レノン君が生まれてから人生変わった?

リアム:今も感動しっぱなしさ、わかるだろ、あいつはまさに今この世に誕生したばかりなんだ。これからも俺は変わっていくと思う。人間が変わるとかそういう意味じゃなくて気づかせてくれたんだ、これまでのようじゃいけないってね。

何が変わったのでしょう?

リアム:少しずつだよ。手始めにパブにこもってみた。

良い人間に生まれ変われると思います?

リアム:さらに良い男になってやるぜ、少なくともレノンの周りにいる時の俺は最高だ。ていうか俺はいつも良いやつだっただろ。悪いことをした時もあったけど、それでも俺は人から好かれるタイプだった。

子供をもつことより特別なことはあるでしょうか?

リアム:ない。子供を持つのが最高さ。俺達はそのために生きてるんだから。

誕生の瞬間には立ち会いました?

リアム:立ち会ったよ。レコーディングの最中で、車で家に帰る途中だった。予定日の1ヶ月前だったな。そしたら電話がかかってきて、今すぐ病院に来いっていうから、俺は「マジかよ…」って思ってさ。病院に行ったらもう陣痛が始まってたんだ。そして医者が「よし、力んで」って言うから「俺が?」と思ったよ。

あわただしくて驚いたでしょ。

リアム:ああ、かなりショックだった。愚痴も吐きまくったけど、生まれてくる瞬間を見れて本当によかった。

レノン君を最初に見た時はどう思った?

リアム:わかんねえな、言葉にできなくてうなるだけしかできなかった。次に健康かどうか心配になって。でも、そうだな、素晴らしい気分だったよ。

お母様は孫の誕生を喜んだでしょう。

リアム:もう俺のことなんてどうでもいいんだ。会いにも来ねえよ。それでレノンが生まれてから状況が一変したことに気づいた。それまではこの世界で何よりも俺が一番だったし、それが俺の求めることだったんだ。でも今は違う。一番大切なのはレノンだ。

自分は二の次ってこと。

リアム:そうそう、その通り。おふくろにとってもそうだ。「来週遊びに行くわね」「でも来週は予定があるんだ」「あなたに会いたいわけじゃないわよ、レノンと遊ぶの」ってな具合でさ。

レノン君向けの曲は書いてる?

リアム:1曲書いてる、「Born On A Different Cloud」っていうんだ。まだ書きかけだけどな。

いつか聴けるでしょうか?

リアム:完成したらの話さ。良い感じだぜ。ピアノにのせて作ってるんだ。

作曲にはピアノを使うの?

リアム:そうしてきた。でもわかるだろ、俺はそこまで上手く弾けない。少しだけだ。生み出すことは出来るけどアレンジはできないんだ。だからその後はノエルに任せる。その核の部分を作って後は頭の中で組み立てる。それが俺の作曲の仕方だ。全部自分で完成させることは出来ねえんだよ。

ノエルが磨きをかけるんですね。

リアム:ああ、「Little James」みたいにね。最初はただ自分で楽しむためだったんだ。俺のメインの役割は歌うことで、たまに曲が作れればいいなってくらいだった。それをノエルが気に入ればさらに良い。そして気に入らなければ「わかった、ごみ箱行き」。それで満足さ。

レノン君に話を戻して。名前に注目が集まってますね。マッカートニーも自分の息子にはレノンとつけたいと話してましたが。

リアム:聞いたよ。すげえよな、笑える。そういえば昨晩オノ・ヨーコから電話があったんだ。

何て?

リアム:来週会いたいってさ。今クラリッジにいるらしいんだ。レノンが生まれて1週間後にこのカードを送ってくれた、ジョン・レノンが描いた小さな絵の入ったポストカードをね。「レノン家より、レノンへ。この世界にようこそ。ラブ、ラブ、ラブ、ヨーコ'99」と書いてあった。もう俺興奮しちゃってさ、「信じらんねえ」ってみんなに見せて回ったんだ。そしてニューヨークから大きな箱が届いて、中身はレノン宛の洋服だよ。ヨーコは子供用の服を作ってるだろ。「おいおい、こりゃ感謝のしるしに手紙でも書かなきゃなんねえだろ」と思って考えた。「一体何を書けば…」(頭をかきむしって書く仕草をしながら)。「親愛なるヨーコ様…くそ、こんなの書けねえ!」。書きたくなかったんだよ、「洋服をありがとうございます」なんてさ。もっと馬鹿に思われないように書きたかったんだ。だからもうやめた。今はロンドンにいるらしい、俺達が昨日リハーサルしたところさ、そこから彼女が「会いたい」って言ってきたんだ。だから昨夜家に帰ってから俺からかけ直した、番号も控えてあったから。「ヨーコ?」「そうだけど、どなた?」「ああ、リアムだよ」「ロンドンにいるのよ」「とにかく、洋服ありがとう」って言った。そしたら「ああ、電話をしたのは、ジョンの物で渡したいものがもっとあったからよ」って言うんだ。来週ヨーコはアビー・ロードに行くんだけど、その時俺達はアメリカだ。だから「見てほしかったんだけど」「行けないよ」「だったら、クリスマスにでも送るわ、私はすぐに戻るから、紅茶やビスケットが食べたかったらいつでもいらっしゃい、レノン君にあげるわ、大好きって伝えて」と言ってくれた。

彼女に対する印象が変わった?

リアム:嫌な印象を持ったことなんて一度もないぜ。「ヨーコのせいでビートルズは壊れた」とかぬかすやつらと一緒にするなよな。ビートルズが解散した原因は彼ら自身にある、そうだろ?電話でも感じ良かったぜ。それに、よく聞けよ。俺はジョンが大好きだ。尊敬してる。と同時に大馬鹿野郎で、自分勝手な人生を生きたとも思ってる。でも彼がヨーコを愛したんなら、俺も彼女を愛す。だから「ファック、ヨーコ」なんてほざくやつらと一緒にするな、俺のほうには何の問題もない。

OASIS以外での活動をするのには勇気がいった?スティーブ・クレイドックと一緒にやった「Carnation」のことだけど。

リアム:実は恐かったんだ。シングルにするつもりはなかった。Ocean Colour Sceneがスウェーデンかどっかで俺達のサポートをしてる時だったかな。みんな酔っぱらって、The Jamの話になったんだ。The Jamは良いと思うけど、俺は彼らの話をする年じゃないっていうか…。

あなたがThe Jamのファンだとは。

リアム:いや違うぜ。何曲か好きなものはあるし、ウェラーも好きだけど。で、The Jamやモッズの話になって、俺が「Carnationは良いよな」って言ったら、スティーブが「俺も好きだよ、いつかカバーしたいな」とうけた。とにかく、その後そのカバーを作って俺にテープを送ってきて「来週はロンドンにいるから、歌ってくれないか?」と言ってきたが「誰がやるか」って感じで無視してたわけ。そしたらパッツィが「また電話よ」「俺は誰かと一緒になんて歌わねえんだよ。そんなこと一度もやったことねえし」。でも、どうにかそういうのを抑えて、Primal Screamのスタジオで午後には仕上げた。まさかアルバムに入るとは思ってなかった、そういう企画があるのも知らなかったぜ。

つまりアルバム企画の前に作ったと。

リアム:そして去年(1998年)発売された。

OASISとは違った?

リアム:違うのはズボンの長さだけさ。俺達は34だけど、連中の丈の長さはここだ(脛をさして)。モッズだから脛を見せたいんだろ。

シングルとして出されたら、やっぱり1位を狙いますか?

リアム:いや、ポップで一番になろうとは思わない、OASISに戻るんだからさ。「何が悪い、OASISには良い曲があるし俺は歌って幸せだしこれより気持ちいいことなんてないぜ」だ。もし1位になったとして、そりゃ素晴らしいことだけど、俺はOASISで1位になるんだ。もし10位以内に入ってなかったとしても、良い曲なのに残念だと思うだけだな。

TV出演の際にはノエルが関わったという話だけど、彼はあなたを道徳的にサポートするためにそこにいたの?それともポール・ウェラーやスティーブの友達だから?

リアム:からかいにきたのさ。いや、馬鹿にするために来たかもな。野郎の集まりだよ、ただ飲むためだけの。

夜遊び、ということ。

リアム:そういうこと。

ボーンヘッドがOASISから脱退した時、新聞ではノエルとの喧嘩が原因と書きました。あなた達がレコーディングを行ったフランスでのことだと言うのですが、それは本当?

リアム:原因はそれだけじゃない。フランスに向かう1週間ほど前にアルバムのリハーサルをしてたんだ。俺は2分おきくらいにパブに行ってた。みんないつも遊んでばっかりいたから、俺も「仕方ねえな」と思ってパブに行ったんだ。みんなそこらへんで座り込んで、何か聴いてるだけだったから、パブに行くしかなかった。そして戻ったら、ちょっとリハーサルして、またくだらねえことやって、些細なことで口論が始まって。そしたら俺に電話だ。ノエルが「よく聞けよ、フランスに遊び目的で行くつもりなら、わざわざ来なくても良い」と抜かしやがった。俺は「この野郎…」と思って、電話越しに険悪なムードだ。で、電話を切ったらパッツィが俺をなだめて、「ノエルは正しいわ、やっと言ってくれたって感じよ」と言うのさ。つまりあいつ以外誰も俺に向かって「酒をやめろ」というやつはいなかったわけだ。馬鹿になってる俺に向かってな。パッツィは「飲んでる時のあなたってほんとに最悪だもの」とも言ってた。だから彼女の言葉に従って「わかったよ、しょうがねえな!」と思って、マーカスに「ノエルに電話して、『俺は良い子でいる、しらふでいる』と伝えろ」と言った。そして本当にフランスには酒無しで行ったよ。ボーンヘッドとの口論なんてちっとも無かったぜ。誰とも無いよ。ボーンヘッドは飲んでたしホワイトも飲んでた、みんな飲むさ。

新聞は彼のことを取り上げすぎだと思う?

リアム:そうだな、新聞にはノエルがパブに行くことを禁止したとかくだらねえことを書いてたよな。ドラッグを禁止にして「これで彼らのホーム(原点)に戻ったのだ」とかなんとか。なんだ、ホームって。俺達が今住んでる5000万ドルの家のことか?それが俺達の家に戻るってことなんだろうな。アルバムレコーディングの時は、みんな良い感じでやってた。ボーンヘッドはマンチェスターに引っ越そうとしてたから「俺は一度家に帰るよ、引越ししなきゃならないから。すぐ戻る」と言っただけだ。もし水面下で何かが起こってたとしても、俺は知らねえ。俺が言えるのは、俺が見たことだけだ。みんな上手くやってたし、音楽に入りこんでた。みんな曲を聴いてうなって飲んで「俺達最高だぜ」「この曲素晴らしいな」と言ってる時に、電話が入って、ボーンヘッドはもうバンドを抜けると聞かされたんだ。

その時のあなたの反応は?

リアム:最初は「それならそれでいいさ、どうにかなる」と思ったよ。OASISではよくあったことだろ?みんなが反発しあって、一週間それぞれ家に帰って次会う時には落ち着きを取り戻して「仲直り」だ。だからその時も「またかよ、あいつ何が気に入らなかったんだ?」と思ったくらいだった。直接話すことも出来なかったんだ、ボーンヘッドはマーカスに全部任せてたんだ。だから後は俺達だけでアルバムを仕上げて、家に帰った。どうにかボーンヘッドと話をしようとしたんだけど、あいつは「いや、もうツアーは十分なんだよ、子供と一緒にいたいんだ」って感じだった。

あなたは彼と話したの?

リアム:いや。あいつは電話してきたみたいだけど、俺は忙しかったんだ。今ボーンヘッドはマンチェスターに住んでて、バンドにいた時ほど近い関係じゃない。みんな結婚してるし、もともとそんなに頻繁に会わないんだ。パーティばかりやってるタイプじゃないからさ。特に俺は。ノエルはパーティ好きだけどな。会うのは、リハーサルかPV撮影の時くらいかな。それも今はやってないし…もし同じバンドにいなかったら、俺達に共通点は無いんだ。

彼がいなくなって辛かったのでは?

リアム:ああ、もし悩みを持ってたんなら、まあ俺は気づかなかったけど、俺達に話すべきだった。ずっと長いこと一緒にやってきて、そういう仲だと思ってたんだ。一緒にいる時にはいろいろ話してたのに。もし俺が悩んだら、メンバーに話す。ノエルでもホワイトでもみんなそうすると思う。あの2人がそう思ってなかったなんて、けっこうショックだったぜ。「実は話したいことがあるんだ」と言えない関係だったなんて。

飲み仲間じゃなかったの?

リアム:ホワイトやノエルとも一緒に飲んだぜ。ノエルはかなり飲みやがる。いや、みんな大酒飲みだな。飲まないのはギグジーだけだ。みんな仲間だった、そうだろ?だからそういうことを俺達に話してくれなかったのが、悲しいね。