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http://www.spin.com/articles/spin-interview-noel-gallagher

彼はOASISのフロントマンではない。その座はたぶん、弟のリアム・ギャラガーにあるのだろう。

しかし、ノエル・ギャラガーは恐れることなくビッグマウスを繰り出す。

「10年前、俺達はマイク越しにあらゆるところでこう宣言していた。俺達は世界最高の創造物だと」。

そして、ノエルはこう続けた。

「今も俺達は、密かにそう信じてるんだ」。

晴れやかな顔をして、ノエル・ギャラガーがノースロンドンにあるフォトスタジオを横切って歩いてくる。スリムで健康そうな身体は、カジュアルな洋服に包まれる。ブルーのチェックシャツ、ジーンズ、そしてデザート・ブーツ。

「Dig Out Your Soul」の発売が間近だからでも、1歳になる「ダイアモンド」、ドノヴァンと朝に遊んできたからでもない。夢遊歩行という技を獲得したからなのだ。

「昨夜は確かにサラと一緒にベッドに入ったはずなのに、朝起きたら2階のソファにいたんだ。すげえだろ!俺は41にして、新しい夜遊びを始めたんだ」。

昨晩、ノエルとガールフレンドのサラはラッセル・ブランドと一緒に、翌朝までビールやテキーラを飲みに出ていたのだという。ロンドンのソーホーで、人力車の中に乗り込み、道々から喝采を送られたそうなのだが、そのことも全く覚えてないノエル。

「たぶん酔っぱらって意識が朦朧となってたんだろう」。

冗談めかして続ける。

「これも夢遊歩行と同じようなものかな?」。

「Dig Out Your Soul」は、「ロック」もしくは「さらにロック」とラベルされた原料ばかりを集めて作られたという印象を受けます。

ノエル:そう言ってくれて嬉しいよ。そうだ、ロックンロール・アルバム・・・それもグルーヴを持ったやつを作りたかった。レコーディング作業は楽しくな きゃならない。「In Rainbows」が発売された時、UKの雑誌の表紙にこう載ってたことを覚えてるよ。「レディオヘッド:あの苦しみと言ったら。『いい加減にしてくれ、 俺をわずらわせないでくれ』と思ったものさ」。苦しみ?アルバムを作るのに?賛成できねえな。楽しめないなら、最初から作るべきじゃないぜ。

でも 全ての過程で、全く苦しみがなかったというわけではないでしょう。

ノエル:うーん、そうだな、1度だけ問題が持ち上がったことがあった。当時俺が推していた曲が7曲あったんだ。ポップソングじゃなくて、ブルージーなやつ だった。ミーティングで、俺が「もっとベースとギターに重点を置こう。それともっとキーボードも盛り込んで、リミックスもいくつかやろうぜ」と言うと、リ アムがすぐに不機嫌になってこう言いながらスタジオを歩き回るんだ。「ダンスアルバムを作るなんて話、俺は聞いてねえぞ!そんなの興味ねえ!俺達はロックバンドだ」。ある時は、クルー達がキーボードをスタジオに運び入れているのを見て怒ってたぞ、「あのファッキンキーボードをどうしろって言うんだよ?ロッ クンロールバンドのスタジオにしちゃキーボードが多すぎる」。あいつはいつまでああいうことを言い続けるんだ?リアムはキーボードに対して理不尽な恐れを 抱いてるのさ。でもあいつは、「Wonderwall」を最初、ダンスミュージックだと思いこんでた男だからな、ただドラムがどかどか鳴ってないってだけの理由でさ。OASISに依存してるんだ。あまりに長いことやってきたからな。俺、ゲム、アンディは、あいつの「I’m Outta Time」をアレンジするのを手伝ってきたんだ。お決まりの展開に陥らないようにね。でも結局、リアムはその誘惑に負けちまった。

リアムは「Wonderwall」が嫌いと言っていますね。言葉通り、歌うのが嫌いなんでしょう。

ノエル:興味深いね、だって俺に向かってそう言ってきたことは1回もないんだぜ。そうだな、俺もあいつが歌う「Wonderwall」は大嫌いだ。リアム は10年前みたいには歌えない。声も身体も変わってくるんだから、それは仕方がない。俺達があの曲を正しくやれた試しはないんだ。いつも遅すぎるか速すぎ るかのどっちかに偏るんだよな。俺が思うに、ライアン・アダムスが一番適任だと思うね。彼のバージョンは良い。でも6万人のOASISファンを前にすると、話は変わってくるね。

リアムのソングライティングにおいて、ついに一人前に仕事ができるようになりましたね。今回のアルバムには3曲収録されています。

ノエル:ああ、ソングライティングとしての腕は良いよ。もっと早く書き始めればよかったと思ってるだろう。俺は昔から、「自分のことをジョン・レノンだと確信しているなら、証明してみろ」と言ってきたんだ。

どうして共作をしないの?

ノエル:俺達が顔を合わすことは滅多にないんだ。それに俺は一人で書くのが好きなんだよ。俺とポール・ウェラーは、1993年ごろに「一緒に曲を書こう」 と話したもんだが、実行に移すのに15年かかっただろう。ウェラーとは、某スタジオで朝の11時に会う約束をしたことが2,3回あるんだが、悲惨だったぜ。ぽかんとお互いの顔を見つめあうだけだ。仕方ないからそのままパブに直行。だからリアムとなると、どこから手をつけたらいいかわからないよ。

90年代の終わりにドラッグをやめたんですよね。「Bag It Up」はとてもサイケデリックで、もしや気分を変える物質でも使ったんじゃないかと思うほどなんですが。

ノエル:そうじゃない。「Bag It Up」は、俺のアート・メッセージみたいなものさ。コールドプレイ的なメッセージじゃなくてな。アンチアートなメッセージっていうのかな。カサビアンの サージとよく一緒に飲むんだが、彼がよく聴くというCDをもらったんだ。そこにThe Pretty Thingsの「Baron Saturday」が入っていた。聴いたとたんに、その力強いリズムの虜になってしまって、昔のトリップ体験について曲を書こうと思いついたんだ。マジックマシュルームでぶっ飛んだクソ野郎状態になって走り回った時の体験にインスパイアされて書いたのが、この歌詞だ。これをアートだとは思ってほしくない けどな。

どういう意味?

ノエル:うん、コールドプレイとレディオヘッド、あいつらはアーティストだろ?デーモン・アルバーン、やつもアーティスト。芸術を創っているんだ。とにかく、俺はそう聞いている。そういうバンドは実際好きなんだが、みんなアートスクールに通ったお坊ちゃん達だろ。一方俺達は公共団地出身だ。音楽はここ から出てくるのさ(親指で心臓の位置を指す)。だから、「Bag It Up」はアンチアートってわけ、高尚な曲じゃないんだ。

あなたの昔のライバル、デーモンは、Blurだけでなく、マリでアルバムを作ったり、GorillazやThe Good, The Bad&The Queen、そして今はチャイニーズ・オペラに挑戦しています。「俺ももっと色んな活動が出来たら」と思うことはない?

ノエル:俺がやり残しているのは、ソロアルバムだけだね。物語風に流れるものを作りたい。ニール・ヤングの「Greendale」みたいなのをね。あの作品が一番、俺の作風に近いと思うんだよな。でももしやりたかったとしても、どうやってオペラを書けっていうんだ?

主題はすぐそこにあるじゃないですか。兄弟、仲違いの悲劇。

ノエル:2人の男が16年間同じことで繰り返し喧嘩をする様子なんて、オペラ向きじゃないぜ。主題はOASISだな。めちゃくちゃ短い劇だ。オペラ 歌手の方が歌うのを嫌がりそうだけどな。でも何の嫌味でもなく、こうは言える。色んなことに手を伸ばせるというのは、とても楽しいことだと思う。俺自身はそこまで乗り気じゃないけどね。ブリットポップから、人間にかしずく猿がテーマのチャイニーズオペラになんてさ(訳注:西遊記がテーマである)。俺には出来ない。良い評価を得るだろうよ、猿がテーマのチャイニーズオペラの良さをどう評価するのか、俺には考えも及ばねえけど。いちおう言っておくが、デーモンは Blurでも、GorillazでもThe Good, The Bad & The Queenでもないだろ。時間を持て余してるのさ、それでオペラなんてやる気になったんだ。

ニューアルバムはグルーヴのあるものにしたかったとおっしゃっていましたね。それでもJay-Zがグラストンベリーのヘッドライナーをすることは「間違ってる」と発言した。

ノエル:そんなこと言ってないさ。今から俺が言うことを一語一語しっかりと書けよ。俺はアメリカの雑誌からインタビューを受けた。そこが言うには、俺は 「Jay-Zはグラストンベリーに出る資格はない、たわ言だ」と言ったらしい。そして、移動後、飛行機から降りると「グラストンベリーフェスのチケットが まだ売れ残っていて、これはJay-Zのせいだというのは本当か」と、誰かが俺に聞いてきた。俺は無邪気に喜んで「たぶんそうだろう」と答えた。そこから 話がずいぶん大きくなって、いつの間にやら俺はスピーカーズコーナーのミカン箱の上に立って、「兄弟たちよ、ここに集まれ。今年のグラストンベリーで何が 起きたか知ってるか?」と演説する羽目になったのさ。

それにしても、あなたの発言は、保守的というか古風に過ぎるように思えますが。

ノエル:これが俺独特の言い回しなんだよ。俺が「マクドナルドでチキンサンドウィッチを売るなんて、明らかに間違ってる」と言ったからといって、俺が全てのチキ ンやサンドウィッチを攻撃してるわけじゃないんだ。俺は東京でJay-Zと会ったことがある。ショーも見たことがあるんだ。俺の趣味じゃないが、許せる範囲内だな。クリス・マーティンが共通の友人なんだ。つまり、俺はヒップホップは嫌いだしぞっとするが、だからと言って、ラッパーや、ヒップヒップが好き な連中を嫌いなわけじゃない。80年代には、The Def Jamのマンチェスターでのツアーにも行ったことがある。まだヒップホップが俺にとって意味のあるものだった時さ。パブリック・エネミーは素晴らしかったね。でも今じゃ地位や外見のことばかり歌ってる。ってことで特に言いたいことはないな。

ヒップホップファンにも、OASISは受け入れられると思う?

ノエル:ああ。イングランドでは、白人のワーキングクラス層というのは恐れられている。そしてOASISはそのワーキングクラスの音楽だ。だからヒップホップとはたくさん共通点があるのさ。お互いにショットガンを撃ち合ってるやつらは別としてだが。

これまでのキャリアで、一番後悔していることは?

ノエル:「(What's the Story) Morning Glory?」を出した時点で辞めれば良かったなあ。「Be Here Now」を作り出した時点でも、まだビルボードチャートの5位にいたんだぜ。誰か頭の切れるやつに、さっさと辞めて他の職を探せと言ってほしかったよ。で も俺達は若さとコカインに酔ってた。全てはさらにでかく、もっと良くなると思っていた。「Be Here Now」は名作だと言ってくる人間しか周りにいなかった。金の卵を抱えた稼ぎ頭を応援しないやつはいないだろう。

トニー・ブレアとの対面はどうでした?

ノエル:俺は水晶の球を持ってるわけじゃないからさ、やつが後々クソ野郎に様変わりするとは思ってもみなかったぜ。俺は30で、頭はドラッグに浸かって て、みんなが代わる代わる、OASISは歴史上最高のバンドと騒いでいた。そこに、首相がワインを飲まないかと誘ってくる。全てがトリップした中での出来 事みたいだった。行かないわけにはいかないだろう。たぶんおふくろは大笑いしたに違いないぜ。そして俺は「俺はこの政府のポリシーに尽く反している」なんてちっとも考えずに、やつに会いに行ったのさ。そして1997年の「Be Here Now」以来、OASISの楽観主義の音楽は終わったんだ。

一体何があったの?

ノエル:スーパーノヴァ・ハイツをじっくり見渡していたら、いつも20、30人の人間がたむろってることに気づいたんだ。みんな他人。しかも、あまり気分もハイにはなれなくなってきて、神経がたかぶってイライラしてきていた。それでまずは1週間、酒とドラッグをやめようと決めたんだ。1週間が、2週間、そして 6週間まで伸びた。今度は、しらふ中毒になってたぜ。その後は、邪魔なやつらに「出て行け、お前らとはもう終わりだ」と言って回った。1995年から 1997年。本当に素晴らしい時代だったよ。けれど、長く続けていいような状況じゃなかったんだ。

ドラッグを使わずに書かれた、OASISの名曲は?

ノエル:ないね。1997年より前に、コカなしで曲を書いたことなんてないよ。いいか、俺はバンドに入る前からドラッグをやってたんだぞ。Inspiral Carpetsのローディを3年間やったんだ。その時何をしていたと?ミネラルウォーターを飲んでクリスプ食ってたと思うか?最初の3枚のアルバムに入ってる曲は全部ラリって書いたやつだ。ぶっ飛んだ状態で楽屋に戻れば、10分で曲が浮かんだ。それが「Supersonic」さ。3枚のアルバムとB面は全部ドラッグで書いた。だから出来が良いだろ。だからイラつく。こう思うんだ。「またドラッグをやった方がいいかもしれない。そしたらまた最高の曲が書けるかも」ってね。1秒もしないうちに考え直すけどな。

悲しいですよね?自分が作った最高傑作に悩まされるなんて。

ノエル:そうでもないさ。最初の2枚のアルバムは、イギリスでも名作扱いだよな。でも「Be Here Now」は、傑作じゃない。今じゃ俺には子供もいる。父親がドラッグ中毒ってわけにはいかないんだよ。ふざけてる。そうあるべきじゃないね。

OASISの名曲は数え切れないほどありますが、歌詞で価値を落としてる面もあるのでは。「The Masterplan」とか「Champagne Supernova」、「Don't Look Back In Anger」など。もっと意味ある歌詞を書けばよかったと後悔することはない?

ノエル:「The Masterplan」の歌詞ってそんなに悪いか?

「And cast your words away upon the waves/Bring them back with Acquiesce on a ship of hope today」(波に言葉を吐き捨てて/Acquiesceを歌いながら希望という名の船と共に舞い戻る」ところとかね。

ノエル:実際できるじゃないか、そういう名前の船で船出することはさ。ドラッグでラリってればの話だけどな!じゃあ、トム・ヨークの歌詞は何なんだよ?「Creep」はまだいいとしてだぜ、あれはおたくやら変人やら学生連中のアンセムだからな。お似合いさ。でも俺達の曲だって「Live Forever」がクソだとは言えねえだろ?あの歌詞は非のつけどころがない。

ニューアルバムのタイトルは「Dig Out Your Soul」ですね。

ノエル:ソウルミュージックをかけるDJってところさ。「自分の魂を見つけろよ、ほら行くぞ」ってな具合にね。でも自分を見つけろという意味も込めてる。アルバムのタイトルごときで悩ませないでくれよ。ほら、「In Rainbow」(訳注:Radioheadの新作のタイトル)って何なんだ?一体どういう意味なんだよ?「虹の中に」なんていることできるのか?全ての道は虹に通ずってことか?Radioheadは進む方向を間違えた理由はここにあるな。この世の楽しいことがついえた時に、トムがみんなを虹の中へと連れて行っちまうわけだ。この世が苦しいのはあいつのせいだぜ、みんな。

Radioheadは、OASISが成し遂げられなかったことをアメリカでやってのけたわけですが、悔しくありませんか?


ノエル:別に。おめでとうって感じだね。本当に。でもこれは言える。俺達の方が楽しそうだろ。Radioheadのギグを見た次の朝ってどんなだと思う?OASISと過ごしたほうがよっぽど良い気分さ。

これまでで一番恥ずかしかった体験とは?

ノエル:カリブ海にあるマスティク島に行ったことだな。ミック・ジャガーとかジェリー・ホール、ジョニー・デップ、ケイト・モスとな。それで「Be Here Now」を書いたんだ。まず動機が不純だった。「D'You Know What I Mean?」の始まりはああいう状況じゃなきゃ出来ないね。何より音楽じゃない。飛行機が着陸する音だぜ。あれは、あの時借りてた家の近くにあった空港の滑走路で録音したんだ。それに、当然のことだが、あの時はこれまででとてつもなく最高のレコーディングだと思い込んでた。ロンドンのソニーにテープを送って、会議室に集まったお偉いさん方はステレオを囲んで「この馬鹿野郎どもは、この10年で最大の期待を背負っていながら、飛行機の着陸する音を録音したってわけか」なんて思ってたわけだ。

ミックが賢明なアドバイスをくれたりは?


ノエル:しなかったな。ケイト・モスとシケこむのに忙しそうだったぜ。

「Standing On The Shoulder Of Giants」は、落ち目のアルバムでした。今聴いてもとてもダークなサウンドですね。


ノエル:確かに落ち目だったな、前作と比べると-800万枚の差だ。でも曲の歌詞は真実を語ってる。「Gas Panic!」は、コカイン中毒から抜け出す時の神経過敏で恐怖に満ちた感じを歌ってる。売り上げは60万枚くらいだったかな。みんなはコカイン中毒ががなり立ててる「Be Here Now」を900万枚買ったのさ。

今回のニューアルバムでもあの時と同じ要素を感じます。「Ain't Got Nothing」では、2002年12月にリアムがミュンヘンのホテルバーで襲われた事件を歌ったものですし...

ノエル:笑い死にしそうだったぜあの時は。

...そうですか。事件の後、彼は本当に苦しんでいたんですよ。襲われて殴られて、それなのに全ての責任を負わされて。

ノエル:リアムが言うにはな。バーにはどれだけの人がいたと思ってるんだ。朝の5時、ドイツのバーで酔っぱらったマンキュニアンが11人だぜ。本当は何が起きたのかなんて誰にもわからないさ。わかるのは、バーの踊り場で喧嘩が起きて、終わった時にはリアムの歯が蹴り折られてたってことだけだ。

でも曲の中で「俺は無実だ」と書くくらいなんだから、それなりの理由があるんでしょう。自分の弟を信じないんですか?

ノエル:何だって?お前本気で言ってるのか?あいつは生まれながらの大嘘つきなんだよ。俺はミュンヘンにいなかったから、誰も責めやしないさ。じゃあ聞くぞ、ことが起こった時、リアムがグラスを片付けたり老婦人を2階に避難させたりする方に回ったと思うか?答えはお前に任せるよ。

兄弟仲について、Kinksのレイ・デイヴィスやBlack Crowesに相談してみてはどうでしょう。

ノエル:ったく、くだらねえ。俺達は上手くやってんだよ。18年間もだぜ。「Definitely Maybe」ツアーの途中、クリスマスまで時間ができたんだ。その時1度だけ本当にあいつを殺そうとしたさ。でも今回のレコードは本当に良く出来てると思う。俺はもっと称賛されてもいいと思うんだよな。リアムに20年間も仕事を与えてやってるんだぜ。OASISがここまで続いてなかったら、あいつは今頃24時間看護されてる身になってたはずだ。

今でも朝の4時に電話をかけてきてわめき散らすの?

ノエル:ああ、そうだよ。酔っ払いの八つ当たりさ。しかも、携帯電話の使い方を覚えて、テキストも送ってくるんだ。朝に目を覚ますとメールが12件も入ってる。リアムだよ。何だろう?「666」とかそういうのばかりさ。次の日、あいつに話すんだ。「昨夜おかしなことが起きたぞ。悪魔から大量のメールをもらったんだ」。きっと何も覚えてないって抜かすだろうな。でもあいつの送りたいメッセージなんていつも同じ、「このクソ野郎」さ。

リアムは、バンドの「魂」と表現されることが多いですね。

ノエル:うん。まあ、後ろに立ってあいつを眺めてると、そう思い込んでる節はあるみたいだな。

Rolling Stonesでいえば、自由奔放なキース・リチャーズがリアムで、職業意識のあるミック・ジャガーがあなたでしょうか。

ノエル:そういうことは言うなよ、冗談でもだ。俺はミック・ジャガーじゃない。キース・リチャーズでもない。俺はビジネスマンとしては最悪だよ。信用した人間と仕事をするだけだ。本当なら、契約書を全部バッグに入れてベッドの下に保存していたほうが都合がいいはずだろ。金を稼ぐことに興味はないんだ。俺の才能がそうさせてしまうのさ。罪だな。

リアムは、ニューヨークにあるオノ・ヨーコの自宅を訪ねた時、自分の身に何かが起こったと感じたそうです。「レノンの降臨」ってやつでしょうか。

リアム:「ってやつ」だと?マジで言ってんのか?あいつの話では、ヨーコの家で冷たいものが触れるのを感じたらしい。だからエアコンのせいだろって説明したんだよ。ちょっと夢中になって暑くなったヨーコが-16℃くらいに設定したんだろ。でもリアムはそういうことをすぐに信じちまうんだ。俺は疑い深いけどさ。ゲムもリアム寄りだな。アビーロードでレコーディングをした時、Beatlesゆかりの場所ということで特別な何かを感じたそうだ。俺にしてみれば、古臭い機材があるスタジオってだけで、おかげで機材を一から運び入れなきゃならなかったのにさ。

Beatles思い出の品などは持っていますか?

ノエル:ジョン・レノンがウェーブリッジの家で使ってた絨毯は買ったよ。でも今はどこにあるかな。初めて印税が入った時は、くだらねえことに金を使っちまうもんさ。エルヴィスのヘッドフォンも持ってるぞ。サザビーズ・オークションで買ったんだ。それを使って何を聴きたかったんだろう。たぶん(エルヴィスの低い声を真似て)「みんなありがとう」って声を聴きたかったのかもしれない。買ったあとに気づくんだ。こりゃただの古ぼけたヘッドフォンにすぎないってね。

一番誇りに思っていることは?

ノエル:いまだにOASISを続けてること。辞めようとしたことが10回はあったからな。リチャード・アシュクロフトみたく「ファックユー。お前もお前もだ。俺はもうやめた」と言ってね。でもそうはしなかった。それに、今でもレコードを作ることが大好きでしょうがないんだ。

The VerveにThe PoliceにLed Zeppelin。あなたなら、彼らに喧嘩、解散、再結成などについて説教の1つや2つぶてるのでは?

ノエル:喧嘩は仕方ないさ。でもどうして1回辞めて顔背けあってながら、10年経って再結成するんだ?くだらねえ。俺とリアムは不幸な結婚をしたようなもんさ。それをお互い受け入れて一緒にいるんだ、子供達のためにね。