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ノエル・ギャラガーは、好き好んで喧嘩を売ろうとは思えない相手だ。人生をジェットコースターにたとえてみれば、ノエルはBizarroやMillennium Force、Nitro Ridesを合わせて1つにしたタイプのジェットコースターを余裕で乗りこなすような男なのだから。

「ビデオ撮影をすっぽかしたり、スタジオから追い出されたり。ベースプレイヤーがやめたりさ。俺達は世界一ビッグなバンドにまさになろうとしていたんだ。そういう無礼なことを常識的な範疇でやっていた。それで良かったと思ってるよ」。

最近のインタビューで、ノエルはこのように答えている。「常識的範疇」という言葉を使ったところから、彼がどれだけの威嚇射撃に耐えてきたかがうかがえる。それは何もプレスやデーモン・アルバーンなどのライバル達からだけではない。バンド内、特に弟リアムの存在があった。

二人の喧嘩はもはや伝説となっている。たとえば「Wonderwall」のレコーディング中、ドラムの入り方でもめたノエルとリアム。

「長いこと堂々巡りを繰り返して、リアムがとうとう歌わないと言い出したんだ。今考えればどうかしてるよな」。

内輪もめは絶えず火花を絶やすことなく、2000年にはノエルがバンドを一時離脱し、1ヶ月後に再び復帰した。しかし、去年8月、フランスのRock en Seine Festival出演直前の喧嘩でついにノエルの我慢も限界に達する。会場には「バンド内で揉め事があったため、OASISのギグはキャンセルとなります」とのお知らせが流れた。

その後、ノエルは次のようなメッセージを公開している。

「ちょっと悲しいけど何よりほっとしている。俺は今夜OASISをやめる。みんな色んなことを言ったり書いたりするんだろうが、これ以上一日たりともリアムと一緒にはやっていけない」。

しかし、OASISがこの内紛騒動と共にロックンロールの歴史上最大のバンドに登りつめたことも事実だ。UKシングルチャートでNo.1を獲得した8枚のシングル、UKアルバムチャートでNo.1を獲得した7枚のアルバム、Brit Awardsの獲得回数6回、総計7000万枚のレコード売り上げ、2010年度のギネスブックには「UKチャートTop10内最長維持記録」「1995年-2005年の10年間で最も活躍したUKのアーティスト」として名前が記載されている。そんなバンドになるためには、特別な何かが必要だったのだ。

OASISはその「何か」を持っていた。ボン・ジョヴィの「Livin' On A Prayer」以来、最も歌いやすく耳に残るスタジアム級のアンセムを、彼らは持っていた。

今年2月、リアムと残りのメンバー達が新しいバンドを結成することを発表した時に、OASISの解散が公式のものになった。そしてノエルは、スタジオに戻り、OASIS最後のアルバム「Time Flies...1994-2009」の製作に取り掛かる。

今回、各楽曲が彼にとってどのような意味をもつのかを話してくれた。

「Supersonic」が1stシングルですね。どういう経緯で作られたのか覚えています?

ノエル:どうしたかはよく覚えてないけど、スタジオで作ったわけじゃないんだ、どういうわけだか...誰かが「それで、俺達どうする?」と言って、また他の誰かが新曲でも書こうやと言ってきた。この100年で俺達全員で物事に取り組んだ唯一の時間だったね。それで俺がこの曲を書いた。なんだか意識の流れに任せて書いた感じだな。歌詞に全く意味は無いし。「エルザ」は本当にいるよ。エンジニアが飼っていた犬の名前さ。

「Shakermaker」を2ndシングルにしたのは間違いだったと言われていますが。

ノエル:どうしてこれが2ndになったのか俺にとっても謎なんだよ。アルバムの中には明らかにこれよりも良い曲がたくさんあるだろ。でも俺の記憶が正しければ、「Live Forever」は3rdシングルにする予定で、「Supersonic」と「Live Forever」の架け橋になるような曲を持ってこようと思ったんだ。それがどうして「Shakermaker」になったんだかはわからない。この曲を書いた時のことは一切覚えてないよ。全くね。12小節のブルースにくだらない歌詞を載せて歌ってる。レコード会社から来たアメリカ人が「She Clothed Me(彼女は俺に服を着せた)と歌ってるのか?」(本当の歌詞は、Shake Along With Me)なんて言ってきてさ。それでも歌詞を変えようとしなかったんだからすげえな!

「Live Forever」は今でもOASISの栄光の象徴となる楽曲ですね。

ノエル:俺達がただ者じゃないとみんなに確信させるような1曲だな。マンチェスターからやってきたただの不良集団じゃないんだってね。ギターソロを聴いた連中が俺のことをしこたま叩いたんだ、何ていうんだ....エリック・クラプトンっぽいとね。ひでえよな。よく聴いてみろよ!あんなのよりよっぽど良いだろ!

「Don't Look Back In Anger」のサリーとは、Stone Rosesの楽曲に登場するサリー・シナモンのことですか?

ノエル:2,3年前のイアン・ブラウンのギグでその質問をされたんだよ。隣に座ってきた女性が喋りかけてきてさ、で、俺は...ギグの邪魔をされたくなかったから「そう、サリー・シナモン」だって適当に答えたわけ。本当はそうでもないんだ。これを書いたのはパリかどっかだった。OASISにとって初めてのアリーナギグがシェフィールドであって、そのサウンドチェックの時にリアムが「サリーって誰だ?」と言い出した。俺は何のことだかわからなくて「さあな、お前何ほざいてんだ?」。そしたらリアムは「そう歌ってるだろ?『サリーは待っていた』って」「そうじゃねえよ、でもそっちの方がいいから、今からそれにしよう」ってな感じで出来た歌詞だから。でもこの曲と「Wonderwall」はセットみたいなもんだな。ファンにとってはかけがえのない曲さ。とてつもなくね。

「Wonderwall」は、OASIS史上最大のヒット曲ですね。

ノエル:作ってる時の仮題は「Wishing Stone」だったんだ。今考えるとナンセンスだろ。

「Lyla」(ライラ)という女性は、存在しないとのことですが。

ノエル:うーん、ヒロインについて曲を書くのはやめようと思ってた時期なんだよな、天使とかそういうことについてね。だから、ライラという女性はいない。でもたぶんモデルは俺の彼女かな。名前はサラ。だからそれを踏まえて聴くこともできるけど、曲の中に本当の名前は入れていない。サラが著作権を要求してきたら困るからさ。どうしてライラという名前を使ったのかな。知人に一人もいないのに。というよりこれまでライラという人間に会ったことがないぜ、おかしいよな。

サリー・シナモンのいとこだったり?

ノエル:そうかもしれないしそうじゃないかもしれないし....まあ、良い曲だろ。

「Stop Crying Your Heart Out」が、ワールドカップイングランド代表のために書かれた曲というのは本当?


ノエル:イングランドがブラジルに敗れて、デイヴィッド・シーマン、あのバカが号泣した映像が流れて、その時のエンドクレジットにこの曲が使われたんだ。まさにぴったりな選曲。これ以上のシチュエーションはないし、俺達も予想はしていなかった。そういうことだよ。感傷的な曲だけどね。こう言われたことがある。「レオナ・ルイスがカバーしましたよね?」「俺がどう思ってると思う?一言だけだ。一言でもないな、擬声音だ。「ガチャーン!(レジのキャッシャー音)」。儲けさせてくれてどうもありがとう。