ノエル・ギャラガー:バンドやってるやつはたいていアホ!

7thアルバム「Dig Out Your Soul」で、UKアルバムチャート1位の連続獲得数を7に伸ばしたOASIS。1994年に発売された「Definitely Maybe」でデビューしてからというもの、彼らはメンバーチェンジに暴力沙汰を繰り返し、メディアからの批判を受け、事あるごとにBeatlesと比較 され、バンドの中心であるギャラガー兄弟間の喧嘩を経て、少なくとも国内では今でもスーパースターの地位を守り続けている。

しかし商業的には成功しているものの、最近のOASISのアルバムが精彩を欠いており、それに対するメディアの評価は辛辣だった。しかし今、OASISは 「Dig Out Your Soul」という、長年に渡るバンド歴にも名を残すであろうアルバムを作り上げた。バンドが解散の淵に立たされていた2000年に加入したメンバー、アン ディとゲム、そしてリアムもアルバムに曲を提供している。これまでゴシップの元となっていたリアムが、バンドを助ける側に回ったのである。ただ、トロント での事件の後ShockHoundのインタビューに答えたノエルは、それでおいそれとリアムの過去を忘れるつもりはないようだ。

OASISについてみんなが疑問に思っていることと言えば、一体OASISに何が起こったのかということだと思いますが。

ノエル:別に何も起こっちゃいないさ、今でも活動してるんだから。何も失敗はしてない。バンドをやっていれば多少の浮き沈みはあるもんだろう。俺達の場合 はメンバーが辞めたり、レコード会社が破産したり、16人のドラマーにベースプレイヤー9人が入れ替わったり。他の連中ならとっくに降参しててもおかしく ねえ状況だよな。OASISの周りはいつでもカオスなんだよ。いつだって足元をすくわれかねないんだ。こんなことは一部分にすぎない。バンドに入れば覚悟 しなきゃならないことだろう。バンドに新しいメンバーが入ると必ずこう言うんだ、19人目のドラマーにも言ってやったぜ。「1週間が1年に、1年が1週間 に感じるぞ。俺だったら飲み続けるか二日酔いでいるかどっちかを選ぶ。じゃないとやってらんねえ」。

今のOASISは、あなたとリアムが中心というわけではないのでしょうか?

ノエル:うん、それは違うね。カメラマンやジャーナリストなんかにとってはそうなんだろうが、俺とリアムはそうは思ってない。他の2人がいなかったら続けられないよ。

他の2人は、これからもバンドを支えていくことになりそうですか?

ノエル:ああ、もちろんさ。長くやってもらうつもりだよ。

これまでのメンバーより、接し方が寛大ですよね。

ノエル:言葉を選ぶのが上手いなあ。そう、これまでの連中よりも「寛大に」接してるよ。でも、そうだな、本当に人間として素晴らしいと思う。これ重要。さ らに重要なのが、ミュージシャンとしても素晴らしいってことだ。こういう風にレコーディングしたいと思い描いたイメージにちょうど合うように演奏すること ができる。ボーンへッドといた頃は、こう思ってたもんさ。「お前となんか話したくねえんだよ。ましてやこれは弾けるかあれは弾けるかと頼むなんて真っ平 だ」ってね。
話にならないからさ。ゲムやアンディ抜きのバンドなんてもう想像ができないよ。いまや2人はOASISと同義なんだ。ギグジーやボーンヘッド、トニー・マッキャロルよりも長い期間OASISにいるんだから。

唯一問題なのが、そのせいでRideの再結成ツアーができないということですが。

ノエル:だな。感謝しろよ。

最近、アラン・マッギーが、元クリエイションのバンドで今でも夢中になれるのはOASISくらいだと話していましたが、これについてはどう思う?

ノエル:あー、まず俺達の他に続いてるバンドってどんなのがいる?Primal Screamも良いんじゃないかな。俺が勧めれば、心変わりしてPrimal Screamも入れてくるぜ絶対。アランはニューアルバムが本当に気に入ってるんだ。夢中といっても良いくらいにね。この次のレコードが好みじゃなかった ら一変して「OASISを好きだったことは一度もなかった」なんて言い出すから、今のうちにこの嬉しさを味わっておこうじゃないか。とにかく今度のアルバ ムはかなり好きらしい。そのことを公で発言した、やつのそういうところは買ってるんだ。大好きだよ。

15年ほどたった今、彼のことを買う人はそれほど多くないようですが。

ノエル:俺にチャンスをくれた。それだけじゃなく、俺をスタジオに入れ、やりたいようにやらせてくれた。金のことで愚痴ることは一度も無かった。俺にシン グルをたくさん作らせてくれた。アートワークも作らせてくれた。レコードのプロデュースも任せてくれたし、それにかかる金も全て負担してくれた。こんな男 はそうそういるもんじゃないぜ。クリエイション・レコードが経営の失敗でつぶれたのは残念だけど、他に道はなかっただろう?アランには会うたびに感謝して るよ。

あなたのレーベルSour Mashはどうなったんです?Proud Maryというバンドが1枚レコードを出したきりですよね。

ノエル:ああ、そうだな。Shackっていうバンドのレコードも昨年出した「Corner Of Miles And Gil」っていうアルバムだよ。マジで最高の出来。West Coastのサイケデリックでポップな音楽が好きなら買うといい。本当に良いアルバムだから。どれだけ良いかと言うと、メンバーのうち2人は兄弟なんだけ ど、アーサー・リーがイギリスに来てただろ、Loveが活動再開する前にさ、その時にリバプールの小さなバーで一緒にギターを弾いてたんだぜ。あの2人は 素晴らしいよ。

80年代にシンガーが姿を消していたあのバンドのことですか?

ノエル:それそれ、またいなくなっちまってさ。この1年話もしてないぜ。

それは良い、彼の著作権料は全てあなたのものだ。

ノエル:元からそんなにないんだよ、やつの取り分はレコード1枚あたり1.87ドルだからな。Sour Mashの経営は、全部俺のポケットマネーでまかなってるんだ。OASISとは全く関係なしにね。俺はそこらのバンドを「レコード、俺のところから出さな いか!」と言って追っかけ回したりはしない。つうか、バンド連中ってのはたいてい頭のネジゆるんでるし。「レコード出してくれないか」と声をかけてきた ら、聴いてみて気に入れば出す。自由なもんさ。

リアムの声は好き?

ノエル:好きだよ。ニューアルバムの声は良い。デイヴ・サーヴィが良い声を引き出したんだろう。具体的に何を施したのかは知らねえけど、でも、うん、特に 「Bag It Up」と「The Turning」の声は良い。まあ、響きが良いってことだぜ。歌ってる時の声を言ってるんだろ?あいつの喋る時の声と言ったら聞くだけで背筋に寒気が走る からな。

そう、歌声のことをお聞きしたんですよ。

ノエル:リアムの歌声は3年に1度しか聴かないんだ、つまり3年のうち1年ってことさ。だから2年間は聴かなくて済む、これは、君が思ってるより大事なことなんだよ。

モニターで彼の声を聴くわけですよね?

ノエル:そうそう、ステージではめっちゃくちゃうるせえんだよ。もううるさいったらない。バックコーラス入れるために聴かなきゃならないんだけど、俺のス ピーカーから聴かなくても、リアムのスピーカーから十分に聴こえるんだ。俺の知ってる限り、イヤーモニターを入れてフロアモニターも4つ置いてるやつなん てあいつくらいだぜ。しかも全部最大出力だし。

今でも、OASISを楽しんでる?

ノエル:やってなかったら、それはそれは惨めな人生送ってたと思うね。これが俺の天職さ。なんていうかな、確かにちょっとしたつまずきはあったけど、考えてみればそんなのごく稀だろ。楽しくなかった日なんて一度もなかったよ。