アメリカ

Noel Gallagher - Rocky Mountain Mag - 2008/12/06

オリジナルの記事はこちら。↓
http://blogs.rockymountainnews.com/rocky_mountain_music/2008/12/noel_gallagher_interview_the_l.html

どこまでもビッグでどこまでもパワフルなバンド、OASIS。
それゆえにギャラガー兄弟は思ったことを好きなだけ口に出来るのだ。

しかし、ノエルは語りたくてたまらないのだ。過去にないほどタイトなロックンロールに的を絞ったニューアルバム「Dig Out Your Soul」。それをいかに誇りに思っているかを。

全てが順調というわけではなかった。今年の9月、ノエルは、トロントのステージでファンから乱暴に突き飛ばされるという目に合い、病院に搬送。その時の映像はYoutubeでも話題となった。

ツアー初日のバックステージにいるわけですが、もうあの事件のことでナーバスにはなっていない?

ノエル:いや、むしろ駆け出しのギグのチケットを買ったファンには悪いなと思うよ、何たって練習不足だからな。俺達はまだ・・・これまでに3回しかギグをしてないんだ。最初のギグはまとまりに欠けるものになるかもしれないが、それ以上悪いことなんてそうは起こらねえだろ?

トロントでは、起こってしまったわけですよね。

ノエル:まあ、うん、そうだな。じゃあ押し倒される以外には、ないだろ?ああいうことが再び起こる確率なんて100万分の1に過ぎねえんだ。そういうのを 除けば、何がある?たとえば、観客がおざなりな拍手をして立ち去るとか。くそったれ。そんなの俺の知ったこっちゃねえよ。

ドラマーがザック・スターキーからクリス・シャーロックへと代わりましたが、何か問題があったのでしょうか?

ノエル:大きな痛手だよ、ほんと大きな痛手だった。でも俺達はいつも前回に増してOASISに合ったドラマーを連れてくるんだ。クリスさ。ずっとバンドに いてくれたら思ってる。実は、やつもその気じゃないかと思うんだよ。クリスは俺と同じ世界、イングランド北部の出身なんだ、だからそういう点でもすでにつ ながりはあったってことさ。俺こそOASISにふさわしいなんていうエゴを持ってるというより、OASISが居心地いいって感じなんだろう。ドラムのスキ ルとしては、みんなそれぞれ強みを持ってる。ザックは毎晩安定したドラムを披露してくれる。クリスはそこらへんはルーズだが、よりOASISに合ったドラ ムを叩いてくれる。クリスって観察してても面白いやつだしな。まず、あの2人を比べることなんてできないよ。

「Dig Out Your Soul」は、とても一貫性のあるアルバムだと感じました。レコーディグの前からあらかじめ目指していた方向なの?

ノエル:大きく違うのは、俺がプロデュースに一切加わらなかったことだろうな。これまではいつも参加してきたんだ。誰も信じてなかったから。でもデイヴな ら信用できる。「さあ、俺に何をしてほしいのか言ってみろ」ってね。プロデュースに関して思い煩うことはもうないんだ。ミキシングデスクに座る代わり に・・・今夜飲みにいくことに思いを巡らす余裕ができたのさ。これって俺にとっては大事なことなんだよ、これまでは朝の6時まで器材をいじくったりしてた んだから。

あなた以外のメンバーも作曲活動に関わるようになってきましたね。いつからそのような流れに?

ノエル:みんなが作曲に貢献してくれる今のバンドの方が、俺は好きだね。バンドって本来こうあるべきだろう。俺は、1人で全曲書いて全曲レコーディングし て全曲プロデュースして、アルバムのアートワークのアイディアも出してっていう全ての作業にうんざりしてたんだ。俺名義でレコードを出すわけでもないの に、もうやってらんねえってさ、わかるだろ?ゲムとアンディにバンドに入ってもらった時にこう伝えたんだ、「曲を書く心構えをしててくれ。セッション ミュージシャンとしてOASISに入ったんなら、給料もそれ相応にしか払わない。バンドのメンバーとして入ったんなら、貢献するのが当然だろう」ってね。 最初の年はちょっと難しかったな、アンディもゲムも俺と同じような曲を書いてきたからさ。こう言ったことを覚えてるよ、「いいか、自分のスタイルで書いて くれ。俺のことは気にしなくていい。お前らが俺と同じような曲を書くことはできないだろう。俺は俺の曲を書く。俺の仕事を横取りしないで、自分の曲を書い てくれ」。

今では財産も知名度も地位も名声も賞の類も全て手に入れたわけですが、今も音楽を続ける理由とは?

ノエル:(しばらく考える)。うーん・・・一度頂点まで行ってしまうと、その後のペースは落ちていくもんなんだよな、正直言って。いや・・・よくわからな いな。ただ他にやることが思いつかないんだ。誤解するなよ。俺は今でもステージに上がって大勢のファンの前でギターを弾くのが本当に大好きなんだ。大体嫌 いなやつなんているのか?最高の見せ場だぜ、だろ?今回のレコードには心から満足してる。俺は今の状態をそこまで深く分析したりはしないんだ。朝目を覚ま し髭をそりながら、自問自答するのさ。俺は今幸せか?もちろん幸せさ。そうじゃなきゃ、さっさと他の仕事でも探しに行ってるぜ。でもまだその時は来てない んだ。

もうレコード契約は結ばないのでしょうか?

ノエル:イングランドでは結んでないね。俺達の手でやっていくんだ。アメリカではワーナー・ブラザーズと、もしくはそのまま契約を更新するさ。OASIS はアメリカを拠点にしてるわけじゃないからな。でも契約を結ばないとやっていけないだろ?世界中からメールでの注文を募るのか?馬鹿げてる。イングランド では俺達、他の国では一番いい条件を持ってきたところと契約する。だから今OASISは色んなレコード会社と契約してるって訳だ。全くどうかしてるよな。

この形態を取ることで、OASISはさらに力を持つことができると?

ノエル:どうだろうな。マネージャーに稼ぎの20%を払うために仕事をするつもりはないさ。自分の面倒は自分で見ろ、俺の仕事は飲んで書いてクールでいることだ。

ラッセル・ブランドと仲が良いようですが、俳優の道に興味はあります?

ノエル:(笑って)正直に言おう、そのことでいつもあいつがしつこく言ってくるんだ、一緒に連続コメディを書こうよとか何とかかんとか。でも俺はシャイだ から演技には向いてないな、きっと。映画のセットとかそういうのを見るとさ。スタジオに入って1、たぶん2テイクはやるだろ。3テイク目になった時っての は、きっと誰かがしくじった時で俺は不機嫌になってるだろ。で、1日中、同じシーンばかりやらされて、98テイクって羽目になった時。もう我慢の限界だ。 スタジオに入っていって、そいつを撃ち殺して出て行くさ。

トロントでの事件の話に戻ります。あの男は何がしたかったのでしょうか。動機はわかっています?

ノエル:この件は2回判決が持ち越されいて、次の審理は1月なんだ。そこであいつのくそったれな自白が明らかになるってことさ。

あの事件以来、ステージに立つ時の心構えは変わりました?

ノエル:ぜーんぜん。何にも。

ヨーロッパのスタジアムと、アメリカの会場では何が違いますか?

ノエル:アメリカでは「コンサート」って感じだよな。全席指定でさ。イングランドでの俺達のギグは見たことある?スタジアムでの6万人、あれは我を忘れる ね。ギグがどうだったかなんて覚えてねえんだよ。ただその場にいて全てが終わったあとに「ふう。今何が起こったんだ?」って感じさ。アメリカは、みんな演 奏をちゃんと聴いてる、コンサートだろ。イングランドのファンは音楽なんて聴いちゃいないぜ。別に非難してるわけじゃない。これって素晴らしいことなんだ から。こんなことは他のどの国でも体験できないんだよ。みんな勝手に盛り上がってやる気をみなぎらせてる。アメリカでは、もう少し落ち着いて観察してるか ら、俺達の演奏も良いものになるんだろう、たぶんね。

OASISは再びクリエイティブな状態になってきている?

ノエル:ああ、全くその通りだな。「Be Here Now」以降そして「Don't Believe The Truth」まで、本当に刺激のない時期だったんだ。音楽に刺激されてない時の俺って、曲を書くためだけに書くから駄曲ぞろいなんだよな。 「Standing on the Shoulders of Giants」と「Heathen Chemistry」、俺ので何曲か良いのもあるが、ほとんどの曲は平凡な出来だろ。その時学んだ教訓は、何も出てこないんなら大人しく休暇を取れってこ とさ。誰かにアドバイスするなら、こう言おう。追い求めるな、感覚が戻ってくるまで待ち続けろ。犬が逃げた時には探しに行くな。腹が減ったら戻ってくる さ。そうだろ?それにしても犬をわざわざ探しにいくやつなんているのか?イカれてるね。

ニューアルバムでの進歩とは?

ノエル:これはアルバムだ。曲の寄せ集めじゃない。同じカテゴリに置くわけじゃないが、レッド・ツェッペリンやピンク・フロイドのアルバムの作りと同じだ ね。ピンク・フロイドのアルバムに入ってる楽曲って一つ一つがぶっ飛ぶ出来で、しかもアルバム全体に脈が通ってるんだ・・・ちゃんと即した状況で聴くと最 高なんだよ。アルバムってのは、リスナーを旅へと誘うように作られている。iTunesや小賢しいダウンロードで落とした穴だらけのアルバムなんて死んで るのと同じだぜ。「じゃあ、1曲目と3曲目と7曲目と9曲目を買おう」。くだらねえ。「Dark Side Of The Moon」にそんなことできないだろ。「Led Zep Ⅳ」でもだ。「Sgt. Pepper」でもそうさ。一体何がしたいんだ?俺達が曲の順序を考えて作ったアルバムだぞ。それをどっかのガキが勝手に3曲抜き出すなんてふざけてる、 だろ?そいつに問題ありだ。俺達のアルバムが理解不能なら、そうやって買ったやつに問題があるんだよ。

音楽的に、これからのOASISはどうなっていくのでしょうか。

ノエル:大量に曲ができてるんだ。エレクトロニックになるかもしれないし、フォークにになるかもしれないし、サイケデリック・フォークになるかもしれな い。俺の気持ち次第だね。次のアルバムは今回のとはまた違ったものになるよ。長いこと目指していたものを、今回のアルバムで完成することが出来た。このア ルバムは最高さ・・・このアルバムなりの方向性、サウンドを持ってる、これまでの何枚かがただの曲のコレクションであったのに対してね。これは本物のアル バムだ。30曲は残ってるから、全部違うの3枚組みアルバムだって作れるぜ。いっそスペース・レゲエでもやろうかな。

イングランドは今、アメリカをどのように見ています?

ノエル:また良い感じに戻ってきたよな・・・アメリカ人を一括りにして考えることなんてできねえんだよ、あまりに色んな人が多すぎてね。みんな、アメリカ 人と言ったら、太ってうるさくてでかい車に乗ってるとまとめるだろ。でも実際行ってみると、全然そうじゃないんだ、だろ?別に上から物を言うわけじゃない が、アメリカ人だってほとんど俺達イギリス人と同じだぜ。残念なことに権力を持った連中はそろって間抜けぞろいだけどな。俺の意見を言わせてもらえば、 ジョージ・ブッシュが現れてきてからさ、アメリカが良くない方向へ向かったのは。でも今回は正しい選択をしたね。バラク・オバマが黒人だからってわけじゃ ない。民主党を選んだって点でだよ。一番重要なことだ。現状況に言及する彼の言葉は、本当にパワフルだろう。もしその通り実行に移すのなら、アメリカにプ ラスに働くだろうね。そしてアメリカ人曰く、アメリカのためになるなら世界のためになるってことさ。

Noel Gallagher - Melodymaker - 1996/04/27 pt2

あなたはラジオのインタビューを始めとして、いろんなことを自分でやりますよね。

ノエル:あいつらが勝手に俺とリアムに言ってくるんだよ。(L.Aのアクセントで)「あなたとリアムの喧嘩をショーにしたいの」「それより、俺達がお前を ぶちのめすってのはどうだ?」「いい考えね!5分後に、私を叩きのめすふりをしてよ」「ふりじゃなくて本気でやってやるよ。鼻は確実に折れるぜ」。MTV でそいつは「ショーが始まったら、まず私にヘッドロックをかけてくれない?」「いやだね」「冗談よ」「俺は本気だぜ。どういう意味かわかってるよな?」と 言ってやった。ああいう連中は、Sonic Youtuはパンクだとか平気で思ってるからな、俺はそうは思わないけど。ちなみにGreen DayはDickiesの現代版だな。

OASISの活動が終わるときのことを考えたことは?

ノエル:わからない。OASISにはまだまだ可能性があると思うんだ。あの時もっとああすればとか考えたくないから、思う存分挑戦してみようと思ってる。Pulpには「スタジアムでプレイするのは馬鹿だけだ」と言われたけどね。

今よりさらに良くなる自信は?

ノエル:The SmithもThe Jamも充分に活動した後に解散した。The Smithの5枚のアルバムはどれも優劣がつけられない素晴らしい作品ばかりだろう。良い時期に解散したね。

5枚もアルバムを作れる?

ノエル:少なくとも3枚は作るつもりさ。The Jamみたいに。彼らはうだうだ活動を続けなかった。現実には5枚くらい作るかもしれないけど、俺は3枚で辞める気持ちで作るって意味だよ。

バンドでやりたいことがなくなったら、どうします?

ノエル:セッション・ミュージシャンにはならない。俺にもリアムにも歌えない曲がたくさんあるだろ、声域の幅とかそういう問題じゃなくて。ロッド・スチュ ワートのために曲を書き続けるかもな。レーベルを立ち上げたり、プロデューサーになったり…バンドを作って、曲は書くけど俺はメンバーじゃないってのも良 いかも!俺としては、そろそろ70年代音楽のリバイバルが来てもいい頃だと思うんだよ。

メンバーは誰にします?

ノエル:俺、ジョニー・マー、ポール・ウェラー。1枚アルバムを出してさ、ツアーは最高のものになるぞ、きっと。最後はアジアで締めて。ポール・ウェラー が歌って、キーボードを弾いて。俺はリズム・ギター。ジョニーはリード・ギターだ。ドラムとベース?Stone Rosesからレニをつれてくる。大所帯バンドが好きなんだ。SlyとかFamily Stoneみたいな、15人くらいのバンド。

ベースにはジャン・ジャック・バーネルをどうでしょう。

ノエル:失せろ。

「Some Might Say」は騒々しさと緊迫感がたまらない名曲だと思います。いつ書いたの?

ノエル:「Whatever」をレコーディングしていた時。俺はチジックに住んでて、残りのメンバーはコロンビアに泊まっていたんだ。メゾン・ラウンジで ギグを終えて、翌朝の11時にはスタジオに入る予定だった。みんなはホテルに戻り、そこで馬鹿なことをやってホテルを追い出され、一晩中騒いだらしい。 で、俺が翌朝11時きっかりスタジオに到着すると、誰もいねえんだ。そのままなんと夜の8時になるまで誰も来なかったんだぜ。午後2時ごろにあんまり退屈 で書いた曲が「Some Might Say」なんだよ。

他の曲もそういう風に書いたの?

ノエル:「Talk Tonight」はそんな感じかな。その時はテキサスにいて「Whatever」のB面をレコーディングしてた。俺とオーウェンは時間通り1時にスタジオに到着、他のメンバーは4時に到着。あいつらが来る前にレコーディングが終わったくらいさ。

「Acquiesce」は?

ノエル:「Some Might Say」のセッションをしてる時だったかな。もう1曲書かなきゃいけなくて、スピード感のあるリフが頭にあったんだ。そしたら、スタジオに向かうときにセ バーントンネルで電車が止まって2時間半も閉じ込められてさ。俺はアコースティックギターを持ってたから、時間つぶしに書いた曲がこれだ。同じ客室には女 が1人いて(気取った声で)「何をしてるの?」「見ての通り曲を作ってるんだ」「ああ!あなた、ポップ・グループのメンバー?」「見ての通りOASISの メンバーだよ」「娘があなたの曲聴いてたと思うわ」「それって俺の女?」ってな。まあ、どの曲も退屈しのぎに作った曲ってことだ。

歌詞を書くのは嫌いなんですよね。

ノエル:歌詞ね、許されるなら歌詞は書きたくないな。我慢できねえんだ。ムカつくぜ。

リアムについて書いたことはある?

ノエル:ああ、「ナル野郎」ってね(笑う)。「Take Me Away」はあいつのことを思い浮かべて書いたんだ。「お前は俺になれる。すぐになれるさ」ってところ。

「Acquiesce」の「俺達は互いに必要としてる。互いに信じあってる」というところは?

ノエル:リアムはそう思い込んでるみたいなんだよな。俺とあいつについて書かれた曲を、交互に歌いあうっていうのがこの曲のコンセプトだと、リアムは思ってる。でも、「お前馬鹿だろ。あれは俺とガールフレンドのための曲だ。俺にお前は必要ねえんだよ」と言ってやったよ。

リアムについてどう考えてる?

ノエル:でかい口を叩いてばっかりいる。いつも馬鹿なことやってるし。ある夜なんて、誰も一緒に遊んでくれないからって理由で、バンドをやめるとか言い出 したんだぜ。俺はそんな気分じゃなかった。大体俺は外で遊ぶのは好きじゃない。やることねえだろ、特にアメリカではさ。あるバーではステージで暴れるのが 趣味な連中でいっぱいで一晩中喧嘩するはめになって、またあるバーでは年寄りだらけで面白くねえ。まあとにかく、あいつにはいつも笑わせてもらってるよ。

本当にリアムがバンドを辞めるって言ったら?

ノエル:「わかった。それがお前の意志なら許そう」と言うかな。でも誰かがバッグ一杯のドラッグを持って現れたら俺達もさっさとやめてやるよ。

去年1年でリアムは変わった?

ノエル:馬鹿度が増したね。口に出すことはますます常軌を逸してる。あいつは毎回自分の能力以上のことをやろうとするんだ。俺はリアムがギャーギャーわめ いてる時に「この馬鹿を絞め殺せばこれ以上聞かずにすむのにな」と思ってる。で、次の日、あいつがまた騒いでる。仕方ないから「お前一体何が言いたいん だ?」と聞いてやる。リアムは自分が言いたいことを上手く表現できないからな。そしたらあいつは「肉とポテト入りのパイが食いてえって言ってんだよ」。 たったそれだけのことで騒ぐんだぜ。

リアムは学校ではどんな感じだったの?

ノエル:あいつが入学してきた時には、俺はもういなかったんだけど、小さい頃は、まともだったんだ、信じられないだろう。今じゃ、頭おかしいけどさ。 The Fallのマーク・E・スミスタイプの狂い方じゃなくて、ファッキンマッドだ。おかしい。狂ってる。頭がイカレてる。面白い話があるぜ。さっき話したマー ク・E・スミスのことだけど、俺があいつのことでわめき散らしてたんだ。ファッキンリバプール野郎ってね。あの男があまりに喋ってばかりいるからさ。一度 も口を閉じずに1時間延々と喋りまくるんだぜ。リアムは俺がわめいている間、ずーっと黙ってた。そして最後に俺をちらっと見て「あいつの女房もリバプール 出身だぜ」と言うんだ。俺は、「だから何だ、あいつの女房に謝れって言うのかよ、俺は俺の信念を貫いてみせる」と思って、「そいつもうるさい女に決まって るさ」と返した。そしたらリアムは「俺が言いたいのは、人の話に口を挟むなってことだよ」と言いやがった。な、妙にまともだろ。

これまでのスター扱いに関しては?

ノエル:あいつがさらにイカレちまったのはそのせいなんだ。俺達も同じくね。俺達兄弟以外の3人はそれほどでもないかな。

彼はフロントマンだからさらに注目を集めるのでは?

ノエル:あいつの後ろにはたくさんの女の子達がついて回って、俺の後ろには、歌詞を研究しつくしたそばかすだらけの学生達がついて回る。俺はあいつより年上だから、あのちっちゃな頭で何を考えてるかなんて想像もつかないよ。

彼はみんなに注目されてると思ってるようですが、実際そうですよね。

ノエル:ああ、マスコミの前に出ていって「俺は生まれたときからスターだ」とわめくタイプだね。「カート・コバーンは悲しい曲しか書けなくて、運命を自分 の思い通りにすることも出来ないやつだから聞いててムカつく」とか抜かすタイプさ。でもみんなに注目されることで天狗になるんなら、結局、方向は違うけど カート・コバーンと大差ないぜ、だろ?だからあいつはそういうことを言うべきじゃない。

彼はむしろフランク・シナトラに似てません?

ノエル:(にっこり笑って)そうだね。

もしあなたが「もうこれでおわりだ」と言ったらリアムはどうするでしょう?

ノエル:俺が他の誰かのために曲を書いて、プロデューサーをして、釣り堀経営を始めたらってこと?ああ!あいつは心身ともにぼろぼろになるだろうな。今で も俺がバンドを一緒に続けてるのは、ただ一つの理由からだ。おふくろにお願いされてるからだよ。「リアムは1人じゃ何も出来ないから」ってな。俺はおふく ろのためだけにバンドを続けてるんだ。だからあいつはおふくろに感謝すべきだね。

今度のツアーでは、リアムはまともだったようにみえますが実情は違うんでしょうね。あなたもツアー中は好きなことをいろいろしたんじゃないですか?

ノエル:全然普通じゃねえよ。あいつも自分で自分は異常だとわかってるんだ。いつも外でうろうろして、未だにジョークを理解できねえ。俺はロンドンで ジョークに触れてるからわかるんだけどさ。女の子達を引き連れてると、絶対に一人、馬鹿なやつが「私、あなたのバンドってくだらないと思うわ」と言ってく る。俺なら「俺もそう思うぜ」「あなたも馬鹿よね」。そしたら俺は、50ポンドを渡して「お前達、ただ飲む金がほしいだけなんだろ?」と、さらっと受け流 すぜ。リアムときたら、全て本気にとるからな。

うぶですね。

ノエル:この世を生き抜く秘訣さ。

彼、これからどうなるんでしょう。

ノエル:俺が知るかよ。実を言うとどうでもいい。

何か将来の計画はある?

ノエル:ああ、本を書きたいんだ。OASISの歴史をね。もう題名も考えてある。「悲しいけどこれが真実、OASISの栄光と堕落」

今夜歓迎会があるとしたら行く?

ノエル:冗談だろ?リアムと一緒に行ったことがあるけど、部屋に入ったとたん、全員立ち上がって賞賛の嵐だ。「今すぐ、消えろ」と思ったね。男が「リーラ ンドさんとノートンさんが来てくれて嬉しいです」と紹介しやがったから、俺はその馬鹿に「お前には俺がモーターバイク(訳注:ノートンというバイクのメー カーがある)に見えるのか?」。するとそいつは俺を見て「何ですって?」。俺の代わりにリアムが「うちの兄貴がモーターバイクに見えるのかって聞いてんだ よ」と返してさ。あいつらが俺達の名前だけでもちゃんと言えたら、素晴らしい夜になってたのにな。あの連中は、どんなに俺達のために力を尽くしてきたか、 どんなに良いチームか誇りに思え、そういうことばかり言ってくる。俺は「ちょっと待ってくれ、俺は曲を書くのに忙しいんだ、だから誇りに思うのは、俺と OASISだけだ。もちろんお前は論外」と言ってやるよ。あいつらが「でも私達があなた方のためにすばらしい仕事をしているのを知ってほしいんです」と 言ってきたら「わかった、で、いくら払えって言うんだ?!お前はそういう仕事をして給料をもらうんだろ、クソったれ!」と言うさ。

で、それに対して彼らはどう答えてきました?

ノエル:「さすがイギリス人!あなたのユーモアセンスはジョン・クリース並みね!」。

それが最後の歓迎会?

ノエル:その後にも1回行った。どっかのレコード会社がディナーを用意してて、俺達は食うものがなかったから「仕方ない、行って何か食ってこう」ってこと になった。広い部屋に入っていったら、他のバンドメンバーは来ても俺は来ないと思ってたらしい。だから妙に感謝されてね。「本当にありがとう」「俺はただ 飯を食いにきたんだ。誰とも話すつもりはない」。食事の後、そいつはスピーチをぶった。「バンドに感謝を。ノエルには話しかけないで」。みんな拍手。

アメリカでは、専用のマネージャーを雇うんですか?

ノエル:いや。みんなイギリスにはイギリス、アメリカにはアメリカのマネージャーがいるようだけど、俺達は違う。「意味わかんねえよ?!俺達にはもうマ ネージャーがいる。どうしてさらに他人に20%払わなきゃいけねえんだ?」ってな具合さ。マーカスとは契約さえしてないんだ。ただ握手しただけ。一枚の紙 切れより重みのある握手だよ。

彼が金の半分を持って逃げたら?

ノエル:訴える。

でも、最初から契約してないんですから。

ノエル:じゃあ、家を燃やそう。心当たりがあるだろうから誰が犯人かすぐにわかるだろ。俺は得しないが、それはやつも同じだ。

■ノエルのフェイバリット

アルバム:
1.The Beatles - 67-70
2.Sex Pistols - Never Mind The Bollocks
3.The Jam - Snap!
4.The Who - Greatest Hits
5.The Small Faces - Ogden's Nut Gone Flake
6.Paul Weller - Stanley Road
7.Primal Scream - Screamadelica
8.The Stone Roses - The Stone Roses
9.The La's - The La's
10.Happy Mondays - Pills Thrills and bellyaches
11. The Stooges- The Stooges

シングル:上のバンドのシングル全て。

本:本は読まない。

映画:
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ
スカーフェイス
キング・オブ・コメディ
タクシー・ドライバー
ダーティー・ハリー
レザボア・ドッグス
イエロー・サブマリン

Noel Gallagher - Melodymaker - 1996/04/27 pt1

アメリカに行っている間に母国での人気を失うのでは、という不安はある?

ノエル:Inspiral CarpetsやNeds Atomic Dustbinがそうだったな。全く、時間が流れるのは早いもんだ。ストーン・ローゼズが帰国した時も話題にならなかったし、最近の若い連中は飽きるのが早すぎるんだよ。

今までにはないくらい長い期間、アメリカでツアーをすることにプレッシャーは?

ノエル:ある程度はあるよ。レコード会社にアメリカまで来いと言われ、俺達もちょうど時間が空いていたから行ってやるんだ。どんなにビッグになろうが、行けと言われる場所がイギリスだろうがアメリカだろうが、俺はやりたいことしかやらない。それにビッグでいるのは別にイギリス内だけでいいと思ってるしね。そこまで金に困ってもないし、アメリカのために全てを犠牲にするつもりはない。俺達はあくまでイギリスを拠点としたバンドなんだ。それに加えて、日本、ヨーロッパ、オーストラリアにも行く。特に日本はアメリカと同じくらい俺にとっては大切なんだよ。

わかりますよ、でもアメリカ人はロックンロールの歴史を築くあなた達の訪米を待ち望んでいるし、アメリカこそがその歴史の始まりになると思っているんです。

ノエル:そういうことより、結局大切なのは俺達の曲を聴いてくれるファンなんだよ。もちろん日本のファンも。だからこそワールドツアーをやろうってことになった。ギグではみんな往年の名曲を期待してくる。でも俺はいつまでも昔の曲ばかりでギグをするつもりはない。4年間セットリストに入れっぱなしの曲もあるんだ。例えば「Rock N Roll Star」、「Live Forever」、「Cigarettes & Alcohol」とかさ。実はもう飽きちゃったんだけど。

あなたのマスタープランは?

ノエル:うーん、何が起こってもおかしくないからなあ。歌詞にもあるとおり来週何が起こるかもわからない。

でもどこに行き着きたいか、希望はあるでしょう?

ノエル:バンドを始めた頃に描いたゴールは、すぐにぶっ壊しちまったんでね。

この成功に値段を付けるとしたら?

ノエル:無名のバンドをうらやましいとは言わないけど、でも…俺はまだアルバムも出さずにギグをして回っていた時のほうが好きだったりするんだ。追い求めるものがあった頃がな。今みたいになると、何もかも簡単に達成できてしまうだろう。だって俺が適当に書いた曲でもトップ10に入るんだぜ、何が起こるかわかってると興味も失せちまう。

この生活にはすぐ慣れました?

ノエル:ああ、貪欲な連中が言い寄ってくる前から「みんなの気があるうちに、アルバムでも出してみないか」と言ってくる人達がいたんでね。OASISがステージに立てるバンドであることは誰に言われずとも分かってたことなんだ。あとはこれから立て続けに起こることを順次処理していくだけだ、とね。

EPはこれからも出していくつもり?

ノエル:もちろん。伝統だよ。AdamにAnts、The Jam、Madnessもやってきたことだろ。

ということは、これからも名曲をB面におさめてしまうということですね。

ノエル:「Acquiesce」は、シングルになってもおかしくなったな確かに。スタジオに向かう電車の中で書いたんだ。レコーディングしてるときに「これはシングルになる!」と思った。でもThe JamとかThe SmithみたいにB面にも名曲を持ってきたかったんでね。

アメリカで一番腹が立ったことは?

ノエル:モッシュさ。イギリスでは「Live Forever」みたいな曲はたとえギグでやったとしてもじっくりと聴いてくれたのに、ここでは喧嘩にモッシュ、ステージ・ダイビング、それにお互いを罵り合う連中。ステージの上からその様子を眺めていると「お前ら俺達の曲てんで聴いてねえだろ、そういうノリの曲じゃねえんだよ」と一言言ってやりたくなるぜ。これがもし、「Bring It On Down」、「Headshrinker」、「Fade Away」みたいな曲だったら、まあ、そういうことをしてもいいかもしれないけど、「Live Forever」は違うだろ。この曲はファイティング・チューンじゃない。

バンド内で重要な決定を下すのは誰?

ノエル:俺とマネージャーのマーカスで話し合うんだ。俺で勝手に決めて終わりってこともあるけどな。俺達の考え方は似てるから。

この2、3年に起きたことについて話してください。

ノエル:うーん(15秒ほど考えて)…いろんなところに生意気な口を叩きまくった時期だったかな。もうみんなこりごりだろ。でも俺が言ったことは全て理に適ってるし真実だ。というか、俺の言ったことってどれも面白いし笑えるしくだらねえだろ。俺達、昔のインタビューを読んで頭抱えて笑ってるんだぜ。「Supersonic」から1stアルバムまで、OASISはコントロール不可能な状態だった。クリエイションのやつらも他のバンドのマネージャー連中もみんな「こいつら、来年には消えてるぜ。今にも殺し合いでも始めそうだ」と話してたくらいだぞ。

この調子だとホテルでの出来事も話してくれそうですね。

ノエル:あれは笑えたね。ボーンヘッドと一緒にホテルの中にあったものを全部窓から放り出したんだ。ギグジーは24時間完全に酔っぱらってたし…あいつと8ヶ月はまともな話をしなかった気さえするね。そして俺とリアムはまさにあのパンチとジュディ(訳注:古い歴史を持つ操り人形で、真っ赤なわし鼻とホッペのパンチが些細なことから妻のジュディを棍棒でポカポカ殴るといったドタバタ喜劇)みたいなもんだった。

ボーンヘッドはどこのホテルでそういうことをしていなかった?録音しておくべきでしたね。

ノエル:最初のホテルは(笑って)、いつが最初だったかなんて覚えてねえよ。あまりにたくさんやりすぎてさ。たぶんあいつがそんなことしたのは、前日にテレビを見すぎて飲みすぎて、他のバンドのやつらに「やってみろよ、お前それでも男か?窓から放り投げろ!」とけしかけられたせいだろうな。俺は部屋やバーでインタビューを受けてて、それに気づいたのはあいつらが3回目にものを放り投げたときだ。インタビューが半分ほど終わった時、誰かがやって来て「電気をつけてくれるか?」と言うんだ。つまり、そいつは俺達が犯人だと目星をつけて確かめようとしたんだろう。俺は窓を背にして座っていたから、そのジャーナリストに「違うぞ、誤解だ」と言ってどうにかおさめようとした。「俺達じゃない」とね。でもそこらじゅうに床を滑って移動したテーブルやらがあってジャーナリスト達は「確かに空を飛ぶテレビを見たんだけど」とか言って。俺は「そういうことが現実にあるわけないだろ」とごまかした。でも今度は壊れたテーブルなんかを持ったホテルマネージャーが現れてさ。まあ、結局ホテル側は特に問題沙汰にしなかった。俺達が弁償することを知ってたからな。俺達がしなくてもボーンヘッドがする。今ではああいうことをするのって時代遅れだけど、言っておこう。あれはあれで相当楽しかったぜ。

一番楽しかったのは?

ノエル:一番はスウェーデンでPrimal ScreamやThe Verveと一緒にやった時。強制退去させられて、3万ドルを賠償させられた。最高の思い出だよ。

ツアーをすると、おかしくなっちゃうみたいですね。

ノエル:ああ、そうだな。最初の2つのツアーはその頂点でさ、ツアーマネージャーやドライバー抜きで、2人のローディーと一緒にバンに全ての荷物を詰め込んで回ったんだ。自分達でホテルを予約して、チェックインして経費も持った。Whiteoutと一緒だったな。まるでイギリスに初めて侵入したバイキングの一団みたいだったぜ!Whiteoutはシングルを出していてすでにレコード会社とも契約していたから、彼らには豪華なバス、そして俺達はバン。そして連中には立派な器材にクルー達。ファンが間違えて俺達のバンを訪ねてきたりしてな。で、毎週カバン一杯の金をまるで小銭扱いでくれた。もちろん1時間もしないうちにドラッグに消えたけど。

誰があなた達にロビー集合時間とかチェックアウトの時間を指示したの?

ノエル:俺だよ。俺。つうか俺以外誰もやろうとしないからな!みんなをバンに乗せて、金を払うのも俺だ。請求書に追加料金があったら、一見ちゃんと払うように金を数えながら、バスをコーナーまで移動させていつでも発車できるようにエンジンをかけておいた。で、従業員が「390ポンドと2つのテーブル分が追加料金となります」とかなんとか言ったら「小切手帳を取ってくる」と言ってそのまま逃げるんだ。俺達の旅行代理店はそういう未払いの請求書をかき集めて俺達に支払わせようと苦労してたもんさ。そういうことばかりやっていたから、4つのホテルチェーンから出入り禁止になってさ。だからツアーの最後にはギグをする町から20マイルも離れたところに泊まるはめになった。グラストンべリーでホテルをとった時は偶然マネージャーにいつもの俺の作戦を見られちまって「みんな外に出てろ」と言われた。それからはコロンビアにまで出入り禁止になったよ、っていうのは誰かが窓からものを放り投げてマネージャーのメルセデスに当てたからなんだけどさ。

そういう生活をしてて、身体を壊さなかった?

ノエル:1回ね。2日間何も食べず、ドラッグと酒だけ飲んでギグをしたんだ。胸が痛くなってそのままぶっ倒れて、デトロイトの病院に1日入院したよ。医者は「27歳で良かったですよ。もし47歳なら死んでいたところです。もっと大人の自覚を持って行動してください」と言われて、その時からちゃんと食べて睡眠もとることにしたんだ。

バンド専用の医者というのはいるの?

ノエル:精神科医みたいなのならいるぜ。俺がハーレイ通りに住んでた時のな(笑う)。ちっともロックンロールじゃねえよな。ジェイソン・ドノヴァンにクレイグ・マクラーハンと俺の3人。全くロックンロールだろ?(笑)俺の場合、耳がやばくてね、爆音で演奏するもんだから鼓膜がどうにかなっちまってる。

医者から学んだことは?

ノエル:俺の問題はドラッグに関することだけさ。医者の助言でもうマリファナは止めた。もともと低血圧だから、マリファナ吸うたびに失神しちまってね。あれ吸うと、鼓動が遅くなって、全身に血液が行き渡らなくなるらしい。だから俺はめまいがしたり呼吸困難になってたんだ。いつもそいつを大量に吸ってたら、ドクターから「自分がしてることで自分の身がどうなろうとかまわないんだな。それくらいマリファナが大事とは。全くクールなやつだ」とまで言われちまった(笑)面白えドクターだろ。

コカインは?

ノエル:前までは1日に2回はやってたぜ。最後のアメリカでのツアーの時、バンドのメンバーを集めてコカインを止めろと言ったんだ。俺が言わなきゃ、いつ止めればいいのかも分からない連中だからな。いや、死んじまった時にやっと分かるんじゃないかな。今はみんな落ち着いてきてるよ。昔は大量のコカと一緒に歩んでたといってもいいくらいだったから。

ミズーリみたいにOASISが知られてない場所でギグをすることになったら?

ノエル:企画したやつに「こういう風変わりなことをやるのがお前の趣味なのか?もしそうじゃないなら、ここでギグをしたら最悪なムードになって白けるのは目に見えてるぜ」と言うね。

レコード会社に期待することは?

ノエル:あいつらとは話したこともねえよ。アメリカでも自分達のことは自分でやった。結局は全て自分の身に返ってくるんだからレコード会社なんかにお伺いは立てない。

アメリカではレコード会社への挨拶にも行かなかったの?

ノエル:「近いうち、私の妻にも会ってほしい」「ぜひお会いしたい」とかのことだろ。あの連中は何を言っても怒らないけど、俺は契約書に対して難癖つけたことはないぜ。でも俺がローディをしてた頃の経験からいって、ああいう挨拶まわりは100%やる必要のないことだ。どのバンドも、みんなやってることだからとかいうくだらねえ理由でやるみたいだし、周囲からもやるよう言われるみたいだが、俺はこう言ってやった。「俺はやらない。タワー・レコードの連中とのテリトリー争いについての話し合いなんてどうでもいい。ただそいつらにこう言っとくんだな。俺がわざわざチェックしなきゃちゃんと仕事する気もないのか?もしもそうなら、契約はこっちから切ってやるぜ、クソったれ。ちゃんと自分の仕事をしろ」。俺達は次世代のバンドのためにもこういう行動をとる必要があるんだ。誰かが彼らに言ってやるのさ、「OASISはやらなかった。だから君達もやらなくていい」。

Noel Gallagher - Billboard - August 2005

苦難の時期を乗り越えて。

1990年前半、閑古鳥の鳴くようだったブリティッシュミュージックに息吹を与えた、マンチェスター出身の「落ちこぼれ」集団は、その名曲「Champagne Supernova」のように、鮮やかに火花を散らし高く舞い上がるように登場したのだった。

無害な草食動物となるよりむしろ悪評のリスクを負ったほうがマシという確固たる信念のもと、OASISは、UKロック界を後ろを振り向くことなく駆け上る。シングル「Live Forever」が、彼らにとって初となるTop10入りを果たした1994年の夏、ファンは、そのタイトルが、空威張りの約束ではないと知った。

その年の初めに発売された「Supersonic」「Shakermaker」も、ふわふわと当たり障りなく進行していたブリティッシュミュージック界が、抵抗できない、いや、むしろ抵抗したくはないふてぶてしさを備えていた。

その前兆は1991年、彼らが来る日も来る日も繰り返していたリハーサルとギグの合間に、すでにのぞいていたのだ。

当時24歳、Stone Rosesのファンだったノエル・ギャラガーは、Inspiral Carpetsのフロントマンのオーディションに落ち、代わりにローディとして世界を回っていた。弟のリアムはまだ19歳。その頃から、この二人は、現在の立場を彩るのにふさわしく、仲間内で派手な騒ぎを繰り広げていたのである。

クリエイション・レコードの創始者アラン・マッギーが、OASISと契約を交わした時、約束されたのは、マッギー一人の成功のみではなかった。バンドのデビューアルバム「Definitely Maybe」は、イギリスが、そして世界が始めて出会う新しい時代が訪れたという証だった。

並外れてスケールのでかいこのバンドは、10年をかけてその全貌を現す。メンバーチェンジを行いつつも、今年発売された「Don’t Believe The Truth」を聴く限り、ノエルとリアムは、彼らが話してきたとおりの道を歩んでいるようだ。

もちろん、彼らは時にインタビューで様々なことを話すのを好まないし、インタビューを突然キャンセルすることもある。我々にとっては、とてもフラストレーションが溜まることなのだが、今回のインタビューでもリアム・ギャラガーのインタビューは急きょ予定変更となってしまった。

しかし、その兄ノエル・ギャラガーが、過去、現在、そしてOASISの未来について、感慨深げに話してくれている。

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OASISが新しい時代への扉を一気に開放したと言える1994年を、どのように振り返りますか?

ノエル:そうだな。Suedeがかなり期待を集めていて、Blurは間抜けの集まりだった。Carter The Unstoppable Sex Machineが雑誌の表紙を飾り、Ned's Atomic Dustbin. Primal Screamがサウンド的にどっちつかずになってきて間もない頃だな。全てがどこか冴えなかった。ルックスも良くないし、音も良くない。空を見上げて「ぶちかまそうぜ!」と気負うやつがどこにもいなかった。ミュージックプレスや記者にカメラマンはどいつもクソ野郎ばかりで、鳥肌が立った。俺達はマンチェスターのボードウォークにある小さなリハーサル室で、「Live Forever」や「Rock & Roll Star」、「Bring It On Down」、「I Am The Walrus」を演奏していた。時機を待っていたのさ。自らイーストウェストレコードやXLに出向いて、「俺達は英国一のバンドだ。さっさと契約したほうがいいぜ」なんて言いふらすことははしなかったんだ。そういうことをすると、契約する前から会社側に貸しを作ることになるからな。その時が来れば、今もてはやされているやつらを全員片付けることなんて余裕で出来ると確信してた。それに加えて、俺とリアムはいつでも、みんなの関心を集めるだけの魅力にあふれていたしね。

バンドを長く続けるために、U2やR.E.M.、The Rolling Stonesを参考にしたのでしょうか?

ノエル:俺はストーンズの大ファンだよ、誰も彼らが音楽を作る権利は奪うことはできない。ただレギンスを着けるのをやめてほしいよな。あとR.E.M.。レコードは持ってないが、ツアーの途中で偶然会うことがたびたびあるんだ。ピーター・バックやマイク・マイルズとは気が合う。でも顔に書くあの青いストライプは一体何なんだ?全く意味ねえだろう。U2。大好きだ。彼らの曲を聴いて育ったからな、アルバムは全部持ってるよ。今でもZoo TVツアーに行ったときのことを覚えてる。「The Fly」を聴いてもわかるように、髪をミュレットにしたやつらや音楽をお飾りとしか思ってないロックスターに対する痛烈に批判するボノ。あれから長いこと経ってるのに、U2はめぐり巡って結局原点に戻ってきてるんだ。面白いよな。バンドを長いことやればやるほど、自分自身が明確に見え始める。長くやるほど、自分の原点がしっかり見えてくるのさ。俺達の場合も、バンドを続けるほど、より一層マンチェスターにいた頃に戻っていく気がするんだ。例えば俺とリアム。オリジナルメンバーなわけだけど、今でもバーニッジの公営住宅に住んでた時と全く変わってないんだ、たぶんこれからもこのままで生きてくんだろう。大学に進学せずすぐに建設現場で働き始めたから、気取った態度を身につける時間は、俺達にはなかったのさ。

成功を一途に追い求めていましたね。

ノエル:バンドを始めたばかりの時は、女の子やコカイン、毛皮のコートが狙いだったな・・・・レザーパンツには興味がなかったよ、幸いなことに。あの時の行動や言動は見せかけのものじゃなくて、餌にありついたワーキングクラスまんまだったんだ。バカになってたのさ。列が出来るほど何台も車を買ったが、俺自身は運転免許を持ってなかったんだぜ。でも当時はただ「いいか!俺はとにかくロールスロイスがほしいんだ!」てな感じだった。でもそういう状況も2.3年続くと、いつからか「バカらしい、俺は一体何者だ?」と自問し始めることになるんだよ。

長年バンドをやっていても、常に上昇曲線を描くことは可能でしょうか?調子の悪い時はない?

ノエル:OASISの最初の3枚のアルバムは全て、レコード契約をする前に書いてあった。だから「Standing On The Shoulder Of Giants」以前までは、長い時間座ってバンドの改革を考えるようなことは一切なかった。4thアルバムの時は、けっこう無理をしていたよ。それまでは、バンドの方向性を考え直す必要はなかったからね、あるがまま流れのままに進むことが許されていた。でもあの時期、それまでとは違ったテクニック、たとえばドラムループを使い始めて、自分の原点から離れ始めて、しまいには元に戻ることが出来なくなってたんだ。「Definitely Maybe」や「Morning Glory?」は、俺が21の時に書いた曲だろう。31になった時に、またそういう曲を書こうと思っても、もう自分が変わってしまってる。4thアルバムの歌詞は全部気に入ってるけど、あの頃の俺はOASISの化学式を忘れてしまっていたんだ。

バンドが成功を成し遂げてアイコン的な存在になった時、自分のモチベーションに疑問が生じたことはある?

ノエル:「俺は何をやってるんだ?何のためにこんなことをしてるんだ?」と思い始めた時期だな。今思うと恐ろしい疑問を抱いたこともあった。「こんなに金もあって、音楽の歴史に名も残したのに、まだこの世界にいる必要があるのか?」ってね。自分なりに答えを出すのには、結構時間がかかったね。ツアーが終わって、3,4ヶ月オフをもらった後仕事に戻ってきた時、毎回「どうして俺はこんなことを?」という考えが頭をよぎるんだ。たいていそれに対する答えは「だからといって他にすることがあるのか?」で終わるんだけどさ。毎回この難問には悩まされてばかりだよ。こういうことをうじうじ考えてるのは、立派なことじゃないし、潔くもないよな。たとえば、最高のバンドと評価されているバンドのメンバーに会って、「今何かしてるのか?」と聞いて「何もしてない」という答えを聞く。その方がそれよりもっと悲しいことだと思うんだ。楽しいと思える何かを常にやり続けたほうがましだね。俺は「Lyla」を良い曲だと思ったことは一度もなかったが、7万人のファンがこの曲に夢中になってる様子を見ると、「俺は何もわかってねえな」と思う。今度のツアーで気づいたよ、彼らは自分の好きなバンドや曲で盛り上がってるだけじゃない、これからも俺達がバンドを続けることを認めてくれてるんだ。ステージに立って、「Don’t Look Back In Anger」なんかをやると、俺達には目もくれずにお互いに抱き合って、自分達のために合唱してる。きっと彼らにとって大きな意味のある曲なんだろう。ここまでくると、音楽はもうイングランドの文化の一部ではとどまらないと思うね。もっと重要な位置を占めてるんだ。

アメリカのプロデューサー、デイヴ・サーヴィと仕事をすることで、バンドの仕事に変化はあったのでしょうか?

ノエル:2つあるな。プロデューサーを雇うことは早くから決まっていたんだ。「第3者に、大きな決定権を任せよう」ってことさ。その時幸運にもデイヴ・サーヴィと出会えた。曲は全部書き終えてたしアレンジもすんでいたから、彼がすることといえば、テープにそれを入れるだけだったんだ。
俺はソングライター兼プロデューサー兼バンドメンバーであることに飽き飽きしててね。もう一度ただのバンドメンバーに戻りたかった。もうセルフプロデュースにはうんざりしてた。ギターを弾いて何曲か曲を書く。たとえ、俺が一番多くの曲を書いていたとしても、メンバーが何かするたびに俺に許可をもらうのが当然だと未だに思っていたとしても「ちょっと待てよ、俺達はもうソングライターとして同じ立場にいるんだぜ。だから失敗しても俺達みんなの責任ってことだ。でもその代わり上手くいったら全員で栄光を分かち合おう」ってことさ。そういう考えの下で作ったから、今度のアルバムは成功したんだろう、特にアメリカの評論家には評判が良かったよな。それがこのアルバムを特別なものにしてる。

OASISと言えば、アメリカでのツアーがたびたびキャンセルとなり、これまであなた達のUSでの評価はあまり良いものとは言えませんでした。今はもっとアメリカ市場を大切に思っているのでしょうか?

ノエル:言っておくけどあからさまに無視していたつもりはないんだぜ。他人から常に興味をもってもらわないと気が済まないアメリカ人と違って、俺達はそういう評判を全く気にしないだけの話だ。U2やR.E.M.、Coldplayがアメリカで成功してるのは、フロントマンのおかげだな。リアムがフロントマンとして劣ってると言いたいわけじゃない。あいつはクリス・マーティンでもないしボノでもない、もちろんマイケル・ストライプでもない。あいつはリアム・ギャラガーなんだ。でもどういう点から考えてみても、アメリカ人はリアムみたいなやつを受けつけないんだな。音楽的に言うと、さっき挙げた3つのバンドに負ける気はしないが、俺達のキャラクターが違うってことなんだろう。

2000年に自身のレーベルBig Brotherをはじめましたが、それを機に音楽業界に対する目は変わりました?

ノエル:Big Brotherはまさに俺達が描く理想の下に作ったんだ。つまり「たくさんのバンドと契約する」ってことだな。でも実際は「いくらだって?そんな金出せねえよ!」さ。Big Brotherで儲けた金を使って、俺のレーベル、Sour Mashを経営してるんだ。今のところ契約しているのはShackだけだが、他にもいろいろやってる。今のバンドはすぐに「次のOASIS」を目指そうとするが、ギグの時ついでにトイレやなんかで喧嘩するくらいの覚悟を決めてるわけじゃなく、結局「金ができたら、Levisショップに行って1960年代のギブソンを買うんだ」程度の軽い気持ちしか持ってないんだ。しかもそいつらのマネージャーはそろいもそろって能無し。俺達は5万ドルでクリエイションと契約したが、3年間は金なんてもらえなかったぞ。最近のやつはそれを聞くだけで、吐き気がするかもしれないけどな。

ソロになることを本気で考えたことはありますか?

ノエル:いつでも考えてるさ。いくつかの映画に提供するサウンドトラックを今作ってるんだ。来年あたりに出すよ。でも、オフの時間をそうやって楽しみすぎるからか、俺にようやくゆっくり休む時間ができたと思ったら、今度はOASISが動きだすんだよな。だからツアー中に曲を書くんだ。ツアーから戻って半年はOASISは何もしないから、その時にソロアルバムを出そうって考えさ。でも俺は怠け者だろ、予定通りにいった試しがない。やっとやる気になったと思ったら、またOASISタイムに突入だ。だから40になるまでにはやりたいな。今38だからさ。

リアムはどうするの?

ノエル:あいつの方が先にソロをやるかもしれないぜ。今はリアムの方がストックが多いし、曲を書くのに夢中なんだ。30を越してようやく曲を書くことを覚えたから、俺が21の頃の勢いと同じだよ。でも今のイギリスで、俺達が他のバンドに与えてる影響を考えたら、簡単にバンドを離れることはできない。俺達のインタビューの載ったNMEを読んでバンドを結成する気になるやつも多いはずだ。今になってそれが形になって出てきてるだろう。RazorlightやThe Libertines、The Killers、The Strokes、Kings Of Leon、Jet。全て「Definitely Maybe」から始まってる。あいつらが「OASIS、OASIS」と始終OASISのことを話すことはないが、あのアルバムはその根底を支える重要な存在なんだ。こう言いながら現れたバンドは俺達が最初だったんだよ。「世界は素晴らしい。生きるためだけに生きろ。グランジなんて忘れちまえ。俺達に脳まで来るようなギネスビールを。そしてギターを」。
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