荒い波風が渦巻くバンド、OASIS。その狂乱の中、ゲム・アーチャーは岩のようにしっかりと構えている。
誰とでも気さくに話すこの男が、OASISの新しい時代をその才能と共に切り開き、サウンド面でも進化の方向へと導いたことは間違いない。
ニューアルバム「Dig Out Your Soul」では、「To Be Where There's Life」を作曲。サイケデリックに渦巻くシタールの音色が印象的なこの楽曲は、1966年のアシッドチックなビートルズを思わせる。
歌詞はアルバムのタイトルにも採用され、図らずもゲムがOASISに欠かせない存在となったことを立証するものとなった。
どの質問に対しても、慎重に考え、ポジティブな発想に根付いた答えを返す彼。まさに、世界で一番良い仕事をしている男の顔をしている。
そして本人もそれを自覚しているのだ。実に人好きのする人間である。
「格別な気分だよ」と、ゲムはうなづいた。
「僕達みんな、110%満足してる。とても良い気分さ」。
2年に及ぶオフの後、再びOASISの活動を始めることに対して、どういう心持ちだったのでしょうか?
ゲム:もちろん最高だよ。格別な気分なんだ、色々な理由のおかげでね。まずは新しいドラマーが入った。幸先いいだろ?器材もしっくり来たしね・・・やるべ きことを改めて思い出すようなものさ。ラウドにギターを弾くことで、自分があるべき姿を取り戻していく感じがするんだ。待ちきれない。アルバムも最高だ し、早く演奏したいよ。
今のバンドの雰囲気はどんな感じ?
ゲム:うーん・・・雰囲気?良いとも言えるし悪いとも言えるな、あの2人の仲(ギャラガー兄弟)はね。でも聞いてほしい、そのことで音楽に支障が出ることはないんだ。リアムはこれ以上ないくらいに良い声を出してる。最高の状態だよ。
今回もアルバムのメインヴォーカルはもちろんリアムであるわけですが、彼は最高の声を披露していますね。
ゲム:そうだね。彼は今、そう、良い状態なんだ。
今のOASISは前と比べると、バンド全体でアルバムに取り組んでいるのですか?
ゲム:間違いなくそう。今ではこのチームに加わって10年になるからね、僕とアンディは。途中からチームの一員になるっていうのは、並大抵のことじゃないよ。自分から努力する必要があるし、この経験はかけがえのないものだと思う。このバンドにいるだけで僕らは・・・つまり、OASISは僕の夢のバンドなんだ。僕がそれまでやってきたバンドはどれも、バカにするわけじゃない、でもそのうちのいくつかは、特に音楽活動を始めたばかりの頃は、自分とは合わない連中と組んできた。とんでもない格好で来るやつもいれば、やるべきことをやらないやつも・・・でも今は110%、バンドに満足してるよ。バンドのメンバー全員がね。とても良い気分さ。
バンド内でのあなたの役割とは?
ゲム:(しばらく考えて)そうだな、僕はみんなに付いていってるだけだけど・・・堅実ではあると思うよ、わかるかな?気分の浮き沈みも激しくないし、荒れ狂うこともない。つまり、こう言おうか、パスポートをなくしたからって八つ当たりしまくることはないんだ。だからそこらへんは当てにしてくれていいと思う。だから僕の役割は、巡航高度を保つことだね。常に正しい高さを維持する。言ってみれば便利屋かな。って、嫌な質問だなあ!全く!!(笑う)。
自分で作った曲をどのように他のメンバーに紹介するのでしょうか?OASISを築き上げてきたノエルのソングライティングには影響されてる?
ゲム:以前はね。でもそれじゃバンド内で自分らしさを出すことが出来ないということにいつも悩んでいた。自分で自分を乗り越えることが必要だったんだよ。 でも今はどうだ?僕はもうノエルを真似ようとはしていない。ある意味今は、彼の仕事ぶりに発破をかけられてると言ってもいいね。今のノエルは、僕やアンディ、リアムの意見を聞き入れてくれるんだ、だから言ってみれば・・・「Celebrity Masterchef」みたいなものだよ、わかる?
「このマッシュポテト、味見してみてくれよ。このくらいで良いかな?」「いいね。この目玉焼きも最高。でも正直言って、マッシュポテトは抜き、目玉焼きだけでいいな。それならOKだよ」ってね。僕はノエルからのそういう言葉を褒め言葉と受け止めるんだ、だって彼は最高の曲を書いてきたんだから。実際有り余るほどにね。
今回、アルバムに収録されているあなたの曲は1曲のみですね。いつも5曲ほど披露して1曲採用されるといった具合なのでしょうか?どのように選曲されてるの?
ゲム:毎回違うよ、僕とアンディが参加した3枚のアルバムではね。でも今回のアルバムのレコーディングに入った頃、手元にあったのは手作りのデモ6曲だったんだ。その中の何曲かは、当初アルバムに入れる予定だったんだけ ど、ノエルがいくつか新しい曲を書いてきた、3,4曲だったかな。すぐにデモ録りをしたから、その楽曲群には何か特別なバイブが感じられたんだ。それらの 楽曲と比べると、僕の楽曲ではOASISのネクストレベルを支えることはできないかなと思ったんだよ。でも何曲かにはその片鱗くらいはあったから、とりあえずノエルに「To Be Where There's Life」を弾いて聴かせたのさ。インストゥルメンタルでね。それで「こういうのが出来たんだけど」と言ったら、ノエルは「ああ、筋はあるな。歌詞はある の?」「まだだよ」「じゃあ、書いて」って話になった。他にも曲があって、それに関してもノエルが電話をくれて「これの歌詞も書いて」って言ってきてね。というのもそれまでに、10曲のインストゥルメンタルをノエルに渡してたんだ。OASISには途中で保留になってる曲がたくさんあるんだよ。そして、ある週末に「To Be Where There's Life」を完成させた。頼まれていたもう1曲の方は今でも温めてる状態だよ。ということで、今回はこんな感じで進めたんだ。
曲を書く時、ヴォーカルとして頭に描くのは、やはりリアムなのでしょうか?
ゲム:いや、でも無意識のうちにそう考えてるんだろうね。僕とリアムの声域が同じくらいだからかな。ノエルはもっと声域が広いだろう。だからノエルの声に 合うメロディを浮かべることがまず出来ないんだよね。彼は僕よりはるかに上の声を出せる。そしてリアムはOASISのシンガーだ。僕の考え方はそんな感じだな。
歌詞の中では、どれくらい自分をさらけ出せるものなんですか?
ゲム:1曲だけリアムを思い浮かべて書いた曲があるんだ、このアルバムには合わなかったから入らなかったんだけどね。でも個人的には名曲だと思うよ。披露 した曲の中でも良い曲だってノエルも言っていたしね。でも週末かけて歌詞を書かなきゃならなくて・・・だからちょっと放置しちゃったんだ、でも心配しない で、いつか日の目を見るさ。
曲を完成させたと思っても、1ヶ月後に手直ししたくなる時もあるだろう。ラッキーなことに、その曲ではその手直しする隙すらなかったくらいなんだから。
あなたの曲は「Recolver」まっしぐらという響きですね・・・
ゲム:そう思う?他の人にも言われたんだけど、僕はそうは思わないんだ。おかしいだろ、多分自分の曲はあまりに近すぎて上手く評価できないんだろうな。
この曲を聴くと、スタジオで作り上げる際はさぞかし楽しんだんだろうことが伝わってくるんです。
ゲム:そうだね。僕が考えたことと言えば、ギターなしで完成させたいってことだけだったんだ。アンディは「ねえ、このメロディをちょっと入れたらどう?」 とかずっと言ってきたんだけど「ダメだ、必要ないよ。ベースラインとシタールとドラムだけで作りたいんだ」って言い張ったんだ。
シタールが聴こえます。
ゲム:だね。細かく言うとタンブーラなんだけどさ。僕の家のベッドルームに置いてあるタンブーラ、デモでも弾いてるやつだ。スタジオではエレクトリックの やつをセッティングしてそのまま鳴らしっぱなしにしたんだよ。それとアンディが弾いたやつとノエルが弾いたやつを全部マッシュして、エフェクトをかけて流 したんだ。ただのサウンド、なんだよね。でもギターとは違うだろう。
リアムの場合、自分の曲に関しては妥協はしないと話していましたが、あなたも自分が満足するまで意見を通すタイプですか?
ゲム:もちろんそうだよ。完璧にそうさ。頭の中で、その曲をどういう形にしたいか大まかには決まってるんだからね。提案や変更で形が変わって、それによって良くなるなら採用するし、ならないなら採用しない。「To Be Where There's Life」では、ラストにちょっと不自然なところがあったんだ。そしたらノエルは「いいか、このギャップはどうにかするべきだ」と言ってきた。実際彼は正 しかったよ。ちょうど、最後の歌詞が入る前に4小節くらい足そうかなと思ってたところだったんだ。「もう少し・・・」ってね。ノエルの指示ってとても大まかなんだよ。「このギャップをどうにかしろ、そしたら採用する」。そんな感じさ。
楽曲が完成したかどうかはあなたの一言で決まるのですか?
ゲム:そんなところ。自分の曲だったらそんな感じだよ、「ほら、これお前の曲だろ、どう思うんだ?」ってね。でもみんなで助け合ってることも事実なんだ。ミキシングの時も一緒にいるから、みんなが気に入る曲に仕上げる必要がある。もし一人でも満足いかないメンバーがいたら、どうにかして解決しなきゃならない。
曲からギターを省いたとおっしゃっていましたが、OASISの中で、実験的なことを試みたいということですか?
ゲム:それはそうだよ。その通りさ。僕が思うにOASISはさらに深く・・・言いたいのは、OASISはある一面において突出した作品を作り出してきたけ ど、他の面も併せ持ってるってことなんだ。つまり、OASISはロックンロールバンドだろう。ツアーに出て、曲を演奏して、小さな会場でも大きな会場でも 最高のステージを見せる。でも同時に、僕達には実験的なことをしたいという気持ちもあるんだ。他のバンドもやっているようにね。いつかレコードとして出せると思うよ。いくつかの曲でやってみたけど、リミックスをするというアイディアも大賛成だね。
ノエルは、ケミカル・ブラザーズに「Falling Down」をリミックスを依頼しています。
ゲム:ああ、3人の作品だよ、ノエルとケミカル・ブラザーズの。僕は気に入ってる。楽しめる作品に仕上がってるね。
アルバムごとに様々なプロデューサーの名前が挙がってきますね。たとえばDeath In Vegasなどですが、OASISに変革を与える彼らのような存在が必要だと考えていますか?
ゲム:いや、そうは思わない。OASISにとっては間違った選択になると思うんだ。変革。それってレコード会社の考え方じゃないか。変革が必要な時期くらい、自分達でわかるんだよ。決定権はバンド側にある。誰も手を貸してくれなくてもいい。僕達でやるんだ。
OASISのサウンド様式を守るという点で、ファンからのプレッシャーは感じます?
ゲム:ううん、それはないと思う。ファン達は今もそこにいてくれる。僕達の音楽に耳を傾けてくれる。僕らはさらにビッグになろうなんて考えは持ってない。 ただOASISらしくありたいだけなんだ、そこがみんながOASISを好きな理由じゃないのかな。僕が子供だった頃もそうだったよ、ほら、何かに入れ込み 始める頃のことさ。もちろんその時代にも足跡を残していくバンドがいた。たとえばThe Whoみたいなね。彼らの黄金期。「Tommy」を出した頃、彼らは比べようもないくらいビッグだった。でもほら、今、僕が家に帰って「Tommy」を聴くことはないんだよ。それでも彼らの名曲は今もみんなの記憶に残っているし、The Whoはイギリスを代表するロックンロールバンドだ。嬉しいことに、OASISも今そういう地位にまで来てる。そう、間違いなくそこにいるんだ。
今回のような、最高の仕上がりとなったアルバムと共に?
ゲム:そうさ。全て長い人生の一部だよ。ファーストアルバムのような衝撃はないかもしれない。でも7thアルバムとしてどうしようもないくらいに最高のアルバムだと思うね。
新曲の中で、一番ライブで演奏するのが楽しみな曲は?
ゲム:「Falling Down」は素晴らしいよね。「I'm Outta Time」も最高。そして・・・他に何をやるんだっけ?僕の曲もやるよ。「To Be Where There's Life」。アルバムとは全く違う印象になってるんだ。
シタール演奏者もツアーに連れて行くの?
ゲム:いや。そうだな、今僕達が何をしているかというと・・・リチャード・フィアレス(Death In Vegas)が、「To Be Where There's Life」をリミックスしたんだ。だからライブでは彼のバージョンでやるんだよ。ギターも乗っかってる。だから全てOKさ。他にも色々な楽曲がリストに 入ってるんだ。「My Big Mouth」もやるしね。セットリストに飛び入りした曲の一つさ。「おいおい、一体何曲やるんだ?」って感じだね。「Live Forever」は今回は抜きだ。たくさん曲がありすぎて、全部は演奏できないよ。
「My Big Mouth」と言えば、私達のもとに「Be Here Now」関連の質問がたくさん届いています。ファンとしては、あのアルバムから何曲かセットリストに組み込む予定なのか知りたいようでして。
ゲム:ああ。僕はいつも推してるよ。「D’You Know What I Mean?」をやりたいんだよなあ。何回か試したんだ、それで今の僕達ならどんな曲でも上手く演奏できるってことがわかったしね。つまり、クリスの加入はOASISにとって最高のプラスになったってことだよ。それに僕達はいまや、曲を好きにアレンジする自由を持ってる。必ずしもレコードと全く同じように弾かなくてもいいんだ、それでOKなんだよ。
つまり、サプライズを期待していいということ?
ゲム:そうだね。もうすでに準備されてるよ。良いセットリストができた。あとはツアーをしながら様子を見ていく感じかな。それにしても、「The Masterplan」とかそういった曲を演奏するのも最高の気分だよ。
アルバムを作っている時に、あなたや他のメンバーが聴いていた音楽とは?
ゲム:聴いてたのは・・・思い出してみよう・・・(長いこと考え込む)あのL.A.のバンドは何て言ったかな、いや、シアトルだっけ・・・ Black・・・何て名前だったかな・・・・後で確認しておくよ。色んなバンドのデモはたくさん聴いてたし、スティーヴ・ジョーンズのラジオ番組も聞いて た。
それらがアルバムのサウンドを形作ったのですね。すぐに心が捉えられるパンチの効いたギターレコード。まるでThe Stoogesを聴いたエネルギーそのままに、スタジオに駆け込んだようです。
ゲム:そうだね、でも、ちょっと僕は君の質問を考えすぎてたかもしれない。というのも僕達はそういうレコードはいつだって聴いてるんだ。OASISは・・・こういうバンドじゃないんだ。「ああ、僕は創作活動をする時に他のミュージシャンの音楽は聴かないんだ。影響を受けてしまうからね」ってね。そういうバンドじゃない。リアムはいつも、U2の音楽からはどのバンドの影響も聴き取れないと言ってる。たぶんそれが彼らが目指してるところなんだろう。でも僕らが目指しているのはそういう方向じゃないんだ。もしOASISの音楽が何かに似ているとしたら、「それは良い!」と受け止めるよ。そのことで悩んだりはしない。だってそれで良いんだから。それもメッセージの一つだろう。
曲を書く時のお気に入りの場所や時間はありますか?
ゲム:一人で書くのが好きだな。ここみたいな場所だったら1曲も書けないよ。曲を完成させるには、とても静かで落ち着いた場所が必要なんだ。でもアイディアはどこでも湧いてくる。思いついたら、できるだけそれを頭の中にとどめようとする。一度逃したら取り戻せないからね。出来るだけ一気に書き上げようとする。つまり曲を最終的な形に持っていったり、余分なものを落とす作業はみんなでやるけど、そう、できる限りのこと、アイディアは自分でまとめたいんだよ、わかるかな?ただの1小節のメロディってこともあるんだけどね。でも僕の場合、楽器と共に数時間は楽しく過ごすことができるんだ。
未完成の曲はどのくらいあるんです?
ゲム:うーん、本当にたくさんさ。頭が痛いよ。絶対終わりそうにないんだから。もう手遅れなんだよな、いつだって新曲が出てくるから。全く。ラベルの張っ てないカセットが詰まったバッグがあるんだ。その中には良いアイディアも入ってると信じてるんだよ。そういうバッグがあるなんて信じないだろう?でもクリ エイティブな仕事をする人間はそういうのを一つは持ってると思うよ。だって僕達の仕事って組織に縛られてないわけだろう?グラフィックデザイナーかなんか だったらそういうこともあるかもしれないけどね。つまりこまめに仕事をしている人たちはってこと。よくわからないけどさ。大変だよ!
ギャラガー兄弟に関して、世間が誤解していることとは何でしょう?
ゲム:「いつも喧嘩してる」という評判は間違ってるね。たくさんの人達が受け入れそうないかにもプレスらしい安易な見方だと思うよ。リアムは頭のてっぺん から足の先まで完全なチンピラで、ノエルは独裁者っていう凝り固まったイメージ。実際はもっと無邪気なもんさ。タクシーに乗った時に、運転手から「ああ、 でも、やっぱりあの2人って・・」と言われても「そりゃ違う」と答えたりしてる。「聞いてくれよ、前にリアムを乗せたら想像とは全然違ったんだ」「ああ、 良いやつだろう」ってね。リアムはタクシーをひっくり返したりする男じゃないんだよ。
でっち上げの記事を鵜呑みにさせることって簡単ですものね。
ゲム:そうさ、メディアは「ワイルドマン」というイメージを植えつけたいだけなんだ。2人ともみんなが持ってるイメージ通りに振舞うことだって出来るけど、実際はそうじゃないんだ。
OASISのメンバーで良かったと思うことは?
ゲム:自由なところかな。自分達の世界を貫けるんだ。それが僕とアンディがOASISに入ろうと決めた理由だね。僕達にはレコード会社の宣伝マンが付いて 回ることはないんだよ。そういうこと。僕達の世界、OASISワールドさ、全ての自由を持ってる。曲を書いてレコーディングして世界を回ることができる。 色んな場所をね、作った音楽を演奏するために。これは何にも増して大切なことだよ。本当に。この前にインタビューを受けたんだけど、その時こう質問されたんだ。「OASISのメンバーとしてこれまで体験した中で最高なこととは?」。一番それを感じたのは、誰かにYoutubeのある映像を見せてもらった時さ。まだ幼い子供が「The Importance Of Being Idle」を演奏していたんだ。7歳くらいじゃないかな、でももう立派にリアムみたいな歌いっぷりでさ、あの母音を伸ばし方とかね。ほんと感激したよ。そういうことさ!それがOASISに入って良かったと思う時だよ!
世界中のファンからメールが来ていますよ。あらゆる国のあらゆる年齢層のファンからなんとも熱狂的な質問ばかり届いています。 こういうことが可能なのも、インターネットのおかげでなんですが・・・
ゲム:インターネットね、そう、でも、僕はちょっと時代遅れだからさ・・・そうだな、わかった、たとえばイタリア。イタリアが僕達を気に入ってくれている のはよくわかってるよ。去年ノエルと一緒にアコースティックツアーをした時、モスコにも行ったんだ、その時が初めてだったんだけどね。それでB面の 「It's Good To Be Free」を演奏して、ノエルが「Cos It's Good, It's Good, It's Good To Be Free」と歌うと、みんなも精一杯の大きな声で合唱していた。ネットに限らず音楽は国境を越えるんだよ。
またアコースティックツアーをやりたい?
ゲム:アコースティックツアーは良いね、うん、大好きだよ。最初はキャムデンでのチャリティギグとして始めたのに、最後はL.A.に東京、オーストラリア、モスコと・・・流れで決まっていったツアーなんだよね。僕達は自分の好きなように音楽を演奏するんだよ。
読者からの質問:
OASISのメンバーになるということは、かねてからの望みだったのでしょうか?
ゲム:(しばらく考える)YesともNoとも言えるね。OASISに加わることよりも良い選択肢というものがないか探しもしたんだ、だって道は色々あるわけだし、その時のリアムは誰でもかれでも殴り倒しそうな感じでOASISが不安定な時だったしね。
でも想像していたより、落ち着いたバンドだった。
入って息をつく暇もなく、仕事に打ち込むことを要求されたのでは?
ゲム:その通りだね。最初のギグなんて、サウンドチェック無しでステージに立ったんだよ。そんな感じさ。ひたすら踏ん張って前に進むってこと。「ちょっと 待って・・・」なんてことは許されない。最初の頃は何をやってたかもよく覚えてないくらいなんだ、ただ「やってやろう!」って感じでね。僕はもうちょっと・・・僕達は今でも子供みたいなものなんだよ、わかる?今でも楽屋でラジカセで音楽聴いてるんだぜ。
OASISの中で一番腕相撲が強いのは?
ゲム:僕だろうな。
そう言うと思った!
ゲム:まあね、次に誰が勝つか見守るのさ(笑う)。
誰とでも気さくに話すこの男が、OASISの新しい時代をその才能と共に切り開き、サウンド面でも進化の方向へと導いたことは間違いない。
ニューアルバム「Dig Out Your Soul」では、「To Be Where There's Life」を作曲。サイケデリックに渦巻くシタールの音色が印象的なこの楽曲は、1966年のアシッドチックなビートルズを思わせる。
歌詞はアルバムのタイトルにも採用され、図らずもゲムがOASISに欠かせない存在となったことを立証するものとなった。
どの質問に対しても、慎重に考え、ポジティブな発想に根付いた答えを返す彼。まさに、世界で一番良い仕事をしている男の顔をしている。
そして本人もそれを自覚しているのだ。実に人好きのする人間である。
「格別な気分だよ」と、ゲムはうなづいた。
「僕達みんな、110%満足してる。とても良い気分さ」。
2年に及ぶオフの後、再びOASISの活動を始めることに対して、どういう心持ちだったのでしょうか?
ゲム:もちろん最高だよ。格別な気分なんだ、色々な理由のおかげでね。まずは新しいドラマーが入った。幸先いいだろ?器材もしっくり来たしね・・・やるべ きことを改めて思い出すようなものさ。ラウドにギターを弾くことで、自分があるべき姿を取り戻していく感じがするんだ。待ちきれない。アルバムも最高だ し、早く演奏したいよ。
今のバンドの雰囲気はどんな感じ?
ゲム:うーん・・・雰囲気?良いとも言えるし悪いとも言えるな、あの2人の仲(ギャラガー兄弟)はね。でも聞いてほしい、そのことで音楽に支障が出ることはないんだ。リアムはこれ以上ないくらいに良い声を出してる。最高の状態だよ。
今回もアルバムのメインヴォーカルはもちろんリアムであるわけですが、彼は最高の声を披露していますね。
ゲム:そうだね。彼は今、そう、良い状態なんだ。
今のOASISは前と比べると、バンド全体でアルバムに取り組んでいるのですか?
ゲム:間違いなくそう。今ではこのチームに加わって10年になるからね、僕とアンディは。途中からチームの一員になるっていうのは、並大抵のことじゃないよ。自分から努力する必要があるし、この経験はかけがえのないものだと思う。このバンドにいるだけで僕らは・・・つまり、OASISは僕の夢のバンドなんだ。僕がそれまでやってきたバンドはどれも、バカにするわけじゃない、でもそのうちのいくつかは、特に音楽活動を始めたばかりの頃は、自分とは合わない連中と組んできた。とんでもない格好で来るやつもいれば、やるべきことをやらないやつも・・・でも今は110%、バンドに満足してるよ。バンドのメンバー全員がね。とても良い気分さ。
バンド内でのあなたの役割とは?
ゲム:(しばらく考えて)そうだな、僕はみんなに付いていってるだけだけど・・・堅実ではあると思うよ、わかるかな?気分の浮き沈みも激しくないし、荒れ狂うこともない。つまり、こう言おうか、パスポートをなくしたからって八つ当たりしまくることはないんだ。だからそこらへんは当てにしてくれていいと思う。だから僕の役割は、巡航高度を保つことだね。常に正しい高さを維持する。言ってみれば便利屋かな。って、嫌な質問だなあ!全く!!(笑う)。
自分で作った曲をどのように他のメンバーに紹介するのでしょうか?OASISを築き上げてきたノエルのソングライティングには影響されてる?
ゲム:以前はね。でもそれじゃバンド内で自分らしさを出すことが出来ないということにいつも悩んでいた。自分で自分を乗り越えることが必要だったんだよ。 でも今はどうだ?僕はもうノエルを真似ようとはしていない。ある意味今は、彼の仕事ぶりに発破をかけられてると言ってもいいね。今のノエルは、僕やアンディ、リアムの意見を聞き入れてくれるんだ、だから言ってみれば・・・「Celebrity Masterchef」みたいなものだよ、わかる?
「このマッシュポテト、味見してみてくれよ。このくらいで良いかな?」「いいね。この目玉焼きも最高。でも正直言って、マッシュポテトは抜き、目玉焼きだけでいいな。それならOKだよ」ってね。僕はノエルからのそういう言葉を褒め言葉と受け止めるんだ、だって彼は最高の曲を書いてきたんだから。実際有り余るほどにね。
今回、アルバムに収録されているあなたの曲は1曲のみですね。いつも5曲ほど披露して1曲採用されるといった具合なのでしょうか?どのように選曲されてるの?
ゲム:毎回違うよ、僕とアンディが参加した3枚のアルバムではね。でも今回のアルバムのレコーディングに入った頃、手元にあったのは手作りのデモ6曲だったんだ。その中の何曲かは、当初アルバムに入れる予定だったんだけ ど、ノエルがいくつか新しい曲を書いてきた、3,4曲だったかな。すぐにデモ録りをしたから、その楽曲群には何か特別なバイブが感じられたんだ。それらの 楽曲と比べると、僕の楽曲ではOASISのネクストレベルを支えることはできないかなと思ったんだよ。でも何曲かにはその片鱗くらいはあったから、とりあえずノエルに「To Be Where There's Life」を弾いて聴かせたのさ。インストゥルメンタルでね。それで「こういうのが出来たんだけど」と言ったら、ノエルは「ああ、筋はあるな。歌詞はある の?」「まだだよ」「じゃあ、書いて」って話になった。他にも曲があって、それに関してもノエルが電話をくれて「これの歌詞も書いて」って言ってきてね。というのもそれまでに、10曲のインストゥルメンタルをノエルに渡してたんだ。OASISには途中で保留になってる曲がたくさんあるんだよ。そして、ある週末に「To Be Where There's Life」を完成させた。頼まれていたもう1曲の方は今でも温めてる状態だよ。ということで、今回はこんな感じで進めたんだ。
曲を書く時、ヴォーカルとして頭に描くのは、やはりリアムなのでしょうか?
ゲム:いや、でも無意識のうちにそう考えてるんだろうね。僕とリアムの声域が同じくらいだからかな。ノエルはもっと声域が広いだろう。だからノエルの声に 合うメロディを浮かべることがまず出来ないんだよね。彼は僕よりはるかに上の声を出せる。そしてリアムはOASISのシンガーだ。僕の考え方はそんな感じだな。
歌詞の中では、どれくらい自分をさらけ出せるものなんですか?
ゲム:1曲だけリアムを思い浮かべて書いた曲があるんだ、このアルバムには合わなかったから入らなかったんだけどね。でも個人的には名曲だと思うよ。披露 した曲の中でも良い曲だってノエルも言っていたしね。でも週末かけて歌詞を書かなきゃならなくて・・・だからちょっと放置しちゃったんだ、でも心配しない で、いつか日の目を見るさ。
曲を完成させたと思っても、1ヶ月後に手直ししたくなる時もあるだろう。ラッキーなことに、その曲ではその手直しする隙すらなかったくらいなんだから。
あなたの曲は「Recolver」まっしぐらという響きですね・・・
ゲム:そう思う?他の人にも言われたんだけど、僕はそうは思わないんだ。おかしいだろ、多分自分の曲はあまりに近すぎて上手く評価できないんだろうな。
この曲を聴くと、スタジオで作り上げる際はさぞかし楽しんだんだろうことが伝わってくるんです。
ゲム:そうだね。僕が考えたことと言えば、ギターなしで完成させたいってことだけだったんだ。アンディは「ねえ、このメロディをちょっと入れたらどう?」 とかずっと言ってきたんだけど「ダメだ、必要ないよ。ベースラインとシタールとドラムだけで作りたいんだ」って言い張ったんだ。
シタールが聴こえます。
ゲム:だね。細かく言うとタンブーラなんだけどさ。僕の家のベッドルームに置いてあるタンブーラ、デモでも弾いてるやつだ。スタジオではエレクトリックの やつをセッティングしてそのまま鳴らしっぱなしにしたんだよ。それとアンディが弾いたやつとノエルが弾いたやつを全部マッシュして、エフェクトをかけて流 したんだ。ただのサウンド、なんだよね。でもギターとは違うだろう。
リアムの場合、自分の曲に関しては妥協はしないと話していましたが、あなたも自分が満足するまで意見を通すタイプですか?
ゲム:もちろんそうだよ。完璧にそうさ。頭の中で、その曲をどういう形にしたいか大まかには決まってるんだからね。提案や変更で形が変わって、それによって良くなるなら採用するし、ならないなら採用しない。「To Be Where There's Life」では、ラストにちょっと不自然なところがあったんだ。そしたらノエルは「いいか、このギャップはどうにかするべきだ」と言ってきた。実際彼は正 しかったよ。ちょうど、最後の歌詞が入る前に4小節くらい足そうかなと思ってたところだったんだ。「もう少し・・・」ってね。ノエルの指示ってとても大まかなんだよ。「このギャップをどうにかしろ、そしたら採用する」。そんな感じさ。
楽曲が完成したかどうかはあなたの一言で決まるのですか?
ゲム:そんなところ。自分の曲だったらそんな感じだよ、「ほら、これお前の曲だろ、どう思うんだ?」ってね。でもみんなで助け合ってることも事実なんだ。ミキシングの時も一緒にいるから、みんなが気に入る曲に仕上げる必要がある。もし一人でも満足いかないメンバーがいたら、どうにかして解決しなきゃならない。
曲からギターを省いたとおっしゃっていましたが、OASISの中で、実験的なことを試みたいということですか?
ゲム:それはそうだよ。その通りさ。僕が思うにOASISはさらに深く・・・言いたいのは、OASISはある一面において突出した作品を作り出してきたけ ど、他の面も併せ持ってるってことなんだ。つまり、OASISはロックンロールバンドだろう。ツアーに出て、曲を演奏して、小さな会場でも大きな会場でも 最高のステージを見せる。でも同時に、僕達には実験的なことをしたいという気持ちもあるんだ。他のバンドもやっているようにね。いつかレコードとして出せると思うよ。いくつかの曲でやってみたけど、リミックスをするというアイディアも大賛成だね。
ノエルは、ケミカル・ブラザーズに「Falling Down」をリミックスを依頼しています。
ゲム:ああ、3人の作品だよ、ノエルとケミカル・ブラザーズの。僕は気に入ってる。楽しめる作品に仕上がってるね。
アルバムごとに様々なプロデューサーの名前が挙がってきますね。たとえばDeath In Vegasなどですが、OASISに変革を与える彼らのような存在が必要だと考えていますか?
ゲム:いや、そうは思わない。OASISにとっては間違った選択になると思うんだ。変革。それってレコード会社の考え方じゃないか。変革が必要な時期くらい、自分達でわかるんだよ。決定権はバンド側にある。誰も手を貸してくれなくてもいい。僕達でやるんだ。
OASISのサウンド様式を守るという点で、ファンからのプレッシャーは感じます?
ゲム:ううん、それはないと思う。ファン達は今もそこにいてくれる。僕達の音楽に耳を傾けてくれる。僕らはさらにビッグになろうなんて考えは持ってない。 ただOASISらしくありたいだけなんだ、そこがみんながOASISを好きな理由じゃないのかな。僕が子供だった頃もそうだったよ、ほら、何かに入れ込み 始める頃のことさ。もちろんその時代にも足跡を残していくバンドがいた。たとえばThe Whoみたいなね。彼らの黄金期。「Tommy」を出した頃、彼らは比べようもないくらいビッグだった。でもほら、今、僕が家に帰って「Tommy」を聴くことはないんだよ。それでも彼らの名曲は今もみんなの記憶に残っているし、The Whoはイギリスを代表するロックンロールバンドだ。嬉しいことに、OASISも今そういう地位にまで来てる。そう、間違いなくそこにいるんだ。
今回のような、最高の仕上がりとなったアルバムと共に?
ゲム:そうさ。全て長い人生の一部だよ。ファーストアルバムのような衝撃はないかもしれない。でも7thアルバムとしてどうしようもないくらいに最高のアルバムだと思うね。
新曲の中で、一番ライブで演奏するのが楽しみな曲は?
ゲム:「Falling Down」は素晴らしいよね。「I'm Outta Time」も最高。そして・・・他に何をやるんだっけ?僕の曲もやるよ。「To Be Where There's Life」。アルバムとは全く違う印象になってるんだ。
シタール演奏者もツアーに連れて行くの?
ゲム:いや。そうだな、今僕達が何をしているかというと・・・リチャード・フィアレス(Death In Vegas)が、「To Be Where There's Life」をリミックスしたんだ。だからライブでは彼のバージョンでやるんだよ。ギターも乗っかってる。だから全てOKさ。他にも色々な楽曲がリストに 入ってるんだ。「My Big Mouth」もやるしね。セットリストに飛び入りした曲の一つさ。「おいおい、一体何曲やるんだ?」って感じだね。「Live Forever」は今回は抜きだ。たくさん曲がありすぎて、全部は演奏できないよ。
「My Big Mouth」と言えば、私達のもとに「Be Here Now」関連の質問がたくさん届いています。ファンとしては、あのアルバムから何曲かセットリストに組み込む予定なのか知りたいようでして。
ゲム:ああ。僕はいつも推してるよ。「D’You Know What I Mean?」をやりたいんだよなあ。何回か試したんだ、それで今の僕達ならどんな曲でも上手く演奏できるってことがわかったしね。つまり、クリスの加入はOASISにとって最高のプラスになったってことだよ。それに僕達はいまや、曲を好きにアレンジする自由を持ってる。必ずしもレコードと全く同じように弾かなくてもいいんだ、それでOKなんだよ。
つまり、サプライズを期待していいということ?
ゲム:そうだね。もうすでに準備されてるよ。良いセットリストができた。あとはツアーをしながら様子を見ていく感じかな。それにしても、「The Masterplan」とかそういった曲を演奏するのも最高の気分だよ。
アルバムを作っている時に、あなたや他のメンバーが聴いていた音楽とは?
ゲム:聴いてたのは・・・思い出してみよう・・・(長いこと考え込む)あのL.A.のバンドは何て言ったかな、いや、シアトルだっけ・・・ Black・・・何て名前だったかな・・・・後で確認しておくよ。色んなバンドのデモはたくさん聴いてたし、スティーヴ・ジョーンズのラジオ番組も聞いて た。
それらがアルバムのサウンドを形作ったのですね。すぐに心が捉えられるパンチの効いたギターレコード。まるでThe Stoogesを聴いたエネルギーそのままに、スタジオに駆け込んだようです。
ゲム:そうだね、でも、ちょっと僕は君の質問を考えすぎてたかもしれない。というのも僕達はそういうレコードはいつだって聴いてるんだ。OASISは・・・こういうバンドじゃないんだ。「ああ、僕は創作活動をする時に他のミュージシャンの音楽は聴かないんだ。影響を受けてしまうからね」ってね。そういうバンドじゃない。リアムはいつも、U2の音楽からはどのバンドの影響も聴き取れないと言ってる。たぶんそれが彼らが目指してるところなんだろう。でも僕らが目指しているのはそういう方向じゃないんだ。もしOASISの音楽が何かに似ているとしたら、「それは良い!」と受け止めるよ。そのことで悩んだりはしない。だってそれで良いんだから。それもメッセージの一つだろう。
曲を書く時のお気に入りの場所や時間はありますか?
ゲム:一人で書くのが好きだな。ここみたいな場所だったら1曲も書けないよ。曲を完成させるには、とても静かで落ち着いた場所が必要なんだ。でもアイディアはどこでも湧いてくる。思いついたら、できるだけそれを頭の中にとどめようとする。一度逃したら取り戻せないからね。出来るだけ一気に書き上げようとする。つまり曲を最終的な形に持っていったり、余分なものを落とす作業はみんなでやるけど、そう、できる限りのこと、アイディアは自分でまとめたいんだよ、わかるかな?ただの1小節のメロディってこともあるんだけどね。でも僕の場合、楽器と共に数時間は楽しく過ごすことができるんだ。
未完成の曲はどのくらいあるんです?
ゲム:うーん、本当にたくさんさ。頭が痛いよ。絶対終わりそうにないんだから。もう手遅れなんだよな、いつだって新曲が出てくるから。全く。ラベルの張っ てないカセットが詰まったバッグがあるんだ。その中には良いアイディアも入ってると信じてるんだよ。そういうバッグがあるなんて信じないだろう?でもクリ エイティブな仕事をする人間はそういうのを一つは持ってると思うよ。だって僕達の仕事って組織に縛られてないわけだろう?グラフィックデザイナーかなんか だったらそういうこともあるかもしれないけどね。つまりこまめに仕事をしている人たちはってこと。よくわからないけどさ。大変だよ!
ギャラガー兄弟に関して、世間が誤解していることとは何でしょう?
ゲム:「いつも喧嘩してる」という評判は間違ってるね。たくさんの人達が受け入れそうないかにもプレスらしい安易な見方だと思うよ。リアムは頭のてっぺん から足の先まで完全なチンピラで、ノエルは独裁者っていう凝り固まったイメージ。実際はもっと無邪気なもんさ。タクシーに乗った時に、運転手から「ああ、 でも、やっぱりあの2人って・・」と言われても「そりゃ違う」と答えたりしてる。「聞いてくれよ、前にリアムを乗せたら想像とは全然違ったんだ」「ああ、 良いやつだろう」ってね。リアムはタクシーをひっくり返したりする男じゃないんだよ。
でっち上げの記事を鵜呑みにさせることって簡単ですものね。
ゲム:そうさ、メディアは「ワイルドマン」というイメージを植えつけたいだけなんだ。2人ともみんなが持ってるイメージ通りに振舞うことだって出来るけど、実際はそうじゃないんだ。
OASISのメンバーで良かったと思うことは?
ゲム:自由なところかな。自分達の世界を貫けるんだ。それが僕とアンディがOASISに入ろうと決めた理由だね。僕達にはレコード会社の宣伝マンが付いて 回ることはないんだよ。そういうこと。僕達の世界、OASISワールドさ、全ての自由を持ってる。曲を書いてレコーディングして世界を回ることができる。 色んな場所をね、作った音楽を演奏するために。これは何にも増して大切なことだよ。本当に。この前にインタビューを受けたんだけど、その時こう質問されたんだ。「OASISのメンバーとしてこれまで体験した中で最高なこととは?」。一番それを感じたのは、誰かにYoutubeのある映像を見せてもらった時さ。まだ幼い子供が「The Importance Of Being Idle」を演奏していたんだ。7歳くらいじゃないかな、でももう立派にリアムみたいな歌いっぷりでさ、あの母音を伸ばし方とかね。ほんと感激したよ。そういうことさ!それがOASISに入って良かったと思う時だよ!
世界中のファンからメールが来ていますよ。あらゆる国のあらゆる年齢層のファンからなんとも熱狂的な質問ばかり届いています。 こういうことが可能なのも、インターネットのおかげでなんですが・・・
ゲム:インターネットね、そう、でも、僕はちょっと時代遅れだからさ・・・そうだな、わかった、たとえばイタリア。イタリアが僕達を気に入ってくれている のはよくわかってるよ。去年ノエルと一緒にアコースティックツアーをした時、モスコにも行ったんだ、その時が初めてだったんだけどね。それでB面の 「It's Good To Be Free」を演奏して、ノエルが「Cos It's Good, It's Good, It's Good To Be Free」と歌うと、みんなも精一杯の大きな声で合唱していた。ネットに限らず音楽は国境を越えるんだよ。
またアコースティックツアーをやりたい?
ゲム:アコースティックツアーは良いね、うん、大好きだよ。最初はキャムデンでのチャリティギグとして始めたのに、最後はL.A.に東京、オーストラリア、モスコと・・・流れで決まっていったツアーなんだよね。僕達は自分の好きなように音楽を演奏するんだよ。
読者からの質問:
OASISのメンバーになるということは、かねてからの望みだったのでしょうか?
ゲム:(しばらく考える)YesともNoとも言えるね。OASISに加わることよりも良い選択肢というものがないか探しもしたんだ、だって道は色々あるわけだし、その時のリアムは誰でもかれでも殴り倒しそうな感じでOASISが不安定な時だったしね。
でも想像していたより、落ち着いたバンドだった。
入って息をつく暇もなく、仕事に打ち込むことを要求されたのでは?
ゲム:その通りだね。最初のギグなんて、サウンドチェック無しでステージに立ったんだよ。そんな感じさ。ひたすら踏ん張って前に進むってこと。「ちょっと 待って・・・」なんてことは許されない。最初の頃は何をやってたかもよく覚えてないくらいなんだ、ただ「やってやろう!」って感じでね。僕はもうちょっと・・・僕達は今でも子供みたいなものなんだよ、わかる?今でも楽屋でラジカセで音楽聴いてるんだぜ。
OASISの中で一番腕相撲が強いのは?
ゲム:僕だろうな。
そう言うと思った!
ゲム:まあね、次に誰が勝つか見守るのさ(笑う)。
