲を披露するのは緊張する?

ゲム:今はそうでもないよ、でも前は緊張した、本当にね。入ったばかりの頃は、事情が違ったしさ。憧れのバンドOASISのリーダーだぜ。世界一ビッグと 言われるバンドの前で、初めて曲を披露した時には、自分の持つ最大限の勇気を振り絞ったもんさ、アンディもそうだよ。でも今振り返ると良い思い出になって る。「Heathen Chemistry」をレコーディングしてた時も昔の曲を演奏する時も。この曲はずっと演奏していくことになるだろうなという予感がするんだ、何たってノ エルが書いた曲なんだからね。彼はいつでもロックの名曲を書いてくるんだ。一緒に曲を作る時は今でも緊張しちゃうよ。「Live Forever」に「Champagne Supernova」、「Don't Look Back In Anger」、「Wonderwall」、「Supersonic」を書いた男だぜ、そりゃ緊張するって(笑う)。

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「リズムギタリスト」である彼だが、実際の役割はその枠を超えている。「Heathen Chemistry」から「Dig Out Your Soul」まで、アーチャーは作曲面でもOASISに大きく貢献している。

「OASISには独特の曲の作り方があるんだ。OASISの曲の強みってのはリアムの声だろう。スタイルを洗練させることはできるかもしれない、でも僕と アンディがOASISに入った時にはすでにOASISのスタイルは出来上がっていたんだ。To Be Where There's Life、これは特にそうだよ。この曲にはギターを一切入れずに作ろうと思ったんだ。クラブで流してもおかしくないOASISの曲を作ってみたかった。真 夜中のクラブでダンスできるような曲をね。そしてまさに思い通りの曲ができたんだ!」。

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曲を書く時は、どうやったらリアムの声の良さを最大限に引き出すことができるのか」など、考えながら作るのでしょうか?

ゲム:時々はね、でもこの曲は違う。特定の人物は思い浮かべずに作ったんだ。早く形にするためにノエルと一緒に作業して、それからリアム向けに手を加える ことを考えたって感じかな。リアムを取り巻く現象はすごいよね。世界中に彼を崇める人がいる。YouTubeでは7才の男の子がリアムを真似して歌って る。最近台湾でギグをしたんだけど、リアムを見習ってるファンが多いんだ。それが一つの世代に限らず、次の世代へと引き継がれていく。どんどん新しいこと が生まれていくんだから驚きだよ。

最近ノエルは、「5年はOASISのアルバムは作らない」と話していますが、それは本当?

ゲム:たぶんね・・・それかもしくは、このツアーに集中したいのかも、ツアーの時ってそういう気持ちになるんだよ。8ヶ月ツアーを続けてきて、今年の11 月でようやく終わるだろう、休みを取りたいって気持ちになるんだよね。もしかしたら、僕達全員OASISからはなれて見るのも良いかもね、新しいアイディ アがわくように、良い曲が書けるように、デモ作業に取り掛かれるようにさ。道のりは長いし、ツアーが終わって何ヶ月かは休暇を取るから、どうだろう、次に 一体何をすることになるのかはわからないよ。

メンバー間の関係は順調ですか?

ゲム:ギグはこれ以上良い時はないってくらいに良いよ。「絶好調」と言ってもいいかも。ステージから降りてもそうさ、あらゆる面においてね(笑う)。新し いドラマーとしてクリスが入って、全て最高に順調。今日のギグもきっと素晴らしいものになるよ。ツアー疲れなんてない。これ以上ビッグになることなんて出 来ないんじゃないかな。もうOASISは最高にビッグなんだ。さらにファンを増やす必要はある?すでに世界中に何百万人といるのに?どうしてもっとビッグ になる必要がある?今はむしろ、ビッグになることより、OASISらしい音を鳴らすことに力を傾けたいんだ。

OASISのメンバーとなった時、想像に違わないバンドでしたか?

ゲム:YesでありNoだね。90年代僕はロンドンに住んでいたんだけど、OASISはまさに革命だった。そのOASISに入ってみると、本当に噂に違わ ぬ怪物バンドだったんだよ。そのバンドと一緒にスタジアムのステージに立つことを想像してみて。現実とは思えないじゃないか。本当に驚きと喜びで一杯だっ たし、それは今でも変わらない。部屋に入り、プラグを入れ、演奏を始める。OASISはどこまでもシンプルだ。初めてバンドと演奏した時も、リハなし一発 本番だったからね、ステージに出てプラグを入れてあとは音をラウドに鳴らすだけ。マドンナでもどこかのロックスターでもない。OASISは看板や金を背 負ってない。音楽をやってるんだ。だから僕は今でもこのバンドにいるんだよ。

Gem & Andy - El Universal - 2009/05/03

「プレスは、ノエルとリアムのことを陳腐な見方でしか捉えようとしない」。

シモン・ボリバール大学のフットボール場に設立されたバックステージは、大勢の人が慌しく駆け回っていた。照明エンジニアは、コンピュータに向き合い、ギ グの仕上がりを確認している。OASISの面々は、「Gas Panic」のラストに完璧なサイケデリアを演出しようとリハーサルを繰り返していた。きっと、6月11、12日に予定されているWembley Arenaで披露されるのだろう。ノエル・ギャラガーはセットリストに加わる曲について話そうとはしなかったが、アンディ・ベルとゲム・アーチャーによる と、「My Big Mouth」、そして「Live Forever」が候補に挙がっているそうだ。

個々のサウンドチェックが終わり、2人に短いながらインタビューを行うことができた。リアム・ギャラガーは、自分の部屋でさらに声の調子を確認している。

バンドに加わって10年になる2人は、メンバーであるだけでなく、バンドに楽曲も提供してOASISの音楽性を確立してきた。アンディは「A Quick Peep」、「Turn Up The Sun」、「The Nature Of Reality」、「Thank You For The Good Times」。ゲムの楽曲としては「Hung In A Bad Place」、「A Bell Will Ring」、「To Be Where There's Life」、そしてリアムとの共作「Love Like A Bomb」がある。

あなた達2人が初めてベネズエラに来たのは8年前でしたね。バンドに入って10年になる今、OASISはどのように進化してきたと思います?

アンディ:僕達が悪い方向に進化させてないかって?

ステージでも息の合うバンドになったのではないかと・・・。

ゲム:その通りだよ。バンドに入った時よりは、OASISのことを理解してると思う。そんな長いことやってたんだなあ。初めてベネズエラに来てからそんなに経つなんて信じられない。

アンディ:またライブアルバムを作るべきだよね。僕達の演奏をそのまま封じ込めたようなやつをさ。8年前のOASISは・・・「Familiar To Millions」におさめられているよね。あれから僕達はかなり変わってるんだ。ニューアルバムを聴いてもわかるだろう。

これまでの作品と比べて、荒削りで歪んだ音使いが多いサウンドですが、そういう音を求めて作ったのでしょうか?

アンディ:面白いよね。でも意図的にやったわけじゃないよ。自然とそういう演奏になったんだ。「Rock N Roll Star」や「Cigarettes And Alcohol」を聴いてもわかるように、僕らは音にのって演奏するだけなんだよ。

アルバムのタイトルは、「To Be Where There's Life」の歌詞から来ていますが、どうしてノエルは「Dig Out Your Soul」にしようと思ったのでしょう。

ゲム:笑えるだろ。ノエルに「この部分の歌詞をタイトルにしようと思うんだけど」と言われたから、「良いね!」と答えたのさ。僕の作った曲が特別だって言われてるみたいで、こそばゆく感じたのを覚えてるよ。

イギリスのプレスは、「ノエルをコントロールできるのはゲムだけだ」と書いていますが、それは本当?

ゲム:プレスは、ノエルとリアムのキャラクターを陳腐に作り上げようとしてるだけだよ。2人をコントロールするなんて無理なんだ。2人ともそれぞれの生き方があるんだから。

最近のリアムは、昔よりも楽しげですよね。

ゲム:だって彼のイメージって結局イギリスのプレスのでっち上げだからね。

アンディ:みんなもっとリアムと直接話してみたらいいよ。プレスの書く彼の姿とはだいぶ違うんだから。

アメリカツアー、特にL.A.のプレスはチケットはソールドアルトしたにも関わらず「OASISは堕ちた」と評価していました。過小評価されたと感じませんでした?

アンディ:チケットはソールドアウトしたんだから、そういう評価は余計だと思うね。僕達はギグのたびに、新たな道を模索しているし、それを見にたくさんの人が来てくれる。AC/DCみたいにさ、たくさんのファンが僕達の音楽を大切に思ってくれてギグに来てくれるんだ。

ゲム:OASISは音楽を聴くみんなのためのバンドなんだ。でもこちらの意思に関係なくメディアというゲームに巻き込まれてしまう。それでも僕達はファンのために活動し続ける。これだけは確かだよ。

ニューアルバムからは、The Beatles、The Stooges、The Doorsの影響が感じられますが、レコーディングの時特に心に置いていたバンドは何ですか?

ゲム:どれもだね。The Facesも含めて、でもちょっとThe Doorsもあるかな。「Revolver」の影響は間違いなくあるよね・・・僕の大好きなアルバムさ。そういうバンドの影響を感じられるアルバムを作れたことを誇りに思ってるよ。

アンディは、アルバムのアートワークの製作に携わったそうですね。これまでのアートワークとはまるで異なるものに仕上がっていますが、何を表現したんです?

アンディ:写真をちょっとね。アルバムをミキシングしてる段階で思いついた。カトリックを思わせるようなものばかりを探して買ってスタジオに集めてたん だ。L.A.のエル・プエブロに行ったんだけどそこでも見るもの全てに圧倒されて、色んな物を写真を撮った。意味といわれると困るけど、でも感動したん だ。僕達が心に留めていたことを形にするにはもってこいだと思ったんだよ。

ゲム:アルバムに特別な存在感を与えてるよね。

最近音楽をダウンロードする若者をどう思います?この新しい波に、OASISはどう立ち向かうのでしょう?

ゲム:音楽業界が変化するのは当然だし、それが健全な在り方だと思うよ。DVDが登場してビデオが消えた時もよく覚えてる。Youtube、そして音楽をダウンロードしてiPodに入れるのが今の時代なのさ。

「この曲はノエルに、もしくはリアムに歌ってほしい」と最初から決めて曲を作ることはありますか?

アンディ:昔はそうしてたけど、今はあえて決めずに作るんだ。どちらが歌うにしろ、曲や歌詞に込めた意味は変わらないし、やっぱりOASISのシンガーはリアムだしね。

ゲム:僕はリアムヴォーカルの方が作りやすいんだ。声域も似てるからさ。だから僕の曲はリアム向きだと思うな。
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