これまでの成功の裏で、思い出に残っていることは?名声によって得たものとは?

ノエル:何もないよ。金なんて問題じゃないんだ。有名になれば気分は良いけど、名誉をふりかざすポップスターなんて、俺には理解できねえな。俺が欲しいのは…….いや、ここでは言えない。とにかく、歩いてる時に呼び止められて「サインもらえますか?」って聞かれるのは最高の気分だってことさ。そういうことを楽しめないなら、バンドにいる意味なんて無い。「一緒に写真撮ってもらえますか?」「ああ、いいよ」。これが俺がバンドにいる理由だ。1人家にこもってブランケットに隠れて自己嫌悪に陥るためじゃない。全ての雑誌の表紙を飾るためにいるんだ。テレビでも24時間OASISが流れるようにするためさ。ロックスターになることを恥じる必要なんてどこにも無い。誰かに「あのバンドのメンバーだろ?」「いや違う」。何だその答えは。頭おかしいぜ。みんな音楽をやることを深刻に考えすぎなんだよ。ちっとも大きな問題じゃねえだろ。でもほとんどの人は、そうだな、例えばカート・コバーン。彼のことをけなすつもりは全く無い。曲もバンドも大好きだから、自殺のニュースを聴いた時は心の底から悲しかった。でもバンドとしての名声なんて俺にとってはそう大きなポイントじゃないんだ。周りのやつらは「もうお前だけの人生じゃない」と言う。悪いな、今でも俺だけのものだ。ファンが道で声をかけてきたり、いろんなところから俺を追いかけたりする。でも家に帰ってドアを閉めた瞬間に、俺は俺だけの人生を生きるのさ。有名人は「ファンに付きまとわれてろくに外にも行けない」なんて言うが、嘘だね、いつでも出られるぞ。自分の家の周りで座ってるそいつらに「すいません、買い物に行きたいのですがそこをどいていただけますか」と丁寧に言えばさっさとどいてくれる。結局ポップスターは自分で自分を家の中に閉じ込めてるだけなんだよ。それを勝手にファンのせいにしてるだけだ。サインをして写真に映れば大喜びして終わりだろ。ただ、そういうことをしてやらない限り、付きまとわれるな、俺の経験上。

つまりあなたにとって名声なんてそれほど価値は無いということ?

ノエル:名声を得ると、愛する人と一緒にいられなくなる。それだけだ。ガールフレンド、家族、友達とかね。絶縁でもしたような気分になるんだよ。でも本当の友人なら、忙しい時期が終わる時まで俺のことを待っててくれるもんだ。バンドで活動する時期なんて、たった5,6年で、長い人生の中ではほんの一時に過ぎないだろ?だからそこで得られる名誉なんてそう大した価値は無い。

名声が交友関係を壊したと?あなたは前のガールフレンドのことを曲に書いてますね。

ノエル:ああ、でもそういう経験って曲作りには役立つよな。

たくさんの曲を作曲してますが、OASISは誰かの曲をカバーすることは考えてる?

ノエル:ビートルズの「I Am The Walrus」はカバーして、UK盤のB面に入れたよ、ライブでも演奏するしね。実は今夜のギグはその曲で締めるつもりなんだ。カバーアルバムも作りたいね。俺の場合、ギターで曲をカバーするだけで何時間でも何時間でも、本当にいくらでも時間をつぶすことができるんだよ。カバーアルバムが次の作品ってわけじゃないが、そうすることで、自分が影響を受けたミュージシャンに対して敬意を表せるだろ?

「Select」1月号で「エヴァン・ダンドーに何が起きた?」という特集がありました。あなたやOASISは、彼の「転落」に大きく関わってるようですね。ここでもう一度答えて欲しいのですが、彼に何があったの?あなた達と彼の関係は?

ノエル:友人だよ(わずかに身構えて固い調子で)。それは本当だ。やつはとても明るくてツアー中でも会いたくて仕方が無くなるんだ。少々おかしいところもあるが、気さくな男なんだよ。あいつに会うとのっけから笑い出しちまう。気があったから、ホテルの部屋でアコースティック・ギターを携えて二人きりで話したよ、一日中彼の歌を聴いた。素晴らしい声だし、曲を作る才能もあると思う。

OASISという名前の由来は?

ノエル:俺はバンドが「OASIS」になった2ヵ月後に入ったんだ。名前はリアムが、壁に張ってあったポスターからとったらしい。

有名になるという予感はあった?

ノエル:あったよ。自分にはギターの才能以外何も無いって気づいた時だ。バンドを始めたばかりの頃から、ビッグになることはわかってた。才能のあるやつがいつまでも認められない、なんてことはありえないだろう。もし夢自体抱いてなかったら、たとえ特別なことが起きなくても、なんとも思わないだろ?目標自体存在しないんだから。でも最悪なのは、夢を持っていながらそれを実現できないことだ。何よりも最悪の気分だぜ。いくら頑張っても、わかるよな、必死になればなるほど負け犬に成り下がる。俺はこう言ってくるやつらにたくさん会ったよ、「お前の書く曲なんて俺にも書ける」。それで俺は聞き返す。「バンドに入ってるのか?」「いや」「レコーディングしたのか?」「いや、してない。ベッドルームで弾くだけさ」。俺にとっては世に出さない限り存在しないのと一緒だ。議論の余地はないね。例えば俺は「自分は誰よりも絵が上手い」と言うことはできる。誰かに「作品を見せてよ」と言われても、「作品は無いんだけど、俺の絵は最高だ」と言えばいい。つまり口で言うだけなら誰でも出来るってことさ。そんなの、俺にとっては全く何もしていないことと一緒さ。

OASISの曲で、あなた自身について書いた曲は?

ノエル:「Slide Away」に「Live Forever」、あと「Rock And Rock Star」、「Married With Children」。あと新曲の何曲かは、まさに「俺」の曲だ。

つまりあなたの自伝的作品ってことですね。

ノエル:こればかりはどうしようもねえな。

元ガールフレンドに「あなたの曲はくだらないわ」に言われたというのは本当?

ノエル:ああ、言われたよ。

今のガールフレンドは、もっとあなたの曲に対して理解がありますか?

ノエル:そう、多少はあるかな。でも結局俺のガールフレンドはみんな俺の曲が嫌いなんだ。最後には結局そうなる。

歌詞に意味はないと言ってますが、本当に無いの?

ノエル:うーん、書いたのは俺なんだから、当然自分の解釈はあるよ。でもな...。曲を書く時に、最上の作品を作れるという自信を持って取り組むやつがいるだろう。そういう連中は自分自身について語るのが大好きだ。俺はその正反対で、自分がどんなに良い男か、芸術的な詩人か、そういったことを触れ回る趣味は無い。自分が書いた曲について俺自身がどう考えていようが、どうでもいいことなんだよ。音楽は「降り注ぐ雨の中で、列に並んでレコードを買う若者達」のためのものだ。俺の意見より、ファン達の持つ曲のイメージの方がよっぽど重要さ。俺がレコードを買うわけじゃないからな。確かにこれまでレコーディングした曲は素晴らしいものばかりだ。それでも決して「Strawberry Fields Foreverより素晴らしい、なぜならここの歌詞はなんたらかんたら。それとこの部分はなんたらかんたら」なんて語ったりしない。そういう風に喋り捲るのは本当に嫌いなんだ。

あなたの「座右の銘」は?

ノエル:「自らことを起こせ」。キース・リチャーズの書いた歌詞「目を覚ませ」も。「気を抜くな、前だけじゃなく後ろにも気を払え」。

あなたに不足してるものとは?

ノエル:もっとギターの練習が必要だな。ミキシングについても勉強したいし、ちゃんとNoと言えるようになりたい。何でもかんでもYesと言って、なかなか人の頼みを断れないんだ。

大切なレコードは?

ノエル:ビートルズのレコード全て。

好きな曲は?

ノエル:1曲選べと言われたら「Ticket To Ride」か「Paperback Writer」。アルバムを選ぶなら、赤か青、どちらかだね。1962年~1967年と1967年~1970年のコンピレーションだよ、わかるだろ。全ての曲を彼ら自身が選んであるから良い。だからビートルズは最高なんだ。

「Helter Sketer」がパンク・ムーブメントの幕開けだとする理由を教えてください。

ノエル:The StoogesやMC5が出てくるちょうど1年後だからさ。彼らがデビューしたのは1969年だろ。「Helter Skelter」がレコーディングされたのは1967年の終わりだ。つまりこの曲がパンク・ムーブメント最初の曲なんだよ。「Helter Skelter」を聴いた後に、MC5やThe Stoogesを聴いてみろよ、まるで同じサウンドだぜ。同じ音を鳴らしてるんだ。この曲の演奏の仕方、これこそ俺達が今知るパンクの誕生だよ。

ビートルズの次に手放せないレコードは?

ノエル:The Stoogesの1stアルバム「Kick Out The James」。そして「Never Mind the Bollocks」「Ziggy Stardust」「the Spiders From Mars」。The Jamのアルバム。The Smithのアルバム。Stone Rosesの1stアルバム。全て俺にとっては大切なアルバムだ。少なくとも俺にとっては。そしてたぶんブリティッシュ・ミュージック界においても。

今一番価値があると思う所持品は?

ノエル:ギター。俺のギターならどれでも。

今いくつ持ってるんですか?

ノエル:18。かなりの数だ。

あなたにとって役に立ったアドバイスを教えてください。

ノエル:学校で習った最初にして唯一のギターレッスンでのことだった。俺は左利きだが、右でギターを弾くんだ。先生が左利き用のギターを俺に渡して「これで弾きなさい、左利きなんだから」「右で弾けるよ」「だめだめ、無理よ」。そしたら母さんが俺を教室の外に連れ出して、右利きのギターを手渡し、「外に行って、あなたが弾きたいように弾きなさい」と言ってくれた。これが俺が今までで得た最高のアドバイスだね。

ビートルズの中では誰のファンでした?

ノエル:ジョン・レノン。でもあまり分け隔てはしなかったよ。なんせみんなソロになったとたん、そろって駄目になっちまったからな。ビートルズが解散して、ジョン・レノンはその中でも、まあ、なかなか良い感じだった。ジョージもしばらくは良かった。彼らはビートルズで、解散したとたん、何もかも終わったんだ。マジックは消えたんだよ。

言葉と音楽、どちらが先に出てくる?

ノエル:音楽。

そちらの方に魅かれますか?

ノエル:間違いなく音楽。歌詞も本当は書きたくないんだ、他のメンバーが書いてくれるんなら、俺は書くのをやめるよ。歌詞を書くのはかなり苦労するんだけど、メロディを編み出すのはとても簡単だ。歌詞は、全て意味が通るものにして、馬鹿らしく聞こえないように考え、最後の部分まで破綻しないように書き上げる。相当難儀な作業だろ。コーラスもつけるとなるとそれも新たに作らなきゃならない。

いつもそれで悩んでるの?

ノエル:いや、出来る時は20分で出来るよ。でも「Rock And Roll Ster」は何時間かかったか覚えてない。何時間も何時間も何時間も何時間もこれ1曲に費やしたんだ。「Live Forever」や「Slide Away」は20分。この2曲や「Mariied With Children」は、その時の気持ちをそのまま書いたものだから、簡単だったな。ただ書き留めればいいわけだから。でも「Rock And Roll Ster」について書く時、ロックスターになることを想像しながら書かなきゃならないだろ?そりゃ時間もかかるさ。

ステージに立って、感動したギグは?

ノエル:ニューキャッスルでの初めてのギグ。プレストンでのギグも。いろんなグラスが飛び交ってたよ、炭酸水にビール。

会いたいんだけど、会いたくないというジレンマに陥った有名人はいる?

ノエル:ポール・ウェラー。マジで憧れてたんだ。神のように思ってる人に会う時って、もし実際に会ってくだらねえやつだったらどうしようと不安になるだろ?癇に障るようなことを言ってきたらどうしようかなとかさ。でも彼は違った。今では親友だよ。

あなたにとって一番恐いことは?

ノエル:退屈。

これまで聞いた中で真実に迫ってると思った言葉は?

ノエル:「さっさとこの荷物を運びやがれ!そしたらお前もちょっとはマシな人間になるだろうよ」ってのは冗談で、うーん、ジョン・レノンが言った「今この瞬間、俺達は神よりも有名だ」かな。

まだやりきれてないことは?

ノエル:シングルで1位をとること。マンチェスター・シティのために作った曲をU2と一緒に演奏すること。ジョージ・ハリソン、ポール・マッカートニー、ミック・ジャガーに会うこと。ストーンズと演奏すること。音楽に関する全てのこと。Crazy Houseとも一緒にセッションできたし、ポール・ウェラーのニューアルバムにも参加できた。だから残りの夢もこれからどんどん実現していくことになるだろうな。

あなたにも答えられない質問ってありますか?

ノエル:『人生の意味って?』。

目撃したかった歴史上の出来事は?

ノエル:ビートルズ最後のギグ。それかビートルズ最初のギグ、ビートルズのギグなら何でも。それかセックス・ピストルズのギグ。最後のギグはビデオで見てるんだけどね。あと1969年ごろのストーンズのギグ。Rock’n Roll Circusも見たかった。マンチェスター・シティが何でもいいからトロフィを獲得するところを見てみたい。そんなところかな。

家族に言いたいことは?

ノエル:俺のアルバムを買って、もっと大金持ちにしてくれよ。

もう大金持ちでは?

ノエル:まさか、まだまだ足りないぜ。