Dig Out Your Soul

Noel Gallagher - Football 365 - 2009/07/25

「ジョン・テリーは前から好きじゃなかった。あいつ、目が変だし泣き虫だし、しかもロンドン出身なんだぜ。アデバヨールも気にいらねえな。コーナーフラッグのところでやるあのアホみてえなダンスは何なんだ」。

ノエルがジョン・テリーのことを買っていないことはわかっていただけただうが、今回語ってくれたのはこれだけではない。

マン・シティの天下を諸手を挙げて歓迎している彼は、選手の獲得にどれだけの金額が費やされているかは全く気にならないらしく、さらにステファン・アイルランドをこよなく愛しているのだ。

シティファンにとっては興奮を抑えきれないでしょうね。リー・ブラッドベリやショーン・ゴーターの時代に戻りたいとは思わない?

ノエル:全然。今が最高に良いよ。シティファンの99.9%が同じことを言うと思うね。愛すべきシティなんてのをサポートするのにはうんざりなんだ、どう かしてるぜ、俺達は世界一の選手達が欲しいんだよ。世界一リッチな連中が運営する世界一のスタジアムで世界一のフットボールを見せてくれる選手たちがな。 イギリス人ってのはおかしな連中でさ、一瞬で態度が一変するんだ。俺はロンドンに住み始めて15年になるけど、俺がブラック・キャブに乗って姿を見せると 騒ぎ始めるのさ、「あ!あんたシティファンだろ、俺達もシティ大好きだぜ」。それで続けて思うわけ、シティファンの分際で金持ちになるとは生意気だと ね。成功することや金を儲けることに対するイギリス人の考えってのはおかしなもんだよな。今の経営陣が計画を断固遂行するのをみるのが嬉しくってさ。金を 使うと言ったら、本当にそうしてる。しかも「1シーズンで使い捨て」じゃないことははっきりしてるよな。だって、その次、さらにその次のシーズンまで保障 しなけりゃ、ここまで選手たちと契約を結ぶことはできないだろ。

選手一人に対して1週間あたり20万ポンドを支払うことになっても、かまわないと?

ノエル:もしも、マン・シティが株式会社でしかもあいつらの給料に当てられるのが俺の金っていうんなら、話は違ってくるさ。ぶちキレるね。でも嬉しいか な、俺の金じゃない、お前の金でもない。金の使い方を指図する権利は誰にもないだろう?シティファンとして俺達はこの状況を楽しむだけさ。俺がムカつくの は、みんなが金のことばかり問題にすることだよ。先日新聞を読んだら、エマニュエル・アデバヨールが6500万ポンドで契約を結んだと書いてあった。ふ ん、実際はそんな金額じゃない、だろ?でも、シティのことだから、金のことばかりあげつらって下卑た話題に仕立て上げたんだ。ロナルドがマンチェスター・ ユナイテッドといくらで契約したかは誰も話題にしないのにさ。この前思わず嬉しくなったのはさ、カルロス・テベスと契約しただろ、その時にSky Newsを見ていたら、あるシティファンがこう言うんだ。「俺がサポーターになってからシティは一回も優勝できなくて、ユナイテッドファンの友達にバカに されてばかりいたんだ。テベスと契約できた今日が俺の人生最高の日だ」。金じゃないんだよ大事なのは。

誰と契約した時が一番嬉しかったですか?

ノエル:そうだな、シェイ・ギヴンと契約した時は倒れそうになったね。プレミアリーグで一番のゴールキーパーだから。それからギャレス・バリーだな。お見 事と思ったよ、なんせ彼は貴重な人材だろ、センターバックもミッドフィルダーもできるレフティだぜ。テベスも特別だな。だって90分間でやつは100%の 力を出してみせるんだ、ケヴィン・キーガンみたいにさ。あいつが努力して勝ち取ったんなら、シティが獲得するのにどれだけ払ったかなんて気にならないね。 でも誰であろうが、俺の中ではステファン・アイルランドが一番だ。あいつはファッキンブリリアントだぜ。

ジョン・テリーは欲しくない?

ノエル:いらない。俺はジョン・テリーが好きじゃないんだ、好きだったこともない。まず目がおかしいし、すぐ泣くだろ。しかもロンドン出身だし、契約に乗 り気になったとしてもあいつの目的は金だけだ。アデバヨールの契約もお流れになってほしいな。アデバヨールはマジで気に入らねえ。コーナーフラッグのとこ ろでやるあのアホみてえなダンスは何だ、さっさと握手を済ませてゲームに戻れって思うね。俺達にはすでにロケ・サンタ・クルスっていう同じポジションで良 い仕事をしてくれる選手がいる。そうさ、テリーはいらねえ。むしろほしいのはジョレオン・レスコットかな。プレミアリーグでセンターハーフとして戦った経 験のある選手が必要だと思うんだ。あの位置にイタリア連中を遊ばせておくのも癪だろ。あとマティ・アプソンも目をつけてる。どっちかは欲しいよな、できれ ばどっちも。聞いただろ。今俺はレスコットかアプソンが欲しいと言ったんだぜ。18ヶ月前はユニフォームをどうにかしろと言うことしかできなかったっての に。

今シーズンはどこまで狙います?

ノエル:プレミアリーグではまだ結果は出せないと思うね。タイトルは手に出来ないだろうけど、4位から6位で終われたら順当だ。そこまで持ってこれなかったら、マーク・ヒューズは責任を問われることになるだろう。

彼に、シティを率いていくことができると思う?

ノエル:どうだろうな。俺にはどうしても、運営陣がユニットを組んで候補のところに乗り込んで契約を結ぶ姿しか思い浮かばねえんだ。もしそうなら、今すぐ ジョゼ・モウリーニョに掛け合ってほしいね、もしジョゼに断られたら次はフース・ヒディンクだ。何が嬉しいって、今世界のフットボール界で盛り上がりを見 せている二つのクラブが、マン・シティとレアル・マドリードってことだよ。みんな俺達の次の動向に釘付けだろ。ほんと最高だよな。俺達みたいなクラブは金 が底をついたらどう生き延びるのかとか何とかふざけたこともたくさん書かれているけど、でもそれが何なんだよ?俺は4歳からマン・シティを応援してきた し、もしフットボールカンファレンスまで落ちたとしても応援し続けるぞ。だから、今この時を楽しめよってことさ。

Liam Gallagher - BLITZ - 2008

伝統的なロックンロール・ドリームの中に生きる最後のバンド、OASIS。手を胸にあてがって耳を傾けさせるスタジアム級の曲を作り、あらゆることに対して辛辣な意見を持ち、そして彼らは過去を恥じることをしない。

今年2月、OASISが4年ぶりにポルトガルにやってくる。リアム・ギャラガーにインタビューを行ったBLITZは、その内容をみなさんにお伝えするため、無事生還することに成功した。

90年代はOASIS抜きで語れない。「Live Forever」や「Rock N Roll Star」を含む1stアルバム「Definitely Maybe」が最初の波を呼び起こし、今日でもかのアルバムは衝撃的なデビュー、多大なる成功を語る際には欠かせないものとなっている。1994年の夏、 「Supersonic」で登場したOASISのデビューアルバム「Definitely Maybe」は、発売して4日間で10万枚の売り上げとなり、その栄光は「Roll with it」、「Champagne Supernova」、「Wonderwall」などの名曲を含む「(What's the Story) Morning Glory?」の成功へと続いた。

真夜中のポルトガル、アメリカではまだお昼下がりである。インタビューの予定時間になり、リアム・ギャラガーは電話越しに、ミネアポリスの寒さについて軽 やかに話し、さらにコンサートの前夜のことを話してくれた。2月、リスボンで行われるギグは「昔の曲と新しい曲がバランス良く混じった」ものになるとい う。

「新曲、特にニューシングルに対する反応はとても良いと思う」と、リアム。

「でもさ、みんながどう思おうが俺にとっちゃ本当にどうでもいいことなんだ」。

これぞ、腕を後ろに回して歌うことで有名な、そして「I'm Outta Time」を手がけたシンガーならではの言葉だ。リアムは、この曲もファンのお気に入りの1曲と考えている。

「気に入ってるみたいだよ、最後には拍手もしてくれるし。これをシングルにするって案は、俺達のマネージャーが出したんだ。OASISは曲を作って、みんなが求めているものを提供してやるだけさ!」。

「俺は好きだ。シングルになろうがなるまいが関係ないね。アルバムも好きだしな」。

教養がないとみなされることの多いリアムとノエルだが、彼らには根っからの正直さとユーモアのセンスがある。インタビュー中、リアムはアルバムについて説明しようとしていたが、どうにも言葉が見つからないようだった。

「よく説明できねえけど、でもとてもサイケデリックなアルバムだと思う、わかるだろ?」。

よくわかる。

さらに「The Shock Of The Lightning」について、

「これを聴いたBLITZの連中の中には『そんな駄曲流さないでくれ!』って言うやつがいただろ?」と、リアムは言ってきた。

そこで、ファーストアルバムと比べた上でとても良い反応だったことを伝えると、彼は眉をひそませたようだ。

「The Shock Of The Lightningは確かに昔のOASISっぽい曲だけど、ファーストアルバムみたいだとは思いたくないな。でもよくわかるよ、つまりピュアでストレートなロックってことだろ?そういう音楽は時代を超えるもんな。クール!」。

21世紀に入った今、自分が年を重ねたことを感じるかと尋ねてみた。

「最近の音楽を聴いてってこと?なわけねえだろ!だせえのはむしろ今の連中だ。俺は今も変わってねえ」。

では今のバンドをどう思います?

「そいつら自身が悪いって言ってるんじゃない。問題なのは自分自身がちっぽけな存在だと思い込んでることさ。そんなの全然クールじゃないぜ。コンサートを 見に行けば、ビッグなミュージシャンになることを恐れてる連中を目にする羽目になる。やつらが感じてるのは恐怖だけなんだよ!」。

野心が感じられないと?

「そうさ。曲の歌詞からも欠けてる。でもそんなもんなんだろうな、誰もがビッグになれるわけじゃない」。

そう言って、リアムは笑った。

2008年Q Magazineが行ったOASIS特集にて、バンドのインタビューが行われ、その中で他のミュージシャンがOASISに対してメッセージを送っている。 New Orderのピーター・フック、U2のエッジ、Irvine Welshは、OASISの曲からお気に入りの曲を選び出し、Kasabianのトム・ミーガンは、リアム・ギャラガーのことを至上最高のロックスターと 褒め称えさえしている。

「Kasabianは好きだよ、とても良いバンドだ。自分達をビッグだと思ってるしね!」。

「やつの言いたいことはわかるよ、俺の存在がロックだと言いたいんだろ!俺もトムはロックだと思う。でも俺が最後のロックスターだとは思いたくないんだ。伝統を途切れさせちゃいけない」。

リアムの言葉から感じられるほどの自信、それが昨今のバンドには足りないのかもしれない。彼の歩んできた道は決して恵まれたものではなかった。しかし、15歳で学校を退学したことも、彼曰く誇りであり、恥ずべきことではないらしい。

「バカやったから追い出されたのさ、それでガーデニングセンターで働き始めた」。

そうリアムは、Q Magazineで話している。

「他のやつらが勉強してる時に、俺は働いて週50ポンド稼いでたんだ。金曜の午後には給料が出るだろ、そしたら学校に行って元クラスメイト達に金をみせびらかすのさ。『ざまあみろ、クソッたれども!』」。

リアム・ギャラガー、彼についてはこう言っても差し支えないだろう。生まれた時からロックスターだったと。

「もちろんさ」。

リアムは興奮した様子で答える。

「バンドに入る前から、ロックスターだって自覚はしてたぜ。それがマンキュニアンの生き方だからだ。自信満々なんだよ。マンチェスターでは、みんな自分のことをクールだと思ってる・・・普通に働いてた時から俺はすげえクールだった。ただチャンスをうかがってたのさ」。

ステージでの映えは生まれつきのものだと話すリアム。彼に自信を与えたのは、生まれ故郷のマンチェスターだと言う。それ以外の場所ではありえなかったのだ。

「ロンドンなんてクソの集まりだぜ。偽善者ばかりだしよ・・・マンチェスターの人間は何事に対しても率直なんだ。つまり、ロンドンは良いところだよ、良い ものたくさん持ってるしな!でも冷たい人間ばかりだ。助けを求めても誰も反応しない。でもマンチェスターでは、親身になって助けてくれるんだ」。

ギャラガー兄弟の歯に衣着せぬ物言いは、やはり北部のルーツが関係しており、人々を好き好んで攻撃してるつもりもないらしい。

「自分の意見。これこそ俺がいつでも持ってるものさ。俺が何も言わなくなったら世界の終わりだぜ!クソみてえなバンドもろもろのことを喋る他にも俺にはや るべきことがたくさんあるんだ。でも好きか嫌いかと質問されれば、話してやるってだけだ。朝起きた時から『今日はあのバンドをけなしてやろう』なんて考え てるわけじゃねえんだよ。OASISを嫌いやがる連中もいるが、俺はそんなの気にしねえ。みんなも気にしすぎんなよ」。

ここで我々は、リアムのユーモアセンスを試してみることにした。OASISのシンガーは、自らのバンドを批評することはできるのだろうか?

リアムは、面食らったようだった。

「俺がOASISだ!OASISが俺の選んだ道。いつもOASISやってるわけじゃねえけど・・・音楽を作ってギグをするためにこのバンドにいる。でも、 ちょっと待てよ、OASISの批判・・・ああ、ステージで動き回ってばかりいるところとか。ちょっとは落ち着いてほしいよな!」と、ジョークを飛ばすリア ム。

リアムが上機嫌になったところで、2008年ノエルを重傷へと追いやったあの事件についても聞いてみることに。カナダはトロントで行われたギグの途中で、男がステージに乱入し、ノエルを押し倒したのだ。

「もう恐くないよ、過去のことなんだから。記憶の片隅さ。もう悩んだりはしてない」。

しかしネットに投稿されるビデオを見ていると、リアムはいまだに不安感を持っているように感じられる。

「だからってどうすりゃいいんだ?前に進むしかねえだろ。もっと悪い事態になる可能性だってあったんだぜ、銃を持っててもおかしくなかった。ノエルは今でも気にしてるかもしれない。けど俺は違う」。

男が事件を起こした理由として思い当たるふしがあるかどうか尋ねると、リアムの答えはすぐに返ってきた。

「警察が捕まえたから、いつかはわかるさ。ちょっと頭がおかしいんだろ。OASISの曲は俺が書いたとか何とか思ってるんだろうさ・・・イカれてるよな」。

このようなことがOASISに起きたのは、それが初めてではなかった。

「2,3年前、スコットランド人の男が『俺がDefinitely Maybeを書いた』って怒鳴り込んできたんだ。だから俺は『おい、いいか、お前が書いたんなら俺もそのことを知ってるはずだよな!』と言ってやった。あ あいうやつはちゃんと薬でも飲んだ方がいいよな。世界中どこにでもおかしなやつはいるんだ。OASISにもいるし」。

そう言って、彼は笑う。

ジョー・サトリアーニが、Coldplayのアルバム『Viva La Vida』は自分が書いたと主張していることについても、リアムはコメント。

「さっさと黙りやがれって感じだよな。あんなアルバムを書いたなんて、俺なら恥ずかしくて絶対言えないぜ!公の場で、あのアルバムは自分が書いたなんて言うなんてよ!へえ、そうなんだ?訴えられても知らねえぞ!」。

これまで、乗れない車、住むことのない家、そしてドラッグにお金を費やしてきたと伝えられるOASIS。今では2人とも落ち着いた生活を送っているようだが、リアムは過去を悔やむことはしない。

「昔に戻りたいとは思わない。これまでやってきたことを後悔もしてない。でも昔からやってきたバンドだとは思えねえんだ。つい昨日始めたみたいな気分さ。 俺達は今でも同じ道を歩んでるんだと思う。良い音楽を作って、良いギグをして、音楽をみんなに伝えて、世界中を旅する。壁を取り払う。俺達はいつでもそう だった。デビューした頃から。届けたいメッセージは今でも同じだよ」。

これからもOASISが変わっていくことがないように、リアムもまた変わらずリアムであり続けるのだろう。話題は、ソロアルバムへと続く。

「何?ソロアルバム?俺はないね!ノエルは話すことがあるけどな、せいぜいやってろって感じだぜ。でも俺には必要ない。俺のエゴはソロじゃ収まりきれねえ。
周りの連中に『見ろよ、一人であれだけできるとは』なんて言われても嬉しくねえんだよ。周りの評価なんていらない。俺は今でも十分に最高なんだ。そんなこ と言われて嬉しがるのはロビー・ウィリアムズみたいな連中だろ。ノエルには勝手にソロアルバムでも作らせてやれよ、その間俺は家で子供達と楽しく遊んどく から」。

あなたのことがみんなの記憶に残るように、何かを作るとしたら、銅像とパブ、どっちがいい?

「パブがいいな!銅像だと、鳩のフンだらけになるし、ガキどもがバカな落書きして回るだろ。断然パブだね!」。

それでは、他の有名人達、ピート・ドハーティ、エイミー・ワインハウス、クリスティアーノ・ロナルドについてはどう考えているのだろう。

「クリスティアーノ・ロナルドは好きじゃない。女みてえだ。エイミー・ワインハウスなんて冗談だろ。ニューアルバムを作るまで刑務所に放りこんでおいた方がいいぜ。ピート・ドハーティ・・・ったく!全然クールじゃねえ、風呂に入れよ」。

Noel Gallagher - Time Out London - 2008/10/08 pt1

オリジナルの記事はこちら。↓
http://www.timeout.com/london/music/features/5966/Oasis-interview.html

決して自らの意見を打ち出すことを恐れない。大半はOASISについて、そして「イギリス崩壊」の原因について、ノエル・ギャラガーが率直に語る。

ツアー初日はどうでした?

ノエル:まあまあ満足いく出来だったよ。まだセットリストは改善の余地があるかな。長すぎるんだ。リアムはそう思ってないみたいだけど。でも良いギグだっ た。途中でちょっと疲れたね、なんせ長いんだ。これまでやった中でも一番の長さだぜ。でもこの前のツアーもセットリストを納得の行くものにするのに4ヶ月 かかったんだ、その間にイギリスでのギグはほとんど終わっちまっててさ。だからセットリストをいじるのは、俺達にとって珍しいことじゃない。カナダは素晴 らしかったね。まだアルバムも発売していない頃だったから、そこまで長いギグは出来ないだろ、だから1時間半くらいしかやらなかったんだが、それでもその 最後の10分を決めるのには悩んだなあ - 何を演奏するかってさ。「あの曲をやって、次にあの曲をやるよな。おい、これを演奏したらこれもやらないわけにはいかねえだろ」。ルービック・キューブみ たいだよな、これをあそこにやって、あれをここに・・・つまり2曲多いんだ。でも今外そうとしてるその2曲も最高に良い曲なんだよ。

ファンが何を聴きたがってるかも考えないといけませんしね。

ノエル:ファンが何を求めてるかなんて本当はどうでもいいんだ、正直言うと。今回のツアーでは「Live Forever」は演奏しないんだけど、まだそれに文句を言ってきたやつはいない。どれが・・・ステージに出てながら、90年代の名曲として有名な曲をや らないなんて、色々言われると思うじゃないか。でもまだ誰も言ってこない、ってことはこれで良いってことさ。

カナダで負った傷はもう大丈夫ですか?

ノエル:ああ、大丈夫大丈夫。鎮痛剤やって楽しめるのは、抑えるべき痛みがない時だけってことがよくわかったよ。処方された上で使うと、マジに最悪だ。延 期した日程がまだいくつかあるだろう。4週間も休んで最低な気分だったけど、昨夜ツアーに戻ることが出来て良かったよ。それもちょうどイギリスでのギグで よかった、どっかの盛り上がらないギグじゃなくてね。最初の40分はあっという間。良い幕開けだよ。風を感じることだってできたぜ、昨日はジェットコース ターに乗ってるみたいな気分だった。The BeatlesとThe La's以外、リバプール出身の全てのバンドが大集合さ。そういえば、今俺達は元The La'sのドラマーと一緒にやってるんだ。でもイギリスツアーでの最初の夜ってのは、手始めみたいなものでベストを尽くせるように祈るしかない、一つの行 事みたいなもんだな。今夜はもっと良くなると思うよ、テクニック面でも。でも昨夜は全く、ほんとぶっ飛んだぜ、こういう夜のために生きてるんだなって感じ でさ、単なるギグの領域を超えてた。俺達の新しいレコード会社の連中がアメリカから何人かやってきてたんだが、連中、アメリカ以外じゃ俺達のことを見たこ とがなかったらしい。だから、最初から最後まで意味が分からない様子だったぜ。「何だこれは?」ってさ。アメリカでは、みんな座ったままでギグを聴くだろ う、ギグを見に来て曲を聴いて入り込んでと、そんな感じ。でもここじゃまるでフットボールの試合みたいなんだ。だから言ってやったよ。「俺達についてるの はファンじゃないんだ、サポーターなんだよ」ってね。

以前、OASISのギグに行くのは、他のOASISファンと一緒にその瞬間を共有したいからだとおっしゃっていました。

ノエル:うん、本当にそう思うね。OASISはアリーナやスタジアムみたいな会場が一番合ってて、6万人のファンが一つの場に集うんだ。それが大事。レ コード、特に最高のレコーディングをするほどの予算が本当になかった初期のレコード、最初の2,3枚はさ。「Live Forever」なんて家で座って聴くよりも、スタジアムで聴いた方がいい。OASISは体験を共有することに重きを置いてきた。Radioheadと か、Blur、Coldplayを目を閉じて思い浮かべた時、家で一人で聴いてるファンの姿が浮かぶだろう、本でも読みながらね。でもOASISはダチと 一緒に楽しんでる時や遊びに行った時なんかに聴く音楽だ。英国教会のミドルクラス向けのくだらねえ音楽大衆紙みたいなのには馬鹿にされるかもしれねえけど な。俺達が作るような音楽はたいてい、なぜかわからねえけど、程度の低い音楽だと思われちまうんだ。

「D'you Know what I Mean?」では、そういう人々を題材に歌ってましたよね。

ノエル:あの曲って結局中身が空っぽなんだよ。あの時期、「Be Here Now」の頃は、常にエクスクラメーションマーク付属のクエスチョンマークが付きまとってた。なんせ、「何だこりゃ!?」の連続だったからな。みんなが忘 れちまってることは、あのアルバムが1997年に発売されたってことだ。メジャー契約してたったの4年だぜ。このアルバムの発売される4年前まで俺は失業 手当で暮らしてたんだぞ、それに当時時代を象徴するアルバムになることが確実視されていた2枚のアルバムを出し、3枚目は絶対にそれを超える作品にしな きゃならなかった、失業者から一気にそんな・・・まあ、誰もやったことがなかっただろうけどさ。そんな時期だったんだ。誰もが「何だこりゃ!?」さ。 「Morning Glory」の人気も俺達は予想していなかった。国内だけじゃなく世界に広がっていくとはね。自分の限界を超えた量の金にドラッグ、そういったものを抱え 込んでいた。ある種の人間にとってはそこまでのレベルの成功ってのは相当精神的にきついもんなんだろう。俺は違うが、エイミー・ワインハウスみたいなタイ プはそういうので潰されちまう。認めようが認めまいが、あれが成功の成れの果ての姿なのさ。あれが「私には耐えられない」と観念した人間の姿なんだ。一方 で、俺達はといえばそのくらいじゃまだまだ足りなかった。「もっとやってやろうぜ!」ってね。そんな日々も長くは続かなかったけどな!本当なら寝なきゃな らないって時ですら「眠りたくなんかない!起きてたほうが楽しいぜ!」。そんな中で音楽作りだ。Guardianの連中、Observerの連中でもいい が、そいつらがどう考えようが気に留めず、こう考えるのさ。「レコードを作ろう、それが俺達の使命だ」。それだけ。人生の意味を考えこんだ時期もあった ね。ああいう1年半単位のサイクルも俺は好きだった。世界を見渡して「かかってこいよ、クソったれどもめ」と思うのがね。

そういう生活をしながら、廃人にならなかったのもすごいです。

ノエル:誰かが言うように・・・受け取り方次第だろ?俺が廃人になってないと思ってくれてるとは、嬉しいね。俺もそうなったとは思いたくないし。でもこう いうやつもいるはずだ。「君は彼のことを知らないんだ」。わかるだろ?俺はこの仕事をいつだって楽しんできた。レコードを作ることもツアーに出ることも大 好きだし、手に入れたものに見合うだけのことをやってきたと思う。他の誰かのおかげだなんて思わない。誰のおかげでもないさ、プレスでもないし、アラン・ マッギーでもない。逆に連中を儲けさせてやったのが俺だ、そうだろ?自分のことは自分が一番よくわかってるし、自分の限界もわきまえてる。こんなことを俺 よりも軽く考えてるやつなんて他にいないぜ。レコードのレビューだって、どんなことが書かれるかお見通しだったし。でも時々自分の音楽があまりに身近すぎ るせいで、ちゃんと判断できなくなってると思うことはある。もしOASISをやってなかったら、一音楽ファンになってたよ、きっと。ギグを見に行ったり さ。たとえば昨夜のギグ。その場に居合わせたことを誇りに思うようなギグだった。ステージに立ってたことじゃない。その場にいたことをさ。ステージなんて 二の次だぜ。ライトが消えると、そこには俺達と観客だけ。Libertinesのようには考えないさ、ただ、すごいことが起こってると実感するんだ。イカ れてると言われればその通りかもしれないけど、俺は馬鹿にはなってない。

U2のように、もっと大掛かりなステージ演出ができたらとおっしゃってたことがありましたが、実行に移さない理由は?

ノエル:俺達は・・・俺達はそういうこととは違う意味でビッグなんだと思う。「Be Here Now」ツアーでは、電話ボックスとかそういうくだらねえ類のものでステージを飾ったりしただろう。やったら面白いだろうなあと思ったってだけであんなこ とやったんだからさ。全てのお手本はU2だった。だから最大級のスーパーギグが行われた「The Joshua Tree」から「Achtung! Baby」頃のツアーを見たとき、彼らと同じくらい、もしくはそれよりもビッグになってた。だから「よし、今やるべきだ」って感じだったね。でもプロのス テージセット・デザイナーを雇う代わりに、俺が全部やったんだ。大勢の野郎どもとテーブルを囲んで大量のコカインをやりながらな。「わかった、でかいテレ フォンボックスを置こう!」。「えっと、ちょっと待てよ」なんて言うやつは誰一人としていなくて「いいねそれ!最高!」。俺がやることなら何でも金になる 時期だった。ケミカル・ブラザーズとたったの50分で作った曲だって、15万枚を売り上げて1位になったくらいだしね。だから誰も俺を止めなかった。でも 今振り返ると、本当に、「頭冷やせよ」、こう言ってくれるやつと一緒に仕事をするべきだったと思ってる。でもどいつもこいつもそろって「その通り!」。俺 は「こうこうこういうことをしたいから、さっさとデザインしな」と言って、完成図を見て「ファッキングレイト!」なんて思ってた。ツアー初日にはすで に、(沈んだ声で)「馬鹿らしい、でも金を費やしたんだからそのまま使うべきだよな」って気分で。でもあのツアーでは、そのテレフォンボックスの中で 「Subterranean Homesick Blues」を聴きつつ過ごしたんだぜ。その中でちょこちょこ歩きながら、ドアが開くまでは真っ暗なんだが、出て行けばそこは人の海、視野一杯にね。そう いうことをやるべきだと思い込んでた。それが世界一ビッグなバンドの姿だと思ってたのさ。今思うと、少しのライトと少しのエフェクト・ペダルで効果的に謎 めいた感じを出すべきだったと思うけど、当時は狂気に浸りきってたんだ。

それを楽しんでいた自分もいたと・・・

ノエル:そりゃそうだろ。65歳になって癌を患ってから「もっとやっておくべきだった」と後悔する人生なんて送る意味ないぜ?俺はもっと人生を謳歌したい んだ。クレイジーな、それはクレイジーな時期だった。俺の人生の中で一番楽しい2年半だった、だって望めば何でも1つじゃなく2つは手に入ったんだから。 世界のどこにいてもね。気まぐれに言ったことでも、誰かがやってくれた。自分の身体が処理できる量より遥かに上を行くだけのドラッグがいつでもどこでも手 に入った。世界一のバンドとしてツアーをして、世界一どうかしたショーをやって。夜も寝ないでそのまま翌日のギグ。あの頃のギグを見たやつに会うと必ずこ う言われるんだ。「ああ、君か、1997年の香港ギグ、見に行ったよ」。俺は「へえ、クソだったろう?」。すると「ああ、ベストではなかったね」。でも俺 達はバンドとしての欠点を、音のボリュームでごまかした。ポール・マッギガンが世界一ビッグなバンドから抜けた理由はそこさ。ボーンヘッドもな。精神的に も、音楽的にも、2人はあの浮かれ具合についていけなくなったんだ。みんなで犯したあらゆる罪を隠そうと、俺達はボリュームを上げた、聴けたもんじゃない くらいに。でも楽しかったことは確かなんだ。馬鹿した時に使うもっともらしい言い訳だよな。最高だろ、俺達は流れに乗る準備が十分ってほどにできあがって た。でも当時のことは誇りに思ってる。たびたび思い出そうと努力するんだ、よく外国のインタビュアーに質問されるんでね。まあ、たいていはこういう考えに 行き着く。60年代といえば何だ?The Beatlesだろうな。70年代は?誰もいな

これまでにOASISと同じくらいビッグなバンドが出てこないことに、驚きは感じない?

ノエル:全然。以前「俺達がイギリス最後で最高のロックンロールバンドだと思う」と言っただろう。あれは音楽に関して言ったわけじゃない。俺達は時代の狭 間に出てきたと言いたかったのさ。インターネットもなく、コンピュータも普及してなかった時代。カメラ付きの携帯もね。そういうどうでもいいようなことが OASISの進化には欠かせなかったんだ。だって、もし俺達を見たいならギグを見に行かなきゃならなかったんだぜ。聴きたかったら、レコードを買わなきゃ ならなかった。俺達を感じたかったら、雑誌を読まなきゃならなかった。今じゃ、ネットで世界中がつながってる。俺達がデビューした頃はCDを焼くこともで きず、ダウンロードもできず、音楽を聴くには列に並んでレコードを買ったりしなきゃならなかった。ある意味イベントさ。最近のバンドの活動方法は変わって きてる。Myspaceやら最近流行りのくだらねえものの類は知ってるよ、大きな大きな利益を生み出すこともね。でも音楽が持つ神秘が奪われたようなもん だぜ。ネットでは、有名人とすぐにつながることができる。アンディ・ウォーホルの言葉通りさ。誤解されてるが彼は「15分で誰でも有名になれる」と言った わけじゃない。正しくは「15分ごとに誰かが有名になる」だ。でも君の同業者の一人が、よくあることだが、彼の言葉を早とちりして、やつが家に帰る頃には 全く違った言葉をメモして世の中に広めたってわけさ。とにかく彼の言葉通りになった。1日ごとに、YoutubeとかMyspaceとかもろもろで、実際 それが起こってるだろう。先を読んでたんだよな。俺が思うに、そういうことを考えてみると、シングルがチャートで1位になった女の子、サンディ・トムがい ただろ、ああいうのは全部インターネットから発生したものなんだ。だから俺はOASISが最後で最高のバンドだといったんだよ、ネット上でじゃなく社会的 なムーヴメントを起こしたんだから。Top Of The Popsから出てきた最後で最高のバンド。ここは重要だぞ。昨夜も話に挙がったんだ。今ここで話すと頭がイカれてると思われかねないけど「英国の崩壊」が 騒がれてるだろ、あれは全部Top Of The Popsの放送が終わったせいだな。ポップ・ミュージックという体験が共有されなくなり、個人のものになった。だから一人で変なものにはまるのさ、お互い ナイフで傷つけあったり。それも1回じゃない、50回も頭を狙って刺し合うんだ。Top Of The Popsが大切なのは、他の連中を見ることができる点にある。どんな洋服を着けてるのかもチェックできる。ひいき目で見てるところもあるかもしれない、で もそれほど俺にとってTOTPは特別なものだった。チャート上位Top40のカウントダウンもね。TOTPを見逃したらそこで終わり、取り返せない。逆に TOTPを最初から見たら一気に入り込んだ。そんな番組がもう今はない。以前はこんなだったんだ。シングルチャートをチェックすると、87週間チャート入 りしながら未だに26位にあるシングルがある。こんなことがあるのかと目を見張る。それとかチャートで11位を保ってる。未だにチャート上位にいるなん て、どうかしてるぜとね。本当に簡単だったんだ。Chart ShowとかSunday、Number One、Top Of The Popsで火曜の夜に気になるミュージシャンがどんな連中なのか目で確かめる。そして土曜の午後にレコードを買いに行くのさ。

番組の中で、自分のだけでなく友達が好きなバンドもチェックできたんですよね。

ノエル:そうさ。いつも必ず驚きが待ってた。それが今はもうない。「誰だこいつら?」っていう楽しみがない。だから俺達はTop Of The Pops、Sundayのカウントダウン、Number Oneの伝統から生まれた最後で最高のバンドなんだよ。

Arctic Monkeysの成功にはインターネットが多大な役割を果たしています。その成功に反して、OASISの初期ほどタブロイド紙には載りませんね。

ノエル:誰これかまわず「俺達みたいになれ」と押しつけることはできないよ。そういう連中じゃないんだ。成功することに対して斜に構えてるんだよな。でも Arctic Monkeysって、時代の産物だよな、ネットから出てきたシャイな若者って感じで。でもそう、もっと応援には答えたほうがいいんじゃないか、ミスター・ ターナー?どうしようもねえやつだ。

サウンドチェックをしてる時や、楽器をいじってる時は楽しそうなんですけどね。注目を浴びると、心のシャッターが閉じてしまうというか。

ノエル:もしそれが意図的な態度だとしても俺は驚かないね。ちょっとうんざりしてるんだろう。それと違って自意識過剰なやつもいるけどな。たとえばリアム がそうだ。ジャーナリストの前にいない時は、至って普通の人間なのに、カメラが回り始めると一転、リアム・ギャラガーになるのさ。「質問してみろ、一言だ けなら答えてやる」 - 王子様気取りだな - それで返ってきた答えはたいていサイケデリックで意味不明なものばかりで「ミステリアスな男だ」と受け取られる。一方俺は、「ファック、俺はカメラの前に 立つ前に生まれてきたんだ」ってな感じで、ビリー・エリオットじゃないが、国を回るのが性に合ってるんだ。オフィス通いとは無縁の生活。「どいつもこいつ もくだらねえ、さっさと仕事しろ」って生活とはね。俺はどんなことに対しても意見がありすぎるってほどにある。持ってるかどうか定かじゃないにしても、い ずれにせよどれも輝ける意見ばかりさ。

トロントで、後ろから突き飛ばされた時の映像がYoutubeに投稿されてるのは見た?

ノエル:まだ見てない。ウけるだろ、そうでもないか(笑う)。俺達の間でよく「ボノならこんな目に会わない」ってフレーズを使うんだけど、あの事件はその 一つだな。かつて世界一のバンドだった頃は毎回のように使ってたぞ。ホテルの部屋から間違えた鍵で閉め出された時とかな(ドアをノックする身振りをす る)。そして受付に向かいながら、(小声で呟く)「ボノなら絶対にない」。「ハロー、この鍵合わないぜ」。スピードボートへギグの会場に向かったはいい が、操縦するやつがどの島に降ろせばいいのか忘れてて、フィリピン諸島とかそこら辺でも回ってんじゃないかって時に、「ボノなら絶対にない」。

ニューアルバムは順調な評価を得ていますが、今でも「グルーヴがベースの」と形容されることは嫌なの?

ノエル:うーん、誰かがもっと良い形容詞を思いつくまでは、使われ続けるんだろうな、オースティン・パワーズみたいに。嫌なのは「グルーヴィ」って言葉だ けじゃないんだ。最初の頃に受けたインタビューのいくつかでも言ったんだけど。本当に「グルーヴィ」が適切なのか?と疑問に思うんだよ。だからといって、 それに代わる言葉はないとも思う。手元には遥かに良い曲がいくつもあるし、それは俺達が思うにバンド限界を超えたような出来ばかりだったが、ある考えを 持ってレコーディングに望んだんだ。キャリアの転換という意味じゃなくて、初めて満足の行くマネージャーを見つけたってことさ。アルバム用に10、11曲 ほど準備してあって、そのうち7曲がレコードの基盤をなすことになるだろうと思っていたが、結局その曲群がアルバムに入ることはなかった。いや、2曲は 入ってるか。実際は3曲かな、「Waiting For The Rapture」、「The Turning」、「Bag It Up」。この3曲はKinksにBeatles、Stonesを融合させたような楽曲だった。プロデューサーが選び出したんだ。俺達が「ほら、プロデュー サー。仕事しろ」とけしかけて、そしたら「意見を言えというんなら言うが、この3曲を選んで、こういう方向で進めたらいいと思うよ」と言われた。その他の 曲はレコーディングの過程でどこからともなく生まれてきた。ある夜「Shock Of The Lightning」を書き、また別の夜に「Falling Down」を書き、ゲムが他のところから昔のデモを見つけてきて・・・どれもスタジオ内で起こった幸運なアクシデントだよ。本当にわくわくするような時間 だった。

Noel Gallagher - Time Out London - 2008/10/08 pt2

1曲1曲分かれた曲の寄せ集めではなく、一つの作品として聴ける、OASISとしては初めてのアルバムですね。

ノエル:最近じゃこういうアルバム見なくなったよなあ。3つのシングルを含んだ単なる曲のコレクションって感じのばかりでさ。どの楽曲のラストも次の曲に つながっていくようにというのは、俺の意向だったんだ。だからitunesで選んで抜き出すと、前の楽曲の1秒と次の楽曲の2秒がくっついてくるってわ け。ダウンロードした曲を聴くたびにイライラがついて回るぞ。「Falling Down」だけを完璧に抜き出してダウンロードする方法なんて見当もつかないだろ、アルバムを買わないと無理だ。スタジオでそのクロスフェードの作業をし てる時、こう思ったもんさ。「これでダウンロードをする気も失せるだろう」。でもさ、寄せ集めばかり作るからクソみてえなアルバムができるんだぞ。みんな 気付いてるだろう。「ちょっと待てよ、Dark Side Of The MoonやLed ZeppelinのIV、The White Albumみたいなアルバムは最近見ないな。どれも4つのシングルを含んだ楽曲の寄せ集めばかりだ」。インターネットとitunesはそういうののために あるといっても良い、駄作のためにね。でも俺達は意図的に切れないアルバムを作ることを選んだんだ。

ゲムはあなたがここまで即興で作るのを初めて見たと言っていましたが、デビュー当時はほとんどそうだったんですよね・・・

ノエル:たぶん・・・メジャーなレコード会社との契約を終了させてさよならしたことが、実は俺達にとって大きなターニングポイントになったんだ。ブリット ポップを乗り越える、もしくはようやく受け入れる。そこが重要な時点だったのさ。ベスト盤も出してやったしな。ブリットポップの余波にはずいぶん楽しませ てもらったよ、みんなそろって「どうやら本当に終わりだ。連中もみんな40代に入ってみんな父親となった。一般人と同じように」と来た。「Sgt Peppers」を書いた時のポール・マッカートニーみたいに「今に見てろ」なんて俺は思わなかった。ただ「終わったと思ってくれて結構。期待もしなくて 結構。契約も切れたし、自分達のために音楽を作るんだ。俺達のレーベルなんだから好きにやってやろう」と思った。とても良い気分だよ。枷が外れたこと で・・・というのも、以前はミーティングで世界中のレコード契約を取り仕切ってたんだ。「OASISのレコードをどうしようか、これをどうしよう、どう進 めよう?」 - デビュー当時に戻った気分だよ、クリエイションにいた時みたいだ。でも大いに影響はあると思うね。プロデューサーのおかげでスムーズに進めることができ た。「いいか、完成できないなら、出さなきゃいいんだ」「それもそうだな、ソニーが仕切ってるわけじゃない。決定権は俺達にある。終わらなかったら出さな きゃいいだけの話だ。何だったらツアーだってしなくていい。全ては俺達次第」ってね。ツアーの予定が先に入っていたから、無理にアルバムを完成させた時も あったからな。俺達が予定の週に発売しなければ、マリア・キャレイにセリーヌ・ディオンが待ちかまえて、俺達は後回しってことさ。同じレーベルにいるとそ うなった。今聴きなおすと「ああ、この曲はもっとこうしたほうが・・・」、わかるだろ?だから今は自由を感じてるんだよ、「いいか、終わらないからって何 だ、どうでもいいさ。来年やればいいだろ、どうせ俺達期待されてないんだし(笑う)!」。

アルバムに収録されてる曲よりも良い出来でありながら、ボツにしたという楽曲群はどうするんです?

ノエル:さあね。アルバムをミキシングしている時、俺とゲムの2人だけで、他の部屋を使ってそういう楽曲をレコーディングしてたんだ。でもプロデューサー のデイヴに、こんなことはやめてバンド全体でレコーディングするべきだと言われてね。それでみんなでちょっとしたデモを作った。俺は「ちょっと待て」って 感じで、思ってたような出来じゃなかったが、それでも本当に最高の仕上がりだった。5,6つのコード展開が続く、どこまでもブルース調の曲さ。マディー・ ウォーターズみたいってわけじゃなく、モダン・サイケデリック・ブルースだな。でもこの先どうなるか誰にもわからねえだろ、他のバンドが「俺達今すぐ出し てもいいようなアルバムが2枚あるんだ」と話してるインタビューをよく目にするが、俺達だってそれくらいあるさ。いつだってね。ただ次に何をしようかまだ 決まってないんだよ。バンドがこれだけビッグになると、時々ポール・ウェラーがうらやましくなる。好きなようにやってるあいつがね。単に「ポール・ウェ ラー」を喜ばせるためだけにやってるんだよ。俺達となると、何かを計画するのに24時間ミーティングをして、「俺はこうしたい。ああしたい」。それでツ アーをやったり、家族と過ごすためのオフをとったり、次のアルバムを作るかソロ・プロジェクトに入るかでミーティングしてる間に、ゆうに5年は経っちまう んだ。時間ばかりが過ぎ去っていく。俺達やU2、Coldplayみたいなバンドを定期的に見ることができるのはそのせいなんだ。3,4年に1枚のペース でアルバムを出すのは、それが世界を回る唯一のチャンスだからさ。イギリスの普通のインディバンドですら、国内で数回、ヨーロッパで数回、アメリカで数回 で、8ヶ月もどぶに捨てるんだぜ、それに比べると俺達がツアーをすれば1年8ヶ月が消える。「3,4年も休むなんて」と、俺達のことを怠け者みたいに言う やつもいるが、それだけ処理に困る楽曲がそれだけたくさんあるってことなんだよ。

OASISの「民主主義的な」体制は上手く稼動しているようですね・・・

ノエル:そう言われるのは今回のアルバムが初めてだね。前のアルバムの時だって、提供してる楽曲の割合は同じだぜ。でも意識してやったことじゃない。ゲム とアンディがOASISに入った時にこう言ってあるんだ。「アイディアが浮かんだらいつでも言ってくれ」とね。最初はずいぶん手間取った、というのも2人 とも「OASISソング」を狙って書いてきたからだ。それで俺が「俺が書くような曲は書くな。自分で曲を書いてくれ。Roll With Itの焼き直しなんてするんじゃねえ、クズども」と言ったくらいさ。でも「Don't Believe The Truth」の頃には、悪い癖を直して、ユニークな曲を書くようになった。送られてきたデモを聴いて「本当に良い曲だ、やってみるべきだな」と思えた。他 の連中の言うことなんてどうでもいい、俺は2人の作品を気に入ってる。リアムのもね。レコードの一部に自分が貢献してるんだと思うと、嬉しいよ。アルバム を聴いてその曲自体を楽しむことが出来る。今じゃ「Morning Glory」や「Definitely Maybe」は聴かなくなってるんだ、特に「Morning Glory」は・・・あのアルバムの曲を聴くと・・ 速攻でレコーディングしたアルバムだからさ、12日前後で、馬鹿もせず。ヨーロッパツアーから戻って1日1曲ミキシングを済ませた。スタジオに行って1テ イクでレコーディングして、アウトテイクはなしの、文字通りデモの寄り集めさ。だからデモがないんだ。それだけのことだよ。今でも思うね、「ったく、ひで えなこの音は」ってさ。だからアルバムを聴くたびに、「Don't Look Back In Angerを明日レコーディングしなおしたら、ぶっ飛ぶ出来になるぞ」とか「Wonderwallを録り直ししたら、野暮ったさが抜けてもっとブルージー になるのに」と思うんだ。もっと時間をかけるべきだったんだよなあ。だから今のように、ゲムやアンディ、リアムの曲も入ったアルバムを聴くと、ベース・ド ラムなんかに気を取られずに、レコードそのものを素直に聴くことができる。他のみんなと同じように、OASISの音楽を楽しめるんだよ。それでも自分の曲 に差し掛かると、「何だよこれは、やかましすぎだろ!」と思うんだけど。だから「民主主義的」ってのは、わざとじゃない。自然とそうなったっていうかな。 バンドにとっては良い方向に進んでると思うね。


以前は、バンドを取り仕切るためのルールがあったそうですね。


ノエル:若気の至りだね。20代の頃って「蝿の王」みたくお互いに支配しようとするだろう。でも子供も出来て親になってみると、スタジオに入って「おい、 お前そんな弾き方してんじゃねえよ・・・」とは行かなくなるわけ。俺は以前のような喋り方で、ゲムやアンディに話しかけたりはしない。俺もずいぶんイカれ てたもんだよなあ(笑う)!昔は、よくそういう態度を取り沙汰されてね。それがファッキン栄光の日々の象徴だったんだ。でもボーンへッドやギグジー、リア ムが、俺のやり方に異論を唱えなかったことも事実なんだぜ。俺が「こうするぞ」と言うと「おっしゃる通りです」ってさ。年を重ねて子供を持った今では、ゲ ムやアンディにはそんな・・・トニー・マッキャロルにしてたみたいに話しかけたりはしないさ、誰に対してもね。ったく、今思うとあいつにはかなりひでえこ と言っちまったな!だから次にアルバムを作る時に、どうしても自分で全曲書きたいと思っても、そうはしないと思う。たぶんみんなも曲を作ってくると思うか ら。

サウンドを厚くすることに、熱を入れてるみたいですね。

ノエル:これだけは言わせてくれ、このレコードの方向性はデイヴ・サーヴィのアイディアなんだ。俺はスタジオの隅に座って、彼に好きにさせてただけさ。 「どうしてこの方向で行くのか納得が行くように説明してくれ」って感じでね。「The Turning」や「Bag It Up」は今じゃ最高の出来だけど、デモの段階ではそれほどでもなかった。ただの貧相なブルースに過ぎなかったんだよ。でもデイヴが「いや、この方向で」と 言うから、「分かった、何か考えがあるんなら、俺はいつでもそのステージに乗る準備はできてるぜ」と、答えた。俺はバンドの一員としてそこにいて、みんな とふざけてただけさ。いつもならミキシングデスクの上で頭をかきむしってたのにな、やつは素晴らしいよ。OASISが初めてアルバムを一任したプロデュー サーだ。もっと前から一緒にやっときゃ良かったよな。

若々しいサウンドです。

ノエル:うん、デイヴはL.A.に住んでるんだけど、アメリカのラジオで流れるあらゆるバンドの楽曲をミキシングしてるんだ。俺達より断然多くの曲を聴い てるんだよ。だからアルバムがフレッシュに聴こえたなら、その秘訣はデイヴが知ってる、いつも新しい音楽を聴いてるんだからね。「Falling Down」をやる時も、デモを聴いた段階で「これはかなり良いよ」と来た。デモだけでからもう頭の中に完成形があるのさ。「これはいい、俺は演奏すること を楽しめばいいんだ」と思った。

Electric Promsは楽しみ?

ノエル:先週の金曜の夜、マズウェル・ヒルにある誰かのキッチンでコーラス隊と一緒にリハーサルをしてからは、楽しみになったよ。16人しかいなくて、テ ノールやソプラノ、その中間が数名ずつだったんだけど、本番では50名になる予定さ。7曲一緒にやるんだけど、凄いぜ。マジで最高なんだ。

どんな感じになるんでしょう。

ノエル:そうだな、合唱隊は自分の服を着けてセットの途中から登場するんだ - 自分の洋服にするよう言ったんだよ。ミーティングの時に「どんな衣装を着けてほしい?」と言われて、俺が「衣装?いつもどういうのを着けてるんだ?」と聞 き返すと「いつもはみんな黒で統一してるよ」「いやいやいや、みんな仮装してくるかみんなカジュアルでくるかどっかにしてくれ」「へえ、自分の服でいい の?自分の服でいいらしいぞ!」とさ。リハーサルで集まった時には、「自分の洋服で良いなんて、君たちはなんて優しいんだ」とまで言うから、「いつも何着 けて歌ってるんだ?」と思ったぜ。ということで、合唱隊はセットの3分の1が終わったあたりから登場して、大曲を一緒に歌うのさ。

ひょっとして、ニューアルバムの曲を全曲やったり?

ノエル:いや・・・っていうか、ニューアルバムの曲で合唱が入るのはあったかな?いや、ないね。神々しい出来だぜ。ストリング・セクションみたいに歌うん だ。みんなで合唱さ。たとえば、簡単に言うとリハーサルはこんな感じかな、「いいか、俺達が演奏してるとみんな一緒に歌うよな。OASISはみんなで合唱 するロックンロールを作ってる、だからみんなで歌うんだ」。それで一旦解散して自由にやってもらい、月曜日にまた集合した - いくつか変える必要はあったけどね、というのも「I Am The Walrus」をやる時に、俺は「さて、ひたすらマッドに行くぞ、やりたいようにやってくれ」と言ったんだが、実際やってみると「やべえな、そこまでマッ ドじゃねえけど。それじゃダメだ。どうかしてる。でも完成したらすごいことになるぞ」と思ったね。

以前からPromsはやってみたかったの?

ノエル:俺個人では、昨年The Coralと一緒にやったよ、でも自分からやりたいと思ったわけじゃなかった。俺は違う世代だからさ、つまり「Live8に呼んでくれ!ブリット・アワー ドに呼んでくれ!ブリットに出たいんだ!」って連中とは違うってことだよ。イギリスのバンドはどいつもこいつも、ブリット・アワードの季節になるたびに、 どうにかショーに出ようと必死だろ。ノミネートされても行かないのは俺達くらいだな。だから違う、もう十分に成功してるし、そんなのに出る必要はないん だ。予定が空いてれば、Jools Hollandもやるが・・・今回も「Electric Promsに出してくれ」と頼んだわけじゃない。依頼が来たから「予定もないし、やってやるよ」とOKしたのさ。

BBCも粋な計らいをしますよね。

ノエル:確かにな。それに依頼されれば無下にあしらうわけにもいかない。BBCは素晴らしいと思うよ。どんなにコストがかかろうとも継続すべきだね。最高 のテレビ局、最高のラジオ局。最高、Radio1なしでは、この国のポップ・ミュージックは死に絶えるね。どこを見ても広告にファッキンセリーヌ・ディオ ンってことになるさ。Top Of The Popsもやってほしいよな、もし新しい番組をやるとしたら、ぜひTop Of The Popsを。でもBBCは本当に重要だよ、これまでのキャリアを見ても・・・この10年を見ても、色んな面で文化的に貢献してる。「The Office」みたいな番組とかさ。ITVと競いあって「Pop Idol」みたいな番組を作ろうとしてるのを見ると、ちょっとムカつくんだよな。「ITVなんてお前の敵じゃないだろ」と言ってやりたくなるんだ。「X Factor」とかそういうの、時代の流れだな、そう思うだろ。それに、ああいう番組が続くのも人々が求めてるからだ。誰も見ない番組をやるわけがないか らな。でも「Strictly Come Dancing」とか、なくても困らない類の番組。水泳選手が社交ダンスをする姿なんて見たくねえっての。まあそれでもBBCは良いね。イギリス国内から 出たことのない連中は、BBCが見れてどれだけラッキーなのか気づいてないのさ。あんな国営放送局がある国なんて他にないぜ。でも、BBCはフェスティバ ルを壊そうともしてる。「Live From Reading」とか「Live From T In The Park」とか・・・考えてもみろ、ジャック・ぺニャーテやQueens Of The Stone Ageが人気の世界で、エディス・ボウマンやゼーン・ロウがやってけると思うか?無理だね。テレビで、ジャック・ぺニャーテのインタビューを見たんだよ。 「昨夜、あなたの素晴らしいギグを見ましたよ、本当に素晴らしいセットです。みんなもノッてましたね、あなたは本当に素晴らしかった」。その2分後、今度 は「さて今度はQueens Of The Stone Ageの昨夜のギグだ、本当に素晴らしいですよ」と来ると、「ファックオフ!いいからファッキンスカイプラスの一時停止ボタンを押してくれ!」ってなこと やることになるのさ。そんなのってないだろう?ジャック・ぺニャーテかQueens Of The Stone Ageかどっちか選べなんてさ。俺ならどっちも許さねえ。見たくねえ。絶対にない、絶対に見ない。

それが、時代の流れってやつじゃあ・・・

ノエル:何もかも「最高」だと!俺はゼーン・ロウにも言ってるんだぜ、「おいおい、グラストンベリーで全部が全部最高なんてありえねえだろ!」。連中と一 対一で話せば、本音を言ってくれるぞ。全部最高なんてあるわけねえんだよ!週末ずっと座りっきりで752組のライブアクトを見て、どれも素晴らしいなんて さ、無理。どれか一つは絶対にクソだ。だからこういう風にやればいいんじゃないかな。俺が「ライブはどうだ?楽しめた?」。連中が「うん、とても良かった ね」「そうか?俺は違う意見だ。ちょっとばかしクソだったぜ、な?」。それでもやつらはフェスティバルを褒めまくる。今フェスティバルが絶滅の危機に瀕し てる理由がこれだ。それというのも、これまで長い間、グラストンベリーを経験するには、その場所に直接足を運ばなきゃならなかった。なのに今では行かなく てもいい。テレビで見れるしラジオで聴ける、自宅の裏庭でね。キッチンでやかんを火にかけながら体験できるんだぜ。テレビで見れる時代に、どうして会場ま で行って小便やクソだらけの芝生に腰を下ろそうと思う?ライブは生放送するべきじゃない。週末にハイライトを流すくらいに止めるべきだ。

今回のElectric Promsで、バート・バカラックと共演する予定は?

ノエル:できたらいいな。予定が空いてたら、ありえるかも。それとロビン・ギブ。「Mr Natural」以降は好きじゃないが、その前は最高だ。全部好き。Bee Geesとできるならどんな手段も厭わない。「Home Town Boys」とかね。最高だったよ・・・そして・・・連中はディスコに傾いてしまった。でも60年代の彼らは本当に良かった。その頃のはどれも良い。一度ロ ビン・ギブにこう言ったことがあるんだ、誰にでも言えるもんじゃないぞ、「最初の6枚はマジで最高」。他にこの言葉が当てはまるのはThe Beatlesとニール・ヤングくらいだな。ボブ・ディランは違う。つまり「最初の6枚は大好きだけど、残りはクソだね」って言えるのはってことさ。

以前、バートとは共演したことがありますよね?

ノエル:1995年にRoyal Festival Hallで一緒に歌ったよ。「This Guy's In Love With You」をやったんだ。ホテルのロビーで偶然出くわして、彼はイギリスで最初のツアーのためにやってきてたんだ。俺が「誰が歌うんだ?」と聴くと、「ゲス トを呼ぼうと思うんだ」と言う。さらに「This Guy's In Love With Youは誰か決まってる?」と聞くと、まだと言うんだ。だから「俺がやるよ。C#は俺のキーだ」と立候補したのさ。

あなたと会う前に、バートは「Definitely Maybe」を聴いていたんですか?

ノエル:ああ、1994年にL.A.に引っ越して、周りが「おい、OASISは聴いた?」と言ってばかりいたから、名前はしょっちゅう耳にしていたらし い。それで誰かからアルバムをもらったんだと。会った時にこう言われたよ。「君達のレコードを買って聴いたんだが、とても聴きやすい音楽だね」。へえ! 「聴きやすい」!バート・バカラックからその言葉を聴けるとは!

ジョニー・ロッテンから「パンクロック」と評価されるようなものですね。

ノエル:まさにその通り。それにそのギグに参加した、おかしなことに、ちょうどその時L.A.でジョニー・ロッテンと2日に渡って飲み歩いたんだ。崇高な 空間からそのまま馬鹿騒ぎに突入さ。48時間の間にジョニー・ライドンと遊びに行った後に、バート・バカラックで締めるみたいなもんだぜ。Sex PistolesとOASISは一緒にツアーするべきだなんて言いながら、その2日後に同じノリで、バート・バカラックに名曲を歌わせてくれと頼む。あの 時期がどれだけイカれてたかがわかるだろ。彼のどでかいスイートルームに行くと、角に白いグランドピアノがあった。その場には俺とバート・バカラックだ け。当時俺は27歳で、2年前にメジャー契約したばかりで、しかも二日酔いが残ってて、前歯半分は抜けてて、完全にトンでるドラッグ常用者面だった。一 方、相手は「Police Woman」のヒロインと結婚した男だ。俺は「なんて言えばいい?」とだけ考えていた。この前会った時にはべろんべろんに酔ってて口が止まらなかったんで ね。それでその時は、彼の方から60年代の話を始めたんだ。俺がビールを取りに行って戻ってくると、彼はピアノの前に座り「This Guy's In Love With You」のコードを弾いていた。そして「ここに座れよ」と言う。それで俺が隣に座ると今度は「一緒に歌って」と言う。一度歌い終わると、彼は「ほら、今の は最高だったからもっと良くなるぞ」と言ってくれた。その時はそれだけさ。俺は部屋から出て、夕方だったから、そのままグルーチョ・クラブに行って2日間 連続で飲んで騒いで、そして店から出てバカラックと一緒に歌ったんだ。何て生活だろう。みんなもそう思うだろ。時々そんな90年代を俺が楽しんでたことに 憤って、何もかも手にしてた俺のことを糾弾するやつもいる。でも俺自身にとってはいつもと変わらない日々だったんだ。「今日は何するんだ?」「信じないだ ろうが、バート・バカラックとジャムするのさ」。輝ける日々のとある一日に過ぎなかった。だから有名になったことで思い悩んでるやつの記事を読むと、なん て惨めで白けた野郎だと思うぜ。あんな連中の人生を濃縮しても、俺のとある一日の方が断然良いと思うね。最高だった。本当に最高だったんだ。栄光と富のこ とだが、俺はそれを手にすることにためらったりはしない。金を儲けることも恥ずかしいとは思わない。俺は今みんなからうらやましがられる地位にある。自分 で自分の曲を書いてきた、ホテルの部屋で色んなスタジオで。俺が書いたんだ、相応のものを受け取って何が悪い。ミドルクラス特有の罪悪感は俺にはない。カ トリック教徒の罪悪感もない。そんなの全部ポイだね。他のやつが遊んでる間に、俺がOASISから金を作り出したんだ。でも夜遊びすると決まったら、 パーっと騒ぐ、その後さらにパパーっと騒ぎとおしてやる。栄光やら名声やらスターの座やらを恥じたりしない。このために俺は生まれたんだ。エイミー・ワイ ンハウスを見てみろ、スターにふさわしくないという周りの声から自分を守るために、誰にも壊せない殻に閉じこもっちまってる。でも前にも言ったように、俺 の場合他の誰かの力でここまできたわけじゃない。全ての曲を書いたのは俺だ。他のやつの曲と似てるかもしれねえけど、訴えたいなら訴えればいいさ!(笑 う)。

Noel Gallagher - Shock Hound - 2008/10/29

ノエル・ギャラガー:バンドやってるやつはたいていアホ!

7thアルバム「Dig Out Your Soul」で、UKアルバムチャート1位の連続獲得数を7に伸ばしたOASIS。1994年に発売された「Definitely Maybe」でデビューしてからというもの、彼らはメンバーチェンジに暴力沙汰を繰り返し、メディアからの批判を受け、事あるごとにBeatlesと比較 され、バンドの中心であるギャラガー兄弟間の喧嘩を経て、少なくとも国内では今でもスーパースターの地位を守り続けている。

しかし商業的には成功しているものの、最近のOASISのアルバムが精彩を欠いており、それに対するメディアの評価は辛辣だった。しかし今、OASISは 「Dig Out Your Soul」という、長年に渡るバンド歴にも名を残すであろうアルバムを作り上げた。バンドが解散の淵に立たされていた2000年に加入したメンバー、アン ディとゲム、そしてリアムもアルバムに曲を提供している。これまでゴシップの元となっていたリアムが、バンドを助ける側に回ったのである。ただ、トロント での事件の後ShockHoundのインタビューに答えたノエルは、それでおいそれとリアムの過去を忘れるつもりはないようだ。

OASISについてみんなが疑問に思っていることと言えば、一体OASISに何が起こったのかということだと思いますが。

ノエル:別に何も起こっちゃいないさ、今でも活動してるんだから。何も失敗はしてない。バンドをやっていれば多少の浮き沈みはあるもんだろう。俺達の場合 はメンバーが辞めたり、レコード会社が破産したり、16人のドラマーにベースプレイヤー9人が入れ替わったり。他の連中ならとっくに降参しててもおかしく ねえ状況だよな。OASISの周りはいつでもカオスなんだよ。いつだって足元をすくわれかねないんだ。こんなことは一部分にすぎない。バンドに入れば覚悟 しなきゃならないことだろう。バンドに新しいメンバーが入ると必ずこう言うんだ、19人目のドラマーにも言ってやったぜ。「1週間が1年に、1年が1週間 に感じるぞ。俺だったら飲み続けるか二日酔いでいるかどっちかを選ぶ。じゃないとやってらんねえ」。

今のOASISは、あなたとリアムが中心というわけではないのでしょうか?

ノエル:うん、それは違うね。カメラマンやジャーナリストなんかにとってはそうなんだろうが、俺とリアムはそうは思ってない。他の2人がいなかったら続けられないよ。

他の2人は、これからもバンドを支えていくことになりそうですか?

ノエル:ああ、もちろんさ。長くやってもらうつもりだよ。

これまでのメンバーより、接し方が寛大ですよね。

ノエル:言葉を選ぶのが上手いなあ。そう、これまでの連中よりも「寛大に」接してるよ。でも、そうだな、本当に人間として素晴らしいと思う。これ重要。さ らに重要なのが、ミュージシャンとしても素晴らしいってことだ。こういう風にレコーディングしたいと思い描いたイメージにちょうど合うように演奏すること ができる。ボーンへッドといた頃は、こう思ってたもんさ。「お前となんか話したくねえんだよ。ましてやこれは弾けるかあれは弾けるかと頼むなんて真っ平 だ」ってね。
話にならないからさ。ゲムやアンディ抜きのバンドなんてもう想像ができないよ。いまや2人はOASISと同義なんだ。ギグジーやボーンヘッド、トニー・マッキャロルよりも長い期間OASISにいるんだから。

唯一問題なのが、そのせいでRideの再結成ツアーができないということですが。

ノエル:だな。感謝しろよ。

最近、アラン・マッギーが、元クリエイションのバンドで今でも夢中になれるのはOASISくらいだと話していましたが、これについてはどう思う?

ノエル:あー、まず俺達の他に続いてるバンドってどんなのがいる?Primal Screamも良いんじゃないかな。俺が勧めれば、心変わりしてPrimal Screamも入れてくるぜ絶対。アランはニューアルバムが本当に気に入ってるんだ。夢中といっても良いくらいにね。この次のレコードが好みじゃなかった ら一変して「OASISを好きだったことは一度もなかった」なんて言い出すから、今のうちにこの嬉しさを味わっておこうじゃないか。とにかく今度のアルバ ムはかなり好きらしい。そのことを公で発言した、やつのそういうところは買ってるんだ。大好きだよ。

15年ほどたった今、彼のことを買う人はそれほど多くないようですが。

ノエル:俺にチャンスをくれた。それだけじゃなく、俺をスタジオに入れ、やりたいようにやらせてくれた。金のことで愚痴ることは一度も無かった。俺にシン グルをたくさん作らせてくれた。アートワークも作らせてくれた。レコードのプロデュースも任せてくれたし、それにかかる金も全て負担してくれた。こんな男 はそうそういるもんじゃないぜ。クリエイション・レコードが経営の失敗でつぶれたのは残念だけど、他に道はなかっただろう?アランには会うたびに感謝して るよ。

あなたのレーベルSour Mashはどうなったんです?Proud Maryというバンドが1枚レコードを出したきりですよね。

ノエル:ああ、そうだな。Shackっていうバンドのレコードも昨年出した「Corner Of Miles And Gil」っていうアルバムだよ。マジで最高の出来。West Coastのサイケデリックでポップな音楽が好きなら買うといい。本当に良いアルバムだから。どれだけ良いかと言うと、メンバーのうち2人は兄弟なんだけ ど、アーサー・リーがイギリスに来てただろ、Loveが活動再開する前にさ、その時にリバプールの小さなバーで一緒にギターを弾いてたんだぜ。あの2人は 素晴らしいよ。

80年代にシンガーが姿を消していたあのバンドのことですか?

ノエル:それそれ、またいなくなっちまってさ。この1年話もしてないぜ。

それは良い、彼の著作権料は全てあなたのものだ。

ノエル:元からそんなにないんだよ、やつの取り分はレコード1枚あたり1.87ドルだからな。Sour Mashの経営は、全部俺のポケットマネーでまかなってるんだ。OASISとは全く関係なしにね。俺はそこらのバンドを「レコード、俺のところから出さな いか!」と言って追っかけ回したりはしない。つうか、バンド連中ってのはたいてい頭のネジゆるんでるし。「レコード出してくれないか」と声をかけてきた ら、聴いてみて気に入れば出す。自由なもんさ。

リアムの声は好き?

ノエル:好きだよ。ニューアルバムの声は良い。デイヴ・サーヴィが良い声を引き出したんだろう。具体的に何を施したのかは知らねえけど、でも、うん、特に 「Bag It Up」と「The Turning」の声は良い。まあ、響きが良いってことだぜ。歌ってる時の声を言ってるんだろ?あいつの喋る時の声と言ったら聞くだけで背筋に寒気が走る からな。

そう、歌声のことをお聞きしたんですよ。

ノエル:リアムの歌声は3年に1度しか聴かないんだ、つまり3年のうち1年ってことさ。だから2年間は聴かなくて済む、これは、君が思ってるより大事なことなんだよ。

モニターで彼の声を聴くわけですよね?

ノエル:そうそう、ステージではめっちゃくちゃうるせえんだよ。もううるさいったらない。バックコーラス入れるために聴かなきゃならないんだけど、俺のス ピーカーから聴かなくても、リアムのスピーカーから十分に聴こえるんだ。俺の知ってる限り、イヤーモニターを入れてフロアモニターも4つ置いてるやつなん てあいつくらいだぜ。しかも全部最大出力だし。

今でも、OASISを楽しんでる?

ノエル:やってなかったら、それはそれは惨めな人生送ってたと思うね。これが俺の天職さ。なんていうかな、確かにちょっとしたつまずきはあったけど、考えてみればそんなのごく稀だろ。楽しくなかった日なんて一度もなかったよ。
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