発売されるOASISのDVDについてですが、いつも撮影は面倒くさいといってますよね。シングル「The Hindu Times」と一緒にOASISとしては初めてDVDをリリースします。PV撮影よりは楽しかった?

ノエル:正直に言っていいんだよな?これまで経験した中でも最大級の苦痛だったぜ。俺は機械に詳しくないからDVDがどういうものかよく知らないけどさ。俺達の場合、何かをやろうとする時、新しいメディア媒体がないか検討するんだ。そしたらDVDがそこにあった。「待てよ、DVDとやらのために俺達は何をしなきゃならないんだ?」「ええと、君達は…」。つまり新しいフォーマットが出てきたら、新たに仕事が増えるってことなんだよ。でもこれだけは言わせてくれ。シングルと一緒にDVDを発売するのはとても良い考えだね。色々見れるだろ、PV撮影が最高だと言ってるんじゃないぜ、あれはうっとおしい。でも映像を見るのは楽しいだろ、バンドや曲について新たな発見ができるからな。去年のツアーのバックステージを入れてあるんだ。かなり面白いぜ。俺達は酔った状態が当たり前なんだけど、DVDの撮影でもそれは変わらず、周りにはいつも酒があった。笑えるね。でも来年もDVDを出すかは分からない。その時はまた違うフォーマットが出てくるだろう。エレクトロニック企業の陰謀だな。

スーパーCDって聞いたことある?

ノエル:スーパーサウンドCD…ああそうだ、俺、それ、今朝聞いたんだよ。俺達のこれまで出したアルバムもそれにリマスターされて再発されるんだ。でも俺にとっては、「なんだ?スーパーCDって」「CDより音がいいんだとさ」「へえ、でも15年前はCDより音が良いものはないと言ってただろうが、嘘吐き野郎!」。何がどうなろうと、大事なのはバンドだ。どんなに音がよかろうと、みんなが金を払うかどうかは、バンド次第だろ。だからこそ自分の作品には積極的に関わるべきだと思う。もしそうする気がないなら、仕事を依頼した人を心から信頼する必要があるけど、そういうのはなかなか難しいことだから、俺達の場合は自分でこのDVDを作ったんだ。でも、広告やら何やらくだらないものには一切関わってないからな。

OASISのウェブサイトをどう思う?

ノエル:オフィシャルウェブサイトがあるな。でもそこに何が掲載されてるのかは本当に知らないんだ。ファンがメンバーに対する思いや、曲に対する意見を述べる場だろ?俺は、絶対に、これまで一度もサイトを覗いたことはない…。覗いたらファンに説教する羽目になるからだ。子供の頃に好きだったバンドを思い出してみろよ、例えばThe Smith。「The Queen Is Dead」が発売されて2,3年何の音沙汰もない。そしたら「解散したんだろうか?」とか「スタジオにこもってるのかな?」と思いを馳せるだろ?でもなんでも無駄に速い今では、Radioheadみたいにスタジオにクソウェブカムがあって、アルバムをレコーディングする様子が映される。そしてなんと日記まで書きやがる。「今日は、良い曲ができたんだ。名前はまだついてないけれど。そしてトムはとうとう喉をつぶしたらしい」ってな。あまりに情報が多すぎるんだよ。わかるだろ…俺なら、バンドがどうやってレコードをつくってるかなんて知りたくないし、俺がどうやって曲を作ってるのかも知られたくない。ファンにスタジオで馬鹿なことをしてるところを見られたくないしな、例えばベッドから起きたばっかりの時とかだよ!あれは見るべきじゃない。メディアがあまりに情報を与えるもんだから、音楽から魔法がきえちまった。ファンが俺のウェブサイトに来て、お互い意気投合するんだろ。なんかちっちゃな絵文字とか使ってな。でもそういうことしても俺達と話せることはないんだからさ。話したとしてもこんな感じだぜ。「あの素晴らしいギターソロはどういう風にレコーディングしたんですか?」「お前には関係ない」、終了だ。スタジオのウェブカムにしても、音楽を作る過程であまりに情報が錯綜しすぎだ。ぞっとするね、恥さらしだ。もし俺達の様子がウェブカムに写ったら面白いと思うけどな。みんなそこらへんに座って飲んでるだけだから。きっと笑えるぜ。でも今ウェブカムで見れるのはRadiohead…あいつらのレコーディング風景…自分の忍耐力を試してみるんだな。

サイトでは、全ての曲の歌詞が見れますよね。

ノエル:リアム用さ!

ファンが、サイトを見ながら曲を練習する光景は好き?

ノエル:演奏するってことか?もちろんさ。俺もビートルズの本で練習したからね。本にコードが書き下ろされてなかったら練習できなかったと思うよ、あまりに複雑だから。ギターの先生ってのは難しく教えすぎなんだよ。ただ「これが楽譜だ。どっかに行って自分で弾いてみろ」と言えばいいだけだろ。それでCにFにGにAマイナーと見つけていけば、自然にバンドを始めるさ。

それなら、サイトは悪いことばかりではないのでは…

ノエル:ああ...俺が言ってることは矛盾してるぜ。

でもサイトを持つ意味がちゃんとあるんですよね…

ノエル:バンドがサイトを持つのは宣伝活動のためだ。そして俺はそういう「情報社会」の一端を担う気はない。オフィスで働くやつらを見ろよ。みんなE-mailばっかりやってやがる。「送ったファックス受け取った?」と直接言える距離にいながらだぜ。みんなみんなE-mailだ…ありゃ一体何の意味があるんだ?朝起きたらガールフレンドにこう送るのか?「おはよう、ってメール送ったんだけど届いた?」「ああ、ごめんなさい、今からチェックするわ」。くだらねえ…馬鹿らしいぜ。

今回のアルバムでは、リアムが3曲、ゲムが何曲か…半分の曲はあなたの作品ではないですね。作曲を譲るまでになったの?

ノエル:あれがリアムの初めて書いた曲じゃないだろう。4thアルバムでも1曲書いてる。「Little James」を入れたのは、あいつの背中を押してやるためだ。OASISで俺以外に曲を書くとなったらリアムだろうといつも期待されてたからな。「よし、ビッグマウス君。アルバムにあの曲を入れてみんなの評価を聞いてみよう」。そして今度は「よし。ぜひともお前の曲をレコーディングしよう」「ああわかった、でもあんな曲で良いのか?」「お前の曲は確実に進化してるぞ。それにこの10年間、俺の曲より自分の曲が良いと言い続けてきたのはお前のほうだろ」。で、完成させたら素晴らしいものができた。だから、俺が、アンディやゲム、リアムに作曲の機会を与えてやった、とは思ってほしくないんだ。あんなに良い曲を書けるんだからね。リアムの3曲は、アルバムに入らなかった俺の3曲より良い出来だよ。シンプルで。一番良い曲がシングルになる、それが誰の作品かは関係ないんだ。俺は誰よりも、そして誰の作品に対してより、自分の作品に厳しい。だから他のメンバーが俺を恐がって「こんなのノエルは気に入らないから、弾かないでおこう」と遠慮するのは馬鹿げてる。リアムの曲は俺達が手をつける前は全然違う曲調だったんだ。あいつ、楽器が弾けないだろ。だから全部頭の中だけで組み立てるんだよ。そういえばリアムはアコースティックギターがちょっと弾けるか、俺の曲だけだけど。一方俺は、スタジオに入って、デモを自分だけで作れる、なぜなら、ドラムもベースもキーボードやらなんやら全部演奏できるからさ。だから俺がリアムの曲をちゃんとした形にしてみんなに聴かせたんだ。「何曲か作ったから聴いてくれ」ってな。リアムと作業する場合、アイディアは全てあいつの頭の中だから、どうにかそれを引き出さなきゃならないわけだ。あいつはいつも、「違うよ、こういう音じゃない」と言って、俺が「じゃあどういう風にしたいんだ?」と聞く。でもあいつは上手く音楽用語で答えられないんだ。そういうのに雄弁なタイプじゃないからさ。俺はそんな風にあいつの曲をレコーディングするのが好きでね。どうにかリアムの頭から答えを引き出して、次はどうしてほしいのか考える。リアムは「こういう風にしたいんだ」と言う。そして実際にやつの目指すものにたどり着いて、リアムの「そう、これだよ」という言葉を聞く瞬間は本当に素晴らしい気分だよ。達成感がある。俺自身の曲の場合はどんな楽器でもできるから、デモを作るのもなんてことないんだ。ゲムと一緒の時もだな、やつも全て出来るから。俺達はみんな同じような境遇に暮らしてきたんだ。みんなワーキングクラスってことさ。だから同じような音楽を聴き、同じようなことに影響を受けてる。そのことが俺達のアイデンティティを形成して、OASISというロックンロールバンドを形成してるんだ。ベータ・バンドでもゴメスでも他の何でもない。ただ常にOASISだけの音を探してきた。ラジオでこういう紹介を聞くのが嫌いだね。ビーチボーイズの曲だと思って聞いてたら「ということで、マニック・ストリート・プリーチャーズでした」というのがさ。俺はマニックスの音を出すマニックスを聴きたいんだ。ビーチボーイズの音を出すマニックスなんて聞きたくないんだよ。マニックスがどう間違ったかそういう変な気を起こすこともあるかもしれないが、それはやつらに問題ありだな、そうだろ?つまりさ、ボブ・マーリーのようなニール・ヤングのニューアルバムなんていらないだろう。そういうことさ。とにかくそういうのは嫌いだ。みんなを混乱させるだけだね。OASISはファンを迷わせたりはしない。

来年のツアーではようやくあなた達に会えるんですね。

ノエル:今週はアルバムの発売に合わせて、4、5のギグをこなした。イタリアやスペイン、ストックホルム、フランス。次行くところはベルファスト、フィンズブリーパークかな。7月の終わりから8月のはじめにヨーロッパでツアーをする予定だよ。まだどういうセットリストにするかも決めてないんだ。時期が決めたらもちろん万全な状態にするけどね。早く帰りたいよ、前のツアーではヨーロッパでは満足なことをしてないからな。つまり「Be Here Now」以来の帰還ってことになるか。これまでの俺は毎晩毎晩馬鹿なことばかりやってきた。だからファンへの借りを返すためにも、1つや2つ最高のギグをやってやるさ。必ず。後は日程をちゃんと決めるだけだ。