ギャラガー氏と共に、お茶を。

ネタの絶えないギャラガー兄弟だが、実生活ではとても魅力的な紳士である。たとえ、フェレットの匂いを身にまとっていたとしても・・・。

OASISという言葉を聞くと、私の頭には二つのことが思い浮かぶ。

一つは、「(What's The Story) Morning Gloiry?」にはまった若かりし頃(曲の意味はさっぱりわからなかったけども)、そしてもう一つはタブロイド紙に毎日のように取り上げられていたギャラガー兄弟の喧嘩沙汰である。

だから、私がサウスロンドンのキャンバーウェルへ彼らにインタビューをしにいくということがどんなに緊張を伴うものだったか理解していただけるだろう。

移動中にはスタッフの間で、彼らがギグをするよりも喧嘩をする方に精力的だった頃の話も出た。

ほんの数年前、ミュンヘンで巻き起こったOASISとイタリア人グループ間の衝突のために20人の警官が出動し、酒に酔っていたリアム・ギャラガーは、そのうちの一人の胸めがけてドロップキックをかましたために逮捕されたのだ。

だが到着してみると、私の抱いていた恐れは見当違いのものだった。

待合室に入ると、ノエル・ギャラガーがくつろいだ様子でアームチェアに腰掛け、両方の手に紅茶の入ったマグカップを持ち、ジャーナリスト達と音楽やテレビの趣味について雑談を交わしている(彼は音楽は聴くよりニュースを見るほうが好きらしい)。

リアム・ギャラガーは、とても魅力的でおしゃべりで、カリスマ性をほとばしらせていた。
新しい考えを思いついたとたんに、話が脇道に逸れることは数知れず。そして興奮し始めると、立ち上がって身振り手振りを交えて話すのだ。

ゲム・アーチャーは、椅子に浅く腰掛け、アンディ・ベルはインタビューのほとんどを、背もたれにもたれかかって聞いている。

リアムの7歳になる息子、ジーンは、おもちゃの車に乗って部屋中を走り回り、あまりに音が大きくなると、静かにするようリアムが注意する。

つまり、今回のインタビューはむしろ楽しく行うことが出来た。リアムが私の靴を褒めてくれたのも、その一因かもしれないが。

今の生活はどんな感じです?

リアム:最高だよ。ツアーに行っても家の中でも、右に振れても左に振れても最高、以上。どうやったら生きてることが嫌になれるんだ?最悪の時ですら、最高だぜ。

アンディ:誰にでも嫌な経験はあるからね。誰にでも。

ゲム:でも結局は・・・悪いことがあっても、そこから学べばいいのさ。

OASISをやめたとして、まずやりたいことは何ですか?

リアム:チケットを買って、こいつを見に行くよ(アンディを指差す)。

アンディ:何もないよ、こんなやつ、OASISはさっさと追い出した方が良かったんだ。

リアム:そんなことしねえって。悪いけど、お前が必要なんだよ。

ゲム:そのツケを俺に払わすのはやめろよ、アンディの右後ろにいるからって。

曲を書く時のインスピレーションはどこから得るのでしょう?

リアム:人間、日常生活・・・・俺自身、俺、こうやって座ってから考え始めるなんてできねえんだよ、「テーマを考えました。これからそのことについて曲を 書こうと思います」ってな。ただ浮かんでくるのを待つだけさ、わかるだろ?普通に生きてるだけで、心にふと浮かんでくるものなんだ。つまり、俺はインスピ レーションを求めないことで、逆にインスピレーションを得てるんだな。

アンディ:その通り。僕もそういう道を辿ってきたよ。曲を書く時は、歌詞やメロディを焦って書こうとはしないんだ。2楽節しか浮かばなかったら、その曲はそれだけでいいんだよ。次の楽節が思い浮かばない限りね。

リアム:始終周りから急かされて面倒くせえ作業に追われてパニックに陥るくらいなら、曲なんて書きたくねえよ、そうだろ?

「Dig Out Your Soul」はアビーロードスタジオでレコーディングされましたね。何かエピソードはあります?

リアム:クインシー・ジョーンズがやってきてこう言うんだ(アメリカ人のアクセントで)「やあ、君達はギターバンドだと思ってたが、それにしちゃすごい キーボードの数だなあ」ってさ。俺達のプランは・・・何も考えずにまずはスタジオ入りしようって感じだったんだ。でも入ってみるとすぐに、何かが動き出し た。ぞくぞくしたぜ・・・俺達はマンチェスター、ニューキャッスル、オックスフォードからやってきたただの田舎者にすぎないが、音楽に関しちゃ誰にも負け ねえんだ。

アルバムの中でもお気に入りの曲は?

リアム:言いたくねえけど、全曲大好きなんだよ。全てがね。マジで。全部最高さ。

ゲム:リアムと同じだから、答えられないな。どの曲も少しずつ違うバイブを持ってる。何曲かは全く違う興奮を与えてくれる。このレコードは通して聴くべきだよ。そういう風に作ったんだからね。

リアム:感じるだろ、あらゆる感情を。これは魂のアルバムだよ。

これまでのギグで最高の出来だったと思うのは?

アンディ:これからやるギグかな。

ゲム:おいおい、何かあるだろう、思い出に残ってるギグが。

リアム:ギグの前に「あんま気乗りしねえな」って時はあるけどな。でかいギグだったらみんなも覚えてるだろ、ハリウッド・ボールとか!?やめてくれよ、あ りゃ最悪のギグだぜ。思い出したくもねえ・・・俺全然調子が上がってなかったもんな。良いギグはあまりに多すぎて挙げられねえけど、最悪のギグだったら答 えられる。ハリウッド・ボールはその一つだ。

様々な雑誌の投票企画で、OASISは最高のアルバム、最高の曲など1位を獲得してますね。

ゲム:投票は良いよね、おかげでレコードも売れるし。それくらいかな、本当にそれくらいさ、だって音楽は永遠のもので投票なんかで計れるものじゃないんだ。失礼かもしれないけど、雑誌は2週間でゴミ箱行きだろ。

7枚目のアルバムになりますね。新作の発売はわくわくします?

リアム:うん。新曲を出すのはいつだってわくわくするよ。他のやつはともかく、俺はな。何回も言うけど、OASISの一員って最高の気分だぜ。他のメン バーが同じように思ってるかは知らねえけど。OASISが、例えばホットドッグを発売しても新聞を発売しても新しい音楽を開発しても香水を発売しても OASISブランドのチェアを販売しても、大興奮だぜ。いつでも応援してますって感じだ。

香水?ではOASISブランドの香水を出すとしたらどんな名前をつけますか?

リアム:「Mad Ferret」だな。(訳注:もちろん、かつてのリアムの口癖「Mad For It」とかけている)。その名の通り、マッドなフェレットの匂いがするのさ。田舎者の俺達ならではだろ。