ショーの後、バックステージの待合室は、50人近くのゲストやバンドの仲間達で賑わい、そこには今夜のギグはこれまでで最高だったと興奮して話すゲムとア ンディもいる。隅では、シャーロックが、サポートバンドTwisted Wheelのドラマーと、ポール・クックとミッチ・ミッチェルの素晴らしさを語り合っている。赤ワインとベックスが振舞われる。この場に、誰もCDプレイ ヤーを持ち込むことを思いつかなかったことも驚きだ。

バンドも宿泊しているマンチェスターのホテルに、我々が戻ってきた頃には午前2時を過ぎており、バンド---リアム以外---もその30分後に到着した。 USチャートで「Dig Out Your Soul」が5位を獲得したことをちょうど耳に入れた彼ら。グラスが掲げられ、(優しく)背中を叩きあって健闘を称えたものの、さらにシャンパンのボトル が開けられことはなかった。


バンドは特に大きな反応を見せなかったものの、OASISがアメリカで、ブリットポップ時代以来の人気を取り戻したことは驚きに値することだ。 「OASISはアメリカで成功しない」という表現は、ある意味伝説と化していた。1995年の「(What's The Sroty) Morning Glory?」で4位、1997年の「Be Here Now」で2位、しかしその後のアルバムの売り上げが2,30万枚を超えることはなく、もちろんビルボートチャートTop10に現れることもなかった。ア メリカにおけるU2とColdplayの主導権は安定しているように見える。OASISは彼らの支配権に一役買っている感情に訴えかけるような、そして政 治に絡んだ発言をするのが得意ではないのだ。


「俺達が特別なところは」。ノエルは、そう説明する。

「正統なロックンロール一つで、みんなの鬱憤を晴らしてやるというサービスを提供していることだな。80年代から続く「良心的」活動はしないんだ。違う くくられ方をされちまうような活動、例えばLive 8ととかね。クリス・マーティンは俺の友人だし、やつやアニー・レノックス、ボブ・ゲルドフがそういう活動に熱心なのは知ってる。でも俺は正直だから言わ せてもらうが、そんなの知るかって感じだぜ、マジで。世界のある地域ではチンチラが繁殖しすぎて、またある地域ではヘビが絶滅の危機でと言われても、俺か らすれば『そりゃあ良かった---じゃ、もう家に帰ってBuzzcocks聴いてもいいか?』って感じさ」。

では、OASISがもっと興味を示すような話題へと移ろう。音楽だ。ケヴィン・エアーズからサード・バルド、ファット・マットレスのようなあらゆるミュージシャンの隠れた名曲について話に出ることになるのだろう。

MOJOは、あるギグのことを持ち出すことにした。2001年4月、ロンドンのアストリアにて、スティーブ・マリオットを偲んで行われたギグである。そこ で、ノエルとゲム、ポール・ウェラー、スモール・フェイシズのオリジナルメンバーであるイアン・マクラガンとケニー・ジョーンズが一夜限りのタッグを組ん だのである。

バーミンガムシャーにある、ノエルが所有していたウィーラー・エンドスタジオで行われたリハーサルは、ウェラーがパブへ3時間消えるというハプニングと共に始まった。

「戻ってきたウェラーは」と、その日のことを思い出して語るノエル。

「ギターのプラグを入れて、こう言ったんだ。(ウェラーのぶっきらぼうなアクセントを真似て)『さあ始めようぜ、くそったれ!』。そして部屋中を飛び回り ギターを弾き鳴らしマイクに向かって叫び始めたのさ。最初の曲が終わる頃には、部屋のカーペットが全部やつの足元まで丸まってたぜ。俺達全員惨めに立ち尽 くしたままでさ、そこにウェラーが振り返って言うわけ。『お前ら一体どこにいたんだよ?!』」。

「コードがBなのかBマイナーなのかで、ウェラーともめたんだ」と、ゲムが話をつなぐ。

「だったな。いかにも仕事一筋な男がやりそうなことだぜ」と、ノエルが付け加える。

「結局ウェラーが負けた。すると彼はズボンのポケットを探し始めて(ジーンズのポケットを探す素振りをする)、そしてくしゃくしゃになった古びた5ポンド札をゲムに渡したんだ・・・」。

日曜日の午前4時になる。そろそろ打ち切りにするべきだ。睡眠をとって、バーミンガム、ウェンブリーのギグに力を備えるとしよう。そして2009年夏に UKで行われる8つのスタジアムツアーも。完売すれば、OASISは、これまでどおり最高のバンドであることを証明してくれるだろう。

「俺達が、Definitely MaybeやMorning Gloryほどの大作を作ることは二度とないだろう」。

そう、予測したノエル。

「でも、そんなこと俺だけじゃなく誰にだってできることじゃない。教えてくれよ、3年間で2500万枚のアルバムを売り上げ、歴史を作り上げたイギリスの バンドなんているか?一つもないだろ?でもみんなは俺達のことを今でも待っていてくれるんだ。OASISは今も最高のバンドなんだよ」。


最近のツアーでは、「Rock N Roll Star」の歌詞の中に、その都市の名前を組み込むことがリアムの日課となってきた。

「俺は、リバプールのロックンロールスター!」、もしくは「シェフィールドの・・・」と。

今夜、しかし、彼は違う。なぜなら我々は、ボーンマスのおよそロックンロールらしからぬシーサイドリゾートへとやってきているのだ。BIC Arenaは今回のツアーで最も小さな会場で、収容人数はたったの3500人である。

会場ではOASIS---もちろん、リアム以外---が、サウンドチェックをしている。バンドはとても良い雰囲気だ。「Dig Out Your Soul」からの新曲「Bag It Up」、セットリストに加わる可能性のある曲だ。それのみならず、The Whoの「My Generation」、「The Kids Are Alright」に「Won't Get Fooled Again」。そしてPink Floydの「Shine On You Crazy Diamond」に、ビートルズの「Come Together」まで堪能することができた。

「完璧に演奏することができないビートルズの曲がいかに多いことか。驚きだよ」。

ノエルは、楽屋に戻りながら話す。

「ゲムは全曲マスターしたと言ってるが、俺はそこまで言い切ることはできない。最初の2verseとChorusくらいならたいてい大丈夫だけど、山に差し掛かると演奏を止めて、みんなでどう演奏を続けるか大議論になるのさ」。

話をするのにちょうど良い感じのちいさな部屋を見つけた私とノエルは、そこでテープを回すことにした。ツアーが始まって2週間、ノエルの体調は日に増して 改善し、彼を気にして蒼白気味だった関係者の顔色も、輝くような薔薇色となり、ノエルの動きもぎごちなさが抜けてきていた。ツアー前に漂っていた不安感 も、ニューアルバムがUKで1位を獲得、USでもTop10入りを果たし、さらにウェンブリー・スタジアムを始めとする来年夏の大規模ツアーチケットの売 り上げも、日程を追加するほどに上々ということで、すっかり消え失せていた。

チケット販売開始初日の午後3時までに、30万枚以上のチケットが6時間で完売。これは1996年ネブワース2日間ギグに人数と比べても5万人増しである。

やはり「チーフ」と呼ばれる男でも、これには驚いただろうか。

「YesともNoとも言えるね」。

ノエルは1日3本と決めている煙草の煙を吐き出しなら答えた。

「俺達と他のバンドの違うところは、『大勢』を相手にしてるところだ、リバティーンズのやり方はしないってことさ。ファンを俺の家に呼んで、部屋の中でギ グを見学なんて、ごめんだね。OASISは、他の何千人かのファン達と一緒に見るのがベストなんだよ。スタジアム・ギグなんて、みんなで集まって体験を共 有するのにちょうどいいじゃないか」。

シェフィールドで、リアムはバスの件でだいぶ頭に来ていたようですが、ゲムとアンディは、あなた達2人の仲介役になるの?

「いや、それはマネージャーの役割さ。マーカス・ラッセルが俺を呼んでこう言うわけ。『Electric Promsについてどう思う?彼らの方は、コラボレーションをするという考えを出してきてるんだが』。そしたら俺は『コーラスはどうだ?でもまずはリアム に話を通した方がいいな。きっとあいつは『コーラス?そんなクソみてえなもん俺はいらねえ』って言ってくるから」ってな。おかしなことに、俺達は、音楽的 な意見の食い違いとやらは一度もやったことがないんだよ。いつもくだらねえことからいがみ合いに発展しちまうんだ」。

バンドの大事な方針は、あなたとリアム2人で決めるということ?

「たいていは、リアムが俺に全部任せてくれるんだよ。それで俺が下した決断が台無しになった時が、あいつの人生最上の日ってわけさ!マーカスを電話で起こ してこう言うのが楽しみでしょうがないわけだ。『ノエルが一体何をしでかしたか教えてやろうか・・・』『うーん、ちょっと待てよ、スリッパを履かせてく れ。何があったんだ?何だって!?』。それでマーカスはそのまま俺に電話してくる。俺は『ああそうだ、ミスター・ブロフェルド(訳注:007シリーズで、 ジェームス・ボンド最大の敵)、お前の電話を待っていた(笑う)。さっさとベッドに戻って俺のことは放っておいてくれ』」。

先週は、何年かぶりにマンチェスターに戻りましたね。昔からの友人たちは有名なロックスターであるあなたのことをどう思ってるの?

「何人かはヘロインが原因で死んじまってるんだ、悲惨な死に方をしたやつもいる。でも楽屋には5,6人やってきたよ。『おい、ただで飲めるぞ!』ってさ。 最高の友達だし、俺達のことを誇りに思ってくれてる。連中の興味のあることはこれだけさ。『今も楽しんでるか?そうか?そりゃあ良かった!』。俺は今でも 道端にいるホームレス達と顔見知りなんだ。こう言ってくるんだよ。『20年ぶりだなあ。今何やってんだ?』『HMVに、50フィートの俺の写真が飾ってあ るぜ』『あれお前なのか?何てこった!』」。

「Dig Out Your Soul」に対するいい加減なレビューに、悩まされたりはしませんか?

「リアムは気にするけどな。でも俺はしない。あの曲のパクリだこの曲のパクリだだからこのアルバムは最低だとぼこぼこに非難されようが、このアルバムはホワイト・アルバムと肩を並べる出来だから自己満足に浸るべきだと言われようが、俺にとってはどうでもいいのさ」。

「いいか」。

彼は、ため息をついた。

「ジャズやチャイニーズ・オペラに転向することは俺にはできないんだ。音楽の高等教育は受けたことがないし、ティンバレスやグロッケンシュピールの弾き方 も知らない。俺は独学でギターを学んでそれで出てきたのがこの音楽なんだ。最高やら最低やら言おうが俺を納得させることなんてできないぜ。全く気にしちゃ いねえんだから」。

ドラッグやグルーピー抜きのツアーは、とても充実してますね。

「名声を手に入れるってことは、精神的にものすごい衝撃なんだよ、ジャガナート(訳注:ヒンドゥー教の神)並みにね」。

そう言うと、ノエルは思いを巡らす。

「対処する方法としては、二つある。酒とドラッグだ。でも俺は最初にこう言って抜けた。『終わりにしよう。ダークサイドはもう懲りごりだ。人類が知りうる あらゆるドラッグをやり過ぎってくらいにやったし、会いたかった人たちにも会えたし、色んな場所にも行けた。これで十分だ』。ああいうくだらねえもんで俺 の人生が今より良くなることはもうないんだ。やってもまた同じことの繰り返しだからな」。

リアムは、アラン・ホワイトがOASISをクビになったのは、あなたとの間で起こったことが原因だと言っていましたが。

「本当に?あの嘘つき野郎!違うぞ、あいつとリアムがプライベートなことで喧嘩になったのさ。当時バンドには俺達3人しかいなかった。でも俺には家族を 養ってく責任がある。何て言えばいいかな。(考え込む)。一番問題になったのは、ホワイティがバンドのミーティングをすっぽかしたことだった。それがどう いう意味を持つか?いや、俺には言い表せないね。俺達はこの18年間で、バンド・ミーティングってやつは4回しか持ったことがない。つまりそれだけ重要な ミーティングだったんだよ。全員一つの部屋に集まって、互いの考えを話し合う必要があった。アンディは普通の時ですら何も言おうとしないだろう。それに当 時彼は、スウェーデンから出てきたばかりで、アンディにとって子供と過ごす時間がどれだけ大事か俺達もわかってるんだ。それなのに、ホワイティは女と休暇 を過ごすことを選んだのさ---良い気分はしなかった。リアムもそのことでやつと喧嘩になったんだ」。

ミュンヘンでの事件は?

「子供達に誓って言う、リアムが始めたんだ。俺は長いことホテルのバーでリアムと飲んできたからわかる。あいつが発端だ。リアムは『クソだりいな』と思っ たらウェイターのケツを殴って騒ぎを起こすのさ。あいつといいあいつが一緒につるんでる連中といい、酒を飲むと自分がコントロールできなくなってトラブル になるんだ。酒癖がお世辞にも良いとは言えねえんだよ。暗雲が立ち込め、ネジが吹っ飛んで『俺の女のイヤリングをバカにしたな?』と始まるわけだ。加え て、あいつはたいてい本当のことを喋ろうとしないときた」。

彼が本当のことを話してるかどうか、判断できるんですか?

「無理だね。だからいつも嘘をついてると決めてかかることにしてるのさ(笑う)」。

今では音楽界のヒーロー達と友人関係を築いていますね。ウェラーにジョニー・マー、ポール・マッカートニー、ニール・ヤング。音楽の仕事を続ける上で、彼らから学んだことはありますか?

「彼らも俺と同じようなもんだってことだね。初めて会った時ジョニー・マーは、俺に対してとても紳士な態度で接してくれた、そうする理由なんて何もなかっ たのにさ。当時は一日25人のギタリストがマンチェスターにいる彼の元にやってきて称賛の言葉を並べてたに違いないぜ。マネージャーを譲ってくれ、それが 今でも俺達のマネージャーだし、ジョニーを通してザックとも知り合ったんだ。本当に静かで落ち着いた、禅の精神を持った男なんだよ。ウェラーは違ったね。 良い時期に出会ったよ。やつは17歳の時に世界を変えようと立ち上がったわけだ。俺からすればありえないことだぜ。でも最高の男だ。どうしようもないくら い正直でさ。いつもこう言ってくるんだ。『俺とお前で違うのは、お前はソウルミュージックが嫌いってことだ』。俺は『違うな、ポール、俺とお前で違うの は、お前はジャズが好きってことさ』」。

ビートルズはどうです?あなたの中では、彼らは全員違う次元にいるのでしょうか?

「そうは考え難いなあ。マッカートニーはマジで最高に紳士なんだ。リヴァプールって感じでさ、素晴らしいよ。彼の『マッカ』な面は見たことがないね。セン ト・ジョーンズ・ウッドにある彼の家で過ごしたこともある。ディープ・パープルのジョン・ロード主催の野外パーティで、ジョージ・ハリソンとハイネケンを 分け合ったこともあったな。髭を生やしたデニムの男がやってきて、『カール・パーキンスは好きか?』と聞いてきたから、俺は『そうでもない、でもあんたは 好きだぜ!』と答えたよ。みんな紛れもなく最高の連中ばかりさ」。

今でも会ってみたい人はいる?

そうたずねると、ノエルは考え込んだ。

「もしボブ・ディランが、『やあ、君がOASISやってるやつか』と声をかけてきたら、バスの前で卒倒だろうな---サラに電話をかけながら」。


ボーンマス1日目の後、楽屋ではバンドの小さな集まりが行われていた。またもや、リアムはロンドンに戻ってし まったので、ノエルとゲム、アンディ、そしてクリス・シャーロックが、ビールを交わしつつ戦いを振り返っている。シャーロック--がっしりした体格をし、 物静かで、しかしリヴァプール人らしい暖かさとウィットに富んだ男は、自分のiPodを鳴らしている。ロックの伝説達が立て続けに現れる。ビートルズ、 ザ・フー、ジミ・ヘンドリックス。

アンディ・ベルはこう明かしている。

「僕達は個人的なことを話すのがあまり得意じゃない。笑い話をしたり、音楽のことを話すほうが多いんだよ」。

ここで様子を見てる限り、彼の発言は自明の理のようだ。

ゲムとノエルは、リッチモンドにあるロニー・ウッドの家を訪ねた時の話で場を盛り上げていた。

「一見ありきたりの冷蔵庫なんだ」と、ゲムが説明する。

「でも開けてみたら」。ノエルが言葉を続ける。

「そこらじゅうにビールが詰まってるんだよ!あれは驚くぞ。だから俺も歩いて入れるくらいの冷蔵庫を買おうと思ってるところなんだ」。

「チーフ」が立ち上がり、「もう寝る」と言い放ったのは、午前2時30分のことだった。ツアーバスまで連れて行けというボディガードへのサインである。

彼らの輝くような顔を見てると、折れた肋骨や自己破壊的なアルバムもどこか別の場所で起きたことのように思え、無比のスタイルを持ったOASISは、これ からもどうにか自らの道を切り開いていくのだと考えてしまうのである。少なくとも次の危機が訪れるまで、彼らはまさに順風満帆なのだ。

しかしMOJOは、雨ふりしきる陰鬱なボーンマスの夜へと消えようとするノエルを捕まえ、最後の質問をすることに成功した。

彼はOASISが英国最後で最高のロックバンドだと考えているのだろうか?

「俺達の後を継ぐようなバンドは見つけられないな。携帯電話やインターネット以前に現れたバンドとしては、最後の英国最高のバンドだと思うよ。OASIS 以前でもOASIS以降でもない、俺達がOASISなんだ。でも俺がもっと若くて、41歳で2人も子供がいる親父がこんなにプレスに出てたら、6ヶ月で引 退に追い込んでやるけどな!今の連中といったらスキニー・ジーンズに衝撃波でもうけたみたいな髪型しやがって---かかってこいよ、間抜けども」。

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Best Tracks of 2008:

ノエル:MGMTの「Oracular Spectacular」。「Time To Pretend」のビデオは最高だった。パリへ飛んだり、スーパーモデルとヤッたり、ヘロイン吸ったり---ヘロインが良いと言ってるわけじゃねえぞ ---、まるで彼らはボーイング747を買ってレッド・ツェッペリンにでもなりたがってるみたいに野心にあふれてる。地方のウサギ禁猟区で木を育てるなん てことに収まらずにね。The Verveのシングル「Love Is Noise」は、これまでの彼らの作品の中でも最高の出来だ。それとウェラーのアルバム、「22 Dreams」!彼は自分の仕事にここまで自信を持ってるんだ。最初からこんなこと本気でやろうとしたんだから、恐ろしいね。このうちの何曲かのレコー ディングには、スタジオで立ち会ったんだけど、俺には理解できないことばかりやってたね。頭がどうかしてる。彼とクラドックは身内だけにわかる言葉で話す しさ。理解するにはべろんべろんに酔っぱらうしかなかったってわけ。

リアム:俺が一番最近買ったアルバムはダフィーの「Rockferry」だ。あの曲、「Mercy」は良いよな。ウェラーの曲、「Push It Along」は最高だと思う。The Last Shadow Puppetのアルバムも好きだけど、ちょっと背伸びしすぎだ。2人とも若いよな、なのにタートルネック着けてギター弾いてお互いの瞳をバカみてえに見つ め合いやがって、ふざけんな!俺の記憶じゃ二人とももともとバンドをやってたはずだぜ。良い曲もいくつかあるけどな。

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OASISが選ぶ、OASIS最高のギグとは・・・

メインロード(1996年4月27、28日)
ノエル:ドラマーが変わった後の史上最高のギグ。フットボールスタジアムだぜ!どうやったらあんなことができたんだ?14の時まであそこにフットボールを見に行ってたようなところで、俺達がやらかしちまったわけだ。今でも最高のギグだよな。

レスター・プリンセス・シャーロット(1994年5月6日)
ノエル:オリジナルメンバー(トニー・マッキャロルのこと)でのギグだったが、アンコールの「I Am The Walrus」の時、客がステージになだれ込んできたんだよ。だから俺はギターを置いて、ディレイ・ペダルをセットして、命からがら逃げ出したのさ。楽屋 に戻った頃には靴が片方なくなってたよ。

ネブワース(1996年8月10、11日)
リアム:最高の体験だった。でもパフォーマンスのことは何も思い出せない。演奏が良かったかも客の反応が良かったかもわからねえ。上手く演奏できたとか、 客のノリは良かったが演奏は最悪だってギグはけっこうあるかもしんねけど、他は何もかも最悪で俺達だけが最高にかっこ良いギグってのはそうあるもんじゃね えだろ!

ウェンブリー・アリーナ(2008年10月17日)
ノエル:俺達のロンドンでのギグとしてはこれまでで最高の出来だ。フットボールの試合に来たみたいだった---みんな最初から最後まで大合唱でさ。匂いま でかげるんじゃねえかってくらいに迫ってくるんだ。ああいう夜のためにこの仕事をやってるんだよな。いいか、昔俺達はウェンブリー・スタジアムで、サウン ドチェックまでは完璧だったのに、途中で中断する羽目になったことがあるんだ・・・

ロンドン・フィンズリー・パーク(2002年7月5,6,7日)
アンディ:僕が加入してからは、一番好きなギグだね。雨が激しく降っていてオーディエンスには霧がかかっていた。それに色んな曲を演奏したんだ。 「D'You Know What I Mean?」とか「She's Electric」とかね。観客の盛り上がりもすごかった。

ミラン(2000年5月30日)
ゲム:変わったものを選んだと思ってるだろう。でもこれはスペインでの喧嘩のあとノエルがバンドを離れていた時のギグなんだ。1万2千人の前で演奏するた めに、僕はノエルのギターパートを二日間で覚えなきゃならなった。ギグの前に、リアムが僕を真っ向から見つめて「できるよな?」と言ってくるもんだから、 そのままトイレに駆け込みたかったよ(笑う)。いざステージに出てみたらとても良い気分で演奏できた。というのもみんな見に来てたんだ---マーカス・ ラッセルとか--僕が予想もしてなかった人がたくさんね。どうにかやりきってこれまでにない経験をすることができたよ。でも、どこかでノエルが見守ってて くれてたのさ---イビサで浮輪に乗りながらね。結局ギグは最高の思い出になったんだ。

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My Hero:ノエル・ギャラガー
ポール・ウェラーなんかもいるが、やつはどっちかと言えば友人だな。最高の男さ。セックス・ピストルズのスティーブ・ジョーンズ。素晴らしいね。アレック ス・ヒギンズやマーヴィン・ハグラーにも会ったが、俺にとっては2人ともヒーローさ。マドンナに会った時には驚いたなあ。

でもニール・キノックは外せない。彼はマジで最高の人物だった。子供の頃から彼がサッチャーと戦ってる姿を見てきたんだ。労働党大会で胸のすくようなこと を言ってくれるんだよ。彼の奥さんのグレニスも一緒に会ったことがある。その時の彼女の言葉は最高だったね。俺が「子供の頃、彼の言葉を聞くと背筋に震え を感じましたよ」と言うと「ええ、私にもよくやってくれたわ」と返してきたんだぜ。

ジョン・ライドンは今でもヒーローだと思うね。俺達全員で二日間ぶっ続けで飲んだことがあったんだけど、彼はリアムに直接話しかけようとしなくて、しかも あいつのことを「シンガー」としか呼ばないんだ。「お前のシンガーに伝えてくれ、『お前の世界は理解できない』とな」。バターのCM(ジョン・ライドン は、英国のバターメーカーCountry LifeのCMに起用されている)をどう思うかって?俺はバターはCountry Lifeと決めてるんだ・・・。

My Hero:リアム・ギャラガー
おふくろが俺のヒーローだ、なんていうとお涙ちょうだいのまんこ野郎みてえだが、そうなんだから仕方ねえだろ。当たり前すぎて今更説明するまでもないこと さ。おふくろは俺をトラブルから守ってくれるし、俺達を育て上げてくれたから義理もある。それと俺の子供たちもヒーローだ。もう夢中さ、最高の連中だもん な。

でも音楽のことで言えばジョン・レノン。つながりがあるかは知らねえけど、声と音楽がどうしようもなく好きなんだ。レノンって何だか奇妙で、ちょっとばか しうぬぼれてたかもしれねえけど。彼の声に似てきたって?そうだな、キース・ムーンを真似するドラマーみたいなもんさ。でも「真似」じゃねえぞ、俺には俺 のやるべきことがあるんだ。ジョン・レノンの持ち物を集めてもいねえしさ。最近そういうものばかりなんだよなあ。毎年誕生日が来るたびに同じプレゼントを 10個ももらうんだぜ。